燃料電池ワールド Vol.1697 (2014/08/06 08:30)

水素チャンネル Home

■───────────────────────────
□燃料電池ワールド Vol.1697
■□□□□□□□□□
■2014年08月06日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

                    ◇http://pemdream.com

■世界のヘッドライン(07月17日)
□□□───────────────────────────

2014/07/17 AFCエナジー社、韓国の定置用燃料電池システムのために画期的な契約(AFC Energy)

〔訳注〕韓国の大手投資銀行から支援されている画期的な契約は375万ドルとなり、第一段階の満足できる完了時には1500万ドルに増加すると予想されている。AFCエナジー社(AFC Energy plc)は、韓国の燃料電池に的を絞った発電所の所有者であり開発企業のダニエル社(Daniel Inc.)と基本合意書(Heads of Agreement)を結んだ。その合意は、最初は1MW級アルカリ型燃料電池(alkaline fuel cell)システム、後続のオプションではおよそ1500万ドルの潜在的な販売額をつくる3MW級のプロジェクトである。
2014/07/17 新しい触媒は安い燃料電池の道を開く(DTU)

〔訳注〕燃料電池はディーゼルやガソリンエンジンの代わりになる環境に優しいエネルギー源である。残念ながら燃料電池は、世界で最も高価な金属の一つである白金触媒を使う。さてデンマーク工科大学(DTU)物理学の研究者たちは、既存の白金触媒よりも活発に働く白金・イットリウム触媒(platinum-yttrium catalyst )を開発した。これは、安い燃料電池への道を開く。イギリスの学術誌「ネイチャー・ケミストリー(Nature Chemistry)」に掲載されたこの論文は以下の通り。
Mass-selected nanoparticles of PtxY as model catalysts for oxygen electroreductionPatricia Hernandez-Fernandez et al.
Nature Chemistry (2014) doi:10.1038/nchem.2001. Published online 13 July 20141Nature Chemistry 1, 552?556 (2009): “Alloys of platinum and early transition metals as oxygen reduction electrocatalysts” by J. Greeley et al.

2014/07/17 「エネ・フィールド」プロジェクト、EUにおける燃料電池マイクロCHP供給過程が直面する三つの課題を特定(ene.field)

〔訳注〕「エネ・フィールド(ene.field)」プロジェクトは、ヨーロッパの家庭用燃料電池の実証プロジェクトである。「エネ・フィールド」プロジェクトの一環として、本日発表された新しい報告書は、ヨーロッパの燃料電池マイクロCHPの供給過程の分析と直面する三つの課題を特定している。供給過程を成功させる最も深刻な阻害要因は量産の課題であり、システムコストの削減を推進させる重要な要素である。第二の課題は、システムの複雑さを軽減して、個々の部品のコストも削減して、最終的な製品の価格を下げるために最も重要な主要企業間の戦略的共同開発が必要とされることである。最後に、システムの広範な供給を支援するために大規模な公共啓発プロジェクトを計画する必要がある。この「エネ・フィールド」プロジェクトは、欧州委員会(European Commission)の燃料電池水素共同実施機構(Fuel Cells and Hydrogen Joint Undertaking:FCH-JU)によって共同出資されている。そして、12のEU加盟国間で製品を利用可能な8社の欧州メーカーを含んで、25のパートナーが一つにまとまっている。欧州は燃料電池技術に投資を続け、もし障害を乗り越えようとするなら、日本のような強い政治的支援と追加的な投資が今後数年間必要であることを、この報告書は明らかにした。

2014/07/17 未来の車はいま、ここにある。トヨタの燃料電池自動車(Toyota)

〔訳注〕自動車の運転は生活をより安全に、環境に配慮し、より便利にする、というトヨタ(Toyota)の「モビリティの未来の体験(Experience the Future of Mobility)」展示はいま、コロラド州で開催されている2014アスペン・アイデア祭(Aspen Ideas Festival)に参加して、北米でデビューする未来の車を展示している。今週日本で報道発表されたゼロ・エミッションの水素燃料電池自動車(Fuel Cell Vehicle:FCV)は、2015年にカリフォルニア州の顧客に販売されるようになる。

2014/07/17 小型表面コイルを使った燃料電池で各磁気共鳴(nuclear magnetic resonance:NMR)信号を測定(Keio University)

〔訳注〕慶應義塾大学(Keio University)理工学部(Department of Mechanical Engineering,Faculty of Science and Technology)の小川邦康(OGAWA Kuniyasu)研究室では、燃料電池内部の測定のための技術の確立に取り組んでいる。その目的は、最近の急速な開発の進展を受けて、燃料電池の持続性のある電流発生を可能にすることである。燃料電池は金属製なので、各磁気共鳴法(MRI)を使って金属材料内部の測定をすることはとても難しい。小川研究室では、とても小さいコイルを使い、燃料電池にこれらのコイルを挿入して信号を取得している。この方法は我々のグループによって発明された。小川研究室は方法論を開発すべく取り組んでいる。

■08月05日のWEB LINK NEWS
□□□───────────────────────────

2014/08/05 大会施設、車両を低炭素化=「環境にやさしい五輪」目指し―環境省方針(時事通信)

 環境省は4日、2020年の東京五輪・パラリンピックを見据えた政策の取り組み方針をまとめた。「環境にやさしい五輪の実現」を掲げ、大会施設への再生可能エネルギーの導入、移動に使う電気自動車(EV)や燃料電池バスに関する技術開発など、低炭素化を推進する方向性を打ち出した。5日に公表する。

 方針では、五輪開催の20年は地球温暖化対策の新たな国際枠組みがスタートする予定の年であることから、「環境面の節目の年にふさわしい大会運営が行われることが期待される」と指摘。関係府省や東京都などと具体的な施策を協議する場を新たに設けるとした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140805-00000004-jij-pol

2014/08/05 塩水で走る電気自動車が公道テストへ!(clicccar)

 今年3月のジュネーブモーターショーに出展されて話題になった「ナノフローセル(nanoFlowcell)」社開発の塩水を循環して発電するEV、「クアントeスポーツリムジン」が欧州でいよいよ公道テストを開始するそうです。

 7月22日にドイツ バイエルン州の認証機関から公道の走行許可を取得、今回、ドイツ及び欧州の公道を使った走行試験が可能となったもの。

 「ナノフローセル」社はリヒテンシュタインに本拠を置くベンチャーで、同車の開発にはBOSCH社も参画している模様。

 FCV(燃料電池車)が水素を使って発電するのに対して、このEVは2層のタンクに充填した2種の塩水溶液の酸化還元反応を利用して発電するのが特徴。

 全長が5mを超える大型4シーターモデルで、心臓部には発電用の「ナノフローセル(nanoFLOWCELL)」を搭載。航続距離600kmを実現しています。

 各ホイールに120kWの三相誘導モーターを配した4輪駆動式で最高出力は653ps。

 2種の塩水溶液(合計400L)をイオン交換膜で分離、ポンプで溶液を循環させると膜部で酸化還元反応によるイオン交換が起きて電力を発生する仕組み。

 出力電力(30kW)を大容量のスーパーキャパシタに一旦蓄えた後、瞬時にロス無くモーターに供給することで、全長5.26m、全幅2m、全高1.36m、重量2.3トンの車体を0-100km/h加速2.8秒、最高速度380kmまで引っ張ると言います。

 「ナノフローセル」社によればこの発電技術は自動車にお限らず、各種分野に応用が可能としており、今後の事業展開への意気込みをみせているようです。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140805-00010004-clicccarz-bus_all#!bwHc7W
※写真あり

2014/08/05 EVタクシー、トラック事業者に補助金 燃料電池車も対象に(レスポンス)

 国土交通省は、「電気自動車による地域交通グリーン化事業」の対象となる運送事業者を公募すると発表した。

 国交省では、環境性能に優れる電気自動車(EV)の普及を図るため、他の地域や事業者によるEVの集中的導入を誘発・促進するような地域・事業者間連携による先駆的な取り組みを行う自動車運送事業者を支援している。タクシー、トラックのEVを導入する事業者を募集する。

 公募期間は8月1日?8月29日。対象は3大都市圏、観光地、環境未来都市などの地域で、他の地域や事業によるEVの導入を誘発し普及が伝播する先駆的事業者に限る。

 タクシー事業(燃料電池車と今年度新たに市販されるEVを除く)は、原則3台以上の車両を導入する計画に限り支援対象とする。

 支援内容は、電気バスと、これに付随する充電設備導入費用合計の半分、電気タクシー・トラックと付随する充電設備が導入費用の3分の1、燃料電池タクシーが導入費用の半分。

 応募案件について、その事業計画の内容を外部有識者が評価し、その結果を踏まえて補助対象事業を決定する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140805-00000037-rps-soci

2014/08/05 「飛躍する九州」目指して 地域戦略会議の夏季セミナー開幕(産経新聞)

 九州地方知事会と九州経済連合会などでつくる「九州地域戦略会議」の夏季セミナーが4日、鹿児島市の城山観光ホテルで始まった。財界や自治体、大学のトップら約140人が参加し、「一体となって行動し、飛躍する九州」をメーンテーマに、3月に策定した九州・沖縄地方成長産業戦略(Earth戦略)に沿って、活発に意見交換した。5日まで。

 この後、外国人観光客誘致▽水素利活用による産業振興や地域づくり▽水産業振興▽医療・ヘルスケア産業振興▽地方分権の進展?の5分科会に分かれ、活発な議論を展開した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140805-00000045-san-l46

■海外ニュース
□□□───────────────────────────
<報告書/市場調査>
●新報告書「バッテリーと燃料電池の材料」(2014年02月)

 フリードニア・グループ(Freedonia Group)は、「バッテリーと燃料電池の材料(Battery & Fuel Cell Materials)」と題する報告書を発表した。これには、米国のバッテリーと燃料電池の材料に対する需要は、2017年まで毎年4.3%、6兆1000億ドルに成長すると予測している。
http://pr-bg.com/content/view/328081/79/

────────────────────────────────────

■メルマガ「燃料電池ワールド」
 □毎週月〜金曜日発行(年末年始および祝日は休刊)
 □編集・発行:燃料電池NPO pemdream
  連絡先:http://pemdream.com/index.php?contact%20us

 □解除を希望される方は、利用されている「まぐまぐ」または「melma!」のどちらかで解除の手続きを行ってください。pemdreamでの代行はできません。
 まぐまぐ http://www.mag2.com/m/0000065319.html
 melma! http://melma.com/backnumber_39824/
□マガジンID:0000065319(まぐまぐ) m00039824(melma!)


**H2**

<前の号 次の号>

TAKAGI-1