燃料電池ワールド Vol.1605 (2014/03/24 08:51)

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□燃料電池ワールド Vol.1605
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■2014年03月24日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

                    ◇http://pemdream.com

■世界のヘッドライン(03月14、15日)
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2014/03/15 アングロ・アメリカン・プラチナ社は約束手形をバラード社の投資に変換

〔訳注〕アングロ・アメリカン・プラチナ社(Anglo American Platinum Limited)は、400万ドルの無利息約束手形(non-interest bearing promissory note)を普通株式(common share)へ転換した。これは、2013年3月3日に発表した契約(「燃料電池ワールド」Vol.1354 2013/03/06発行に掲載)の一項目である。この戦略的投資はアングロ・アメリカン・プラチナ社の白金族金属開発基金(PGM Development Fund)を通して行われ、バラード社の燃料電池製造の継続的な発展と商業的振興を支援するもの。南アフリカ政府もこのプロジェクトの支援を発表している。

2014/03/14 ニューヨーク州知事クオモはコーネル大学に資金を提供:燃料電池研究のために

〔訳注〕ニューヨーク州知事アンドリュー・クオモ(Andrew M. Cuomo)はこのほど、電池とエネルギー貯蔵の新技術に取り組んでいる6つの団体に、140万ドルを授与した。コーネル大学(Cornell Univ.)は、同大学が設計した膜を使って水素を生成し、再生燃料電池(regenerative fuel cell)エネルギー貯蔵システムを開発・実証するために25万ドルを受け取る。

2014/03/14 欧州水素エネルギー会議2014の第2日目:マレ・ノストルムが地球的規模の挑戦のために統合された水素の解決策を提供している

〔訳注〕スペインのセビリア(Seville)で開かれている欧州水素エネルギー会議(European Hydrogen Energy Conference)2014の2日目の全体会議で、マレ・ノストルム(Mare Nostrum、地中海)を取り巻く国々が水素と燃料電池の使用例や技術に関して発言した。欧州水素協会(European Hydrogen Association)の記事。

2014/03/14 欧州水素エネルギー会議2014、2017年までの水素燃料補給活動の損益分岐点に焦点

〔訳注〕上の記事は欧州水素エネルギー会議2014の2日目の様子だったが、こちらは初日のカリフォルニア大学デービス校(UC Davies)のジョアン・オグデン(Joan Ogden)博士が行った基調講演を中心に、ノルウェー産業科学技術研究所(SINTEF)やGMなどの報告をまとめている。

2014/03/14 アレバ社とシュナイダー・エレクトリック社、水素燃料電池技術開発のための戦略的パートナーシップ契約を結ぶ

〔訳注〕アレバ社(AREVA)は、電解槽と燃料電池で作られたエネルギー貯蔵システム「グリーンエナジー・ボックス(Greenergy Box)」を提供する。シュナイダー・エレクトリック社(Schneider Electric)はこの契約で、再生可能エネルギーの間欠性(intermittency)を管理しながらネットワーク接続を最適化する間、再生可能エネルギーのためのグリッド・パリティ(grid parity)を達成することを可能にする、という記事。(訳語)グリッド・パリティ(grid parity)◆(太陽光や風力などの)再生可能エネルギーによる発電コストまたは価格を(電力会社の送電網によって供給される)系統電力(grid power)と比較したときに同等かそれ以下になること。(英辞郎)

■03月20〜23日のWEB LINK NEWS
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2014/03/20 「匂う」FCV用燃料をカリフォルニア大学が開発(clicccar)

 米カリフォルニア大学アーバイン校の燃料電池研究センターがFCV(燃料電池車)用の環境に優しい水素発生システムを開発したそうです。
 その原材料は何と、人間の「排泄物」。

 同センターはこのシステムをカリフォルニア州政府と米エネルギー省から1000万ドル(約10億円)の資金援助を受けて開発したと言います。

 オレンジ・カウンティ地区内のファウンテン・ヴァレー下水処理設備で排泄物により作られた水素は同地区内に無料で供給される模様。

 具体的には原材料となる排泄物を水と固体に分離した後、固体を大量の微生物を充填した真空タンクへ送り込み、微生物が吐き出すメタンガスとCO2を燃焼させ、その際に発生する気体を研究チームが開発した装置に送って水素を抽出するというもの。

 以前にアウディが水を電気分解して水素を生成する大規模な自社製プラントを建設、FCV本格普及までの間、生成した水素にCO2を反応させて合成メタンガスを発生させる事業をスタートさせたという話題をお届けしましたが、今回はこの逆バージョン。

 ヒュンダイが早速この地区の無料水素に目を付けており、FCVのリース事業を開始するようで、トヨタ、ホンダ、メルセデス・ベンツ、GMなどの各社も開発中のFCVを同地区で販売する予定とか。

 水素燃料が無料で支給されるとなれば、FCVを世界にアピールするのに絶好のロケーションというワケです。

 ただ、原材料が発する「匂い」については課題が残りそうですが・・・
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140320-00010004-clicccarz-bus_all

2014/03/21 神戸市が燃料電池車を公用に 普及促進へ協議会設立(神戸新聞NEXT)

 神戸市は20日、水素エネルギーで走る燃料電池車(FCV)を公用車に導入すると明らかにした。兵庫県内の自治体では初。2015年度に量産型のFCVが市販されるのに合わせて購入。同年度には市内に水素の供給施設も誘致する。

 同日立ち上げた「神戸市FCV導入促進協議会」で市幹部が表明した。

 同協議会はトヨタ、ホンダなどの自動車メーカー、水素の供給施設「水素ステーション」を建設する岩谷産業など8社で作る。県内企業では、水素を輸送する機器を製造する川崎重工業(神戸市中央区)、ステーションで使う装置を作る神戸製鋼所(同)が入った。

 会合では、各社代表が開発中の技術を説明。11月にステーション建設地を決定することを確認した。

 国内のステーションは建設中を含め36カ所、うち関西では3カ所にある。今年6月には尼崎市に県内で初めて完成するが、尼崎市は現時点でFCVの導入予定はないという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140321-00000003-kobenext-l28
※写真あり

2014/03/22 ドローンと人工衛星の機能を併せ持つ『成層圏バス』構想 タレス・アレニア・スペースが発表(レスポンス)

 フランスの航空宇宙企業、タレス・アレニア・スペース社は、高度20キロメートルの成層圏で定点滞空ができる大型無人飛行船『StratoBus(成層圏バス)』の構想を発表した。今後5年以内にプロトタイプが登場するという。

 成層圏バスは、高度20キロメートルに自律的に定点滞空することができる無人飛行船。地球観測、安全保障、通信放送、航法など人工衛星のような機能を持ち、「成層圏プラットフォーム」と呼ばれる施設の一種だ。長さ70?100メートル、直径20?30メートル程度の大きさで太陽光発電システムと燃料電池を備える。風速25メートル毎秒までの風に対応して自動でモーター出力を調整し、上空の一点に留まり続けることができる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140322-00000007-rps-ind
※画像あり

2014/03/23 次期NSXは3モーター・ハイブリッドで自動車の歴史を塗り替える(THE PAGE)

 プリウスが登場した時「ハイブリッドは燃料電池登場までのショートリリーフ」だと思われていた。それは当のトヨタですら例外ではなかった。しかし燃料電池の開発は難航する。世界中のメーカーが燃料電池の開発が長期戦になることを思い知る間に、トヨタはエコ・ハイブリッドの周辺にある技術パテントを、他社が手出しできないほどガチガチに固めてしまった。各社がハイブリッドの開発に乗り出した時にはもう手遅れだった。

 そのため欧州メーカーの至上命題は「トヨタのパテントを回避したハイブリッド技術の開発」となり、各社生き残りを賭けた逆転のための知恵比べが始まったのだ。主役はポルシェとフェラーリだった。彼らはスポーツカーの性能向上にハイブリッド技術が有用であることを見出した。ミリセコンド単位で制御が可能なモーターのレスポンスを活かすことで、エンジンでは不可能なレベルで緻密なトラクション制御とその制御による限界性能の向上を達成した。そうして2010年のジュネーブモーターショーにポルシェ918とフェラーリ599ハイブリッドが発表された。これがスポーツハイブリッドのひとつ目の革命だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140323-00000010-wordleaf-ind&p=1

■海外ニュース
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<軍事利用>
●空軍研究所、極北条件下の燃料電池を試験(2013年10月29日)

 米国空軍研究所(Air Force Research Laboratory:AFRL)先進発電技術局(Advanced Power Technology Office:APTO)は、基地の状態と故障メカニズムに関するデータだけでなく概念実証についても提供するために、最新式の小型風力タービンや極北条件下の燃料電池について実証を行っている。
http://science.dodlive.mil/2013/10/29/the-air-force-catches-the-wind/

■燃料電池関連イベント(初出後1週間を経過した情報はこちらに移動しました)
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☆?燃料電池業界参入を考える事業者および関係者向けセミナー?【再掲】押さえたい燃料電池ビジネスの基礎知識2014
?燃料電池自動車の大量普及がもたらすインパクトとは?
◇講 師=森 豊氏(森豊技術士事務所 工学博士)

 2015年には究極のエコカーと呼ばれる燃料電池自動車が一般に市販され、燃料電池は大量普及段階の入口にさしかかる。一方、定置式燃料電池システムも異業種からの新規参入が見られ、活況を呈している。家庭用燃料電池コージェネシステム「エネファーム」の普及は?100?200kWの中規模システムは他の分散型電源に勝るのか?事業用大型システムは・・・?

 本講では、燃料電池を取り巻くビジネスを展開するうえで「これだけは押さえたい」基礎知識を整理するとともに、国内外および異業種参入の動向、そして今後の見通しについて考察する。
1.国内の最新エネルギー事情
2.燃料電池自動車の本格展開に向けた動き
3.各用途に使用される定置式燃料電池システムの動向、市場導入と課題
 (1)家庭用燃料電池システム「エネファーム」
 (2)中規模燃料電池システム
 (3)事業用大型燃料電池システム
4.燃料電池の基本と現状
 (1)燃料電池の原理、種類、特徴
 (2)燃料電池の現状
5.国内新規参入企業動向
6.海外の燃料電池の動向
7.定置式燃料電池市場の将来性と展望
8.質疑応答
◇日 時:3月26日(金)午前10時?午後0時
◇会 場:SSK セミナールーム(東京都港区西新橋2?6?2 友泉西新橋ビル4F)
◇受講料:1名につき21,000円(消費税込)
◇参加申し込みは https://www.ssk21.co.jp/seminar/S_14085_input.html
◇主 催:株式会社 新社会システム総合研究所
◇問い合わせ・申し込み:株式会社 新社会システム総合研究所
TEL 03?5532?8850 FAX 03?5532?8851

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