燃料電池ワールド Vol.1695 (2014/08/04 08:48)

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□燃料電池ワールド Vol.1695
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■2014年08月04日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

                    ◇http://pemdream.com

■世界のヘッドライン(07月15日)
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2014/07/15 アクタ社、ダンシーム・パワー社と自己充電型燃料電池補助電源システムを開発する契約に署名(Acta)

〔訳注〕アクタ社(Acta S.p.A)は、バラード・パワーシステムズ社(Ballard Power Systems Inc)の子会社ダンシーム・パワー社(Dantherm Power A/S)との自己充電型燃料電池補助電源システムを開発するための製品開発パートナーシップを発表した。これは、気候が冷たく、遠隔地域で、電力系統外の従来の電源の幾つかある欠点から損害を受けるような補助電源システムを改善する絶好の機会に取り組むもの。初めはアクタ社は、アクタ社の電解槽「EL 1000」をダンシーム社の燃料電池補助電源システムに組み込むことでダンシーム社を支援する。一度組み込まれて統合された装置は、北極圏に近い風力タービンで発電されている島に配備される。製品の出荷は2014年9月に予定されている。両社はすでに、北欧地域の適切なチャンスの数について議論をしている。

2014/07/15 リンデ社、水素燃料補給ステーションの小型シリーズの生産を始める(Linde)

〔訳注〕リンデ・グループ(Linde Group)は、燃料としての水素の導入を進めている。本日、同社はオーストリアのウィーン(Vienna)に、世界初の小型シリーズとして生産した水素燃料補給ステーションを正式にオープンした。開会式ではリンデ社と岩谷産業株式会社(Iwatani Corporation)が、両社は28基のイオニック・コンプレッサーと水素燃料補給ステーションの配送に関する取引は完了したと発表した。これらのユニットの最初のものは本日、日本の大阪(Osaka)に近い尼崎(Amagasaki)で稼働した。従来のピストン駆動のコンプレッサーと異なり、リンデ社の「IC90」は液体塩で動作する。これらのイオン性液体は蒸気圧を持っていないので、蒸発させないか、または水素ガスと混合してはならない。新しい小型シリーズの製品コンセプトのハイライトは、すべての部品が高いレベルで規格化され、既存の給油所に輸送および統合が容易な14フィートのコンテナに収められていることである。

2014/07/15 AFCエナジー社、韓国のチャン・シン・ケミカル社と最高5MWの燃料電池発電システムの覚書に署名(AFC Energy)
〔訳注〕7月14日付けの記事の再論。

2014/07/15 ルール大学ボーフムの化学者たち、燃料電池のコスト削減を期待する独創的な触媒を開発(rub)

〔訳注〕ルール大学ボーフム(Ruhr-Universit〓t Bochum)の化学者たちは、よりコスト効率の良い再生燃料電池(regenerative fuel cells)と充電式の金属?空気電池(rechargeable metal-air batteries)に向けて決定的な第一歩を踏み出した。彼らは、炭素を基盤とした新型触媒を開発した。それは、二つの逆の反応、水の電気分解と水素と酸素の燃焼をやりやすくすることができる。この種の触媒は風力と太陽エネルギーの貯蔵および例えば電気自動車のためのコスト効率の良い電池の製造を引き起こすかもしれない。研究者のチームの報告は、学術雑誌「アンゲヴァンテ・ケミー(Angewandte Chemie)」の国際版(International Edition)に掲載されている。書誌レコード(Bibliographic record)は以下のとおり。
A. Zhao, J. Masa, W. Xia, A. Maljusch, M.-G. Willinger, G. Clavel, K. Xie, R. Schl〓gl, W. Schuhmann, M. Muhler (2014): Spinel Mn-Co oxide in N-doped carbon nanotubes as a bifunctional electrocatalyst synthesized by oxidative cutting, Journal of the American Chemical Society, DOI: 10.1021/ja502532y
J. Masa, W. Xia, I. Sinev, A. Zhao, Z. Sun, S. Gr〓tzke, P. Weide, M. Muhler, W. Schuhmann (2014): MnxOy/NC and CoxOy/NC nanoparticles embedded in a nitrogen-doped carbon matrix for high-performance bifunctional oxygen electrodes, Angewandte Chemie International Edition, DOI: 10.1002/anie.201402710

■08月01〜03日のWEB LINK NEWS
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2014/08/01 「世界最大の産油国」米シェール革命はバブル(ニューズウィーク日本版)

 アメリカは石油開発ブームの真っただ中にある。今月バンク・オブ・アメリカが発表した報告書によると、今年アメリカはサウジアラビアもロシアも抜いて世界最大の産油国になった。地下深いシェール(頁岩=けつがん)層にある原油や天然ガスを掘削する技術が、エネルギー生産に革命を起こしたのだ。

 だが革命が永遠に続くとは限らない。テキサス州のエネルギーアナリスト、アーサー・バーマンや、カナダの地球科学者デービッド・ヒューズは、これは既にバブルだと警告する。

 例えば国際エネルギー機関(IEA)の予測では、カナダを含む北米の産油量は19年にピークを打ち、他の国々が追い付いてくる30年代初頭には世界一の座を譲ることになるという。
原油安なら赤字に転落

 埋蔵量より重要なのは採算性だ。初期投資の回収にどのくらい時間がかかるのか、リスクに見合う利益は出るのか。シェール革命が本格化した08年頃、アメリカの産油量は1946年以降で最低の水準にあった。シェールオイルを比較的安く採掘できる技術が確立される一方、原油価格が高騰して利益が期待できるようになったのもこの頃だ。

 すべては価格次第だ。シェール層の岩盤を破砕して原油やガスを取り出す「フラッキング(水圧破砕法)」という掘削技術はコストが高いので、採掘した原油・ガスが高く売れなければ利益は出ない。今の国際価格は1バレル=100ドル超だからいいが、90ドルを下回れば採算割れになるかもしれない。

 価格が上がり続けたとしても、この数年維持してきた規模の生産量を続けるのは容易ではない。シェール油田の寿命は7?8年。次々と新たな鉱脈を探す必要があり、しかも後になるほどより採掘困難な場所が残される。

 在来型の油田は数十年の寿命がある。20世紀半ばに操業を開始したサウジアラビアのガワール油田は、今も日量500万バレルを産出し続けている。
アメリカはシェールの落日に備えるべきだと、バーマンやヒューズは言う。数十万の雇用が失われ、アメリカは再び中東原油と原油価格の乱高下に翻弄されることになるかもしれない。

 被害を小さくする1つの方法は、燃費効率を高めること。そして太陽光発電や燃料電池などの再生可能エネルギーの開発に本腰を入れることだ。

 シェール革命はかつて万能薬と歓迎されたが、実際は代替燃料の開発を後回しにする口実になったのではないか。この革命はあくまで応急処置にすぎない。時間を稼げる間に持続可能なエネルギーの開発を急ぐべきだ。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140801-00131496-newsweek-int

2014/08/02 FCVはEVの脅威になる? 「一気に普及する可能性も」と自動車関係者=中国メディア(サーチナ)

 中国メディアの一財網は7月31日、海外メディアの報道を引用したうえで、トヨタ自動車が今年度中に発売を予定している燃料電池自動車(FCV)が「Mirai(ミライ)」と命名されたと伝えた。

 FCVは水素を燃料に発電して走行できるエコカーで、一財網はトヨタに対する取材を通じて得た情報として、「トヨタはすでにFCV発売に向けて水素ステーションといったインフラ整備のほか、メディアでのプロモーションを開始している」と報じた。

 続けて、中国汽車流通協会の関係者の発言として、「10年前であればFCV1台あたりの製造コストは200万米ドル(約2億円)とも言われていたが、現在は当時の30分の1にまでコストは低下し、市販できるだけの価格競争力になっている」と指摘。

 さらに、米国の電気自動車メーカーであるテスラモーターズにとってFCVは「脅威的存在」になるとし、「リチウム電池による電気自動車の普及という段階を飛び越え、究極のエコカーであるFCVが一気に普及する可能性もある」と論じた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140802-00000021-scn-bus_all

2014/08/02 シェアするだけで環境に貢献? 社会を変えるかもしれない「Fun to Share」(エコノミックニュース)

 この負の連鎖を食い止めるために、今、世界中で低炭素化社会に向けた様々な取組みが行われている。日本でも、個人や企業が独自に取り組むだけでなく、それぞれが持つ「知恵」をシェアすることで低炭素化社会への意識を広めようという面白い試みが始まっている。環境省が推進する低炭素社会実現に向けたキャンペーン「Fun to Share」だ。この取組みに参加している企業や地域などの団体は日々増えており、すでに900近くに上っている。

 「Fun to Share」は、簡単にいえば、情報の拡散だ。まず、「Fun to Share」に賛同する企業、団体、地域社会等が、具体的に保持している、もしくはこれから実現を目指している、環境技術や製品、サービス、取組みや制度といった様々な低炭素アクションについて「Fun to Share 宣言」を行う。そして、その情報を受け取った個人が「いいね」「面白い」「素敵」と思ったものを自分たちでも実践しながら、ツイッターやフェイスブックなどのSNSサイトなどで積極的にシェアしていくというものだ。

 また、2013年に生活時のエネルギー収支をゼロにする「グリーンファーストゼロ」の販売を開始した住宅メーカー最大手の積水ハウスも、「『グリーンファースト』の推進による快適な暮らしで、低炭素社会へ」を宣言。高断熱などによる省エネと太陽光発電や燃料電池による創エネでエネルギー収支ゼロを実現し、CO2排出量の9割を削減できるこれらで街を構成する「スマートコモンシティ」を推進している。

 同社の取り組みで特徴的なのが、家庭用燃料電池を積極導入している点で、採用率は6割近くと住宅会社の中でも突出している。太陽光発電の搭載量にも制約がある日本の屋根事情からも、太陽光発電と燃料電池を組み合わせたダブル発電による発電量の確保は有効なため、それによりCO2排出量差し引きゼロを目指すというメッセージが受け入れられたといえる。

2014/08/02 センサー技術が変える未来のクルマの形(@DIME)

 5月に、パシフィコ横浜で行なわれた「人とクルマのテクノロジー展」。前から興味があったため、このイベントを取材してきた。「人とクルマ」と言うだけあって、環境問題や人にも配慮した自動車技術や製品などが、展示されたイベントだった。具体的には、環境への悪影響の小さい動力として燃料電池、ハイブリッド、電気自動車関連などの技術展示が多く見られたが、それだけでなく、事故を防ぐための自動制御技術や新世代のナビゲーション技術など、交通事故を減らしたり、ユーザーの運転をラクにする技術なども多かった。

 当然のことかもしれないが、燃料電池の時代が来て、動力がエコになっても、それだけでは、未来のクルマとは言い難い。とはいえ、来年から本格的に始動する燃料電池関連の技術も気になるところ。ちなみに、燃料電池とは、水素と酸素を化学反応させて電力を取り出すもので、排出物は水なのでまったく環境汚染がないという、ある種、夢の技術だ。来年から本格的に始動し、第1ステージに入るといわれている「燃料電池」に関しては、トヨタなどが展示を行なっていた。
■次世代パワー半導体「Sic半導体」とは?

 特に、トヨタやDENSOのブースなどに展示されていた「Sicパワー半導体」という技術が、インパクトを感じた。この「Sicパワー半導体」は、次世代パワー半導体と呼ばれるもので、現在の主流になっているものより、効率よく、電気自動車、ハイブリッド車、燃料電池車などのモーターに必要なインバーターに使うことで、燃費の向上と動力のコンパクト化を可能にするとされている。

 特に、コンパクト化という部分でのインパクトは大きく、将来的には、動力ユニットのサイズが、実に1/5程度になる可能性があるという。これはスゴい話で、サイズが1/5になれば重量も軽減し、車載スペースも減るなど、電気モーターで駆動する多くの自動車のフォルムが劇的に変わるかもしれない。

 現時点で、この技術の課題は、生産コストだといわれているが、これはあらゆる新世代技術にもいえること。現在は、Cree(クリー)社が世界のほぼすべての「Sic半導体」を生産するメーカーだが、すでに新日鉄なども手がけているという。この次世代パワー半導体のコストが実用レベルになれば、モーターで駆動する電気自動車、ハイブリッド、燃料電池車も、大きく変わるはずだ。
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20140802-00010003-biz_dime-nb

■海外ニュース
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<輸送>
●ホライゾン社の燃料電池、イスラエルの無人航空機の動力源に(2014年02月21日)

 燃料電池が動力源の民間で初めて運用する無人航空機(UVA)は、イスラエルの企業ブルーバード・エアロ・システムズ社(Bluebird Aero Systems)によって作られたワンダーB(WanderB)である。ワンダーBは、ホライゾン・エナジー・システムズ社(Horizon Energy Systems)の燃料電池を使用している。この燃料電池は、シンガポール・イスラエル工業研究開発基金(Singapore Israel Industrial R&D Foundation:SIIRD)からの資金とともに、イスラエルでブルーバード社によって無人航空機と統合された。
http://www.unmannedsystemstechnology.com/2014/02/singapore-israel-cooperation-leads-to-worlds-first-civilian-fuel-cell-uav/

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