燃料電池ワールド Vol.1829 (2015/03/12 09:24)

水素チャンネル Home

■───────────────────────────
□燃料電池ワールド Vol.1829
■□□□□□□□□□
■2015年03月12日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

                    ◇http://pemdream.com

■世界のヘッドライン
□□□───────────────────────────

2015/03/10 AFC社、韓国の燃料電池技術の商業展開のためにサムヨン社およびチャンシン社と50MWの劃期的な量に署名する(AFC Energy)

〔訳注〕アルカリ型燃料電池を開発するAFCエナジー社(AFC Energy plc)は、韓国パートナー2社と公式のプロジェクト開発協定(Project Development Agreement:PDA)を結んだことを発表した。この協定は、韓国テサン(大山)で、最初に50MWとする燃料電池発電容量の展開のために、サムヨン社(Samyoung Corporation:Samyoung)およびチャンシン化学社(Changshin Chemical Co.:Changshin)と結んだもの。

 50MWの発電は二つの節に分けて行われる。この10年間の合弁事業には約10億米ドルの収入が期待されている。第一期は2016年末までに5MWを運用し、残りの45MWの第二期運用は2019年の終わりを見込んでいる。

2015/03/10 シンビオFCell社、ルノートラック社の電動小型トラック「マキシティ・エレクトリック」に水素で動く航続距離延長システムを提案してルノートラック社およびフランス郵政公社と連携(Symbio FCell)

〔訳注〕シンビオFCell社(Symbio FCell)は、ルノートラック社の「マキシティ・エレクトリック(Maxity Electric)」に水素で動く航続距離延長システム(range extender)を装備する。フランス郵政公社(La Poste)グループは、フランス、ジュラ県(Jura)のドール(Dole)で一年間実走行してテストし、トラックの走行距離は100キロから200キロ延長された。この走行距離の延長は、都市部と郊外のフランス郵政公社の日常の仕事に必要なことである。

 シンビオFCell社の作動原理は簡単である。トラックのバッテリーの寿命が終わると、燃料電池が電動モーターにエネルギーを供給する。トラックの全体の走行距離はこうして倍になる。また、燃料電池で発生した熱は、トラック内部の空調を暖めるために再利用できる。トラックが停止すれば、燃料電池はバッテリーを充電できる。ルノートラック社の「マキシティ・エレクトリック」は、350バール(bar)の水素を4kg貯蔵するためにそれぞれ75リットルのタンクが2本装備されている。

2015/03/10 微生物燃料電池は災害激甚地のキャンプを照らすために「おしっこパワー」を使う(UWE Bristol)

〔訳注〕微生物燃料電池(Microbial fuel cell)は電力の絶え間ない流れのために小便を回す。西イングランド大学(University of the West of England:UWE Bristol)の学生会館の酒場の近くにあるトイレは、おしっこが電気を発生させることを立証している。試作品の便器は、ブリストルの西イングランド大学とオックスファム(Oxfam、オックスフォード飢餓救済委員会◆発展途上地域を支援する英国のNGO)の研究者のパートナーシップの結果である。この「おしっこパワー」技術は、特に女性にとってたびたび暗くて危険な場所になる難民キャンプで小部屋を照らすだろう。

 学生とスタッフは、室内照明に電力を発生する微生物燃料電池スタックの燃料におしっこを提供する男子用小便器を使う。研究チームは、西イングランド大学ブリストル・ロボット工学研究所(Bristol Robotics Laboratory)のブリストル・ロボット工学研究室長のイオアニス・イエロプロス(Ioannis Ieropoulos)教授が主導している。装置1台を製作・設置して永続的な電源を提供するためにかかる費用は、最終的に600ポンド(約11万円)ほどになるという。この微生物燃料電池は、自身の成長と生命維持のために尿を餌とする生きた細菌を用いることで機能する。これは化石燃料を使わずに、生化学的エネルギーの一部を活用するシステムになっている。

■2015年03月11日のWEB LINK NEWS
□□□───────────────────────────
2015/03/11 11日の朝刊(都内最終版)☆1(時事通信)
【日経】
◆水素スタンド 審査迅速に 燃料電池車普及促す 経産省 1カ月から半月に短縮(5)
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150311-00000000-jijnb_he-nb

2015/03/11 大阪府中央卸売市場にクリーン発電機が登場 ── 年間電力需要の半分供給(THE PAGE)

 大阪府民の台所が、ひと足早くクリーンエネルギー改革──。大阪府中央卸売市場(茨木市)で9日、新タイプの燃料電池発電システム「ブルームエナジーサーバー」が運転を開始し、記念式典が行われた後、関係者らに公開された。燃料の天然ガスを燃やすことなく、天然ガスから化学反応で発電するのが特色。発電効率が高く環境にもやさしい分散型発電のメリットをアピールしている。
天然ガスを燃やすことなく化学反応で発電

 この発電システムを開発設置したのは、ソフトバンクグループと米国発電設備メーカーブルームエナジーコーポレーションが共同出資するブルームエナジージャパン(本社・東京都港区、三輪茂基社長)。新しい分散型電源は、天然ガスを燃やしタービンを回して発電する従来の火力発電とは異なり、天然ガスを燃焼させることなく、化学反応で電気を生み出す。騒音や振動が少なく、発電効率が6割以上と高い。CO2排出量が火力発電比43%減と、環境にもやさしい。

 国内での設置は4件目。出力規模は1・2MW(メガワット) で、年間を通じて市場の電力需要の約50%をまかなうことができる。ブルームエナジージャパンによると、1MWを超える同型燃料電池の本格運転は、日本で初めてという。

 式典には、松井一郎府知事、三輪社長、来賓の大阪・神戸米国総領事館代表、環境省代表らが出席。孫正義ソフトバンク社長も祝辞を寄せた。松井知事らはテープカットに臨んだ後、設備を視察した。
クリーン発電拡大に大阪中小企業の技術を

 松井知事は「2013 年、米ブルームエナジー社を訪問した際、このすぐれた発電システムに大阪の中小企業の技術が生かされていると聞いて以来、大阪で導入したいと考えていた」と経緯を報告。「大規模な発電設備や送電設備が要らないこの発電システムは、これからのエネルギーのベストミックスの中核となり得る。

 需要拡大にはコスト削減が求められるが、大阪に部品工場を誘致してコスト削減に貢献し、大阪のエネルギー技術の高さを広くアピールしたい」と、エネルギー改革推進と中小企業再生の相乗効果を強調した。

 三輪社長は東日本大震災を振り返り、「大規模集中発電は悪くはないが、完璧ではないことが分かった。中小規模の分散型で発電効率が高く環境にもやさしい発電システムの普及に努めていきたい」と話し、「この卸売市場は新幹線からも見えるので、新しい発電システムのショーケースとして注目してもらえれば」と訴えていた。詳しくはブルームエナジージャパンの公式サイトで。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150310-00000010-wordleaf-bus_all

2015/03/11 <新国立競技場>水素、生体認証…最先端技術を集結する構想(毎日新聞)

 日本スポーツ振興センター(JSC)は11日、2020年東京五輪・パラリンピックの主会場として建て替える新国立競技場(新宿区)に日本の最先端科学技術を集結させる構想を発表した。次世代エネルギーとして注目される水素エネルギーの積極的導入や、テロを防ぐための生体認証システムの整備などを盛り込んでおり、国や民間企業と連携しながら実現化を目指す。

 トヨタ自動車やパナソニックなど民間企業7社を加えた「新国立競技場を日本の新技術のショーケースにする勉強会」(座長=森喜朗・大会組織委員会会長)で昨年5月から協議を重ねてきた。競技場周辺に水素供給ステーションを作り、乗り入れは燃料電池自動車などに限定。また、高性能の顔認証システムで入退場を監視したり、競技場の収容人数の8万人の利用にたえる無料公衆無線LAN「Wi?Fi(ワイファイ)」の環境整備などを盛り込んでいる。

 構想を実現化する際の予算措置は未定。JSCの河野一郎理事長は「内閣府も(科学技術集結という)同じ方向で動いており、オールジャパン体制で進めていきたい」と述べた。森座長は「実現すれば、ものすごいものになる。(企業も)金もうけでなく、国家のために一翼を担うことを肝に銘じて協力願いたい」と話した。

 国立競技場は現在解体作業が進む。新競技場は10月に着工し、19年3月完成予定。19年ラグビー・ワールドカップ日本大会の主会場としても使用される。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150311-00000085-mai-spo

2015/03/11 NFKHDが続急伸、水素関連株の一角に買い流入(サーチナ)

 NFKホールディングスが3日続伸し、午後0時50分に23円高(17.69%高)の153円を付けた。岩谷産業、三菱化工機、加地テック、キッツなども堅調。「水素ステーション」の安全審査緩和が報じられ、水素関連銘柄の一角に買いが流入した。従来は約1カ月だった都道府県による審査期間を半月に縮めるという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150311-00000134-scn-biz

───────────────────────────────────

■メルマガ「燃料電池ワールド」
 □毎週月〜金曜日発行(年末年始および祝日は休刊)
 □編集・発行:燃料電池NPO pemdream
  連絡先:http://pemdream.com/index.php?contact%20us

 □解除を希望される方は、利用されている「まぐまぐ」または「melma!」のどちらかで解除の手続きを行ってください。pemdreamでの代行はできません。
 まぐまぐ http://www.mag2.com/m/0000065319.html
 melma! http://melma.com/backnumber_39824/
□マガジンID:0000065319(まぐまぐ) m00039824(melma!)


**H2**

<前の号 次の号>

TAKAGI-1