燃料電池ワールド Vol.1939 (2015/08/25 08:30)

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□燃料電池ワールド Vol.1939
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■2015年08月25日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

                    ◇http://pemdream.com

■世界のヘッドライン(08月13日)
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2015/08/13 四つの州で40MW級商業・公共部門の顧客向けプロジェクトを開発するコンステレーション社とブルーム・エナジー社

〔訳注〕エクセロン社(Exelon Corporation)の子会社のコンステレーション社(Constellation)とブルーム・エナジー社(Bloom Energy)は、カリフォルニア州(California)、コネチカット州(Connecticut)、ニュージャージー州(New Jersey)、ニューヨーク州(New York)の商業・公共部門の消費者のために40MW級ブルーム・エナジー燃料電池プロジェクトを開発する契約を結んだ。この契約は、昨年7月にエクセロン社がブルーム・エナジー社と結んだ長期的戦略的パートナーシップの第2弾となる。第1段階では、この四つの州の75の施設で、顧客が直接機器を購入するよりも電力を購入するサービスである「ブルーム・エレクトロンズ(Bloom Electrons)」を通して、ブルーム・エナジー社の21MW級燃料電池プロジェクトに資金を提供した。今回は顧客の層が広がり、40MW分の燃料電池プロジェクトとなった。分散型エネルギー事業の顧客は電力購入に先行投資を必要としない。

2015/08/13 ゼニヤッタ・ベンチャーズ社とバラード・パワー社、エネルギー貯蔵のために燃料電池技術で協力(Zenyatta)

〔訳注〕ゼニヤッタ・ベンチャーズ社(Zenyatta Ventures Ltd.)は、燃料電池技術の構成部品に要求される高純度グラファイト(graphite、黒鉛)でバラード・パワーシステムズ社(Ballard Power Systems Inc.)と協力する計画である。ゼニヤッタ社とバラード社は今年3月、アルバニー・グラファイト素材の適性検査を行っていて、その第1段階では、燃料電池のバイポーラ・プレート(bipolar plate:BPP)とガス拡散層(gas diffusion layer:GDL)で使うために、ゼニヤッタ社のアルバニー・グラファイト(Albany graphite)の適性を確認した。今回はその詳細を報じている。燃料電池の技術革新へのこの研究は、カナダ国立研究評議会の産業研究援助プログラム(National Research Council of Canada Industrial Research Assistance Program:NRC-IRAP)から資金が出された。

2015/08/13 シャルジャ・アメリカン大学、アラブ首長国連邦で最初の水素燃料電池無人飛行機を飛ばす(AUS)
http://merumaga.fuelcellworld.jp/index.php?QBlog-20150825-1

〔訳注〕シャルジャ・アメリカン大学(American University of Sharjah:AUS)機械工学科(Department of Mechanical Engineering)の研究チームがこのほど、シャルジャ(Sharjah)のハムリヤ(Hamiryah)のアラブ首長国連邦(UAE)と湾岸協力会議(GCC)地域で初めての水素燃料電池無人飛行機の飛行に成功した。一つのプロトン交換膜型燃料電池(Proton Exchange Membrane hydrogen fuel cell:PEMFC)で電力を供給された無人飛行機は、安定した速度で10分間巡航した。

2015/08/13 イリカ社、ヨーロッパで燃料電池触媒の欧州特許の更新を発表(Ilika)

〔訳注〕イリカ社(Ilika)は、欧州特許庁(European Patent Office:EPO)がブルックヘブン科学アソシエイツ社(Brookhaven Science Associates:BSA)からの燃料電池触媒特許に対するイリカ社の反対を支持している、と発表した。この記事は、イリカ社とブルックヘブン科学アソシエイツ社の燃料電池触媒を巡る特許紛争について、イリカ社の主張を載せている。イリカ社の特許は、2012年9月にイリカ社が発表した15万ポンドの株式投資を通じてカーボン・トラスト社(Carbon Trust)から支援された製品開発事業を支えている。カーボン・トラスト社は、燃料電池自動車で使うイリカ社の高性能電極触媒(electro-catalyst)の商品化を支援するための高分子型燃料電池チャレンジ・プログラム(Polymer Fuel Cells Challenge programme)を通してイリカ社に投資した。イリカ社は2013年2月に、ブルックヘブン科学アソシエイツ社の特許に対する異議申立を行った。そして、オランダのライスワイク(Rijswijk)にある欧州特許庁異議部(Opposition Division)で2015年3月17日以前に口頭弁論(oral proceedings)が行われた。これらの訴訟の結果、ブルックヘブン科学アソシエイツ社欧州特許は無効になった。欧州特許庁は2015年8月8日に、通知を発行した。
〔訳語1〕ブルックヘブン国立研究所は、エネルギー技術を始め、物理、生医学、環境科学の研究を進める米国エネルギー省が管轄する国立研究所(http://www.bnl.gov/)で、1947年に創設された。同研究所は、ストニーブルック大学と非営利応用科学技術機関であるバテレにより創設されたブルックヘブン科学アソシエイツ社(Brookhaven Science Associates)という有限会社により運営されている。
http://www.hepl.hiroshima-u.ac.jp/public/19apr05/H17_4_18_release_japan_attached.pdf〔訳語2〕カーボン・トラスト社(Carbon Trust)は、2001年にイギリス政府によって独立企業として設立されました。その使命は、さまざまな組織と共同で炭素排出量削減や商業用低炭素技術の開発に取り組むことにより、低炭素経済への移行を加速化することです。 財源の一部は気候変動税からまかなわれ、省エネ設備の導入のための中小企業向けの無利子ローンなどの支援策を運営しています。(英国大使館HPより)(Vol.902 2011/04/15発行)

2015/08/13 NEL社、2015年第2四半期の結果を発表(NEL)

〔訳注〕オスロ証券取引社(Oslo Stock Exchange)に上場している大手電解槽メーカーのNEL社(NEL ASA)は、2015年第2四半期の売上高を1600万クローネと報告した。この期は、戦略的なH2ロジック社(H2 Logic)の買収があった。

■2015年08月24日のWEB LINK NEWS
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2015/08/24 福岡市と九州大が「下水汚泥から水素」実証実験 豊富な“資源”を自動車燃料に(SankeiBiz)

 現在、水素はLNG(液化天然ガス)を改質する製法が一般的だが、処理場に毎日集まる汚泥を原料にできれば、化石燃料に頼らず、輸送に伴う二酸化炭素(CO2)排出も少ない「地産地消型」のエネルギーサイクルが現実味を帯びてくる。映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の公開から30年。同作に登場する「デロリアン」のように廃棄物をクルマの燃料に使う日が近づいてきた。
 ◆既存の処理場活用可能

 「理想的な水素社会の第一歩は下水処理場から始まる」というのが、実験に携わる九州大水素エネルギー国際研究センターの田島正喜客員教授の持論だ。

 下水汚泥の活用は、高い潜在力を秘めている。国交省によると、全国に2100カ所余りある処理場のうち、汚泥の発酵設備があるのは約300カ所。年間2億2000万立方メートルのバイオガスを発電などに回しているが、8500万立方メートルは未利用だ。これを活用するだけで、年間1億3000万立方メートルの水素を製造でき、FCVを260万回満タンにできる。

 さらには、下水汚泥の5倍の量に相当する家畜屎尿(しにょう)、一般廃棄物から水素を製造するサイクルも検討されている。実現すれば、エネルギー資源に乏しい日本にとっての意義は計り知れない。
 ◆需給ギャップ解消課題

 こうした夢のエネルギーサイクルを目指す上で鍵となるのが、水素ニーズの拡大だ。同市は今後、水素の供給先を一般にも広げていく計画だが、現時点で市内を走るFCVは20台足らず。「技術的には順調だが、需要と供給のギャップが課題」(津野氏)となっている。

 田島氏は「FCVなどを普及させて水素エネルギー社会をつくる上で、今後10年ほどは苦しいスタートダッシュの時期が続くだろう」と見通す。「最初の『谷』を乗り越えるために、官民挙げ知恵を出し合わなくては」と訴える。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150823-00000009-fsi-bus_all

2015/08/24 トヨタ、“Let's Go Beyond”を旗印に「ミライ」「i-Road」などインドネシア初披露(Impress Watch)

 トヨタ自動車は8月20日、インドネシアで開幕した「2015年 GAIKINDO インドネシア国際オートショー(GIIAS)」で、7人乗りミニバンの「Avanza(アバンザ)」のほか、燃料電池車「ミライ(MIRAI)」、パーソナルモビリティ「i-ROAD」、新型「アルファード ハイブリッド」をインドネシア初公開した。

 福井氏は「水素ステーションの問題からインドネシアへの投入はまだ先になると思うが、ミライというクルマがあるということをお伝えしたいとともに、トヨタとしてはハイラックスなど、どんどん新車を投入してインドネシアの経済を盛り上げていきたい」と、同市場に対する意気込みを話した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150824-00000048-impress-ind

2015/08/24 【WRC】トヨタの燃料電池車 MIRAI 、ラリー仕様がデモ走行…ドイツ(レスポンス)

 トヨタ自動車の市販燃料電池車、『MIRAI』。同車が世界最高峰のラリーにおいて、デモ走行を果たした。

 これは8月21日、ドイツで開催されたWRC(世界ラリー選手権)第9戦、「ラリー・ドイツ」での出来事。MIRAIがラリーマシンの走行に先駆け、コースをデモ走行している。

 このMIRAI、自動車評論家の国沢光宏 氏が所有する1台。今回のドライバーも、同氏が担当。

 WRCの舞台を走行するにあたり、MIRAIには若干の変更を実施。ブレーキパッドを強化し、競技用タイヤを装着。ロールケージやバケットシート組み込んだ。燃料電池パワートレインに、変更は加えていない。

 MIRAIの田中義和チーフエンジニアは、「いつの日か、トヨタの燃料電池車でWRCに参戦するのが夢。大きな野心を持って、この技術の開発を継続していく」とコメントしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150824-00000043-rps-ind

■燃料電池関連イベント(初出後1週間を経過した情報はこちらに移動しました)
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☆第8回新電極触媒シンポジウム&宿泊セミナー【再掲】
  テーマ「高活性と高耐久性を両立する触媒を目指して」
◇趣旨概要

 触媒学会の燃料電池関連触媒研究会は燃料電池に関連する触媒を対象としています。この研究会では高活性/高耐久性触媒、触媒の低コスト化を含めた合成法、触媒の反応機構と基礎物性、評価/解析法等、燃料電池用触媒に関する学術情報交換を行っています。本シンポジウム&宿泊セミナーはFCDIC電極/界面研究部会とFC懇談会との共催で、PEFC用電極触媒に関する最近の研究開発状況と今後の展開について講演頂くと同時に、ナイトセッションで参加者が親しく討論します。2014年にFCVの市販が開始されましたが、Pt系触媒の高活性化と高耐久化はまだまだ不十分であり、これらを同時に高めることが更なるPEFCの低コスト化と高信頼化への鍵となります。第8回となる本宿泊セミナーでは、カソード環境でのPt系触媒の変化、Pt系触媒の耐久性を高める方法、MEA内で生じている現象とその理解およびメタノール酸化触媒について講演して頂きます。ポスターセッションでは電極触媒に限定せず、燃料電池に関連する研究を広く募集します。学生の方には優秀ポスター賞を用意しておりますので、奮ってご参加ください。
◇開催日時と会場
・日時:10月23日 (金) 12:30?10月24日 (土) 12:00
・会場:〒411-0032静岡県三島市末広町21-9 東レ総合研修センター TEL: 055-980-0333
◇参加申し込み
・参加申し込み締め切り: 10月9日 (金)
・ポスター発表申し込みと発表要旨の締め切り: 10月16日 (金)A4用紙1枚にフリーフォーマットでタイトルと所属を明記の上,下記西村までメールで送付してください.
・参加費: 一般会員 23,000円、一般非会員30,000円、学生5,000円
・宿泊費: 7,000円 (夕食・朝食込み)
・参加申し込み方法と問合せ先
氏名、所属、連絡先 (住所, 電話, メールアドレス)、宿泊の有無およびポスター発表の有無を明記の上、下記西村までメールでお申し込みください.

  同志社大学 西村メールアドレス: jt-liaiy@mail.doshisha.ac.jp 
        電話番号: 0774-65-6589
◇セミナー内容
◆1日目 10/23(金)
・セッション1 招待講演 (センター棟8階 多目的研修室)
12:40〜13:40 酸性溶液中でのPtの溶解機構 (東北大学 菅原先生)
13:40〜14:40 硬X線光電子分光法を用いたPt/C電極の酸化反応のその場観察 (分子科学研究所 高木先生)
15:00〜16:00 放射光を用いたMEA環境におけるその場観察技術 (豊田中央研究所 畑中氏)
16:00〜17:00 シリカ?Pt界面設計によるPtカソード触媒の高機能化 (九州大学 竹中先生)
17:00〜18:00 コンポジットカーボンナノファイバーを担体に用いたDMFC用アノード触媒 (群馬大学 中川先生)
・セッション2 (ナイトセッション)  ポスター展示 (ダイニング棟3階 第1パーティールーム)
19:00〜21:00 ポスターセッション&自由討議
〜22:30 自由討議 (ダイニング棟3階 バーラウンジ「アウル」)
◆2日目 10/24 (土)
・セッション3:招待講演 (センター棟8階 多目的研修室)
8:30〜9:30 PEFCの電位サイクル耐久性評価試験方法の比較 (自動車研究所 橋正氏)
9:30〜10:30 軟X線を用いたMEA内の水挙動 (東京工業大学 平井先生)
10:50〜11:50 白金・カーボン表面に吸着したアイオノマー相内の物質輸送と構造の関係(FC-Cubic 大平先生)
◇東レ総合研修センターへのアクセス
〒411-0032 静岡県三島市末広町21-9 TEL: 055-980-0333
JR三島駅北口より徒歩12分 タクシーでワンメーター
https://plus.google.com/116295045839993185703/about?gl=jp&hl=ja
◇主催: 触媒学会 (燃料電池関連触媒研究会)、燃料電池開発情報センター (FCDIC)、FC懇談会
◇協賛: 触媒学会、触媒学会工業触媒研究会、表面科学会、大阪科学技術センター、電池技術委員会
シンポジウム&宿泊セミナー準備委員会: 燃料電池関連触媒研究会世話人有志、FCDIC電極/界面研究部会、FC懇談会世話人有志  (調整中を含む)

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