燃料電池ワールド Vol.2069 (2016/03/14 09:09)

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□燃料電池ワールド Vol.2069
■2016年03月14日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

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■世界のヘッドライン(02月05日)
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2016/02/05 エックスフュエルズ社、燃料電池技術の開発を始める

〔訳注〕エックスフュエルズ社(XFuels Inc.)は8月をメドに、同社の水素回収技術と、同社の親会社コンバーデ社(Converde Inc.)の非熱プラズマ改質技術の両方を組み合わせた複合炭素・水素燃料電池(combined Carbon/Hydrogen fuel cell)の開発を始める。

2016/02/05 2016年度中小企業革新研究/中小企業技術移転プログラム第1段階第1回の受賞者、燃料電池膜開発の4社を発表

〔訳注〕エネルギー省(Energy Department)は、2016年度中小企業革新研究/中小企業技術移転プログラム(2016 Small Business Innovation Research and Small Business Technology Transfer:SBIR/STTR)第1段階第1回の受賞者に、輸送分野と定置用分野の燃料電池に長持ちして安い高分子電解質膜(polymer electrolyte membranes:PEM)に焦点を充てた4つのプロジェクトを発表した。これらのプロジェクトには基礎エネルギー科学局(Office of Basic Energy Sciences)をとおして授与される。受賞者は以下の通り。高温の炭化水素系膜を開発するバージニア州のナノソニック社(NanoSonic Inc.)、有機マトリックスにプロトン伝導性ヘテロポリ酸を使う新たな高分子電解質膜を開発するニュージャージー州のエヌイーアイ社(NEI Corporation)、中低温燃料電池用の低コストなプロトン電動膜を開発するアリゾナ州のアムセン・テクノロジーズ社(Amsen Technologies LLC)、新しい炭化水素系イオノーマ膜を開発するマサチューセッツ州のギナー社(Giner Inc.)。

2016/02/05 エッセンシャル・エナジー社、インドの通信塔に供給される燃料電池発電で10MWhを達成〈PT〉

〔訳注〕2月1日付け(Vol.2064 2016/03/07発行)でインテリジェント・エナジー社(Intelligent Energy)が発表したことを、インテリジェント・エナジー社が全額出資のインド子会社エッセンシャル・エナジー社(Essential Energy)が発表主体となって再論している。

2016/02/05 プラグ・パワー社の水素と燃料電池製品には歴史的な吹雪も競争相手になれない〈PT〉

〔訳注〕破壊的な冬の嵐「ジョナス(Jonas)」が東海岸(East Coast.)を襲い、12州にわたる企業や公共輸送機関、学校を休業に追い込んだが、プラグ・パワー社(Plug Power)の「ゲンフュエル(GenFuel)」水素インフラと「ゲンドライブ(GenDrive)」燃料電池は、通常の性能を維持し続けた。是非覚えておいて欲しいのは、ゲンフュエルの水素約90%が外にあって、ゲンドライブは燃料なしでは動作しないということである。しかし、当社の頑丈なシステムは完全に作動した。当社の製品を監視している「ゲンケア(GenCare)」の技術者は、顧客サイトが停電する前に代替水素供給を行い、屋外システムを凍結ゼロ以下の温度でシャットダウンした。

■2016年03月11〜13日のWEB LINK NEWS
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2016/03/11 トヨタから1年遅れ、それでもホンダは燃料電池車を普通のセダンにしたかった(MONOist)

 セダンとして居住空間と荷室を犠牲にしないため、ボンネットに収まるサイズに燃料電池パワートレインを小型化した。V型6気筒エンジンと同等となる前後/左右/高さのスペースに、燃料電池スタックと昇圧コンバータ、モーター駆動ユニット、コンプレッサー、水素と空気の供給システムを搭載している。

 パワートレインの小型化に大幅に貢献したのは、燃料電池スタックと昇圧コンバータだ。燃料電池スタックはFCXクラリティ比で33%、昇圧コンバータは同40%の小型化を実現した。
●燃料電池スタックを置く向きを変えるには?

 FCXクラリティの燃料電池スタックは運転席と助手席の間に置いていた。高さもあり、そのままボンネットに置くことは難しかった。クラリティ フューエルセルは、燃料電池スタック自体を小さくし、置く向きを変えることで駆動用モーターの上部に燃料電池スタックを配置できるようにした。

 FCXクラリティの縦置きの燃料電池スタックは、上から下に向かって空気と水素を流す並行流だった。発電時に発生した水が発電部表面にとどまると空気や水素が流れにくくなるため、縦置きとすることで水を排出しやすくしていた。しかし、セル内の水のせいで発電した電圧の振れ幅が大きいのが課題だった。

 クラリティ フューエルセルは燃料電池スタックの左上から右下に水素を、右上から左下に向かって空気を流す対向流とした。これにより、湿度がセル内に行きわたりやすくなり、発電時に発生する水の量も減少。電圧も安定した。水の排出が解決したため、空気や水の流路を縮小することが可能になり、セルの厚さを従来比20%低減することができた。水の排出を考慮しないため、燃料電池スタックを横置きすることも可能になった。
●燃料電池セルの膜電極接合体の生産性が10倍に

 燃料電池車の中で、生産に最も時間を要する部品の1つが燃料電池スタックだ。クラリティ フューエルセルは、生産性の向上も重視して開発された。

 核となるのが膜電極接合体(MEA)だ。電解質膜に水素極と空気極、拡散層を重ねた部品だ。膜電極接合体は、セル内の流路に空気や水素を効率よく引き込むため、発電部の外周が特殊な形状となっている。FCXクラリティで使用した膜電極接合体は、発電部と同じ素材で外周の特殊な形状を加工していたため、電極層の印刷や、電解質膜と拡散層の裁断で生産性が低いのが課題だった。

 クラリティ フューエルセルの膜電極接合体は、発電部のみを長方形で切り出し、外周の枠を樹脂化した。これにより電極の塗工が容易になり生産性が向上した。「生産スピードとしては従来の10倍は速くなった」(ホンダの説明員)。さらに、材料の使用量が削減でき、高コストな素材の使用量を40%低減した。

 また、セルに空気と水素を引き込む流路の構造を見直したことで拡散性が高まり、1セル当たりの発電性能が従来比1.5倍に向上、容積当たりの出力密度は60%改善した。これにより、セル数自体も30%減少することができた。
●「絶対にSiCパワーデバイスが必要だった」

 クラリティ フューエルセルは最大500Vまで昇圧する新開発のFC昇圧コンバータ(FCVCU)を搭載している。FCXクラリティと比べて燃料電池スタックのセル数を削減=燃料電池スタックの出力電圧が低下しているにもかかわらず、モーター出力をFCXクラリティの100kWから130kWに向上できているのはこのためだ。

 FCXクラリティはFC昇圧コンバータを持っておらず、モーター駆動に利用できる最大電圧は燃料電池スタックとリチウムイオン電池による330Vまでだった。しかし、クラリティ フューエルセルでは、駆動用モーター、パワーコントロールユニット、燃料電池スタックだけでなく新たにFC昇圧コンバータまでを含めた燃料電池パワートレインをボンネットに収めることが目標になっていた。

 そのためにも「クラリティ フューエルセルのFC昇圧コンバータには、絶対にSiC(シリコンカーバイド)デバイスが必要だった」とパワートレインの開発担当者は説明する。FC昇圧コンバータでは、電力変換のためのIPM(インテリジェントパワーモジュール)に一般的に用いられているシリコンデバイスと置き換える形でSiCデバイスを採用した。「パワーモジュール素子の全てにSiCを適用したフルSiC」(ホンダ)としており、量産販売する自動車としてフルSiCの電力変換回路を搭載する事例は「世界初」(同社)になる。

 FC昇圧コンバータの電力変換制御には4相インターリーブ制御を採用した。4つあるフルSiCのIPMの制御位相を90度ずらした4相化駆動により、スイッチング時の変動であるリップル電流を互いに打ち消して最小化する。一般的な電力変換回路では、リップル電流の平滑化のために比較的大容量のコンデンサを搭載しているが、これを4相インターリーブ制御でこれを小容量のものに置き換えた。

 また、リアクトルは磁気結合型を採用し、2つのリアクトルのコイルの巻き方向がそれぞれ逆向きになるように一体化した。直流磁束の相殺でリップル電流を低減できるので、リアクトルそのものを小型化できた。

 フルSiCのIPM、4相インターリーブ制御、磁気結合型リアクトルなどの工夫によって、FC昇圧コンバータのサイズは、Si(シリコン)のIPMを使用した場合と比べて40%小型化することができた。これにより燃料電池スタックの上に、従来比で100mm薄くなったFC昇圧コンバータを配置することで、ボンネット内に燃料電池パワートレインを全て収めることに成功した。

 ホンダは今後、クラリティ フューエルセル以外でもSiCデバイスを積極的に採用していく方針だ。搭載モデルを拡大して生産量を増やすことで高価なSiCデバイスのコストを引き下げる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160311-00000018-it_monoist-ind

2016/03/11 走り出すホンダの燃料電池車、その未来を左右するGMとの提携戦略(スマートジャパン)

 クラリティのFCスタックを33%小型化できた主な理由は2つある。1セル当たりの発電性能を従来比で1.5倍に向上できたため、積層するセル数を30%削減できたという点だ。もう1つはFCセルの小型化で、従来比で厚さを20%削減している。セル数が減った分の電圧は、昇圧コンバータの採用でカバーする仕組みだ。

 八郷氏はこうして改良を重ねてきたFCVのシステムについて「ホンダはFCV開発のリーディングカンパニーであるという自負がある。クラリティ以外にもさまざまな車種展開を考えていきたい」と語る。現時点で具体的な計画を公表しているわけではないが、ホンダは2030年をめどに商品ラインアップにおける販売数の3分の2を、FCV、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)などの電動車に置き換える方針だ。その際の販売台数のうちFCVとEVが15%程度を占めると見込んでいる。

 将来の他車種への展開やFCVの促進において必須になるのが、量産化に向けた課題のクリアだ。ホンダは初年度200台のリース販売を目指すクラリティの生産を栃木県高根沢町の拠点で行う計画だが「品質問題にも徹底的に配慮していることもあり、他のガソリンエンジン車のような速度で生産するには程遠い」(ホンダ)という。現在、トヨタのミライも生産能力は1日あたり2?3台程度と少なく、FCVの量産は共有課題だ。

 量産速度を向上する大きな鍵となるのはFCスタックの部分だという。「多くのセルを積層して生産するFCスタックの生産性はまだまだ低い」(ホンダ)。そして将来的にFCVの多モデル展開を考えた場合「クラリティのFCスタックはホンダのV型6気筒エンジンと同等のサイズ。将来、一般的な車両にも展開していくと考えた場合、さらなる小型化は必須」(同社)となる。

 こうした課題のクリアに向けてホンダが重要視しているのが、2013年に発表したGeneral Motors(GM)との燃料電池車開発における提携だ。水素タンクの他、特にFCスタック部分のさらなる改良や低コスト化にも注力していくという。

 会見に登壇したホンダの執行役員を務める三部敏宏氏は「GMとの共同開発は燃料電池システム以外の領域についても議論を進めている。ホンダだけではコストが下げられないという認識で、GMとの共同開発の中で価格低減や量産化に向けた取り組みを進めていきたい」と述べている。両社では2020年をめどに共同開発製品の実用化を目指しているが、この成果がホンダの次のFCVの大きな鍵となりそうだ。

 経済産業省が発表したFCV普及ロードマップでは2025年あたりに、FCVの車両価格をハイブリッド車と同等程度にまで低減する方針が掲げられている。ホンダとしてもFCVの本格的な普及の目安として2025年を念頭に置いているようだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160311-00000017-biz_it_sj-bus_all

2016/03/11 飯能市、太陽光発電の「自産自消」へ全量自家消費で補助拡大(産経新聞)

 このほか、家庭用燃料電池コージェネレーションシステム(エネファーム)、太陽熱利用システムの導入も新たに補助対象とした。開会中の3月議会に関連予算約1300万円を含む28年度一般会計予算案を提出した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160311-00000016-san-l11

2016/03/11 【ホンダ クラリティ フューエル セル】三部執行役員「FCVの特許はオープンにしていく」(レスポンス)

 普及に向けては企業間の「競争と協調」も不可欠で、トヨタは2015年1月に5680件のFCV関係特許(水素ステーション含む)の無償提供を発表した。ホンダのFCV開発担当役員である三部敏宏執行役員は「今回の『クラリティ フューエル セル』にはトヨタさんの特許は使っていない」としたうで、トヨタの方針は「FCVの普及に向けた素晴らしい判断」と讃えた。

 ホンダによると同社のFCV関連特許は4000件程度にのぼるという。三部執行役員は「FCVの特許関係は、すべての自動車メーカーとの間でオープンに進めたい」とし、双方が特許を供与し合うクロスライセンスなども含め、「公開」を前提とする方針を示した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160311-00000006-rps-ind

2016/03/11 【ホンダ クラリティ フューエル セル】航続距離750km、当初目標から50kmも伸長(レスポンス)

 ホンダが3月10日から自治体や企業向けにリース販売を始めた新型燃料電池車(FCV)『クラリティ フューエル セル』は1充填あたり航続距離750kmを実現している。だが開発責任者を務める本田技術研究所の清水潔氏は「もともとの目標は700km以上だった」と明かす。

 そこで「最初の目標は700kmを超えるところにおいていた」ものの、「走行エネルギーを極力下げていき、転がり抵抗の低いタイヤを使うなど様々なことに取り組んできた結果、想定以上に走行エネルギーを下げることが可能になり、航続距離のターゲットを超えて達成できた」というわけだ。

 また「基本的なボディ形状による空力性能の良さに加え、タイヤやホイールハウスから発生する空気の乱れを抑えるエアカーテン、タイヤカバーを装備している。空気の流れを徹底的に考え、デザインと空力性能を高次元で両立させている」ことも寄与している。

 なかでも「リアのエアカーテン用のエアダクトを4ドアセダンのリアドアに設置することは世界で初めてになる」という。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160311-00000017-rps-ind

2016/03/11 ホンダ“FCVの父”が初代「クラリティ」発売前に語った思い(ニュースイッチ)
「10年以内に1000万円にすれば十分売れる」
 《本田技術研究所・藤本幸人氏》

 福井(威夫社長)さんをはじめ幹部はみんなクルマに乗ることが大好き。クラリティは乗ってこそ面白い。福井さんが『10年以内に1000万円にすれば十分売れる』って、会うたびに言うから、いつのまにか目標になっちゃった(笑)。

 コスト? 燃料電池システムがこれだけ小さくなったから相当下がってますよ。使用金属も減っている。もちろん代替触媒探しもしているけれど、レアメタル(希少金属)の方がリサイクルしやすい。今リースしているFCVの貴金属はほぼ100%回収している。

 今後の技術やコストの最大の課題は、やはり燃料電池スタック。実験車なら十分作れるが、量販車になるとセルの歩留まりが悪くコストが上がる。水素タンクも課題の一つ。もし軽自動車をFCVにするならタンクを小さくしないといけない。今、水素注入圧力は350気圧だが、700気圧にしても貯蔵量は1・5倍にもならない。

 それでもクラリティのエネルギー回生効率は約6割。加速分の6割が次のエネルギーに使えるのはすごい。バッテリーは補助電源として加・減速に使って、短時間に多くの電気をためる出力型にした。エネルギー型の電池は詰め込み過ぎると自己破壊し、モバイル製品の不具合みたいになる。

 無公害車の本命はFCV。今のガソリンエンジンをすべて置き換えることが目標で、電気自動車はまだコミューターに限られるし、燃焼で8割の水素を捨ててしまう水素自動車もどうか…。
(2007年12月12日日刊工業新聞に掲載 ※内容、肩書きは当時のもの)ホンダの燃料電池車は“未来“に追いつけるか

 トヨタ自動車のFCV「ミライ」より1年4カ月遅い発売。八郷隆弘社長は「これからはどうやって作るかに注力する」と話す。FCV事業が開発段階を過ぎて、今後は量産技術をいかに確立するかがポイントになるとの考えだ。

 特にFCVの心臓部である燃料電池スタックは自動車メーカーになじみの薄い化学が支配する技術。「生産工程の不純物混入の管理が難しい」(三部敏宏執行役員)ため生産のボトルネックとなる。トヨタのFCV「ミライ」の生産が追いつかないのも同様の事情だ。

 「クラリティ」はひとまず栃木県の開発拠点で1日1台程度の少量生産で始める。生産のノウハウを蓄積して量産技術を熟成し、1年半後の一般販売を始めるのに合わせて、量産工場に移管して生産を拡大する計画だ。

 クラリティとは別に20年の商品化に向け米ゼネラルモーターズ(GM)と次世代燃料電池スタックの共同開発を進めている。「GMともどう生産し量をどう確保するかの段階に入っている」(八郷社長)。FCV普及に向け水素インフラ整備はさることながら量産技術の確立が大きな壁となる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160311-00010004-newswitch-ind

2016/03/11 太陽電池市場が縮小する日本で生き残りを模索する海外メーカー(ニュースイッチ)
●サンテックパワージャパンのガオ・ジャン社長

 ―順風グループのドイツ製遠隔監視システムを日本の太陽光発電所向けに発売します。他の製品・サービスの投入予定は。

 「日本の品質基準は厳しく、ゆっくりになるが順風の製品・サービスを投入する。順風にはLED(発光ダイオード)照明、地中熱空調システム、燃料電池もある。完全自家消費への移行に備え、低コストなリチウムイオン電池も開発している」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160311-00010005-newswitch-ind

2016/03/11 SiC、量産車に初搭載――ホンダの新型FCVが採用(EE Times Japan)

 ホンダは2016年3月10日に発売した新型燃料電池車(FCV)にSiC(炭化ケイ素)を用いたパワーデバイスを搭載していることを明らかにした。量産車でのSiCパワーデバイスの搭載は「世界初」(ホンダ)としている。
最大500Vまで昇圧するコンバーター部に

 燃料電池スタックの出力電圧を最大500Vまで昇圧する「FC昇圧コンバーター」(FCVCU)の昇圧制御部にトランジスタ、ダイオードともにSiC素子を用いた“フルSiC”のIPM(インテリジェントパワーモジュール)を採用した。

 ホンダによると、従来のFCVでは、燃料電池スタックとリチウムイオン電池から最大330Vで100kW出力のモーターを駆動していたが、開発したFCVCUにより、燃料電池のセル数を削減しながら130kW出力モーターを駆動できるようになったとする。

 FCVCUには、4つのフルSiC-IPMを用いて、各IPMの制御位相を90°ずらし、リップル電流を低減する4相インターリーブ制御方式などを採用。その他、磁気結合型リアクトルの採用などにより、FCVCUを「従来より約40%小型化した」としている。

 ホンダの研究開発子会社である本田技術研究所は2008年9月に、ロームと共同開発した車載向けフルSiC高出力(1200V/230A)パワーモジュールを発表していた。なお、ホンダは、今回採用したSiCデバイスの製造者については、詳細を明らかにしていない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160311-00000064-it_eetimes-ind

2016/03/11 太陽光で水を分解して水素を生む光触媒シート(EE Times Japan)

 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)と人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)は2016年3月10日、水中に沈めて太陽光を当てるだけで、水を分解して水素と酸素を発生させる光触媒シートを開発したと発表した。既に大量生産可能なスクリーン印刷法を利用した混合粉末型光触媒シートの塗布型化にも成功しているという。非常にシンプルな構造で、大面積化と低コスト化に適しているため、安価な水素を大規模に供給できる可能性がある。

 この混合粉末型光触媒シートは、シンプルな構造かつ補助電力等を使わず、水中で太陽光を照射するだけで水を分解することができる。また、同一面上で水素と酸素を生成することができるため、高性能を維持したまま大面積に拡張可能なことも特徴だ。

 NEDOでは、「この混合粉末型光触媒シートを用いて、太陽エネルギーを利用した水からの水素製造において、1.1%の太陽エネルギー変換効率を達成した」としている。

 NEDOは「スクリーン印刷を用いる作成方法は大幅な製造コストの削減が期待でき、圧倒的に安価な水素製造のための水分解光触媒モジュールへの転換点となる可能性のある研究成果だ。今後、実用化に向けた水素製造デバイスおよびモジュール構造の最適化を進め、2021年度末までに太陽エネルギー変換効率10%の達成を目指す」としている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160311-00000065-it_eetimes-sci

2016/03/12 【積水ハウスの2016年1月期決算】中計最終年度の2017年1月期は売上も利益も過去最高更新の見通し(エコノミックニュース)

 戸建住宅事業は、雇用、所得環境の改善や、日銀の「マイナス金利政策」で住宅ローン金利も下がっているので、受注環境は決して悪くない。同日発表した2月の受注も前年同期比プラス14%と3カ月連続で前年を上回っている。

 高断熱・省エネの住まいに太陽電池・燃料電池のダブル発電を搭載したネット・ゼロ・エネルギー住宅「グリーンファースト・ゼロ」の比率は2015年度71%で、2016年度も70%を見込む。2020年に80%の達成を目指す。また、賃貸住宅事業は前期の受注高が6.4%増、受注残高が10.5%増で、受注残の多さから2016年度も業績のけん引役になると期待される。相続税改正に伴う都市部の新築需要は衰えを見せない。2月の受注でも前年同期比プラス4%と高水準の受注を確保している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160312-00000004-economic-biz

2016/03/12 JXエネルギー、埼玉県初の移動式商用水素ステーションを開所(レスポンス)

 JXエネルギーは3月11日、埼玉県越谷市に「越谷神明町 水素ステーション」を開所し、水素の販売を開始したと発表した。

 同ステーションは、埼玉県初の移動式水素ステーション。また、昨年度開所した「Dr.Driveセルフ大和田店」「Dr.Driveセルフ春日部中央」「Dr.Driveセルフ狭山根岸店」に続き、同社として、埼玉県において4か所目の水素ステーションとなる。営業日は毎週火曜日および木曜日。営業時間は12時から14時。

 同社は、次世代自動車振興センター「燃料電池自動車用水素供給設備設置補助事業」の採択を受けて、約40か所の商用水素ステーションの開所に向けた準備を進めている。今回の開所も含め、同社の開所済み水素ステーションは合計26か所となる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160312-00000006-rps-bus_all

2016/03/13 ホンダの燃料電池車、トヨタ車との違いは? (東洋経済オンライン)

 ミライは発売から1か月で約1500台を受注。2016年2月末時点の販売実績は約530台で、今注文しても3年待ちの状況だ。受注に応えるため、生産能力を当初の1日3台から9台にまで引き上げ、2016年には2000台程度を生産する計画だ。トヨタは2020年にグローバルで3万台のFCVを販売する目標を掲げ、量産体制の確立を急ぐ。

 一方のホンダはフィットなどで起こした品質問題を教訓に、生産の立ち上げに慎重を期す。ミライと違いリース販売からスタートし、2016年度の日本での販売目標は200台にとどめる。官公庁や企業が主な販売先で、既に枠はほぼ埋まっているという。

 2016年中に北米や欧州への展開も予定しているが、輸出を加えても2016年度の生産は400台程度。1日2台程度の生産だ。リース先から使い勝手などのフィードバックを受けた上で、2017年後半にも一般向けの販売を始めたい考えだ。

 FCVの市販化に向けては、日産自動車が米フォード・モーターと独ダイムラーと共同開発を進めており、早ければ2017年にも投入する予定だ。部品の調達コストを下げる上でも、FCV分野への新規参入をホンダも歓迎する。ホンダはFCV関連特許を約4000件保有するが「特許を使いたいという申し出があれば拒まない」(三部執行役員)と、オープンな姿勢を示す。

 国は2025年頃をFCVの本格普及期と位置付け、FCVの価格がHV並みに引き下がることを期待している。水素社会の実現に一役買うことができるか、ホンダの新型車が背負う役割は大きい。 
木皮 透庸
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160313-00109108-toyo-bus_all

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