燃料電池ワールド Vol.1607 (2014/03/26 11:05)

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□燃料電池ワールド Vol.1607
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■2014年03月26日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

                    ◇http://pemdream.com

■世界のヘッドライン(03月19、20日)
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2014/03/20 アバディーン水素バス・プロジェクト、最初の水素バスの到着で大きな節目を迎える

〔訳注〕スコットランドのアバディーン市議会(Aberdeen City Council)は、ベルギーのバンホール社(Van Hool)に注文した10台の水素バスの内4台の配送が見込まれ、その最初のバスが到着し、残りも数週間の内に到着する、という記事。そして、このことは最新の1MW級電解槽から水素を製造して、イギリスの工業ガスメーカーのBOC社とのパートナーシップでスコットランド初の商業的な水素ステーションを運営することを意味している。アバディーン水素バス・プロジェクトのパートナーは次の通りである。アバディーン市議会、アバディーン再生可能エネルギーグループ(Aberdeen Renewable Energy Group:AREG) 、スコットランド政府(Scottish Government)、スコットランド開発公社(Scottish Enterprise)、技術戦略委員会(Technology Strategy Board)、スコティッシュ?ハイドロ?エレクトリック?パワー?ディストリビューション社(Scottish Hydro Electric Power Distribution plc:SHEPD)、BOC、ヴァンHOOL、First、Stagecoach、スコットランド?ガス?ネットワーク(Scotland Gas Networks)、Element Energy。
2014/03/20 ヘルシンキ初の水素ステーションが開設

〔訳注〕ヘルシンキ港でフィンランド初の水素燃料電池自動車が充てんしている写真が添えられている。ヘルシンキ市の東部にあるヴオサーリ港(Vuosaari Harbour)で20日、初の水素ステーションが開設した。これは、ロヴァニエミ市(Rovaniemi) で一年間操業した試験的なステーションに続くもので、フィンランドでは二番目となる。フィンランド国営放送(yle)の記事。

2014/03/20 米陸軍、冬期エキスポで燃料電池駆動のロボット「タロン」を展示

〔訳注〕アダプティブ・マテリアルズ社(AMI)の燃料電池は最近、米国陸軍協会の冬期シンポジウム&エキスポ(Association of the United States Army Winter Symposium and Exposition)の開会中に展示された。ほぼすべての地形を進むことができ、階段を上り、悪条件で働くことができ、攻撃性爆弾を探すロボット「タロン(Talon)」は200W級燃料電池を積んでいる。3月7日の記事の再論。

2014/03/20 マクフィー社の新規株式公開の大評判の成功:同社は商業的な産業発展を加速させるために3200万ユーロを調達

〔訳注〕マクフィー・エナジー社(McPhy Energy)が新規株式公開(IPO)で資金を調達する計画、という3月3日の記事の続報。同社は3月19日、パリ・ユーロネクスト証券取引所(Paris Euronext)に上場したと発表した。

2014/03/20 燃料電池メーカーのクリアエッジ社、500万ドルを調達

〔訳注〕オレゴン州ヒルズボロ(Hillsboro)の燃料電池メーカー、クリアエッジ・パワー社(ClearEdge Power)は、証券取引所の新しい申請によれば500万ドルの資金調達を行ったようだ、とオレゴン州で発刊されている地域情報紙「オレゴン州の持続可能なビジネス(Sustainable Business Oregon)」が報じている。

2014/03/19 スプリント社、エネルギー省の援助とともに水素燃料電池技術を屋上に据え付ける

〔訳注〕1月29日の記事の続報。スプリント社(Sprint)は、エネルギー省(Department of Energy:DOE)からの財政支援で屋上のネットワーク基地局にバックアップ電源として水素燃料電池を展開させる。この方法は、低コストの基地局メンテナンスとクリーンなエネルギー源、そして停電の間のネットワークの生存性を増加させる。「これまで私たちは、自社のネットワーク内に約500基の水素燃料電池を導入した」とボブ・アッジ(Bob Azzi)チーフ・ネットワーク役員は述べた。まだ開発中の技術は、屋上に燃料電池の導入を促進するために革新的な手法を可能にする。その一つは、重いクレーン無しで簡単に設置でき、屋上への燃料輸送の必要性を克服して地上から燃料補給ができるような組み立てユニットで軽量の燃料電池製品というものである。

2014/03/19 初めてのトラック用ヨーロッパ製固体酸化物型燃料電池補助動力装置を実証

〔訳注〕「燃料電池ワールド」Vol.1165 2012/05/24発行で報じられたプロジェクトの実証実験の記事。「第1回ヨーロッパ固体酸化物型燃料電池トラック補助電源実証(Demonstration of first European SOFC Truck APU:DESTA)」共同事業体研究プロジェクトは、米国市場向けボルボ社(Volvo)の大型トラックにこの装置を実装する、というデンマークのトップソー・フュエルセル社(Topsoe Fuel Cell)の情報。

2014/03/19 北東地域の水素・燃料電池産業、世界をリードする産業技術展で展示

〔訳注〕コネチカット州先端技術センター(Connecticut Center for Advanced Technology:CCAT)によって運営される北東電気化学エナジー貯蔵クラスター(Northeast Electrochemical Energy Storage Cluster:NEESC)は、コネチカット州経済・地域開発局(Connecticut Department of Economic and Community Development:DECD)と連携して4月7〜11日にドイツのハノーバー(Hannover)で開催される国際産業技術見本市「ハノーバーメッセ2014(Hannover Messe 2014)」に出展する。

2014/03/19 ローガン・エナジー社、H&Vニュースの「2014ビルディング・サービス・プロジェクト賞」で選考される

〔訳注〕ローガン・エナジー社(Logan Energy)はこのほど、ロンドンのリージェント・ストリート(Regent Street)の再開発地域「クアドラント3(Quadrant 3)」に燃料電池を設置したことで、H&Vニュースによる「2014ビルディング・サービス・プロジェクト賞(2014 Building Services Project of the Year award)」の最終的選抜候補者名簿に選ばれた。クラウン・エステート社(Crown Estate)の開発者は、「燃料電池はイギリスで使われる初めてのもので、四つの別個のビルから構成される混合開発の20%の電力を供給する」と語った。記事は、この燃料電池はフュエルセル・エナジー社(Fuel Cell Energy)の300kW級溶融炭酸塩型燃料電池(molten carbonate fuel cell)であると述べている。なお、このロンドン再開発の詳しい情報は、「世界の燃料電池ニュース」のトピックス「0014:ロンドン再開発に燃料電池を設置」にも載っている。
http://fcnewsworld.com/index.php?QBlog-20131028-1
2014/03/19 水素フューチャー社、製造資金を確保

〔訳注〕3月18日の記事の再論。この記事には「ヒドラ・フュエルセル社(Hydra Fuel Cell Corporation)の買収を終了する条件として、燃料電池の製造を始めるために必要な資金を確保することが必要とされている」と述べられていて、ヒドラ・フュエルセル社は「燃料電池ワールド」でもかつてアイボイス社(iVoice Inc.)と合併したような記事(Vol.862 2011年02月16日発行)があった。企業の合従連衡はよく分からない。

■03月25日のWEB LINK NEWS
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2014/03/25 NIMS、太陽光を源に水から水素燃料を生成できる光触媒物質を開発(マイナビニュース)

 科学技術振興機構(JST)と物質・材料研究機構(NIMS)は3月24日、太陽光をエネルギー源として水から水素燃料を生成できる新しい光触媒物質「4酸化3スズ(Sn3O4)」を発見したと発表した。

 成果は、NIMS 環境再生材料ユニットの阿部英樹主幹研究員と梅澤直人主任研究者らの研究チームによるもの。研究はJST課題達成型基礎研究の一環として行われ、詳細な内容は近日中に「米国化学会発行「ACS Applied Materials & Interfaces」オンライン版に掲載された。

 ちなみに、燃料電池実用化戦略研究会が2020年度目標に据える累積の水素燃料電池自動車導入台数である500万台の水素燃料をすべて可視光感応型光触媒で充当すると仮定した場合、Sn3O4およびBiTaO4:Cuはそれぞれ、年間75万tおよび9000tが必要となる。これらはそれぞれ、スズ産出量2.9年分およびタンタル産出量14年分に相当することとなる。

 なお研究チームでは、将来的には、同触媒を水素燃料電池など、ほかの環境対応型エネルギー技術と組み合わせることで、太陽エネルギーを基盤に据えた循環型社会の実現につなげることが期待できるとしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140325-00000022-mycomj-sci
※図あり

2014/03/25 自称「新エネ族議員」、自民党で続出 予算拡大にらみ(朝日新聞デジタル)

 自民党内に、再生可能エネルギーの導入や普及を訴える「新エネルギー族議員」が形成されつつある。国の新たなエネルギー基本計画に、再生可能エネルギーの数値目標を盛り込むよう要求しており、予算獲得を狙ったアピール合戦の様相も呈している。

 「私は水素族の族長だ」「私はメタン(ガス)族だ」。原発再稼働派が幅をきかせる自民党だが、今月に入ってからの党資源・エネルギー戦略調査会などでは、新エネルギー別に自ら「族」を名乗る議員が続出している。木質バイオマス発電を推進する「バイオ族」、水素による燃料電池などの普及を目指す「水素族」、メタンハイドレート採掘の技術革新を訴える「メタン族」などが代表格で、「国策として推進を」と政府に迫っている。

 背景には「脱原発」への動きに加え、新エネルギーへの予算拡大が見込まれる中、発電施設の選挙区への誘致などをにらんで、今から影響力をはたらかせておこうという狙いもありそうだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140325-00000020-asahi-pol

2014/03/25 ホンダ、進化版FCXクラリティを納車(carview!)

 ホンダは新たに外部給電機能を備えた燃料電池車「FCXクラリティ」を、さいたま市、神奈川県、大阪府に順次納車すると発表した。

 今回、各自治体に納車するのは、車両から給電を可能としたもの。これにより災害時にライフラインが停止した場合などに車両から電力供給ができるようになった。今後、各自治体でイベントなどで利用し、外部給電機能を含めた燃料電池車の使い勝手を検証していくという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140325-10201557-carv-bus_all
※写真あり

■海外ニュース
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<報告書/市場調査>
●シェルの世界エネルギー予想(2013年10月17日)

 シェル(Shell)は、「ニュー・レンズ・シナリオ(New Lens Scenarios)」と題する48ページの企業報告書で世界エネルギー市場予想を発表した。それには、水素の未来シナリオも含まれている。
http://www.fuelcellinsider.org/?p=1807

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