燃料電池ワールド Vol.1615 (2014/04/07 10:56)

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□燃料電池ワールド Vol.1615
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■2014年04月07日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

                    ◇http://pemdream.com

■世界のヘッドライン(04月01日)
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2014/04/01 ハイギア社、アメリカ機械学会が認定した水素生成システムを北米に出荷した

〔訳注〕オランダのハイギア社(HyGear)が今年1月、アメリカ機械学会(ASME)が認定した水素生成システム(HGS-C system)を北米に出荷した。このシステムの特徴的な利点は、天然ガスの現場で水素を生成して、トレーラーにガスボンベを積んでガスの使用者まで持っていくという水素の物流を大幅に簡素化することである。

2014/04/01 太陽エネルギーから水素を作るEUプロジェクト、ペクデモ

〔訳注〕EUのプロジェクト、ペクデモ(PECDEMO)の研究パートナーたちは、ちょうど3年以内に、太陽エネルギー(solar energy)の8%以上を水素に変換することができる実用的なシステムの開発を計画している。これは、実用的適応性の点から見ると真の大発見を立証することができるだろう。太陽燃料(Solar Fuels)を研究しているドイツのヘルムホルツ協会(HZB Institute)のロエル・ファン・デ・クロール所長は、この世界的な研究プロジェクトを調整している。プロジェクトの公式の開始日は4月に設定されている。野心的で資産評価ができるこの偉業を成し遂げるために、研究パートナーたちはたった3年間の目標を掲げて、照射した太陽エネルギーの8%を水素に変えることができる材料系を考え出すことを計画している。このペクデモには、3年間で合計183万ユーロの資金が付与される。
〔訳語〕太陽燃料(Solar Fuels)については、以下のような情報がある。グローバル・インフォメーション社(Global Information, Inc.)から昨年3月に、「ソーラー燃料・人工光合成・水素・燃料電池およびクリーンエネルギーの将来(Solar fuels, artificial photosynthesis, hydrogen, fuel cells and the future of clean energy: Technologies, markets, competitors and opportunities - 2013-2023 analysis and forecasts)」という報告書が出版された。そこでは、「太陽は、現在の文明社会が石油燃料、原子力および全ての再生可能エネルギー資源から1年間に使用するよりも多くのエネルギーを1時間で地球に供給しています。この太陽エネルギーは、原料または燃料の化学的結合に直接捕獲・貯蔵し、そして必要な時に利用することが可能です。太陽からのエネルギーで意図的に貯蔵されているこれらの化学燃料は、太陽燃料と呼ばれています。50年以上にわたって、科学者は太陽燃料を研究室で生産する可能性を追求しています。」と表現している。また、2012年にはイタリアで、2011年にはアメリカで国際光工学会(SPIE)が主催する「Renewable Energy: Solar Fuels」の国際会議が開催されている。さらに、NEDO海外レポートNO.1001,2007.6.6 61ページでも「太陽エネルギーの化学燃料への変換」というタイトルで言及されている。
2014/04/01 バイオ燃料電池研究プロジェクトの成果を刈り取る

〔訳注〕4年前に始められたイギリスの8大学で構成するバイオ燃料電池コンソーシアム(Biological Fuel Cells Consortium)は、電気を生成するために微生物や酵素の特殊な性質を活用する先端技術を開発するために組織された。イギリスの貿易産業省科学技術庁傘下の物理化学研究委員会(Engineering and Physical Sciences Research Council:EPSRC)が初期の資金供給をしたコンソーシアムは、スーパージェン(SUPERGEN)プロジェクトの一部分であり、持続可能な電力生産の14の異なる分野から成るコンソーシアムを経由して世界的なエネルギーの持続可能性問題への取り組みを目的としている。2014年10月に現在のプロジェクトを終了するバイオ燃料電池コンソーシアムは、電気エネルギーを生成するために、人間の血液中に見られる物質、グルコースと酸素を使う酵素のバイオ燃料電池(enzymatic biological fuel cells:E-BFCs)の開発に成功した。この報告は、4月28、29日にグラスゴー大学(University of Glasgow)で開く会合で検討される。〔訳語〕スーパージェン(SUPERGEN) 
http://www.eic.or.jp/library/pickup/pu050728.html に情報が載っていた。それによると、スーパージェンとは「持続可能な発電と供給(Sustaina ble Power Generation and Supply)という意味で、英国の持続可能な水素エネルギーコンソーシアム(The UK Sustainable Hydrogen Energy Consortium 、UKSHEC)の主なプロジェクトです。イギリス国内における大学を中心とした最大規模の研究プロジェクトで、その目的は、“水素経済社会”へ移行するための要素、経路を示し、政策提案をすることです。」
2014/04/01 唾液の力を使う微生物燃料電池

〔訳注〕サウジアラビアと米国の研究者は、唾液または他の廃液を使って動作する多層グラフェンを含むミクロン寸法の微生物燃料電池(microbial fuel cell:MFC)を作ったと言っている。サウジアラビア・アブドラ王立科学技術大学(King Abdullah University of Science and Technology:KAUST)とペンシルバニア州立大学(Pennsylvania State University)の研究者チームは、燃料電池を作るためにアノードとゴムのような多層グラフェンを使用した。この唾液の力を使う微生物燃料電池の報告は、ジャーナル紙「ネイチャー・パブリッシング・グループ・アジア・マテリアル(NPG Asia Materials)」に載っている。

2014/04/01 アルバル社のix35燃料電池自動車のテストから利益を得る艦隊

〔訳注〕リース会社のアルバル・ユーケイ社(Arval UK)は2月中に、水分を排出する自動車を配車してテストを行った。その結果の情報は、アルバル社の顧客に渡された。ヒュンダイの水素駆動燃料電池車ix35は非常に優秀だが、仮に欲しくても2015年までは量産に入ることはありませんというお断りの記事。
2014/04/01 ハイドロジェニックス社、目論見書を提出

〔訳注〕ハイドロジェニックス社(Hydrogenics Corporation)は4月1日、あるカナダの証券取締機関に予備的な目論見書を提出したという記事。同社のニュースリリース。

■04月04〜06日のWEB LINK NEWS
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2014/04/04 <燃料電池車>下水汚泥から水素取り出し利用 実証実験へ(毎日新聞)

 福岡市と九州大学、三菱化工機(川崎市)、豊田通商(名古屋市)の4者は4日、下水汚泥から取り出した水素を燃料電池自動車に供給する実証事業を来年3月に始めると発表した。排ガスの代わりに水蒸気を出す燃料電池車が来春にも市販されるのにあわせ、4者が建設する水素ステーションで水素を供給する。

 実証事業は、1日約20万トンの生活排水を処理する市中部水処理センター(同市中央区)で行う。汚泥の減量時に発生するバイオガスから取り出す水素は、1日最大約3700立方メートルになり、燃料電池車約70台分の燃料に相当する。1台は1回の燃料充填(じゅうてん)で約700キロ走行できる。

 実証事業に使う水素製造装置や水素ステーションは約13億円をかけて、今年7月に着工し、来年2月に完成予定。16年3月までの約1年間で、水素ステーションの採算性などを検証する。

 今回の実証事業が成功すれば、有効な利用方法がなかった下水汚泥を再利用できる。九州大学大学院水素製造システム研究室の田島正喜教授は「低炭素社会を形成する第一歩にしたい」と話した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140404-00000099-mai-bus_all

2014/04/04  “水素発電”の最前線 エネルギー基本計画で注目(TBS系(JNN))

 政府が来週にも閣議決定する予定の「エネルギー基本計画」。安倍総理が「国策」と呼んだ「水素」の活用ですが、その水素を燃料にして、発電するという最新技術の開発現場にカメラが入りました。(以下略)
※川崎重工業、千代田化工建設、岩谷産業の従来のニュースを画像化して編集したもの。なかなかまとめては見られない映像だ。↓
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20140404-00000048-jnn-pol

■海外ニュース
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<燃料/改質器/貯蔵>
●ITM社、ウェールズに集中するためのITMモーティブ社を設立(2013年10月04日)

 ITMパワー社(ITM Power)は、ウェールズ(Wales)の水素供給インフラの構築を支援するために完全子会社のITMモーティブ社(ITM Motive)を設立することで、ウェールズ政府から100万ポンド(160万米ドル)の助成金の支給を受けた。
http://www.itm-power.com/news-item/welsh-government-backing-for-itm-power-in-wales/

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