燃料電池ワールド Vol.2109 (2016/05/16 09:13)

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□燃料電池ワールド Vol.2109
■2016年05月16日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

                    ◇http://pemdream.com

■世界のヘッドライン(04月04日)
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2016/04/04 水の分解を触媒するための新メカニズム〈PT〉

〔訳注〕デニス・パイステ(Denis Paiste)|マサチューセッツ工科大学材料加工センター(Materials Processing Center-MIT)発:テキサス州の州都オースティン(Austin)で、マサチューセッツ工科大学(MIT)、スコルコボ科学技術大学(Skoltec h Institute of Technology)、テキサス大学(University of Texas)の研究者たちは、オンラインの「ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)」に、酸素ガスの形成に関与するペロブスカイト型酸化物電極(perovskite-oxide electrodes)の結晶表面から酸素原子を結集すること(Mobilizing)は、水分解反応を早める鍵である、という新論文を発表した。この論文は、水分解を広く採用して水素燃料を製造することは、化石燃料などの従来のエネルギー源からクリーンで再生可能なエネルギー源に変更するために魅力的なものである、と述べている。研究では、ペロブスカイト(perovskites)として知られる地球に豊富な非貴金属酸化物触媒(non-precious metal oxide catalysts)を調べた。具体的には、コバルト(cobalt)と酸素(oxygen)、ランタン(lanthanum)とストロンチウム(strontium)の変化する割合を構成するペロブスカイト型酸化物電極を研究した。

2016/04/04 パワーセル・スウェーデン社、韓国のグローバル・プレーヤーからパワーセルS2燃料電池スタックの注文を受ける〈PT〉

〔訳注〕ヨーテボリ(Gothenburg、スウェーデン)発:北欧の大手燃料電池企業パワーセル・スウェーデン社(PowerCell Sweden AB)は、同社の第2世代の燃料電池スタック「パワーセルS2(PowerCell S2)」の試作品を受注した。顧客は、韓国市場で熱電併給の住宅用マイクロCHP(micro-CHP)の試作品を使う戦略的に重要なグローバルな企業である。

2016/04/04 H2ロジック社、新しい燃料電池自動車に毎年200Kの燃料を充分に供給するために世界最大の水素燃料供給ステーション用工場を開発〈PT〉

〔訳注〕水素燃料供給ステーションの大手メーカー、H2ロジック社(H2 Logic A/S)は、オスロ証券取引所(Oslo Stock Exchange)に上場しているNEL社(NEL ASA)と新しい大規模生産工場を開発するために、デンマークのヘルニング(Herning)に工場を取得する契約を結んだ。H2ロジック社は、2017年中に現在の施設から新工場の近くに移転する。工場が完全操業すると、燃料電池自動車200台分の燃料供給に充分な水素燃料供給ステーションの年間生産能力を持つ。

2016/04/04 エネルギー解決の設立者モーティマー・シュルツ、インスブルックからアムステルダムまでの彼の水素駆動車試験運転報告〈PT〉

〔訳注〕モーティマー・シュルツ(Mortimer Schulz)はヒュンダイ(Hyundai)の燃料電池車ツーソン ix35(Tucson ix35)を借りて、インスブルック(Innsbruck)からアムステルダム(Amsterdam)まで2日間で総距離1099キロを走行した。自分の動機は、ステーションの数は合計4つという道に沿った水素供給ステーションが限られた数しかない中で、どんなドライブができるか、ということだった。データの羅列が多く、以下略。

2016/04/02〜03 記事の配信はありません。

■2016年05月13〜15日のWEB LINK NEWS
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2016/05/13 石炭火力で発電効率50%に、実用化が目前の「石炭ガス化複合発電」(スマートジャパン)
燃料電池の技術はLNGと石炭で共通に

 燃料電池を組み合わせたIGFCの取り組みでは、大崎クールジェンプロジェクトの実証試験が最初の事例になる。それに先行してLNG火力では「ガスタービン燃料電池複合発電(GTFC:Gas Turbine Fuel Cell combined cycle)」の開発が進行中だ。このGTFCの技術を石炭火力のIGFCにも応用できる。

 GTFCは三菱日立パワーシステムズが中心になって開発に取り組んでいる。ガスタービンと蒸気タービンに加えて燃料電池で発電する3段階の構成だ。最初に天然ガスや石炭ガスから水素を取り出して燃料電池で発電する。その後に残ったガスで発電して、さらに廃熱を利用した蒸気でも発電できる仕組みになる。

 LNGを燃料に使うGTFCでは発電効率が63%まで向上する見込みだ。通常の「ガスタービン複合発電」と比べてCO2排出量が2割少なくなる。当面の目標は10万kW級のGTFCを実現するための要素技術を2019年度までに開発することである。実用化の時期は2025年度を想定している。大崎クールジェンのIGFCにも同じ要素技術を適用する。

 GTFCの実現に向けて、小型のマイクロガスタービンと燃料電池を組み合わせたシステムの実証試験が始まっている。都市ガスを燃料に使って、燃料電池で発電した後にガスタービンで発電する。GTFCの発電方式のうち最初の2段階を実装したシステムである。三菱日立パワーシステムズがトヨタ自動車と共同で開発した。

 燃料電池とマイクロガスタービンを合わせて250kWの電力を供給できる。現在は東京ガスと九州大学の2カ所で実証試験を続けながら性能評価を実施中だ。2017年度に商品化する予定で、さらに発電能力を引き上げた1300kW級のシステムを2018年度に商品化する計画も進んでいる。

 特にCO2排出量の多さが課題の石炭火力では、IGCCやIGFCを実現できると排出量を大幅に減らすことが可能だ。現在の石炭火力で主流の「Sub-C(亜臨界圧)」と呼ぶ発電方式と比較して、IGCCでは2割、IGFCでは3割以上もCO2排出量が少なくなる。

 IGFCのCO2排出量は現在のLNG火力と同等のレベルに下がる。加えて燃料費の削減効果も大きい。もともと石炭はLNGや石油と比べて輸入価格が格段に安い。CO2排出量を抑制できれば、今後も主力の電力源として重要な役割を担っていく。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160513-00000018-biz_it_sj-bus_all

2016/05/13 温暖化対策を閣議決定、長期目標へ技術革新明記(読売新聞)

 政府は13日、温室効果ガス排出を2030年度までに13年度比で26%削減し、50年までに80%削減する長期目標を掲げた地球温暖化対策計画を閣議決定した。

 長期目標を達成するため、車の燃費を向上させたり、電子機器の電力消費を抑えたりする革新技術の開発や普及を明記した。15日に開幕する先進7か国(G7)環境相会合で日本の取り組みとして示す。

 計画は、昨年12月に国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で採択されたパリ協定に基づき作られた。30年度までの削減目標を達成するため、全ての照明を発光ダイオード(LED)にしたり、エネルギー効率が高い家庭用燃料電池(エネファーム)を530万台導入したりして、家庭やオフィスで排出する二酸化炭素の約4割の削減を目指す。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160513-00050073-yom-soci

2016/05/13 ミラノ・デザインウィークで注目を集めたレクサスの展示(GQ JAPAN)

 2016年4月12日から17日にかけて開催された「ミラノ・デザインウィーク」は、家具の国際見本市として始まったミラノサローネが基盤。デザインやアートのインスタレーションまで含んでミラノ中に拡がる大きなイベントに成長している。いまは地区ごとに特徴を出すことにも力を入れている。「スパツィオ・レクサス-トルネリア」があるトルトーナ地区は大がかりな展示が多い。
「エリア3 次世代イノベーションとの出会い」は、2015年秋の東京モーターショーで注目された燃料電池で走る高級セダンコンセプト、レクサス・LF-FCをイメージしたもの。燃料電池で光るキネティックライトを組み込んだ円環や直線のオブジェが動く。同じスペースで徳吉シェフによる味覚体験も提供された。浮力と透明という2つのキーワードによる2品は、味わいは日本的でありながらコンセプチュアルな仕上がりだった。
──燃料電池のインスタレーションも同様でしょうか。

 ファルジン「燃料電池車の要素を分解してみました。電気、水、水素、それにクルマのフォルム。すべてをバラバラにして組み立て直したのがエリア3なのです。燃料電池は新しいテクノロジーですが、その新しさを目で見るのはむずかしいですね。そこで彫刻的な展示方法を採用したのです」
文:小川フミオ
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160513-00010001-gqjapan-bus_all

2016/05/13 <岩谷産業>水素事業に投資 年50億円前後(毎日新聞)

 岩谷産業は13日、2016年度から少なくとも3年間、水素事業に50億円前後ずつ投資すると明らかにした。燃料電池車に燃料の水素を供給する水素ステーションの整備や液化水素の製造設備の増強が柱となり、燃料電池車の普及を後押しする。大阪市内で記者会見した野村雅男社長は「水素事業は今後10年で急速に成長する。インフラ整備に先行投資する」と述べた。

 岩谷産業は既に東京、関西、名古屋、福岡の4大都市圏を中心に水素ステーションを計20カ所設置しており、今後は全国各地の地方都市にも設置を進める。設置数は未定だが、水素の補給拠点網を「点から線に」(広報部)広げる考えだ。また、山口県周南市にある液化水素の製造設備の能力を今後2年で40億円かけて倍増させる。堺市、千葉県市原市の製造設備と合わせた3カ所合計での能力は25%増える。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160513-00000076-mai-bus_all

2016/05/14 【インプレッション】ホンダ「クラリティ フューエル セル」 /(Impress Watch)

 世界初の量産型燃料電池車として、トヨタ自動車「ミライ」が発売されてから1年4カ月。率直なところ、「あれから結構待たされたナ……」とそんな思いを禁じ得ないタイミングで発売されたのが、本田技研工業の燃料電池車「クラリティ フューエル セル」だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160514-00000004-impress-ind
※長文の紹介記事、本文を。

2016/05/14 ハノーバーメッセでドイツが見せつけた「第4次産業革命」の勢い(ニュースイッチ)
<燃料電池も充実>

 技術動向も同様に興味深い示唆を与えてくれる。キーワードを二つ挙げるとすれば、燃料電池技術とドイツの産業政策「インダストリー4・0」であろう。燃料電池のブースは近年類を見ないほど充実していた。技術が成熟を迎え、普及期に入ったことを予感させた。過去に自動車技術の将来動向調査を手がけた身としては、パワートレイン系の技術としてこれまで遠い将来の技術と想定されたものがいよいよ身近に入ったと実感するほどの展示量と企業数があった。
三治信一朗(NTTデータ経営研究所)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160514-00010004-newswitch-ind

2016/05/14 「水素水ブーム」は楽して健康になりたいという需要?[茂木健一郎](メディアゴン)

 先日、ツイッターのトレンドに「水素水ブーム」というのがあったから、そのまとめを読んでみたら、おもしろかった。私はもちろん懐疑派である。

 あれは2、3年前からだろうか。周囲でも時々、「水素水というのがあってね」と目を輝かせて語る人を目撃するようになった。私は、話を聞いていて、「へえそうですか」と否定も肯定もせず、スルーしていた。

 繰り返し「健康商品ブーム」がおとずれるのは、人々の心の中にそのようなものを求める強い傾向があるからだろう。私は、そんなことより歩いたり走ったりすることをオススメするが、どうも、楽して健康になりたいという需要が世の中にはあるようだ。そんなの無理だと思う。

 以上は、あくまでの「個人の感想」です。もしよろしければご参考までに。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160514-00010001-mediagong-ent

2016/05/14 話題の「水素水」 かつてブームを巻き起こした「あの水」と同じだった…(産経新聞)

 現在の水素ブームは、平成19年に日本医科大の太田成男教授(細胞生物学)の研究チームが「水素ガスが有害な活性酸素を効率よく除去する」とする論文を「ネイチャー・メディシン」(電子版)に発表したことがきっかけとされる。

 こうした中、明治大情報コミュニケーション学部の石川幹人教授は、水素水(活性水素水、電解還元水)に一般に言われるような美容や健康への効果があるかを評定。「疑似科学である」と結論付け、運営するサイト「疑似科学とされるものの科学性評定サイト」に1月、公表した。疑似科学は「ニセ科学」とも呼ばれ、科学的表現で科学を装っているが、とても科学とは呼べないものを指す。

 『なぜ疑似科学が社会を動かすのか』(PHP新書)の著書もある石川教授は、「今話題の水素水の多くは、電解還元水のことで、かつてアルカリイオン水と呼ばれたもの」と指摘。水素水の評定をしたことについて、「キャッチーな『水素』という言葉をつけることで、売り上げを回復しようという意図が見えたから」と説明する。

 アルカリイオン水は、アルカリ性の電解水のこと。一般的な水は、水素と酸素からできており、それを電気分解すると、酸素を多く含んだ水「電解酸性水」は陽極側に、水素を多く含んだ水「電解水素水」は陰極側に生成される。この陰極側に生成された電解水素水は、以前は「アルカリイオン水」と呼ばれることが多かったが、今は「水素水」といわれているわけだ。

 つまり、中身は変わらないのに、一時期を経て、同じ「水」が名前を変えて売られ、あたかも新しい「水」として注目されているのが実情だ。

 国民生活センターは今年3月、水素水生成器による活性酸素の抑制機能は、必ずしも体内の活性酸素の量を減らすといった健康面への効果を示すものではないとして、消費者に対し「買う際は慎重に判断して」と注意を促した。同時に、「水道水に含まれる活性酸素の量を抑制する」とうたって水素水生成器を販売する2事業者に対して、水の活性酸素の量を抑制するとどんな効果があるのかを明確に記載するよう要望した。2事業者は同センターに対し、効果については明らかにせず、「法律遵守を徹底していきたい」と回答した。

 また消費者庁は同月、「がんに効く」などとうたって水素水を販売した事業者に対して、商品の効能に関する不実告知(実際は認められていないのに告知すること)などを理由に一部業務停止命令を出した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160514-00000526-san-life

■燃料電池関連イベント(初出後1週間を経過した情報はこちらに移動しました)
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☆燃料電池組立・発電体験コーナーを開催【再掲】

 高効率の発電装置である燃料電池は、マスコミ業界も取り上げる機会が日ごとに増しております。また、文科省の新学習指導要領(平成24年発行)には、理科の中で燃料電池に触れるように記されています。しかし、一般の方々には仕組みや発電の様子などはまだまだ身近なものとはなっておりません。

 この度、燃料電池開発情報センター(FCDIC) が主催し、東京都と新エネルギー・産業技術総合開発機構が後援する 【第23回 燃料電池シンポジウム】において、今回で5回目となる「燃料電池組立・発電体験コーナー」を開催いたします。

 また、ホンダのFCV<CLARITY FUEL CELL>も展示致しますので、合わせてご案内いたします。
◇日 時:5月26日(木)?27日(金) ※各回30分程度です
  26日(11:00? 13:35? 14:35?)
  27日(10:00? 11:00? 15:10?)
◇場 所:タワーホール船堀 1F  シンポジウム展示会場
(〒134-0091 東京都江戸川区船堀4 丁目1 番1 号)
◇参加費:無料(60名迄の先着予約制です) ※定員になり次第、締め切ります。
◇申込期限:5月24日 午前中まで
◇内 容:100%組立・分解可能な燃料電池組立キット(PEFC 40×18mm)を用いて、組立及び発電試験を体験して頂きます。

 説明は、燃料電池の開発や教育に携わって来た企業、大学等の現役またはOBの【FC懇談会のメンバー】が担当します。
◇特 典:コーナーを体験された方には、シンポジウムA会場で開催予定の、次の(1)か (2)の講演、何れかの聴講券を進呈します。 ※一般講演への参加は有料です。(1)特別講演 5月26日(木)
1、「水素社会の実現に向けた取組?ロードマップ改訂について?」 経済産業省燃料電池推進室
2、Hondaにおける燃料電池自動車開発と水素社会に向けて 本田技術研究所3、海外の研究開発政策と研究機関の動向(仮) 経済産業省産業技術環境局国際室(2)基調講演 5月27日(金)
1、水素キャリアと燃料電池及び触媒反応への展開 京都大学
◇問い合わせ・連絡先:燃料電池開発情報センター【燃料電池組立体験コーナー事務局】
 Tel:03-6206-0231 Fax:03-6206-0232
  e-mail: fccon-xp@fcdic.jp URL: http://www.fcdic.com/
◇主 催:一般社団法人 燃料電池開発情報センター(FCDIC)
◇共 催:FC懇談会

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