燃料電池ワールド Vol.2102 (2016/05/02 09:35)

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□燃料電池ワールド Vol.2102
■2016年05月02日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

                    ◇http://pemdream.com

■世界のヘッドライン(03月23、24日)
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2016/03/23 より高性能で安くなる燃料電池の未来〈PT〉

〔訳注〕最も初期の燃料電池は175年前にさかのぼるが、オンタリオ工科大学(Ontario Institute of Technology:UOIT)の博士課程ブラッド・イーストン(Brad Easton)らの研究者は、まだ、商業的に実現可能にする方法を模索している。新しい連邦政府の補助金は、イーストン博士の燃料電池研究のために発表された。自然科学とカナダの工学研究評議会(Natural Sciences and Engineering Research Council of Canada:NSERC)の新しい戦略パートナーシップ補助金(Strategic Partnership Grant from the Natural Sciences)をとおして、准教授(Associate Professor)は大学のSciencewill学部で燃料電池用セラミック炭素電極の水とイオン輸送を研究している。3年間で36万3350ドルの自然科学とカナダの工学研究評議会プロジェクトは、プロトン交換膜型燃料電池(PEMFC)技術の世界的リーダー、バラード・パワーシステムズ社(Ballard Power Systems Inc.)およびサイモン・フレーザー大学(Simon Fraser University:SFU)の研究者との産学支援の協同となっている。彼らは、スルホン化シリカ系セラミックス炭素電極(sulfonated silica-based ceramic carbon electrodes:SS-CCE)と呼ばれる新しい低コスト技術を研究している。

2016/03/23 TIG/mモダン・ストリート鉄道社、アルバ島に4台の無公害ハイブリッド電気燃料電池駆動の路面電車を配備〈PT〉

〔訳注〕カリブ海のベネズエラ沖に浮かぶ島でオランダ王国の構成国であるアルバ島(Aruba Island)のアルバ特別開発インフラ大臣(Minister of Special Development and Infrastructure of Aruba)オスリンBセビンガー(Oslin B. Sevinger)は、TIG/mモダン・ストリート鉄道社(TIG/m Modern Street Railways)が設計し、持ち込んだ4台の自走無公害路面電車(self-powered, pollution-free streetcar)を受け入れた。世界で最もグリーンな路面電車メーカーのアルバ島の艦隊は、首都の繁華街大通りと周りのクルーズ船の港から2012年12月以来人々を運搬している。国連のリオ+20会議(Rio+20 talks)でアルバ島は、内閣総理大臣マイク・エマン(Mike Eman)のリーダーシップのもとで、世界的なカーボン戦争ルーム社(Carbon War Room:CWR)と協同した。

2016/03/24 東芝、自律型水素エナジー供給システムを東日本旅客鉄道株式会社に供給〈PT〉

〔訳注〕東京(TOKYO)発:株式会社東芝(Toshiba Corporation)は本日、同社の自律的水素エナジー供給システム「H2One」を東日本旅客鉄道株式会社(East Japan Railway Company:JR East)から受注した、と発表した。システムは、川崎市(Kawasaki City)のJR南部線(JR Nambu Line)の武蔵溝ノ口駅(Musashi-Mizonokuchi Station)に設置し、2017年の前半に運転を開始する。

2016/03/24 ヒュンダイ ix35燃料電池車の数が英国で新記録に〈PT〉

〔訳注〕3月18日付け「アバディーンのイベントで水素技術の未来の青写真」(Vol.2098 
2016/04/25発行)の記事の再論。

2016/03/24 サンフランシスコ湾岸地域のキャピトル・ヒュンダイ社、ヒュンダイ・ツーソン燃料電池自動車ディーラーの成長で追加〈PT〉

〔訳注〕サンゼノ(SAN JOSE、カリフォルニア州)発:カリフォルニア州サンゼノ(San Jose)のキャピタル・ヒュンダイ社(Capitol Hyundai)は本日、ヒュンダイ(Hyundai)のゼロエミッション燃料電池水素電気自動車の5番目のディーラーとなった。同社は北カリフォルニア湾岸地域(Northern California's Bay Area region)で初のヒュンダイ・ツーソン燃料電池車のディーラーとなる。

■2016年04月28日〜05月01日のWEB LINK NEWS
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2016/04/28 東レ、三井物産など水素タンク新会社(SankeiBiz)

 東レは27日、三井物産、米タンクメーカーのヘキサゴンリンカーン(ネブラスカ州)と、燃料電池車向け水素タンクを製造・販売する新会社を設立する方向で検討に入ったと発表した。実現すれば、東レの炭素繊維を使ったタンクを2020年ごろから日本国内で製造・販売する。東レは炭素繊維の世界最大手で、幅広い種類のタンクを手がけるヘキサゴンリンカーンや、その親会社に約25%を出資する三井物産と組むことにより、世界に先駆けて燃料自動車の普及が進む日本国内での事業基盤をいち早く固める。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160427-00000017-fsi-bus_all

2016/04/28 【ホンダ クラリティ FC】積極的に電力を蓄える特性、“燃費”は ミライ 上回るか(レスポンス)

 ホンダが3月10日にリリースした燃料電池車『クラリティ フューエルセル(FC)』を1時間あまりという短い時間ながらテストドライブする機会があったのでリポートする。

 クラリティFCはトヨタの燃料電池車『MIRAI(ミライ)』と同様、燃料電池スタック1基と車載バッテリーから取り出す電力を混合してクルマを走らせる、燃料電池ハイブリッドカーだが、パワートレインのキャラクターを見ると、両者の間には結構な違いがある。ミライがFCスタック出力114kW(155ps)、電気モータ出力113kW(154ps)と発電側と消費側がほぼ拮抗しているのに対し、クラリティFCはFCスタック出力が103kW(140ps)にとどまるのに対し、電気モーター出力は130kW(177ps)もある。

 ホンダのエンジニアは「燃料電池が高い熱効率を発揮できる低・中負荷領域運転時に積極的にバッテリーに電力を蓄え、スロットル開度が大きくなったときに燃料電池のロードを抑える」と、制御に関するポリシーを説明する。バッテリーを積極利用すれば、燃料電池の高負荷運転時間を減らすことができる一方、充放電のロスが発生するというデメリットもある。トヨタのエンジニアは、燃料電池の応答性の高さを生かしてFCスタックの電力をなるべく直接利用すると語っていた。内燃機関のハイブリッドに例えると両者ともシリーズ・パラレルハイブリッドだが、ホンダがシリーズ寄り、トヨタがパラレル寄りというキャラクターだ。

 そのクラリティFCを実際にオンロードで走らせた際、燃費について観察してみた。試乗当日、起点となった埼玉・ホンダ和光ビル界隈の市街路は混雑気味。その状況下では、平均燃費計は水素1kgあたり100km前後で推移した。積極的に電力を車載電池に蓄えるというエンジニアの説明通り、信号停止時も発電で水素が消費され、平均燃費計の数値も下がっていく。信号が青になってクルマの走行距離が伸びると、その数値がすーっと伸びていくといったイメージだ。すいた道路であれば、燃費値はこれよりずっと良いものになりそうだった。

 外環道和光インターチェンジから高速に入り、首都高速さいたま新都心で折り返した。加速時はもちろん燃費が落ちるが、巡航状態になると瞬間燃費計の数値は一気に上昇し、フルスケールの160km/kgに張り付くくらいであった。首都高速戸田出口から一般道に流出した時点では、平均燃費計の数値は132km/kgに上昇していた。その後、国道298号線経由で10kmほど走行して起点に戻った時の平均燃費計の数値は124km/kgであった。

 同じ条件で走ったわけではないが、走行実感としてはミライに比べて実燃費は優越しているように感じられた。もっとも、航続距離と燃料搭載量から逆算したJC08モード燃費は両モデルとも約150km/kgと差はない。機会があれば、両モデルを同じコースで並走して比べてみたいと思った次第だった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160428-00000024-rps-ind

2016/04/28 1分でわかる!電気自動車(ZUU online)
■トヨタのミライなど燃料電池車(FCV)もEV

 すでに説明した通り、燃料電池車(FCV)もEVの1種だ。FCVは、水素と酸素の化学反応によって発電し、その電気エネルギーを使い、モーターを回して走る自動車だと言える。

 FCVの利点としては、有害な排出ガスがゼロまたは少ないこと、エネルギー効率が高いこと、化石燃料を使わなくて済ませられること、騒音が少ないこと、短時間の燃料充填が可能なことなどが挙げられる。

 FCVにも、実はいくつかの種類がある。一つ目が水素ステーションから直接水素を補給する「直接水素形」で、水素以外の燃料を補給して車載改質器で水素を製造する「車上改質形」が2つ目だ。が、一般的には「そういう種類があるんだな」と理解しておけば問題ないだろう。

 ちなみに、FCVの実現にあたって課題になるのが、水素の貯蔵方法だ。現在では、水素の貯蔵・車載方法としては、水素を高圧に圧縮して専用の高圧タンクに貯蔵・車載する「高圧水素タンク」、水素を特殊な合金に吸蔵して貯蔵・車載し、加温により水素を取り出す「水素吸蔵合金」、水素を極低温(-253℃)にして、専用の遮熱タンクに貯蔵・車載する「液体水素タンク」があり、最適な水素の管理方法を模索している。

 さらに、FCVでは、水素ステーションを利用する「直接水素形」が一般的だ。経済産業省は、2014年6月に「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を公表し、水素ステーションの設置・拡充に向けた取組を始めたところだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160428-00000017-zuuonline-bus_all

2016/04/28 近未来の勝ち組は、電気自動車か燃料電池車か(会社四季報オンライン)
■ 重要な米国カリフォルニア州の動向

 ZEV(排ガスゼロ車)市場を「電気自動車」対「燃料電池車」という構図で見た場合、テスラとトヨタのスタンスはあまりにも対照的だ。シリコンバレーの多くのIT企業は、たとえ赤字になろうとも一気に売り上げを拡大し、一刻も早く市場を押さえ、デファクトスタンダード(事実上の標準)を確立してしまおうとの行動様式を取ってきた。

 テスラがこうしたシリコンバレー的な発想でZEV(排ガスゼロ車)市場の覇者になろうとしているのに対して、トヨタは日本的なものづくりのスタンスでこれに対峙する。「一台一台丁寧に造り込みながら慎重に立ち上げていく」というのは、いかにもトヨタらしい良心的な対応で、安心感もある。しかし普及に時間がかかり過ぎるため、これから先、19年?20年の段階で、ZEV(排ガスゼロ車)市場の大勢が電気自動車で決着してしまうことが懸念される。

 4月22日現在、日経平均のPER(株価収益率)が16倍あるのに対し、トヨタのPERは8倍しかない。トヨタは燃料電池車だけでなくて、電気自動車においても、もっと本腰を入れて開発すべきだ ―― 株式市場はそう督促しているように思える。岩崎 日出俊
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160428-00115419-shikiho-biz

2016/04/29 【ホンダ クラリティ FC】ブルーエナジー製造の新型リチウムイオン電池が採用(レスポンス)

 GSユアサとホンダの合弁会社ブルーエナジーが製造・販売するリチウムイオン電池が、ホンダの新型燃料電池自動車(FCV)『クラリティ フューエル セル』に採用されたと発表した。

 クラリティに搭載されている新型リチウムイオン電池「EHW5」は、高出力化・小型軽量化に成功し、従来品より17%軽量化と7%小型化しながら、同等以上の容量・出力性能と耐久・安全性能を実現する。

 ブルーエナジーは、リチウムイオン電池を2011年から量産開始し、2015年度までに累計50万台以上の車両搭載、セル換算では2600万セル以上の実績がある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160429-00000006-rps-ind

■燃料電池関連イベント(初出後1週間を経過した情報はこちらに移動しました)
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☆燃料電池組立・発電体験コーナーを開催【再掲】

 高効率の発電装置である燃料電池は、マスコミ業界も取り上げる機会が日ごとに増しております。また、文科省の新学習指導要領(平成24年発行)には、理科の中で燃料電池に触れるように記されています。しかし、一般の方々には仕組みや発電の様子などはまだまだ身近なものとはなっておりません。

 この度、燃料電池開発情報センター(FCDIC) が主催し、東京都と新エネルギー・産業技術総合開発機構が後援する 【第23回 燃料電池シンポジウム】において、今回で5回目となる「燃料電池組立・発電体験コーナー」を開催いたします。

 また、ホンダのFCV<CLARITY FUEL CELL>も展示致しますので、合わせてご案内いたします。
◇日 時:5月26日(木)?27日(金) ※各回30分程度です
  26日(11:00? 13:35? 14:35?)
  27日(10:00? 11:00? 15:10?)
◇場 所:タワーホール船堀 1F  シンポジウム展示会場
(〒134-0091 東京都江戸川区船堀4 丁目1 番1 号)
◇参加費:無料(60名迄の先着予約制です) ※定員になり次第、締め切ります。
◇申込期限:5月24日 午前中まで
◇内 容:100%組立・分解可能な燃料電池組立キット(PEFC 40×18mm)を用いて、組立及び発電試験を体験して頂きます。

 説明は、燃料電池の開発や教育に携わって来た企業、大学等の現役またはOBの【FC懇談会のメンバー】が担当します。
◇特 典:コーナーを体験された方には、シンポジウムA会場で開催予定の、次の(1)か (2)の講演、何れかの聴講券を進呈します。 ※一般講演への参加は有料です。(1)特別講演 5月26日(木)
1、「水素社会の実現に向けた取組?ロードマップ改訂について?」 経済産業省燃料電池推進室
2、Hondaにおける燃料電池自動車開発と水素社会に向けて 本田技術研究所3、海外の研究開発政策と研究機関の動向(仮) 経済産業省産業技術環境局国際室(2)基調講演 5月27日(金)
1、水素キャリアと燃料電池及び触媒反応への展開 京都大学
◇問い合わせ・連絡先:燃料電池開発情報センター【燃料電池組立体験コーナー事務局】
 Tel:03-6206-0231 Fax:03-6206-0232
e-mail: fccon-xp@fcdic.jp URL: http://www.fcdic.com/
◇主 催:一般社団法人 燃料電池開発情報センター(FCDIC)
◇共 催:FC懇談会

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