燃料電池ワールド Vol.1885 (2015/06/04 08:48)

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□燃料電池ワールド Vol.1885
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■2015年06月04日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

                    ◇http://pemdream.com

■世界のヘッドライン
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2015/05/26 バラード社、日清紡から画期的な技術的解決策プロジェクトを受注(Ballard)

〔訳注〕バラード・パワーシステムズ社(Ballard Power Systems)は、日清紡ホールディングス社(Nisshinbo Holdings Inc.)から、特定のPEM型(proton exchange membrane:PEM)燃料電池の製造コスト削減を意図する画期的な触媒技術を開発する技術的解決策(Technology Solution)プロジェクトの次の段階の発注を発表した。このプロジェクトは、約2年間にわたり進行中である。日清紡は、バラード社に10年以上、さまざまな市場用途に使われるPEM型燃料電池膜・電極接合体(membrane electrode assemblies:MEAs)の製造に使用するために、圧縮成形二極ガス流路プレート(bipolar flow field plate)を供給してきた。今回のプロジェクトは、バラード社の空冷式燃料電池スタックのコストを削減する目的で新たな燃料電池触媒技術に焦点を充て、通信バックアップ電源および物流運搬のさまざまな市場用途に使用される。

2015/05/26 韓国の研究者たち、10万充電時間を目指して無制限に再利用可能な燃料電池を開発(UNIST)

〔訳注〕韓国の研究者たちは、効率を落とすことなく10万回まで再充電することができる無制限に再利用可能なグラフェン(graphene)燃料電池触媒の開発に成功した。ウルサン(蔚山)科学技術大学校(Ulsan National Institute of Science and Technology:UNIST)の研究チームは、「ダイ・ハード(die-hard、頑固者)」燃料電池電極の材料であるグラフェン・メッキ(graphene plated)と機械的に処理したアンチモン(antimony)を施した。この半金属(metalloid)は、金属と非金属の両方の性質を示す元素(element)である。この論文は、5月22日に科学雑誌「ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)」に掲載された。
〔訳語1〕グラフェン:graphene◆炭素(C)1原子層のこと。2004年に作り出された。表面を水素で修飾したものはgraphane(グラフェイン)と呼ばれる。(英辞郎)〔訳語2〕半金属(はんきんぞく、Metalloid)とは、元素の分類において金属と非金属の中間の性質を示す物質のことである。その定義は曖昧であり、決定的な定義や分類基準は存在せず、様々な方法によって分類が試みられている。(ウィキペディア)

2015/05/26 今年イギリスで1000台のヒュンダイ等の燃料電池車が、とアンプラッツ社は語る(Amplats)

〔訳注〕ロンドンで開かれたプラチナ・ウィーク2015(Platinum Week 2015)で、アングロ・アメリカン・プラチナ社(Anglo American Platinum:Amplats、アンプラッツ社)最高経営責任者クリス・グリフィス(Chris Griffith)は、「燃料電池電気自動車は、プラチナ鉱山が排出ガス・ゼロを背景として、燃料源として水素を世界が無限に使用するという真に持続可能な方法で未来を建設することを可能にする」と語った。これは、今年の末までにイギリスで1000台の燃料電池電気自動車ix35の生産を目標としている韓国の自動車メーカー、ヒュンダイ(Hyundai)や、トヨタ(Toyota)やホンダ(Honda)等も同様な計画を持っていることの背景として言ったもの。グリフィスは、白金族金属(platinum-group metals:PGMs)の用途を開発するために、顧客や非伝統的なパートナーと継続的な産業連携(industry collaboration)を続ける必要性を強調して、もし燃料電池電気自動車がヨーロッパの電気自動車領域で優位に立つことに成功した場合は、ヨーロッパ内のプラチナ需要は2050年に660万オンスに上がると概説した。バッテリー車が優位な場合には逆に、欧州内のプラチナ需要は同期間に250万オンス減少するだろう。

■2015年06月03日のWEB LINK NEWS
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2015/06/03 えこっくる江東で「環境フェア」 燃料電池車「MIRAI」の展示・試乗も /東京(みんなの経済新聞ネットワーク)

 江東区環境学習情報館「えこっくる江東」(江東区潮見1)で6 月7日、「環境フェア」が開催される。

 今回の注目は燃料電池車であるトヨタの「MIRAI」の展示と試乗。「MIRAI」は走行中に水しか排出しない環境に優しい水素自動車で、今年4月から江東区役所の公有車として配備されている。電気自動車の試乗も行われる。

 同館館長の上原新次さんは「いつもは温暖化ストップを呼び掛けているが、この日は熱く楽しい一日に。MIRAIの乗り心地もぜひ試してほしい」と話す。
 開催時間は10時?16時。当日は区内無料巡回バスが運行。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150603-00000005-minkei-l13

2015/06/03 テスラ、グーグルの衝撃! 自動車産業の構造変化にトヨタは生き残れるのか!(BizCOLLEGE)

 今年の決算を見ると、日本の自動車会社はほぼ絶好調である。しかし技術の行方によっては、エレクトロニクスと似た現象が起こる危険性を抱えているのが自動車業界である。

 現在のレシプロ・エンジン(ピストンの往復運動を連結棒とクランクで回転運動に変える方式のエンジン)車の組立工程では、エンジン回りだけで1万単位の部品が必要である。しかしモーターと電池で動くテスラのEVでは17部品程度で済む。

 しかもモーターや電池が汎用部品化すれば、半導体ファウンドリのようなメーカーが登場して、そこから部品を買えばどんな新興メーカーでも車が作れるようになる。日本の自動車メーカーが得意としている膨大な部品点数とそれを支える夥しい数のサプライヤーとの「摺合せ技術」も必要とされない。またメンテナンスも簡単になり、重装備のディーラー網も必要なくなる。

 台湾の受託生産大手・鴻海精密工業(ホンハイ)は、既に自動車への参入を表明している。最初に狙っている受託先はテスラで、販売価格7万ドルのテスラのモデルSも「我々なら1万5千ドル以下で作れる」と豪語している。鴻海のような車のEMSが登場すれば、製造はアウトソースでき、ユーザー・インターフェイスを握る企業なら誰でも車を売れるようになりうる。

 現に自動車やその周辺事業に参入、ないし参入するべく研究開発に着手している企業はもちろんテスラだけではない。米アップルや米グーグル、米アマゾンに限らず、シリコンバレーの多くの企業、あるいは世界中にたくさんいる。

 アップルは昨年、車向けソフト「カープレイ」を発表したが、大がかりな自動車事業の開発チームを立ち上げたと報道されている。アップルで指揮を取るのは、トップデザイナー兼副社長のジョナサン・アイブ氏だ。ティム・クックCEOから大幅な権限が与えられており、自動車関連技術開発のための人材獲得費用なら、金に糸目はつけないというのだ。

 現実にシリコンバレーで自動運転の開発をしていた日産のエンジニア2人がアップルに引き抜かれ、同様にベンツの技術者も引き抜かれた。テスラの中堅幹部には年俸1億円近いオファーまで出たという噂も聞いた。

 もっともアップルの社内抗争からか、実際にはテスラがアップルから引き抜いた技術者は100人以上に及ぶらしい(日本経済新聞2015.5.2)。前稿で述べた電機業界と同じような競争が、そのままここでも展開されているのだ。
EVとFCVの戦いが意味する産業構図

 このミライに激しく反発したのが、テスラのイーロン・マスクCEOである。今年1月の米デトロイト・モーター・ショーで「フューエル・セル(燃料電池)」の綴りを変え「フール・セル(ばかげた電池)」とし、「水素は車に向かない」とこき下ろした。

 マスク氏の発言には一理ある。実はFCVは、今のところ環境負荷が低いエコロジー車とは言えない。「Well to Wheel」といって、車の環境負荷は「Well」、つまり燃料採掘から「Wheel(車)」まで全工程にわたって評価しなければならないが、その面からはFCV車自体で減らせる環境負荷はホンの一部だ。

 FCVで使う水素は、今のところ化石燃料を改質して取りだす方法がメインで、これを前提にするとFCVの環境負荷はガソリン車とほとんど変わらない。太陽光など再生エネルギーを使って水素を取り出すことができれば負荷は著しく低減するが、その実用化は2040年頃と予想されている。

 とはいえ、実はEVも似たような問題を持っている。EVはもともとベースロード電源としての原子力発電を前提にしていた。原発は発電量を調整しにくく、使用量が著しく減る夜間電力利用(電力料金は1/3)を前提にすれば、EVはエコノミーかつエコロジーとなるはずだった。しかし原発事故以降、化石燃料による発電が主体となって目論見が外れた。したがってEVもFCVも、今のところエコという面からは中途半端なのだ。

 自動車のデファクト競争は、自動車本体だけに終わるものではない。

 EVの電池にせよ、FCVの燃料電池にせよ、エネルギーを蓄積する機能を持つので、住宅と組み合わせるとエコロジーかつエコノミーにより貢献しうる。したがって住宅をめぐるデファクト競争という側面ももっている。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150603-35334013-collegez-ind

2015/06/03 <蔵王山>緊急対策8000万円計上へ 宮城県(河北新報)

 一般会計の6月補正の予算規模は約250億円になる見込み。蔵王山周辺観光の緊急対策費のほかに地域医療再生臨時特例基金に約100億円を積み増し、東日本大震災で被災した石巻市立病院の再建費などとして約43億円を充てる。

  石巻市の復興祈念公園整備費など復興交付金事業には約24億円を支出。燃料電池車(FCV)の普及に向けた水素ステーション導入事業費として、約1億9000万円を計上する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150603-00000008-khks-soci

2015/06/03 「ドローン規制はナンセンス」焦りにじませる経産省 このままでは燃料電池車の二の舞に…(産経新聞)
■規制緩和遅れが招いた弊害

 経産省が焦る理由のひとつには、規制緩和にもたついた結果、普及や技術革新に影響を受けた苦い過去があるからだ。

 例えば、昨年12月にトヨタ自動車が世界で初めて量産販売した燃料電池自動車(FCV)。二酸化炭素(CO2)を発生せず空気も汚さない“究極のエコカー”とされる。平成14年12月に同社がリース販売を開始しており、当時の首相だった小泉純一郎氏が首相官邸に納車するなど、政府お墨付きの次世代自動車の最有力候補として普及が期待されていた。

 だが、爆発しやすい水素を取り扱う厳しい安全規制が普及への足かせとなった。日本では高圧水素を取り扱うFCVや水素スタンドに関する規制は、経産省の高圧ガス保安法、国土交通省の道路運送車両法など多くの法律でガチガチに規制されていた。特に安全面にこだわった国交省は規制緩和には消極的だったとされ、規制緩和は遅々として進まなかった。

 一方、欧米などは車両と高圧水素容器を同じ規制の中でパッケージ化し、外国との相互認証を進めるなど、普及に向けた柔軟な整備を展開しており、「ドイツでは水素ステーションのインフラ整備が日本より2?3年は進んでいる」と業界関係者は話す。

 安倍晋三政権下の25年になって、ようやくFCV普及に向けた水素容器規制の抜本的見直しが行われることになったが、経産省の関係者は「もっと柔軟な規制緩和を実施していれば、FCVの本格導入を早められたはずだ」と唇をかみしめる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150602-00000557-san-bus_all

2015/06/03 "水"学び新産業創出を 浜松の経営者ら研究会設立(@S[アットエス] by 静岡新聞)
◇研究者側の情報発信不可欠

 研究会発起人の1人で、光産業創生大学院大(浜松市西区)の鈴木鉄也客員教授(71)は「水は可能性を秘めている。水の電気分解の逆反応を利用する燃料電池車も活用策の一例。技術と組み合わせることで思いもつかない新産業、利用法が出てくる」と強調する。

 日常生活に身近な水だが、一般的に機能はあまり知られてない。鈴木氏は「日本では、水は空気と同様に当たり前の存在のためか関心が低い。21世紀は水の時代と言われる。研究者側の情報発信の姿勢が不可欠」とみる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150603-00000033-at_s-l22

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