燃料電池ワールド Vol.1830 (2015/03/13 11:00)

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□燃料電池ワールド Vol.1830
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■2015年03月13日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

                    ◇http://pemdream.com

■世界のヘッドライン
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2015/03/11 FCOパワー社、住宅用システムのために固体酸化物型燃料電池を開発(FCO Power)

〔訳注〕住宅用700W級システムの開発で作成したスタックは、わずか3センチメートルの厚さである。名古屋のメーカー、FCOパワー社(FCO Power Inc.)は、既存の集合住宅に住宅用燃料電池システムを提供するために次世代型固体酸化物型燃料電池(solid oxide fuel cell:SOFC)スタックを開発していると発表した。同社によれば、薄くて低コストのスタックは2020年以降に、日本の住宅の約40%を数える既存の集合住宅に燃料電池を設置することを達成したいとしている。

 「プリンテッド・フュエルセル(Printed Fuel Cell)」は、すべてが単セルのレイヤーでできた固体酸化物型燃料電池である。それは、複数の各層(アノード、電解質、カソード、およびセラミック・セパレータ)を焼結する前に繰り返して積層し、その後スタックとして一度だけ同時に焼結する。単セルとセパレータの全体の厚さはちょうど0.4ミリで、従来技術の厚さの約10分の1である。このように薄いので、「プリンテッド・フュエルセル」は世界的に最高レベルの一つである5kW/Lを達成するといわれている。

 高い体積出力密度と低コストスタック技術によって、FCOパワー社と提携パートナーはオリンピックの年、2020年に固体酸化物型燃料電池システムの実用化を目指している。

2015-03-11 Strandm〓llen社、水素自動車に切り替える(Strandm〓llen)

〔訳注〕Strandm〓llen社(Strandm〓llen)は、デンマークで最初の自家用燃料電池自動車を1台、購入した。これは、持続可能な交通の将来の発展に向けて共同責任を取るためである。同社はまた、デンマークのフュン島(island of Fyn)の空気分離プラント(air separation plant)に隣接して水素燃料ステーションを開設した。同社はここで、持続可能な水素を生産するためにデンマークで唯一の電解プラントを操業している。水素は車の化石燃料に対する強力な代替手段である。特に現在、同社はエネルギー協会(Energiselskabet OK a.m.b.a)およびH2ロジック社(H2 Logic A/S)とパートナーシップを組んでいて、この先数年間にデンマークの広大な地域に燃料補給が可能になる。化石燃料から燃料電池自動車への変換が始まることはそれ故、さらなるステップの一つとしてStrandm〓llen社が水素ステーションを持つことは自然な成り行きである。

2015/03/11 ボーダフォン・オランダ社、水素電池アンテナを試験(Vodafone Netherlands)

〔訳注〕ボーダフォン・オランダ社(Vodafone Netherlands)は、水素燃料電池で使う移動アンテナに電力を供給する新しいシステムの実験を行っている。ロッテルダムに配備したアンテナは、システムで水を水素と酸素に分解し、電気を生成するために水素を使う。システムはイベントや、ディーゼル発電機を充てにして電力網に接続されていない過疎地での臨時のアンテナとして最適である。この試験が成功すれば、複数のサイトで水素電池を使用することを計画している。

2015/03/11 サンディア国立研究所、天然ガスや水素燃料電池自動車市場のチャンスを指摘(Sandia)

〔訳注〕サンディア国立研究所(Sandia National Laboratory)の新しい報告書「運輸部門の移行を:水素燃料電池と天然ガス自動車の交点を探る(Transitioning the Transportation Sector: Exploring the Intersection of Hydrogen Fuel Cell and Natural Gas Vehicles.)」は、水素と天然ガスの両方がそれぞれの燃料を配送する人に利益があると指摘している。

 昨秋、エネルギー省の自動車技術と燃料電池技術の各局によって支援されたワークショップでこの報告書は、輸送用燃料として水素と天然ガスの使用拡大は共通の機会と課題であることを検討した。サンディア国立研究所、米国ガス協会(American Gas Association)、トヨタ自動車(Toyota Motor Corp.)が主催したワークショップには、自動車産業、運輸配送業界、ガス供給者、ガス貯蔵開発者、公共事業、学界、業界団体、国立研究所、連邦および州部局が参加した。「天然ガスはアメリカでは水素製造の95%を担っている。このワークショップは、天然ガスと水素は積極的に連携して、燃料開発の相乗効果を上げる最初の会合だった」とドーン・マンリィ(Dawn Manley)サンディア研究所の化学部次長は述べた。

2015/03/11 コーネル大学の研究者、燃料電池で使用する新しい薄膜材料を合成(Cornell University)

〔訳注〕コーネル大学(Cornell University)の研究者は、燃料電池で使用する新しい薄膜触媒(thin-film catalyst)を合成した。チームは、Bi2Pt2O7バイロクロアの史上初のエピタキシャル薄膜成長(first-ever epitaxial thin-film growth of Bi2Pt2O7 pyrochlore)を、米国物理学協会の出版事業部門、AIP出版(AIP Publishing)が3月10日に発刊した科学誌「APLマテリアルズ(APL Materials)」で報告した。

■2015年03月12日のWEB LINK NEWS
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2015/03/12 “上から目線”が魅力? ギラギラ、オゲレツな新型アルファード&ヴェルファイアが絶好調(週プレNEWS)

 まず外観デザインは厚顔かつギラギラの極致! 特にアルファードはオゲレツなド迫力!!

 このシートは周囲の室内調度も特別豪華に飾った「エグゼクティブラウンジ」というグレードだけの専用シート。しかも「オプションを追加して…という面倒臭さもなくして、最初からフル装備」にしたことで価格は実に700万円超!(ハイブリッドの場合)。これはセンチュリーや(燃料電池車の)ミライといった特殊車を除けば、トヨタブランドの最高価格車となる。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150312-00044882-playboyz-bus_all

2015/03/12 燃料電池車を32年度までに「5000台」 かながわ普及推進協(産経新聞)

 黒岩祐治知事は11日の定例会見で、県や自動車メーカー、水素関連事業者などで構成する「かながわ次世代自動車普及推進協議会」が策定した水素社会実現に向けたロードマップを公表した。

 平成32年度までに水素社会の中心となる燃料電池車(FCV)の県内累計普及台数を5千台、水素ステーション(移動式を含む)を県内に25カ所整備するとした数値目標を初めて示し、「ある程度のめどを提示したことで政策の方向性が見えてきた。具体策を今後検討していきたい」(黒岩知事)と意気込んでいる。

 現在、県内に普及しているFCVは県と横浜市の公用車の計2台で、水素ステーションも海老名市と横浜市内の計3カ所のみ。県や横浜市は27年度当初予算案にFCV購入補助費を計上して普及を後押しする。

 黒岩祐治知事は11日の定例会見で、県や自動車メーカー、水素関連事業者などで構成する「かながわ次世代自動車普及推進協議会」が策定した水素社会実現に向けたロードマップを公表した。

 平成32年度までに水素社会の中心となる燃料電池車(FCV)の県内累計普及台数を5千台、水素ステーション(移動式を含む)を県内に25カ所整備するとした数値目標を初めて示し、「ある程度のめどを提示したことで政策の方向性が見えてきた。具体策を今後検討していきたい」(黒岩知事)と意気込んでいる。

 現在、県内に普及しているFCVは県と横浜市の公用車の計2台で、水素ステーションも海老名市と横浜市内の計3カ所のみ。県や横浜市は27年度当初予算案にFCV購入補助費を計上して普及を後押しする。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150312-00000072-san-l14

2015/03/12 水素社会のインフラ構築、国・自治体・企業に温度差(ダイヤモンド・オンライン)

 燃料電池車の普及について、産学官の各方面への取材を続けている。
 そこで感じるのは「水素社会に対する“温度差”」だ。
 特に、水素インフラについて、その“差”は大きい――。

 燃料電池車は、特殊なクルマだ。なぜなら、既存の自動車向けインフラが全く使えないからだ。そのため、燃料電池車の普及に際して、量産車と水素インフラは「鶏と卵」と称される。EV(電気自動車)の場合も、こうした「鶏と卵」論がある。だが、EVは一般住宅や事業所で既存インフラによる充電も可能であり、「急速充電器の数が増えないから、EVが普及しない」という考えは不自然だ。
 水素インフラに関する“温度差”。
 その発生源は、大きく2つあると思う。

 ひとつは、「地産地消」。もうひとつは、いまさらながら…、「規制緩和」だ。
 本稿では前者について考察する。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150312-00068221-diamond-bus_all
※長文なので本文を。

2015/03/12 ROE10%を前提に三菱ケミHDがヘルスケアなど積極推進の経営計画を発表(ZUU online)

 太陽日酸の連結子会社化などを昨年に実現するなどの動きを見せてきた三菱ケミカルホールディングス(HD)が3月11日、中期経営計画の進捗などを解説する事業説明会を開催し、今後も10%のROEを前提として事業運営を推進する考えを明らかにした。

 素材分野でも、昨年度の実績として30億円だった営業利益が14年度には12倍を上回る380億円となる見通しが明らかにされた。昨年に連結子会社に組み込んだ大陽日酸の移動式水素ステーション「ハイドロシャトル」の運用開始や、燃料電池車への期待の高まりで注目される水素ステーションを受注していることが紹介された。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150312-00000008-zuuonline-bus_all

2015/03/12 トヨタはなぜ燃料電池車の発売を急いだのか(乗りものニュース)現状では効率よく水素を作れない

 二酸化炭素など「地球温暖化ガス」は一切出しません。そんなことから燃料電池は、ECOパワーユニットの代表的な存在と考えられています。しかし、トヨタ「ミライ」の登場でそれが実用化されるかとなれば、実はそうでもありません。実際、燃料電池はダメだという識者も多数。皆さん根拠を上げ明確に否定します。

 ガソリンスタンドに相応する水素ステーション不足や高額な車両価格についていえば、大量に作ることによりイッキに下がることでしょう。そんなことより一番大きな問題点は「水素をどうやって作るか」という燃料電池の根本に関わる問題だと、私は考えます。現時点で、効率よく水素を作れる技術はありません。

 水素を作るとき大量の電力が必要だったり、天然ガスなどから熱で水素を取り出す方法だと少なくない量の二酸化炭素を出します。加えて「ミライ」の水素タンクは700気圧もあり、水素を圧縮するため電気自動車なら70km走れるくらいの電力が必要です。だったら電気自動車の方が効率良いということになります。
多くの仲間が必要な燃料電池

 もちろんトヨタだってそのあたりの事情は100%認識しています。すぐ実用化されるとも考えていません。だからこそ「ミライ」と名付けたのであり、決して「アシタ」だと思っていないということでしょう。ミライといえば少なく見積もって20年。そのくらい掛かると覚悟しているワケです。

 ただ「自動車」という商品にして販売しないと、いつまで経ってもその未来は訪れません。人間だって生まれた時は役に立たないばかりか、むしろ手が掛かって大変です。新しい技術も同じです。特に燃料電池のような画期的かつ高度な技術を熟成させるには、長い長い時間をかけなければなりません。

 燃料電池には素晴らしいポテンシャルがあるはずです。やがて自動車だけでなく鉄道車両などでも実用化されるかもしれません。「ミライ」に搭載されている燃料電池は155馬力。小型で100kgしかありません。これを2つ搭載するだけで310馬力のディーゼルエンジンと同等です。大量の排気ガスを出す建設機械などのパワーユニットとしても有望でしょう。

 トヨタは2015年1月に燃料電池の特許の無償供与をするという発表をしました。これは富士山登山でいえば、誰でも登れる5合目までの道を作ったのと同じです。これにより多くのメーカーで、燃料電池車の開発が可能になりました。

 トヨタ広報に聞くと「燃料電池を1日でも早く実用化するには仲間が必要です。いろいろな企業で開発すれば良いアイデアもたくさん出てくると思います」といいます。燃料電池を上手に、順調に育てられれば、日本は石油枯渇や地球温暖化と無縁な素晴らしいパワーユニットを手に入れられるはずでしょう。
国沢光宏
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150312-00010002-norimono-ind

2015/03/12 JX、水素ステーション7号店を埼玉・春日部に開設 3分でFCV満充填(産経新聞)
JX日鉱日石エネルギーは12日、「究極のエコカー」といわれる燃料電池車(FCV)に水素を供給する商用の「水素ステーション」の7号店を埼玉県春日部市に開設したと発表した。JXは3月末までに水素ステーションを首都圏と愛知で計11カ所開設予定。その1年後までに計40カ所に増やす方針だ。

 7号店は、ガソリンスタンド「Dr.Driveセルフ春日部中央SS」に併設して営業。外部から輸送した水素を供給する「オフサイト方式」だ。水素は1キログラム当たり1千円(税別)で販売し、約3分間でFCVを満充填にできる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150312-00000535-san-bus_all

2015/03/12 政府が電気自動車の高速道路料金を補助、先着4万台まで(MONOist)

 経済産業省は2015年3月12日、平成26年度補正予算を活用した、電気自動車やプラグインハイブリッド車などの普及に向けた施策を発表した。これまで行ってきた、電気自動車などを購入する際の補助金や、充電インフラ整備を促進するための補助金に加えて、電気自動車やプラグインハイブリッド車の高速道路の利用実態調査を目的とする調査協力費の支給を新たに行う。

 電気自動車やプラグインハイブリッド車などの購入費用を一部補助する「クリーンエネルギー自動車等導入費補助金(CEV補助金)」は、平成26年度補正予算は100億となっている。CEV補助金は、クリーンディーゼルエンジン車や、2014年12月に市場投入された「ミライ」のような燃料電池車も対象になっている。平成27年度の本予算で200億円を要求していることから、2015年も従来と同じ年間300億円の予算で運用されることになる。

 平成26年度補正予算をもとにしたCEV補助金の申請受付は2015年3月9日に開始されている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150312-00000058-it_monoist-ind

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