燃料電池ワールド Vol.1346 (2013/02/20 10:30)

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□燃料電池ワールド Vol.1346
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■2013年02月20日発行

                  ◆燃料電池NPO法人PEM-DREAM
                  ◇http://www.fcworld.jp

■02月19日のWEB LINK NEWS
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2013/02/19 電気自動車は、ニッチ化?  大化け? (東洋経済オンライン)「市場には航続距離や価格に対する不満がまだまだあるということを学んだ」(片桐隆夫・日産自動車副社長)

 日産は1月半ば、電気自動車(EV)「リーフ」の異例の値下げに踏み切った。4月に当初価格から28万円引き下げる。国や自治体の補助金を考慮すると最高グレードで200万円台半ば、エントリーグレードでは100万円台半ばから購入可能にした。米欧でも同様に値下げする。

 新型車を発売2カ月で価格改定するなど異例中の異例。それだけに、リーフの販売テコ入れに向けた日産の危機感の強さがわかる。
■ 急ピッチで充電インフラ整備を加速
■ 長期試乗で悪評払拭も
■ 日産以外は手探り状態 超小型車に活路か

 日産がEV普及に向けて奮闘する中、他社は本格的なEVに対しては、距離を置き始めている。

 日産に先駆けて、10年4月から個人向け乗用軽EV「アイ・ミーブ」を投入した三菱自動車。11年には軽バンEV「ミニキャブ・ミーブ」を投入しているものの、12年までの世界累計販売台数はわずか2万3000台程度にとどまる。13年に入り軽トラックEVの販売も開始したが、一般市場向けに積極的にEVを展開する姿勢は見られない。

 むしろ、プラグインハイブリッド車(PHV)やハイブリッド車(HV)の車種展開を強化しており、EVはそれらの技術基盤的な位置づけとなってきている。

 トヨタ自動車、ホンダの大手2社も、電池やモーターなど電動化技術の開発には力を注いでいるものの、一般乗用EVには懐疑的な姿勢を強めている。
■ 急速に存在感高める燃料電池自動車

 EVに限定的な見方をするトヨタ、ホンダが、エンジン車を代替する次世代自動車の本命と位置づけるのは、燃料電池車(FCV)だ。エンジンの低燃費化と、HV、PHVを強化しながら、FCVへ展開するのが長期的なロードマップだ。

 FCVの試験車両は10年以上前から導入されており、技術的な課題はほとんど解決されている。トヨタ、ホンダとも15年に量販車両を一般向けに市販すると宣言している。

 当初は数百万円程度の価格となり、燃料(水素)補給インフラも未整備なため普及は限られるが、20年代後半から30年代に入る頃には本格普及が始まると期待される。

 FCV開発では、トヨタが独BMWと共同開発しているほか、米GMや韓国ヒュンダイも開発を加速している。日産自身、独ダイムラー、米フォードとの3社共同開発に乗り出し、17年の市販を目指す。

 長期的に見れば、FCVへのシフトは業界のコンセンサスとなりつつあるが、それまでにはまだ時間がある。EVはニッチ市場にとどまるのか、一大勢力を築けるのか。踏ん張りどころだ。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130219-00012889-toyo-bus_all&p=1

2013/02/19 「究極のエコカー」主導権争い 開発に各社傾斜、鍵を握るGMの動向(SankeiBiz)

  「究極のエコカー」とも呼ばれる燃料電池車(FCV)の開発をめぐり、自動車メーカーの合従連衡が活発になってきた。トヨタ自動車が独BMWと提携したのに続き、日産自動車も独ダイムラー、米フォード・モーターと共同開発することで合意した。立て続けに提携の動きが出てきたのは、次世代のエコカーとされる電気自動車(EV)の販売が伸び悩み、各社とも燃料電池車の開発に傾斜していることが背景とみられる。2015年の市販を控え規格標準化に向けた争いも予想される中で、どこが主導権を握るのか。その鍵は米ゼネラル・モーターズ(GM)が握るとの見方が多い。

  「今後の自動車市場で中心的な役割を果たせる」。BMWのヘルベルト・ディース上級副社長は、1月24日のトヨタとのFCVに関する提携記者会見で、その狙いをこう説明した。トヨタはFCVについて、いったんはGMと共同研究に合意しながら、特許の開示などをめぐって折り合わず、06年に断念した経緯もあり、これまで自前主義を貫いてきた。今回、BMWを選んだ理由について「長期にわたって信頼を築ける」(内山田竹志副会長)としている。

 FCVの提携が相次いでいるのは、EVが伸び悩んでいることが大きい。同じゼロエミッション車のEVは日産の「リーフ」の場合、10年12月発売からの累計世界販売は約5万台にとどまる。最大の理由は、1回の充電当たり走行距離が230キロメートル程度と短いこと。これに対しFCVは500キロ程度と長く、しかも2?3年後には市販される見込みとなったことで主導権争いが本格化してきたようだ。

 提携が相次ぐ中で取り残されたのは、GMだ。しかも、昨年まで提携協議を進めていたBMWをトヨタにさらわれた形となった。今後の選択としては、独フォルクスワーゲンと組むか、独立路線を貫くホンダとの提携という手もある。

 業界では、GMの動向を気にする向きが多い。「インフラ整備や国際規格づくりにあたっては、フォードと並んで発言力の強いGMが鍵を握る」(国内自動車メーカー幹部)という理由からだ。FCVをめぐり、GMが今後、第3極を形成するのか、あるいは先行する2連合に加わるかによって勢力争いに変化が起きそうだ。ただ、FCVの普及に向けては、高価格という高いハードルが待っている。

 他社との提携によって膨らむ開発コストを分担できるほか、量産効果による早期のコスト低下を見込めるとしても、現在想定されている1台当たりの価格は「安くても400万?500万円」(同)。補助金政策があってもなかなか普及しないEVをみても、劇的なコスト低下は不可欠。しかも、EVの充電設備と並行して水素スタンドを整備するのは容易ではない。自動車業界に求められるのは覇権争いよりも、全社が一体となった普及策といえそうだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130218-00000000-fsi-bus_all
※関連写真あり

2013/02/19 県:来年度予算案 一般会計、3年連続減1.9兆円 「16カ月予算」と位置づけ(その1) /兵庫(毎日新聞)
◆環境・エネルギー

 エネルギーの最新情報を把握し、国や関西広域連合への提案、県施策などに反映させるための「省エネ型地域社会」(スマート社会)の構築に関する調査研究をする。10人程度のアドバイザーによるグループを組織し、家庭における太陽光、備電池、燃料電池の導入促進などを検討する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130219-00000175-mailo-l28&p=1

2013/02/19 エリーパワーが住宅用蓄電システム発売へ、非常時にも電力安定供給/神奈川(カナロコ)

 エリーパワーは18日、住宅用定置型蓄電システム「POWER iE6」(パワーイエ・シックス)を3月から発売すると発表した。業界トップクラスの蓄電容量6・2キロワット時、大出力の3キロワットを実現し、非常時にも安定した電力を供給できる。

 深夜電力や太陽光発電システム、燃料電池などと連携が可能となり、エネルギーの有効活用と電気料金の削減の両立が図れる。停電時には照明、冷蔵庫、テレビを同時に使った場合でも最大約12時間連続で使用できるという。

 オープン価格だが、想定価格は230万?250万円。問い合わせは、同社営業第二部電話03(6431)9044。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130219-00000022-kana-l14
※関連写真あり

■海外ニュース
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<定置用電源>
●マイクロソフト社、ワイオミング州でフュエルセル・エナジー社の燃料電池を設置 (2012年11月19日)

 フュエルセル・エナジー社(FuelCell Energy, Inc.)は、マイクロソフト社(Microsoft)が進めているCO2排出ゼロの新しいデータセンター「データプラント計画(Data Plant project)」で300kW級燃料電池発電プラント「ダイレクト・フュエルセル(Direct FuelCell:DFC)」をワイオミング州の州都シャイアンに設置する。この溶融炭酸塩型燃料電池(Molten Carbonate Fuel Cell:MCFC)は、ドライクリーク下水道浄化センター(Dry Creek Water Reclamation Facility)に設置され、データプラントに電力を供給するために再生可能バイオガスを活用する。浄化センターで生成したバイオガスを使い、余剰電力は電力コストを減らすために下水道浄化センターに提供される。そして、電力系統の停電が起きた場合にデータセンターに継続して電力を提供するために燃料電池は系統から独立した送電網として設定される。
http://fcel.client.shareholder.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=722316

〔訳注〕マイクロソフト社の「データプラント(Data Plant)」は、発電所とデータセンターを統合する施設として計画され、2014年に構想が発表された。今回使われた溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)は、水素イオンの代わりに炭酸イオンを用いるので、燃料には水素の他に天然ガスや石炭ガスを使えて白金などの貴金属触媒は不要である。そして燃料極側の排出ガスの二酸化炭素濃度は約80%に達するため、二酸化炭素の回収に利用できる。

 日本では2005年の愛知万博で溶融炭酸塩型燃料電池が実証運転されたが、その後のニュースはさっぱり聞こえてこない。同年(平成17年)発表されたNEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)による第3期「溶融炭酸塩形燃料電池発電技術開発」プロジェクトの事後評価報告書では、「連続運転検証が計画とおりに実施されなかった事から、技術課題が残っている可能性があり、商用機の実証を行う段階に入ったと考えるのは時期尚早である。また、本プロジェクトの実施と並行して、競合している他国と比べてコスト面で劣勢となる状況が生まれたのにも係わらず、経済性の改善、コストの削減に関しての対応がなされたとは考え難く、事業化の方向性が明瞭でなくなったと考えられる。燃料電池(特に高温形燃料電池)が普及していない現在、FCE 社が開発した常圧MCFC より難易度の高い高圧MCFC?GT 複合発電を開発目標に掲げたのであれば、常圧MCFC より市場導入が遅れるのは当然である。技術レベルを追求しすぎるのではなく、まず、民間主導による実用化すべきものに特化する等市場導入に向けて、小型市場導入をターゲットとしている常圧MCFC という対抗技術の優れた部分の取り込みと、より容易な技術の適用を考えて、導入時期等を早めるなどの再検討が必要である」としているが、どうなっているのだろうか。

■燃料電池関連イベント(初出後1週間を経過した情報はこちらに移動しました)
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☆FC EXPO 2013(第9回国際水素・燃料電池展)【再掲】
http://www.fcexpo.jp/
◇日 時:2月27日(水)?3月1日(金)
◇場 所:東京ビッグサイト
◇主 催:リード エグジビション ジャパン株式会社
◇共 催:水素エネルギー協会(HESS)、燃料電池開発情報センター(FCDIC)

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