燃料電池ワールド Vol.2074 (2016/03/22 09:06)

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□燃料電池ワールド Vol.2074
■2016年03月22日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

                    ◇http://pemdream.com

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■世界のヘッドライン(02月12日)
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2016/02/12 ティーエムフォー社(TM4)、バラード・パワーシステムズ社の新世代のエフシーベロシティ-HD7に電気モーターとインバーターを提供〈PT〉

〔訳注〕ブーシャーヴィル(BOUCHERVILLE、ケベック州)発:バラード・パワーシステムズ社(Ballard Power Systems)は、新しい圧縮機ユニット(compressor units)に電気モーターとインバーターをつなぐためにティーエムフォー社(TM4 Inc.)を選んだ。この声明は、イタリア、ミラノ(Milan)で開催された2015国際公共輸送連合(UITP:Union internationale des transports publics) 世界大会(World Congress and Exhibition)で、バラード社の第7世代発電モジュール「エフシーベロシティ(FCvelocity)-HD7」の立ち上げに際して発表された。

2016/02/12 南アフリカ:燃料電池ユニットに製造できる部品開発の実現可能性調査を始める〈PT〉

〔訳注〕南アフリカ共和国(South Africa)の通商産業大臣(Minister of Trade and Industry)ロブ・デービス(Rob Davies)博士は本日、ケープタウン(Cape Town)でIsondoプレシャス・ミネラルズ社(Isondo Precious Minerals:IPM)の実現可能性調査(feasibility study)プロジェクトを開始した。プロジェクトは、燃料電池ユニットの部分的に製造され、組み立てられる特定部品を確認する。この実現可能性調査は、南アフリカの鉱物選鉱(mineral beneficiation)と燃料電池製造の現地化を加速することを意図する。

2016/02/12 2年目の舛添東京都知事、水素社会の実現を加速

〔訳注〕読売新聞(Yomiuri Shimbun)発:東京都の舛添要一知事(Tokyo Gov. Yoichi Masuzoe)は、就任後2年目の読売新聞とのインタビューで、排気ガスのない燃料電池自動車や水素燃料補給ステーションの数を増やす意向を明らかにした。

2016/02/12 トヨタ、自動車だけでなく工場でも水素を使用〈PT〉

〔訳注〕名古屋(NAGOYA)発:トヨタ自動車(Toyota Motor)は、燃料電池自動車市場の初めての開発者としての経験を広げ、二酸化炭素排出量を抑えるために早ければ今年早々から生産設備の電力源として水素の試験を始める。日経(Nikkei)

2016/02/12 ボーイング社、米海軍に可逆性燃料電池を基礎にした電力貯蔵システムを発表〈PT〉

〔訳注〕2月9日付け(Vol.2071 2016/03/16発行)の「海軍施設エンジニアリングや遠征戦センター(NAVFAC EXWC)で可逆性固体酸化物型燃料電池を実演」の記事の再論。

■2016年03月18〜21日のWEB LINK NEWS
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2016/03/18 日鉄住金P&E、水素ステーション納入 新日鉄住金のHRX19採用 シナジー発揮(日刊産業新聞)

 日鉄住金パイプライン&エンジニアリング(日鉄住金P&E、本社=東京都品川区、浅井武社長)は17日、JXエネルギーに商用水素ステーションを納入したと発表した。新日鉄住金グループとしては初の水素ステーション建設案件となる。配管の高圧部分には新日鉄住金の高圧水素用ステンレス鋼HRX19を採用するなど、グループ間でのシナジーを発揮している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160318-00010004-sangyo-bus_all

2016/03/18 原油100億リットル分の省エネを可能に、NEDOが描く技術ロードマップ(スマートジャパン)

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2016年3月17日、東京都内で会見を開き、NEDOの理事長を務める古川一夫氏が省エネルギー技術分野における今後の展開について説明した。

 CO2を2013年比率で26%削減するというのは、具体的にどういうことか。古川氏は「2030年に2013年時点と比較して原油換算で5030(kl)キロリットルに相当する省エネをあらゆる産業部門で実現しなくてはいけないということ」と述べ、「こうした背景を受けて、NEDOの今後の技術開発ロードマップの中でも、省エネ分野は非常に重要な注力領域として捉えている」と語った。
●技術で1000万klの省エネを実現

 1980年に設立されたNEDOだが、現在進めている省エネルギー技術開発計画は第3期に相当するものだ。これは2012年に発表した「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」で、2012〜2021年度までの10カ年計画として進められている。

 古川市はこの第3期計画について、「2030年の削減目標を達成するために、政府では省エネ改修費やエコカー導入促進に向けた補助金施策といった『支援』、そしてベンチマーク制度や省エネ基準への適合義務化といった『規制』を進めていく。しかしNEDOとしては、新しい技術開発という側面から省エネ目標の達成に貢献していく。第3期計画の中で進める技術開発成果によって、2030年に1000万kl相当のエネルギー削減を実現したい」と述べる。

 その具体的な注力領域としては、2011年に策定された「省エネルギー技術戦略」における14の重要技術がベースとなる(図2)。

 さらにより具体的な注力領域として古川氏は、創エネ分野ではペロブスカイト太陽電池などの「次世代太陽光発電分野」や、今後さらなる利用が期待されれる「地熱発電分野」を挙げた。蓄エネ分野では高効率な蓄電池や水素の貯蔵や輸送に関する分野を、省エネルギー分野では超電導技術や省エネな次世代製造プロセスの開発、さらにCO2を再利用する人工光合成などの技術開発も引き続き推進する。これらは政府が策定を進めている「ネルギー・環境イノベーション戦略」においても重要技術として挙げられている分野だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160318-00000015-biz_it_sj-bus_all

2016/03/19 JXエネルギー、水素製造出荷センターが完成…首都圏ステーションに供給(レスポンス)

 JXエネルギーは3月18日、同社の首都圏水素ステーションに水素を供給する「水素製造出荷センター」を本牧事業所に開所した。

 水素製造出荷センターは、LPGを原料に水素を製造。水素は圧縮機で昇圧され、蓄圧器で蓄え、水素トレーラーや移動式ステーションに充填する。水素トレーラーは水素ステーションへ水素を供給、また移動式ステーションは運用場所へ向かい、FCVへの水素の充填を行う。

 今回の水素製造出荷センター開所により、首都圏における「製造」「輸送」「販売」の効率的かつ安定的な水素供給サプライチェーンが構築される。

 同社は、次世代自動車振興センター「燃料電池自動車用水素供給設備設置補助事業」の採択を受けて、四大都市圏に約40か所の商用水素ステーションの開所に向けた準備を進めている。 これまでに東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、京都、大阪、福岡に29か所の水素ステーションを順次開所し、水素販売を開始している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160319-00000007-rps-bus_all

2016/03/19 燃料電池車の普及後押し。鉄鋼各社、水素インフラ開発最前線(ニュースイッチ)
低コスト化や新しい製品化の動き広がる

 鉄鋼大手が水素ステーションの低コスト化へ素材・機器の開発を着々と進めている。例えば、新日鉄住金は水素配管用に開発した鋼材を計器やバルブなどの素材にまで広げ、配管システム全体を小型化する提案を始めた。16日には経済産業省が水素・燃料電池戦略ロードマップを改訂し、2020年代後半に水素ステーション整備・運営を自立化させる目標を掲げた。鉄鋼大手も鋼材や主要機器の改良、機能向上などでその一端を担う構えだ。
<鋼材30%削減>

 新日鉄住金は既存のステンレスの約2倍の強度を持ち、水素脆化にも強いステンレス鋼「HRX19」の適用範囲を拡大中。フジキン(大阪市北区)や長野計器、ユタカ(東京都大田区)と共同で減圧弁や圧力センサーなどと一体化した配管システムを構築した。同時に、溶接しやすい特性も生かし、継ぎ手をネジ式から溶接に変更した。

 その結果、同じ機能の配管システムと比べ、長さを約20%、高さを約45%、鋼材量では約30%削減することに成功した。強度が高い分、配管だけでなく関連機器も小型化できることが明らかに。逆止弁は内容積を3分の1まで削減した。また、溶接の活用でネジ式の継ぎ手も7カ所から3カ所に減らした。これにより、メンテナンス作業が大幅に楽になるとアピールする。
<難点は配管の仕様が多岐にわたること>

 ただ、課題は配管の仕様が多岐にわたるため、「一品一様になり、コストがどうしても高くなってしまう」こと。同じ外径の配管でも水素の圧力や流量の微妙な違いによって、肉厚の要求がすべて異なるという。

 政府のロードマップ目標実現へ、新日鉄住金も関連機器メーカーと省サイズ化で貢献しようとしているが、当然限界はある。「早く配管のレギュレーションを統一してほしい」と行政などに強く訴えている。
模擬水素ステーションで開発スピード上げる

 「ユーザーの水素ステーションを観察していては開発が間に合わない。加速試験を行えるのも大きい」。神戸製鋼所営業企画部水素・燃料電池推進プロジェクトの三浦真一主任部員は、社内に新設する「水素ステーション総合テストセンター」の意義を力説する。

 水素圧縮機など主要機器ユニットを製造する同社は、高砂製作所(兵庫県高砂市)内に模擬の水素ステーションを置き、主に「実環境の中で負荷試験を行い、圧縮機の中心部品などの耐久性を調べる」(三浦主任部員)予定だ。
<鋼製ライナーと炭素繊維の複合蓄圧容器を試作>

 一方、JFEスチールは鋼製ライナー(容器の内側部)と炭素繊維の複合蓄圧容器の試作品を、第1弾の容量3リットルから一気に40リットルに引き上げた。2018年の市場投入に向け、さらに一歩踏み出した格好だ。

 「(すでに実用化されている)アルミニウム合金ライナーに比べると、5分の1くらいで済む」(スチール研究所の長尾彰英主任研究員)ため、高価な炭素繊維の使用量を減らせ、コストを大幅に削減できる。「次のターゲットは容量100―200リットル」(同)と、2年後の実用化を見据える。
<日本仕様の技術を磨く>

 また、新日鉄住金エンジニアリングの100%子会社、日鉄住金パイプライン&エンジニアリング(東京都品川区)は東京・潮見に初の商用ステーションを建設した。2年前に提携した米エアープロダクツの技術を導入しており、将来の規制緩和を見据え、米国で実用化されているセルフ式ディスペンサーの国産化も検討している。

 政府の水素・燃料電池戦略ロードマップでは、25年ごろまでにステーションの整備・運用費を欧米並みまで下げることが掲げられた。「規制の違いで米国からそのまま持ってこられない」(岡本隆志水素ステーション推進室長)こともあり、日本仕様に合わせる技術を磨いていく。
日刊工業新聞・第ニ産業部・大橋修
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160319-00010005-newswitch-ind

2016/03/19 クリーンコール技術で日本は世界に貢献を!?環境対応型石炭エネルギーが地球を救う(児玉克哉)

 また石炭から水素を作る試みもあります。水素は環境エネルギーの切り札的な存在。トヨタも水素社会の実現を目標にしています。課題はいかに安く、大量に水素を作るか。川崎重工はオーストラリアで産出される褐炭から水素を生産し、世界初の液化水素輸送船を建造する計画を実施中です。自動車などの燃料電池の普及による水素市場の拡大を見込んでいます。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kodamakatsuya/20160319-00055626/

2016/03/20 【ホンダ クラリティ フューエルセル】宙に浮いたハイデッキコンソールで使い勝手向上(レスポンス)

 ホンダ『クラリティ フューエルセル』のインパネは、水平基調にすることによって左右方向の幅を感じさせ、広々とした印象を与える構成になっている。

 そう話すのは、本田技術研究所四輪R&Dセンターデザイン室1スタジオ矢口史浩さんだ。また、「クルマに乗った時に、手に触れる部分や、目の前に見える部分に木目や柔らかい素材を使うことで、包み込まれるような空間構成になり、よりくつろげるようなインテリアデザインを狙った」と述べる。

 センターコンソール周りは大幅に変更された。先代の『FCXクラリティ』はここにFCスタック(燃料電池)があったため、使い勝手に制約があった。しかし新型ではボンネット内に収まったため、センター部分に物入れを設置し、使い勝手が向上した。またスイッチ式シフト・バイ・ワイヤが小型化されたので、「これを宙に浮かせハイデッキ化することで、その下側にタブレットやスマホなどをおけるような構成にした。浮かせるというアイディアは、デザインをしているところから発想しながら出てきたものだ」と矢口さん。

 またこの形状も特徴的だ。「シートに座った時に物入れに手が届きやすくするために横の部分を削りながらも、下に入っているものが目に見えないようにした。このように特徴が機能として表れているところも見てほしい」と語った。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160320-00000010-rps-ind

2016/03/21 横浜で水素社会の幕開け。トヨタなどが「作って、運んだ、使う」実証(ニュースイッチ)
《【検証】水素の貯蔵は充電と比べどれだけ効率的か》

 水素を運ぶトラックは、水素を一度に270ノルマル立法メートル運べるという。燃料電池フォークリフトは1回で13・4ノルマル立法メートルの水素を充填する(3分で充填、8時間稼働)。なのでトラックにはフォークリフト20台の水素を運べる計算。 実証で使う12台分のフォークリフトは余裕で賄える。

 仮に風力が発電した電力を水素にせず、蓄電池にして運ぶ場合を考えてみた。まず、電動フォークリフトの充電量がわからないのでHPを検索してみると、18キロワット時という数値があった(ちなみに日産リーフが24キロワット時)。
<18キロワット時×20台=360キロワット時>

 これはリーフの蓄電池15台分。家庭用蓄電池(12キロワット時)だと30台分。12キロワット時の蓄電池1台の重さを200キログラムとすると、30台分だと6000キログラム。つまり6トン。トヨタなどの実証では4トン車でフォークリフト20台分の水素を運べる。水素はエネルギーを少ない体積につめこめることが分かる。

 また実証で使う既設の風力発電設備は年220万キロワット時で発電する。単純に計算する(220万÷18キロワット時)と12万2222。

 発電した電力をそのまま電動フォークに使うと年12万2222回の充電ができる。ただし、発電した時と充電したい時がいつも一致しないので、実際には風力発電から蓄電池に一度、充電してから電動フォークに給電しないといけない。蓄電池は大きなものになるだろう。

 その点、水素は蓄電池よりも少ない体積にたくさんのエネルギーを貯蔵できる。場所もとらず、運びやすい。また燃料電池は発電効率が良いので、ロスも少ない。

 風力が発電した電力1キロワット時で、どれだけの水素が製造できるのかがわからないが、「貯めたり・運んだり」するのは蓄電池よりも効率が良いはず。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160321-00010002-newswitch-bus_all

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