燃料電池ワールド Vol.1889 (2015/06/10 09:06)

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□燃料電池ワールド Vol.1889
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■2015年06月10日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

                    ◇http://pemdream.com

■世界のヘッドライン
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2015/06/03 斗山社、韓国で燃料電池を初めて供給(Doosan)

〔訳注〕斗山社(Doosan Corporation)は昨年、新しい成長エンジンとして燃料電池ビジネスを追加して以来、初の供給契約を結んだ。そして、斗山社は6月2日、韓国プンダン(Bundang、盆唐)市に建設中の複合サイクル発電所(combined cycle power plant)に280億ウォンの燃料電池を配送することを発表した。また、燃料電池の管理のために400億ウォン(3600万ドル)の長期サービス契約(long-term service agreement:LTSA)を結ぶ予定である。この燃料電池は韓国南東電力社(Korea South-East Power Co.:KOSEP)から選ばれた。韓国では、「開発、利用の促進と新・再生可能エネルギーを普及する法律(Act on the Promotion of the Development, Use and Diffusion of New and Renewable Energy)」によって、再生可能資源からのエネルギーを一定量確保するために公益企業(utilities companies)は、500MW以上を生産することが求められている。この目標は2012年に2%で始まり、2024年には10%に増加する。

2015/06/03 上院議員ドーガンとオア次官、燃料電池技術と自動車技術の2015年次成果評価会議で所見を述べる(DOE)

〔訳注〕米国エネルギー省(DOE)燃料電池技術局(Fuel Cell Technologies Office:FCTO)と車輌技術局(Vehicle Technologies Office:VTO)は、バイロン・L・ドーガン(Byron L. Dorgan)上院議員とフランクリン・オア(Franklin Orr)エネルギー省科学・エネルギー担当次官が6月8日(月)に、水素・燃料電池プログラムと自動車技術局(Hydrogen and Fuel Cell Program and Vehicle Technologies Office)の2015年次成果評価会議(Annual Merit Review and Peer Evaluation Meeting:AMR)で所信を述べると発表した。今年は1800人以上が参加して、約400のプロジェクトはほぼ300人の専門家の査読により審査される。会議はバージニア州アーリントン(Arlington)で6月8日から12日まで開かれる。
〔訳語〕この会議はNEDO燃料電池・水素技術開発部の成果報告会と評価会議を兼ね合わせたような会議となっている。世界中から関係者が集まり、参加登録者も約1,000名と燃料電池・水素技術開発に携わる者にとって大変関心の高い会議となっている。( http://www.nedo.go.jp/content/100105538.pdf

2015/06/03 レディング市は新しいエネルー源として燃料電池を熟慮

〔訳注〕燃料電池は、ダンベリー(Danbury)のフュエルセル・エナジー社(FuelCell Energy)で出荷の準備が完了。新興グリーン・エネルギー源は町に来る。もし新しく作られた作業部会(task force)が決定したなら、燃料電池はジョージタウン(Georgetown)のために新たな選択肢となる。コネチカット州先端技術センター(Connecticut Center for Advanced Technology)の理事(director)でコネチカット州水素・燃料電池連携連合(Connecticut Hydrogen-Fuel Cell Coalition)の管理者(administer)であるジョエル・ラインボールド(Joel Rinebold)は、「電気の視点から、それは良いことだ。我々は効率良く電気を作ることができる。しかも大気汚染無しで」と語った。
〔訳語1〕ジョージタウン(Georgetown):A CDP in California:国勢調査指定地域(こくせいちょうさしていちいき、Census-designated place; CDP)は、アメリカ合衆国統計局の統計上の報告のために便宜上作られた、アメリカ合衆国の地方区分の呼び名のひとつ。 CDPは個別の行政法人(市役所や役場、市町村議会など)を持たないが、それ以外は普通の市町村(city, village, townshipなど)によく似ている。(Weblio 辞書)〔訳語2〕レディング(Redding):カリフォルニア北中部のサクラメント川にある町。アメリカ合衆国カリフォルニア州北部シャスタ郡の都市であり同郡の郡庁所在地である。レディング市は市政委員会・シティマネジャー方式を採用しており、1人の市長と4人の市政委員(1人は副市長兼務)が市政委員会を構成している。(wiki)
 ジョージタウンとレディングの関係がよく分からない。

2015/06/03 ツールは水素ステーションの設置の財政的側面を調べて支援

〔訳注〕4月22日付けのエッチツー・ユーエスエー(H2USA)と米国エネルギー省(U.S. Department of Energy:DOE)が、2つの新しいツールと、水素燃料供給インフラを拡大するためにH2USAを通してまとめた2つの報告書を発表した、という記事の再論。

 これらのモデルは、http://www.hydrogen.energy.gov/h2a_delivery.html
http://www.nrel.gov/hydrogen/h2fast から入手できる。

2015/06/03 マントラ社、燃料電池の実証を公開(Mantra)

〔訳注〕マントラ・ベンチャー・グループ社(Mantra Venture Group Ltd.)は、彼らの革新的な混合反応物燃料電池(Mixed-Reactant Fuel Cell:MRFC)の動作を証明するビデオを公表したと発表した。彼らの燃料電池は、既存の燃料電池が必要とする高価で障害の発生しやすい膜を排除する型破りなデザインである。燃料は液体を利用して、気体水素の貯蔵や流通といった課題に直面しない。廃棄物の二酸化炭素からギ酸塩(formate)を生成する二酸化炭素の電気化学的固定化技術(ERC (Electro-Reduction of CO2) technology)を利用する。ビデオは以下のリンクから見られる。
https://www.youtube.com/watch?v=4EsWQustTOs&feature=youtu.be

■2015年06月09日のWEB LINK NEWS
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2015/06/09 体験しながらエコを学ぶ「大阪南港エコフェスタ2015」6/13(リセマム)

 大阪府と大阪市などが共催する「知ろう!学ぼう!大阪南港エコフェスタ2015」が 6月13日、大阪南港ATCで行われる。発電体験や燃料電池自動車「MIRAI」の展示、廃材を使用した工作体験コーナーなどを楽しみながら、環境について学ぶことができる。
◆知ろう!学ぼう!大阪南港エコフェスタ2015
開催日時:6月13日(土)11:00〜16:00
会場:ATC(アジア太平洋トレードセンター)ITM棟セントラルアトリウム
   おおさかATCグリーンエコプラザ
入場料:無料(一部有料ブースあり)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150609-00000005-resemom-life

2015/06/09 トヨタ株主の米年金基金、種類株発行に反対する意向(ロイター)

 [東京 9日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>の株主である米カリフォルニア州教職員退職年金基金(CalSTRS)は、トヨタが計画している「AA型種類株式」(譲渡制限付き非上場種類株式)発行について、海外の投資家に閉ざされているとして、反対する意向を明らかにした。

 CalSTRSの保有するトヨタ株は430万株で、保有比率はわずか0.1%だが、米国で2番目に大きい公的年金基金であり、知名度がある。

 この種類株発行をめぐっては、CalSTRSに先立ち、機関投資家の議決権行使を助言する米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が反対を表明。一方、米グラスルイスはトヨタが資金調達の手法を多様化できる、として賛成を表明している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150609-00000075-reut-bus_all

2015/06/09 赤い微生物「ジオバクター」の燃料電池、廃水処理システムを変える?(EE Times Japan)

 赤い微生物「ジオバクター」を使用した燃料電池(MFC:Microbial Fuel Cell)による廃水処理技術の開発が進んでいる。微生物燃料電池は、微生物の代謝能力を利用して有機物などの燃料を電気エネルギーに変換する装置だ。

 正極(カソード)と負極(アノード)があり、負極では、微生物が燃料(有機物)を分解することで発生する電子を回収。正極では、その電子が酸化剤の還元反応により消費される。2015年6月5?6日に行われた「東大駒場リサーチキャンパス」で、先端科学技術研究センターの橋本研究室がデモを公開した。
●電気エネルギーを取り出せる微生物燃料電池

 この研究の背景には、現在一般的な活性汚泥による廃水処理の2つの課題がある。

 これらの課題を解決するのが、赤い微生物ジオバクターだ。嫌気性のジオバクターは、酸素がなくても活動できるため、曝気処理が不要になる。その分だけ、既存のシステムに比べてエネルギーの消費を少なくできる。さらに、廃水中の有機物から電気エネルギーも取り出せるので、廃水処理に必要なエネルギーに利用することも可能だ。

 また、処理層内で微生物が得るエネルギーの大半が発電に使われることから、微生物の増殖が抑制され、汚泥発生量が活性汚泥法に比べて70?80%削減できるという。つまり、産業廃棄物の削減につながるのだ。
●実用化へ向けた実証実験を

 同研究は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から委託されたプロジェクト「微生物触媒による創電型廃水処理基盤技術開発」である。東京大学の他、神戸大学、東京薬科大学、積水化学工業とパナソニックが参加している。

 東京大学が担うのは、微生物燃料電池における触媒の開発だ。現在、カソードで使われている触媒はプラチナ・炭素(Pt/C)。しかし、プラチナは非常にコストが高い。同研究室によると、「現状の1/10以下のコストにしなければ実用化は難しい」という。

 そこで、現在はカソードやアノード触媒の開発が進んでいる。例えば、カソード触媒では、Fe(鉄)・グラフェンや、N(窒素)・グラフェン、Fe/N・グラフェンといった触媒の開発を進めているという。担当者によると、これらはコストを下げるだけでなく、廃水処理の効率を上げる効果があるそうだ。

 NEDOのプロジェクトとしては、2015年度で終了する予定だが、今後は企業と連携して、より大きな規模での実証実験を行いたいとしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150609-00000085-it_eetimes-sci

2015/06/09 NEDO、大規模水素エネルギー利用システム向け技術開発プロジェクトを開始(マイナビニュース)
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は6月9日、海外の未利用エネルギーを利用して水素を製造・貯蔵・輸送し、日本国内での利用を目指す水素エネルギー利用システムの技術開発プロジェクトを開始すると発表した。
同プロジェクトは、本格的な水素社会の実現に向けた取り組みという位置づけで、海外における褐炭、副生水素などの未利用エネルギーからの水素製造、ならびに液化水素輸送システムなどによる大規模水素サプライチェーン構築、そして水素を燃料とした発電システム技術の開発を行おうというもの。具体的には2020年に豪州などから日本へ水素を輸送し、水素発電などで利用するシステムを実証し、2030年ころに商業ベースで大規模な水素エネルギー利用システムの確立を目指すとするほか、燃料電池の次の需要として、水素燃料によるガスタービン発電システムの技術開発も行っていく予定としている。
今回採択されたのは以下の4つのテーマ。予算は、4テーマ合計で平成27年度単年で20.5億円を予定している。
なお、今回の取り組みは経済産業省が掲げる「水素・燃料電池戦略ロードマップ」のフェーズ2に位置づけられるもので、プロジェクト参加各社は、来るべき水素大量消費時代に向けて、しっかりとした水素インフラの構築を実現していきたいとコメントしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150609-00000114-mycomj-sci

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