燃料電池ワールド Vol.1828 (2015/03/11 08:32)

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□燃料電池ワールド Vol.1828
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■2015年03月11日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

                    ◇http://pemdream.com

■世界のヘッドライン
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2015/03/09 ABB社と斗山社、2016年を通じてクリーン・エネルギー商用サイトの燃料電池を製造するためのパートナーシップ協定を延長(Doosan and ABB)

〔訳注〕世界大手の電力とオートメーション・エンジニアリング企業の一つであるABB社(ABB)と、コネチカット州を拠点に燃料電池発電システムを提供する斗山フュエルセル社(Doosan Fuel Cell:Doosan)の両社は本日、2016年を通じてパートナーシップ協定を延長すると発表した。フォーブス・グローバル(Forbes Global)のビジネス・リストの上位に位置づけされるスイスに本社を置くABB社は、斗山社クリーン・エネルギー発電所のために管理システムとして働く電気モジュールを専門に提供している。ABB社のシステムは、斗山社燃料電池スタックで作られた電力を管理し、大学や病院、通信施設、データセンターなどの商業建築に電力を提供する。

2015/03/09 AFC社、101燃料電池スタック試験で画期的な成功を収める(AFC Energy)

〔訳注〕産業用燃料電池発電のAFCエナジー社(AFC Energy plc)は、ドイツの産業用ガス施設で、最初の101燃料電池スタック・カートリッジの成功を発表した。AFC社の最初の101燃料電池スタックは、イギリスで成功裏に試された。その後出荷され、2015年3月3日以来ドイツに設置され、作動している。同社が再設計しているアルカリ型燃料電池システム(alkaline fuel cell)「KORE」は、ドイツのエア・プロダクツ社(Air Products)の産業ガスプラントでデモンストレーションを行う予定である。

2015/03/09 ゼニヤッタ・ベンチャーズ社、カナダ政府から支援されている世界的な燃料電池技術企業と協力:最初の適性検査は、アルバニー・グラファイト素材が水素燃料電池部品に適していることを示す(Zenyatta)

〔訳注〕ゼニヤッタ・ベンチャーズ社(Zenyatta Ventures Ltd.)は、第一段階の適性検査で、アルバニー・グラファイト(Albany graphite)が燃料電池用の複数の部品で使うための肯定的な結果を生じたことを公表した。第二ステップとして同社は現在、高純度アルバニー・グラファイトから実際の部品を作るために世界的な燃料電池技術のリーダーとさらに協力することを計画している。燃料電池を革新する研究は、技術的な助言サービスで支援され、カナダ国立研究評議会の産業研究援助プログラム(National Research Council of Canada Industrial Research Assistance Program:NRC-IRAP)から資金が寄付されている。

2015/03/09 2020年まで、ロンドンのルートRV1を水素バスは走る

〔訳注〕ロンドン市長は、ルートRV1の艦隊に水素燃料電池バスを2台追加すると表明した。水素バスは2020年までRV1ルートを走行する。ゼロエミッションのバスは2011年以来、ルートの主要な車両として走っている。

2015/03/09 インド工科大学カラグプル校、廃棄物からバイオ水素燃料を開発

〔訳注〕廃棄物からクリーンな燃料を生成する目的で今年、試運転レベルの水素生産用大規模バイオ反応プラントがインド工科大学カラグプル校(IIT-Kgp)で準備されている。新・再生可能エネルギー省(Ministry of New and Renewable Energy)の資金援助事業の一環として、インド工科大学カラグプル校のバイオ・テクノロジー部門のデバブラタ・ダス(Debabrata Das)教授は、廃棄物を使ったバイオ水素(水素ガス)を生成するために6つの研究所から集まったインド科学者のグループを指導している。

■2015年03月10日のWEB LINK NEWS
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2015/03/10 アウディCEO、燃料電池車の市販化は「長い道のり」(レスポンス)

 次世代環境車として注目される、水素を燃料とする燃料電池車(FCV)。いち早くトヨタが『MIRAI(ミライ)』を市販化したことで話題となっているが、昨年11月にFCVコンセプト『A7 h-トロン』を発表、2月に燃料電池に関する特許を加バラード社から購入することを明らかにした独アウディは、市販化に向けては「長い道のり」と慎重だ。

 翌日に年次会見を控えた3月9日、独インゴルシュタットでアウディCEOのルパート・シュタートラー氏、技術担当役員ウルリッヒ・ハッケンベルク氏に、アウディの燃料電池車戦略について直撃した。

 FCV普及において欠かすことができないのが、燃料となる水素を充填するステーションの整備だ。日本では近く開設予定のものも含め現在全国で約40件だが、ドイツではすでに700件近い施設が稼働している(一般非公開含む)のだという。ステーション数では日本を大きく上回るが、正式な市販化については慎重な姿勢を見せる。

 シュタートラー氏は要因のひとつに、設備に関して「テクノロジーが高価であること」を挙げる。「経済的な観点から、ブレイクスルーが出来ているとは言い難く、2?3年で普及が実現するものだとは考えていない」(シュタートラー氏)。ドイツ国内のガソリンスタンド数が約1万5000件。これに比較すると、ユーザーの不安を払拭出来る数には満たないという考えだ。さらにハッケンベルク氏が加える。「CNG(天然ガス)車のステーションは1000か所ある。それでも顧客は不安を感じている。(水素は)これと状況が似ている」。

 車両開発については「量産直前の段階にある」という。2014年11月のロサンゼルスモーターショーで発表したA7 h-トロンは、充電にも対応し満タンで約500km走行出来る。技術開発においては既に完成形に近いというが、「量産するかどうかは、売れるかどうか、ということに直結する。(顧客視点だけでなく)サプライヤーとの契約もある。ビジネスケースでなければ量産化はありえない」(ハッケンベルク氏)と厳しい視点。

 またシュタートラー氏は「今後も投資は続けて行く」とした上で、現在アウディでは電気自動車(EV)の開発、普及への取り組みを推進しており「バッテリ開発、航続距離の延長にリソースを割いている」こと、「今後5年は、EVステーション拡充にあてる。水素インフラはその先」であると話した。この先5年以内にアウディ製FCVが市販化する可能性は低いが、FCVもバッテリを搭載するEVの一種であることから、バッテリ性能の向上、コスト低減が進むことでインフラの課題をクリアできる可能性もある。事実、ジュネーブモーターショーで公開した新型『R8 e-トロン』では、EVながら450kmの航続距離を可能とした。

 「FCVはトップダウンでしか導入できない。2万ユーロで出すことができなければならない。長い道のりになる」としながらも、次世代環境車の重要な可能性のひとつだとして「(各社が)競争をしていくことはとても良いことだし、FCVへの取り組みは非常にエキサイティングだ」と期待をこめる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150310-00000018-rps-bus_all

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