燃料電池ワールド Vol.1831 (2015/03/16 10:35)

水素チャンネル Home

■───────────────────────────
□燃料電池ワールド Vol.1831
■□□□□□□□□□
■2015年03月16日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

                    ◇http://pemdream.com

■世界のヘッドライン
□□□───────────────────────────

2015/03/12 イギリス最大の水素生産とバス燃料補給ステーション、アバディーンに開所(Aberdeen)

〔訳注〕イギリス初の水素生産とバス燃料補給ステーション(hydrogen production and bus refuelling station)は3月11日(水)、1900万ポンドのグリーン交通機関実証プロジェクト(green transport demonstration project)の一環として正式に開所した。

 ヨーロッパや英国政府、スコットランド政府、そして民間部門の幅広いペートナーから支援されているアバディーン水素バス・プロジェクト(Aberdeen Hydrogen Bus Project)は、都市で水素経済を作るために設計された最も注目を浴びるプロジェクトである。それは専用の水素燃料電池自動車管理施設だけでなく、イギリスで初の商業規模となる水素生産とバス燃料補給ステーションを含めて、2015年にアバディーン(Aberdeen)に水素インフラを届ける。

2015/03/12 イギリスの水素輸送システム、水素ステーションを運営する同国初のスーパーマーケットが重要な一歩を築く(Air-Products)

〔訳注〕イギリスの水素輸送システムは本日、同国で最初の水素ステーションを運営するスーパーマーケットを開所し、将来に向けて重要な一歩を踏み出した。ロンドン水素ネットワーク拡大(London Hydrogen Network Expansion:LHNE)プロジェクトに弾みをつける旗艦「スマートフュエル(SmartFuel)」水素ステーションのディスペンサーは、イギリス最大手の食料品店の一つである「センズベリーズ社(Sainsbury’s)」のヘンドン店(Hendon store)が提供している。

2015/03/12 プロトン・オンサイト社、複数の潜水艦艦隊に電解槽スタックを提供(Proton OnSite)

〔訳注〕プロトン・オンサイト社(Proton OnSite)は、防衛・航空宇宙システムの統合大手、UTCエアロスペース・システムズ社(UTC Aerospace Systems)から海軍(Navy)の電解槽セルスタックの継続的注文を受注した。17基のセルスタックの注文は数年かけて配送されるが、アメリカ、イギリス、フランスの各海軍艦隊の新造潜水艦で酸素発生に使用される予定である。数百万ドルの注文は、国際潜水艦艦隊にスタックを提供する唯一の米国提供者としてのプロトン社の地位を過去2カ月間にわたって固めたものだ。予約注文は、米国バージニア級、英国ヴァンガード級とアスチュート級、フランスのバラクーダ級の各潜水艦艦隊の酸素発生を支援し、2008年以降に納入した艦の代替設備になる。

■2015年03月13〜15日のWEB LINK NEWS
□□□───────────────────────────

2015/03/13 独DHLが水素燃料電池車をフランスで採用=仏シンビオ〔BW〕(時事通信)

 【ビジネスワイヤ】燃料電池システムの仏シンビオFCellは、同社製品を採用したハイブリッド電気・水素燃料電池車を、独DHLがフランスのリヨンで採用したと発表した。採用されたのは、シンビオFCellの水素燃料電池レンジエクステンダーを搭載した、ルノー製カングーZE。同レンジエクステンダーにより、バッテリー容量が倍増する。1.7キログラムの水素を装填すると、計300キロメートルを自力走行できる。DHLは、今月3日から18カ月間にわたって、リヨン中心部で同車を配送に利用する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150313-00000013-jijc-biz

2015/03/13 クラフトワークという名前の充電器を作った企業が本家クラフトワークに訴えられる(栗原潔)

 ドイツのイーツェレロン(eZelleron)という会社がライターのガス等で動作する燃料電池ベースのモバイル充電器をKraftwerkという商品名でキックスターターに出品(当該サイト(いずれ名称変更になるかもしれません))したところ、著名テクノユニットKraftwerkのリーダーであるラルフ・ヒュッター(Ralph Hutter)氏に訴えられるという事件がありました(参考記事(英文))

 ラルフ・ヒュッター氏本人が米国で所有するクラフトワーク関連商標は3件ありますが、そのうちの1件がこちらです。なお、USPTOのサイトもわが国よりはましであるとは言え、一部レガシーが残っており、商標検索データベースであるTESSには固定リンクが(たぶん)張れません。しかし、審査状況データベースであるTSDRには固定リンクが張れますのでこちらを使いました。

 ついでに、PACERで裁判情報を検索してみると、さすがに、ラルフ・ヒュッター氏を原告とする裁判は1件しかなくすぐみつかりました。せっかくなので、訴状(COMPLAINT)をアップしておきます。Kraftwerkが世界的に著明な音楽ユニットの名称であることを主張した上で、商標権の侵害、不正競争、商標の希釈化を根拠に差し止め等を請求しています。一般的な内容ですが、商標権侵害については、おそらくKraftwerk側にモバイル充電器での使用実績がないこと(米国では日本等と異なり商標登録があっても商標の使用実績がないと商標権が発生しません)から「音楽プレーヤーの充電にも使用されることから音楽家のKraftwerkとの誤認混同を招く」とちょっと苦しい主張になっています。

 これに対して、この商品は一種の発電機なのでKraftwerk(ドイツ語で「発電所」)という名称を付けるのは当たり前(商標権は及ばない)という主張もあるようですが、”power plant”という名称ならまだしも、米国において一般消費者がKraftwerkと聞いて発電所を想起することは想定しがたい(ドイツのテクノユニットを想起する人の方がはるかに多い)ので、ちょっと厳しいのではないかと思われます。

 上記のとおり、Kraftwerk側にも苦しい点はあるのですが、イーツェレロン側としては、キックスターターで勝負を賭けている時に、裁判での争いに費用と時間と経営者の体力を使うのはどう考えても得策ではないので、できるだけ良い条件で(できれば無償で)和解して、別の名称を付けてやり直しということになるのではないかと思います。

 製品としては(安全性面での課題はあるでしょうが)魅力的なので、別の名前で成功することを期待しています。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kuriharakiyoshi/20150313-00043801/

2015/03/13 トヨタ、東京五輪は好機?FCVや自動運転を世界にアピール(Bloomberg)

 (ブルームバーグ):2020年に開催される東京五輪は、トヨタ自動車にとって、水素で走る燃料電池車(FCV)や自動運転などの先進技術を世界にアピールする好機となる。

 トヨタは国際的スポーツイベントの新規スポンサー契約について、13日夕に都内で発表会見を開く。会見の内容について詳細は明らかにしていないが、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の副会長も務めている豊田章男社長が出席する予定。

 トヨタでは56年ぶりの開催となる東京五輪を自社技術・製品を世界にアピールする絶好の機会ととらえ、さまざまな製品や技術の開発を進めてきた。

 トヨタは昨年末、世界初の量産FCV「ミライ」を国内投入。車両を製造する元町工場(愛知県豊田市)での2月のラインオフ式で、豊田社長はミライにとって20年を念頭に置いておく必要があるとの認識を示していた。このほか、先行車両と無線で通信して追従走行する運転支援システムも開発を進めており、五輪までに商品化する予定だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150313-00000056-bloom_st-bus_all

2015/03/13 エコカー技術者養成へ トヨタグループ専門学校が専用棟建設(産経新聞)

 トヨタ自動車系列の自動車整備専門学校「トヨタ東京自動車大学校」は13日、燃料電池車(FCV)やハイブリッド車(HV)などのエコカーに対応できる技術者を養成する「スマートモビリティ棟」の竣工式を行い、報道公開した。昨年4月に新設したスマートモビリティ科の研究施設として建設。エコカーの点検整備や車両設計の基礎技術などを学習できる。

 従来のガソリン車にはない電動部品を使ったり、通信機能を備えた車の販売が増えたことで、ディーラーなどでは点検整備やユーザーへの説明ができる人材が不足している。松浪良樹校長はこうした需要に応えることで、「これからの自動車業界で活躍できる人材を育てたい」と強調した。

 トヨタの国内販売のうち、HVやプラグインハイブリッド車(PHV)などのエコカーが占める割合は2014年で44%に上り、10年の25%に比べ8割近く増加している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150313-00000558-san-bus_all

2015/03/13 トヨタがIOCと最高位スポンサー契約、新「モビリティ分野」で(ロイター)

 [東京 13日 ロイター] - トヨタ自動車は13日、国際オリンピック委員会(IOC)と最高位のスポンサーである「TOP(The Olympic Partner)パートナー」契約を結んだと発表した。TOPパートナーとはオリンピック(五輪)をグローバルで支援する企業で、五輪マークを使って世界的な宣伝などができる。

 競技場などで対象製品を使うことで、企業名や製品、ブランドの認知度向上にもつなげられる。1業種1社に限られており、今回IOCが新たに「モビリティ分野」を設け、初めてトヨタが選ばれた。

 IOCのトーマス・バッハ会長とトヨタの豊田章男社長は同日、都内で会見した。バッハ会長は、分野名として「自動車」ではなく、あえて幅広い概念を持つ「モビリティ」という単語を使用したと説明した。トヨタの対象製品は乗用車、商用車、小型モビリティのほか、テレマティクスサービスといった車載情報システムなどを含んでいる。

 現在はTOPパートナーとして米コカ・コーラなどが契約を結んでおり、トヨタで12社目。日本企業としてはパナソニック、ブリヂストンに次いで3社目となる。

 契約期間は2015年から24年までの10年間。期間中には20年に東京五輪が開催される。ただし、日産自動車が現地で公式スポンサーとなっているリオデジャネイロ五輪が開かれる16年までは日本のみの権利で、グローバルでの権利になるのは17年以降となる。

 バッハ会長は、トヨタが掲げる「持続可能な成長」というグローバルビジョンが五輪の目指す姿と共有できるとして、同社は「理想的なパートナー」と指摘。トヨタの燃料電池車「ミライ」に試乗したことも自ら明かした。

 一方、豊田社長は、五輪という機会を「1つのショーケース」として未来のクルマのあり方を披露したいとの意向を示し、「五輪をゴールにするのではなく、その先50年を見据えたスタートにしたい」と述べた。豊田社長は20年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の副会長も務めている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150313-00000091-reut-spo

2015/03/14 西部ガス、電力事業企画部を新設 全面自由化へ体制構築(産経新聞)

 西部ガスは13日、火力発電や再生可能エネルギーなどを担う「電力事業企画部」を4月1日に新設すると発表した。家庭向けを含めた電力小売りの全面自由化が平成28年度に始まるのを前に、電力事業への本格参入に向けた体制を整える。

 また、昨年11月に国内最大級のLNG受け入れ施設「ひびきLNG基地」(北九州市若松区)が稼働したことを受け、ガス製造拠点も集約する。現在の北九州工場を今月31日に、福北工場(福岡市東区)を6月30日に廃止する。

 福北工場跡地の一部は、都市ガスから製造した水素を燃料電池自動車などに供給する「水素ステーション」として、28年3月に運用を始める。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150314-00000053-san-l40

2015/03/14 有機物を分解して発電する菌…薬科大教授が講演(読売新聞)

 「読売テクノ・フォーラム」の研究交流会が13日、読売新聞東京本社(東京都千代田区)で開かれ、東京薬科大の渡辺一哉教授が、「発電菌がきりひらく未来のバイオ」と題して講演した。

 発電菌は、有機物を分解して電子を出す微生物。渡辺さんはこれを使って電気を取り出す研究として、生ゴミや排水を原料にした微生物燃料電池や、水田の土の中の菌による「田んぼ発電」などの例を紹介し、「発電菌で新しい物質循環のシステムを作りたい」と話した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150313-00050090-yom-sci

2015/03/14 「燃料電池」本格生産、水素社会が現実に 災害時にも威力発揮(産経新聞)

 20××年、神奈川県・湘南地方のベッドタウン。街中には家路を急ぐ人々や、多くの車やバスが行き交っている。見た目は、近郊都市によくある風景だ。しかし、耳を澄ましても、街の喧噪(けんそう)というのがあまり感じられない。

 違和感のもとは、街を走る車の多くが水素を燃料とする燃料電池車(FCV)だからだ。FCVは排ガスを発生することなく、滑るように道路を通過していく。交通の要所にあるバスの営業所には、大型水素ステーションがそびえ立つ。次々と入庫する燃料電池バスがわずか数分間で水素を充填(じゅうてん)し、再び出発していく。

 その時、街を大きな揺れが襲った。電気も止まったようだ。だが、住宅や公共交通機関の明かりはともったままだ。家庭用燃料電池やFCVが非常用電源として作動したのだ。周りの病院や避難所にも無事、電気が“配達”された。街の人々は、冷静に復旧作業を開始した?。

 もちろん、これは半ば空想に過ぎない。しかし、自民党本部で今月19日開かれた「FCVを中心とした水素社会実現を促進する研究会」で小田急電鉄が披露した、近い将来の構想でもある。参加議員からは「補助制度をしっかり整えて推進したい」など前向きな声が相次いだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150314-00000514-san-bus_all
※長文なので本文を。

2015/03/15 (ワールドけいざい)ハイブリッド車、もうエコカーじゃない? 米カリフォルニア、優遇見直し(朝日新聞デジタル)

 厳しい排ガス規制で知られる米カリフォルニア州で、ハイブリッド車(HV)が肩身の狭い思いをしている。もはや最新技術とはみなされず、エコカーの定義からも外された。流れは他の州にも及んでおり、各メーカーは次世代エコカーの投入を急いでいる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150315-00000008-asahik-bus_all

───────────────────────────────────

■メルマガ「燃料電池ワールド」
 □毎週月〜金曜日発行(年末年始および祝日は休刊)
 □編集・発行:燃料電池NPO pemdream
  連絡先:http://pemdream.com/index.php?contact%20us

 □解除を希望される方は、利用されている「まぐまぐ」または「melma!」のどちらかで解除の手続きを行ってください。pemdreamでの代行はできません。
 まぐまぐ http://www.mag2.com/m/0000065319.html
 melma! http://melma.com/backnumber_39824/
□マガジンID:0000065319(まぐまぐ) m00039824(melma!)


**H2**

<前の号 次の号>

TAKAGI-1