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□燃料電池ワールド Vol.2015
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■2015年12月18日発行
◆燃料電池NPO pemdream
※訂正:昨日(Vol.2014 2015年12月17日発行)の「世界のヘッドライン」の日付を間違いました。22日になっていますが、正しくは23日です。記事は配信されませんでしたので訂正します。
■世界のヘッドライン(11月24日)
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2015/11/24 セレス・パワー社、知的移転パートナーシップで燃料電池技術を開発
〔訳注〕セレス・パワー社(Ceres Power)の燃料電池モジュール設計部門(Fuel Cell Module Design Authority)のディレクター、ポール・バーナード(Paul Barnard)は、さまざまなコンサルティング・プロジェクトでブライトン大学(University of Brighton)の教授ロバート・モーガン(Robert Morgan)とともに働いてきた。セレス社は2013年に、熱と流体力学(thermal and fluid dynamics)の専門知識をもたらすために、ブライトン大学と知的移転パートナーシップ(KTP:Knowledge Transfer Partnership)を始めた。低コストの燃料電池を開発する課題の1つは、正確な温度制御を達成するために正確で耐久性のある温度測定(temperature control)を実現することだった。温度測定(thermometry)の知的移転パートナーシップは、システム内部で製品コストが必要とする正確で信頼できる温度を測定することが目的であった。
2015/11/24 研究者のリューは、燃料電池の将来に役立つ電子植物を作る
〔訳注〕スウェーデンのリンショーピング大学(Link〓ping University)の有機エレクトロニクス研究室(Laboratory for Organic Electronics)で研究者たちが示したように、半導電性ポリマー(semi-conductive polymers)を使って、アナログやデジタル電子回路(analog and digital electronic circuits)の両方を生きている花や低木、木の中に作成することができる。この結果は、アメリカ科学振興協会(American Association for the Advancement of Science; AAAS)が2015年から創刊したオープン・アクセス誌「サイエンス・アドバンスィズ(Science Advances)」の以下の号で公表されている。Article: Electronic Plants, Eleni Stavrinidou, Roger Gabrielsson, Eliot Gomez, Xavier Crispin, Ove Nilsson, Daniel T Simon, Magnus Berggren, Science Advances, DOI 10.1126/sciadv.1501136
〔訳語〕オープン・アクセス・ジャーナルについて:
学術誌は論文を掲載し、読みたい人から購読料を得る事で成り立っています。しかし論文を読むためにかかる費用は高価であり (Natureは論文一報で3,300円)、興味がある論文だからと言って、非研究者が気軽に読むには金銭的に難しいことが問題になっています。
この状況を打開し、誰もが学術論文を無料で読める学術誌が作られ始めました。これをオープンアクセスジャーナルと言います。普通の学術誌は読み手がお金を払いますが、オープンアクセスジャーナルは論文の書き手がお金を払う、ここが大きなポイントです。
Science Advancesはオープンアクセスジャーナルであると明記されており、誰もが無料で論文を読める雑誌になります。
http://fm7.hatenablog.com/entry/2014/02/16/133811
2015/11/24 無人航空機システムの範囲を拡大させる燃料電池
〔訳注〕バッテリーは重く、無人航空機システム(unmanned aerial systems:UAS)が兵士の利益となる長くぶらつく時間(long loiter time)を与えるために充分な電力を提供していない。国防総省装備展示イベント(DOD Lab Day)で、メリーランド州アデルフィ(Adelphi)の国防総省陸軍研究所(Army Research Laboratory)の研究者エドワード・C・シェーファー(Edward C. Shaffer)は、「バッテリーではなく、燃料電池が今、アフガニスタンで無人航空機「ストーカーXE(Stalker XE)」の範囲が拡大されている。この燃料電池はプロパンで稼働し、再充電または着陸することなく8時間作動する。我々は、軍の物流在庫で一般的なJP8などの燃料で動作する燃料電池を開発したい」と語った。
2015/11/24 デンマークの燃料電池フォークリフト・プロジェクトに参加するMフィールド社とダンシーム・パワー社
〔訳注〕次世代の燃料電池の開発が、「ハイフレックスドライブ(HyFlexDrive)」と呼ぶ新しいプロジェクトの目的である。このプロジェクト・チームには、ダンシーム・パワー社(Dantherm Power)、オールボー大学(Aalborg University)、セムテック社(CEMTEC)とMフィールド社(M-Field)が参加している。デンマーク・エネルギー技術開発・実証プログラム(Danish Energy Technology Development and Demonstration Programme:EUDP)は、このプロジェクトに969万デンマーク・クローネ(DKK)の補助金を提供している。ヘデゴー食品社(Hedegaard Foods)、ロックウール社(Rockwool)、アーラ・フーズ社(Arla Foods)といった北部デンマークに位置する企業との共同研究で、次世代の燃料電池システムの開発を目的としている。理想をいえば「ハイフレックスドライブ」は、フォークリフト用の燃料電池システムの商用化に向けた重要な一歩を踏み出す。台湾企業のMフィールド社と、カナダのバラード社子会社のダンシーム社は、経験を持つプロジェクト・リーダーとなる。
2015/11/24 燃料電池会社AFC社、グローバルな製造パートナーと契約を結ぶ
〔訳注〕11月17日付(Vol.2009 2015/12/10発行)のAFCエナジー社(AFC Energy plc)の記事の再論。
■2015年12月17日のWEB LINK NEWS
2015/12/17 ミライ、普及に壁 納車待ち3年超、水素供給進まぬ整備(朝日新聞デジタル)
トヨタ自動車は、世界に先駆けて燃料電池車(FCV)「ミライ」の市販を始めてから、15日で1年を迎えた。納車まで3年以上という人気だが、燃料を入れる水素ステーションの設置は遅れている。二酸化炭素(CO2)を出さずに水素をつくる実験も、始まったばかりだ。
トヨタは東京五輪がある20年をめどにFCVを世界で年3万台以上、国内でも年1万台を販売する計画。手軽に買えるよう、消費税込み723万円のミライより大幅に安い次世代車を開発中だ。
FCVの普及には、燃料を入れる水素ステーションが欠かせないが、整備のテンポは遅い。補助金を出す政府は今年度中に全国で100カ所の商用ステーションをつくる予定だったが、実際にできるのは約80カ所。達成は1年遅れる。
国内で納車済みのミライは400台強。ステーションの採算ラインは1日60台強とされるが、豊田通商が手がける名古屋市内のステーションへの来店は5台ほど。年約4千万円の補助金が頼みの綱だ。
トヨタはFCVの関連特許を無償で開放したが、他社の参入機運は盛り上がらない。日産自動車や三菱自動車は電気自動車(EV)優先。日産は具体的な発売時期を決めていない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151217-00000021-asahi-bus_all
2015/12/17 燃料電池車の水素ST足りず、厳格規制見直しへ(読売新聞)
「タイミングを見て補充に行っているが、渋滞があると往復1時間程度かかることもある」。東京都の幹部はため息をつく。
FCVの活用を推進する都は、今年2月以降に計6台を公用車として導入し、新年度はさらに台数を増やす予定だ。しかし、都庁がある新宿区に水素STはなく、現状は、往復で約15キロある杉並区の水素STまで入れに行くしかない。
都は水素STの整備に約1億8000万円を補助する独自制度を設け、2020年の東京五輪・パラリンピックまでに35か所にする予定だが、現状では6か所しかない。全国的にも普及は遅れ、資源エネルギー庁によると、水素STは現在全国で33か所にとどまる。
都道府県別では、FCV「ミライ」を昨年12月に市販したトヨタ自動車の本社がある愛知県が10か所でトップ。次いで都と神奈川県が6か所、関西圏では大阪府と兵庫県に1か所ずつしかない。
整備が進まない大きな要因が高圧ガス保安法の規則だ。一般のガソリンスタンドの場合、注入装置は公道から「4メートル以上」離さなければならないが、水素STは倍の「8メートル以上」。「スタンドから水素が漏れて引火しても安全性を担保するために必要な距離」(同庁高圧ガス保安室)という。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151216-00050059-yom-soci
2015/12/17 マツダが今“あえて”ロータリーエンジンを開発する理由とは…(SankeiBiz)
■マツダ常務執行役員 研究開発・コスト革新担当 藤原清志さん(55)
??他のエンジンの性能向上が進む中、あえてロータリーエンジンを出す必要はあるのか
「小さくて軽くて高出力というのが一番の魅力だ。発電機として使うこともでき(エンジンで発電して電気自動車の航続距離を伸ばす)レンジエクステンダーも考えている。水素を燃焼させる場合も、燃焼する場所と排出ガスを出す場所が違うので、異常燃焼を起こしにくい。工場で出る水素でロータリーエンジンを回して発電するのはあってもいい」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151217-00000501-fsi-bus_all
2015/12/17 「新設ICの東側」、町長に意見書提出 遊佐PAT計画委(山形新聞)
日本海東北自動車道(日東道)の整備を踏まえ、遊佐町が新たに設置する道の駅を中心とした多機能型休憩施設について考える「遊佐パーキングエリアタウン(PAT)計画委員会」(委員長・温井亨東北公益文科大教授)の会合が16日、町役場で開かれた。温井委員長は「設置場所は遊佐町北目に建設される遊佐鳥海インターチェンジ(仮称)の東側が望ましい」などとする意見書を時田博機町長に提出した。
意見書はほかに▽施設の整備や管理、運営は県内でも取り組み事例の多い公設民営方式が有力だが、公益性と収益性のバランスを考えて官民連携方式も視野に入れる必要がある▽水素ステーションやRVパーク(車中泊対応施設)、防災ヘリポートなどの設置も求める―などとしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151217-00000335-yamagata-l06
2015/12/17 次世代の水素駆動ドローン、なんと数時間も飛行可能!(sorae.jp)
ドローンといえば飛行時間は10分かそこらで、高級モデルでも2?30分がやっと…というのがこれまでの常識。その原因は、バッテリーの電力で駆動しているから。ここにブレイクスルーがない限り、飛行時間に大きな改善は見込めません。なら、別のエネルギー源を使ったらどうか…というわけで登場したのが、今回の「水素で数時間飛び回れるドローン」です。
このドローンを公開したのは、イギリスのIntelligent Energyという会社。ベースとなっているDJIのMatrice 100という開発者向けドローンに、水素による発電装置が組み込まれています。この水素が酸素と結合し水になる過程で電力を取り出し、ドローンを駆動するのです。排出されるのは水蒸気だけと、とてもエコフレンドリーなのも好印象ですね。
また燃料となる水素がなくなれば上部の水素タンクを交換するだけなので、再充電などの手間もかかりません。近年は水素による発電でスマートフォンやノートPCを駆動しようという案もあるなど、水素を電力源とするソリューションがかなり現実的になっていることを感じます。
Intelligent Energy社はすでにプロトタイプの機体による飛行テストを終えています。テストでは純粋な水素駆動だけでなく、水素とバッテリーの組み合わせも試されました。もしかすると、すでに燃料自動車で試されているこの水素とバッテリーの組み合わせのほうが、実用に近いのかもしれません。
この水素ドローンは来年1月にラスベガスで開催されるCESで披露される予定です。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151217-00010002-sorae_jp-sctch
■燃料電池関連イベント(初出後1週間を経過した情報はこちらに移動しました)
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☆福岡水素エネルギー戦略会議【平成27年度 研究分科会開催】【再掲】
福岡水素エネルギー戦略会議より研究分科会のご案内です。「福岡モーターショー2015」併設セミナー会場(福岡国際会議場)での開催となります。
≫第4回研究分科会≪
【高圧水素貯蔵・輸送研究分科会/高圧水素下における機械要素研究分科会】
◎お申し込みはこちらから
https://www.sipstool.com/f-suiso/anq/index.php?p=20151113110118
◇日 時:12月21日(月)13:00?17:00
◇場 所:福岡国際会議場 4階 409室・410室(福岡市博多区石城町2-1)
◇プログラム:
講演1「再生可能エネルギーを利用した自立型水素エネルギー供給システム(H2One)」
河野龍興氏(株式会社東芝次世代エネルギー事業開発プロジェクトチーム担当部長)
講演2「水素ステーション用圧縮水素容器・機器の最近の動向」
広谷龍一氏(岩谷産業株式会社水素エネルギー開発部シニアマネージャー)
講演3「水電解による水素製造の展望(仮)」
松本広重氏(九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I2CNER)教授)
講演4「国内外の水素供給インフラ普及に向けた取組」
山梨文徳氏(水素供給・利用技術研究組合(HySUT)FCV・インフラ研究部副部長)
講演5「燃料電池フォークリフトの開発・実証について」
鈴木宏紀氏(株式会社豊田自動織機産車用FCプロジェクト主担当員)
講演6「水素材料先端科学研究センター(HYDROGENIUS)10年の成果」
松永久生氏(九州大学大学院工学研究院准教授)
◇受講料:無料
◎入場料について 【福岡国際会議場】へのご入場は「無料」。
※『マリンメッセ福岡』 及び 『福岡国際センター』へご入場には、「有料(チケット)」が必要ですので、ご注意ください。
◇定 員:100名(定員に達し次第、受付を終了します。お申し込みはお早めに)【お問い合わせ】
九州大学水素エネルギー国際研究センター 蓮尾
TEL:092?802?3303 / Mail : info@h2.kyushu-u.ac.jp
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