燃料電池ワールド Vol.1169 (2012/05/30 08:30)

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□燃料電池ワールド Vol.1169
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■2012年05月30日発行

                  ◆燃料電池NPO法人PEM-DREAM
                  ◇http://www.fcworld.jp

■2012年05月29日のWEB LINK NEWS
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2012/05/29 田中貴金属、燃料電池用触媒が過去最高…2011年度(レスポンス)

 田中貴金属工業は29日、2011年度(2011年4月?2012年3月)の燃料電池用触媒の出荷量が過去最高を記録したことを発表した。

 2004年度の出荷量を100とすると、2011年度の総出荷量は過去最高となる244を記録。過去最高だった2010年度の198と比較して約23.2%の大幅増となった。

 特に家庭用燃料電池「エネファーム」に使われる触媒の出荷量が、2010年度の323に比べて約67.2%増となる540を記録したことで、総出荷量が大幅に上昇した。小型で安価な新型の「エネファーム」が発表されるなど、2011年度中に各メーカーが活発な販売活動を行ったことなどにより、市場への普及が加速し、触媒需要量の増加につながったと同社では分析している。

 また、燃料電池自動車(FCV)に使われる触媒の出荷量は、2011年度に144を記録。自動車用の出荷量は、2006年度に186とピークを迎え、その後は一旦、需要が落ち着き、150前後の出荷量を毎年度、記録している。FCVの普及開始時期となる2015年を目標に、各自動車メーカーは、引き続き実用化に向けた研究開発を進めており、触媒需要は安定的に推移している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120529-00000017-rps-bus_all
※図あり

2012/05/29 スマートハウス、2020年度にHEMS市場は2010年度の74倍に……矢野経済研調べ(RBB TODAY)

 矢野経済研究所は29日、スマートハウス関連主要設備機器市場の調査結果を発表した。調査期間は2012年2月?5月で、スマートハウス関連機器メーカー、住宅メーカー、関連業界団体などを対象に調査を行った。

 本調査における「スマートハウス関連主要設備機器」とは、HEMS(Home Energy Management System)、スマートメーターといった制御系機器、太陽光発電システム、燃料電池システム、ガスエンジンコージェネレーションシステム、小型風力発電システムといった創エネ系機器、家庭用蓄電システム、V2H(Vehicle to Home:電気自動車等から住宅への電力供給)といった蓄エネ系機器の、計8機器(すべて住宅用)を指すものとなっている。

 調査によると、2011年度のスマートハウス関連主要設備機器の市場規模(末端販売額ベース、工事費含めず)は、前年度比117.2%の6,343億円となる見込み。今後も、エネルギー利用の効率化に対するニーズは高まっていくと思われ、市場規模は2020年度には2010年度比で236.7%に拡大すると予測された。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120529-00000020-rbb-sci
※図あり

2012/05/29 韓国に水素タウン造成へ 福岡を上回る“世界最大”規模(中央日報日本語版)

 日本の福岡県には大規模な「水素タウン」がある。 水素を空気中の酸素と化学反応させて電気を作る燃料電池が150世帯に設置されている。 各家庭で使う電気の半分以上をこの燃料電池が生産する。 水素を電気にする時に発生する熱では暖房を解決する。 温室効果ガスや汚染物質の排出も減る。 化石燃料を燃やす発電所の稼働を減らせるからだ。 一言で「一挙三得」ということだ。 この水素タウンは未来のエネルギー技術開発のため、09年に地方自治体と新日本石油・西部ガスなどの企業が共同で造成した。

 韓国にもこれと似た水素タウンが造成される。 知識経済部は28日、水素を利用して生産した電気を150世帯と10棟の一般建物に供給する試験事業を実施すると明らかにした。 事業が予定通り進行すれば、日本の福岡県を上回る世界最大規模となる。 日本と違う点は、精油化学工場や発電所で付随的に出てくる水素を活用するという点だ。 液化石油ガス(LPG)や液化天然ガス(LNG)を利用して作るよりも経済的で、需給も安定するのが長所だ。 今回設置される燃料電池の容量は200キロワット規模で、年間1664メガワット時の電気を生産することになる。 これは4人家族を基準で、400世帯が1年間使用できる量。

 試験事業は地方自治体と水素供給会社、燃料電池製造会社がコンソーシアムを構成して推進する。 事業費は国費50億ウォンを含む計90億ウォン。 今月末に事業公告を通じて志願を受け、7月中に事業者を選定する予定だ。 知識経済部の関係者は「候補地としては製鉄所がある浦項(ポハン)・光陽(クァンヤン)、石油化学団地がある蔚山(ウルサン)・麗水(ヨス)などが挙がっている」と述べた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120529-00000040-cnippou-kr

2012/05/29 次代の力:第3部 検証・エネルギー事情/4 インフラ整備高コスト /広島(毎日新聞)
 ◇マツダ、水素車の研究進むが…

 「ガソリンと変わらず数分で入れられます」。マツダ技術研究所(南区)の担当者が、ガソリンスタンドの給油機とよく似た器具を自動車の車体後部の挿入口に入れた。注入しているのは水素だ。

 マツダのロータリーエンジンを水素で動かせる仕様にした「水素ロータリーエンジン」搭載の新型車「プレマシー ハイドロジェンREハイブリッド」は、原則石油に頼らず水素を燃料とするため二酸化炭素を排出しない。化石燃料の枯渇に備え、マツダは20年前から水素自動車の研究を続けている。ただ水素利用の国内インフラ整備は緒に就いたばかりだ。

 なぜ普及が進まないのか。ネックになっているのが水素の取り扱いだ。ガソリンスタンド(GS)の水素版に当たる「水素ステーション」の建設費用は、最大でGSの10倍以上の10億円かかる。水素を圧縮して保存する設備や、爆発の危険性があることから、安全措置で壁や柱などを補強する必要がある。

 水素エネルギーの活用を研究している東京大大学院工学系研究科化学システム工学専攻の久保田純准教授(触媒化学)は「水素は天然ガスから取り出せるが、現状ガスとして燃やした方が効率が良い。太陽光や風力発電で水を電気分解して取り出すとまだコスト面で釣り合わない」と安定調達の課題も指摘する。

 法整備の改善も壁になっている。水素を取り扱う際には、消防法、高圧ガス保安法、建築基準法の規制がかかり「水素ステーションの設置場所の制限や、事故時の防護措置も必要で費用にはね返る」(マツダ)。このため経済産業省資源エネルギー庁は「15年をめどに、保安検査の簡略化や圧縮水素の貯蔵量の規制緩和など見直しを進めている」という。

 同じく水素を使う燃料電池車(FCV)では、自動車大手やエネルギー業界の13社が昨年1月、一体になって普及を進める共同声明を発表した。米韓自動車メーカーなどがFCV開発に本腰を入れ始めたことや、燃料電池の性能向上が後押しした。自動車各社は15年にFCVを量産し、東京、大阪、名古屋、福岡の4大都市圏に投入。エネルギー各社も15年までに水素ステーションを4大都市圏で100カ所設置する。

 ただ、水素ステーションの高コストはFCVでも変わらない。国などは、従来の3分の1程度の費用での建設を目指して研究を始めたばかりだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120529-00000263-mailo-l34

2012/05/29 パナホーム 関西でスマートシティ 第1期分譲住宅完成(住宅新報)

 パナホームは5月29日、街全体でネットゼロエネルギーを実現する戸建て分譲団地「パナホームスマートシティ堺・初芝」(大阪府堺市、全58戸)の第1期分譲15戸が完成したと発表した。全戸に太陽光発電システムと家庭用燃料電池エネファームを採用。家庭で発電・使用するエネルギー量や水の使用量をモニター表示する「ECOマネシステム」も標準装備している。

 第1期分譲住宅は、延べ床面積101.49?124.34平方メートル。価格は4450万?5669万円。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120529-00000004-jsn-ind

■海外ニュース
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<定置用電源>
●フュエルセル・エナジー社、水素市場の構築めざしエアープロダクツ社と覚書(2012年03月14日)

 フュエルセル・エナジー社(FuelCell Energy)は、水素とクリーンな電力、そして便利な高品質の熱を同時に生産する定置用燃料電池発電プラント「ダイレクト・フュエルセル(DFC)」の市場開拓をめざして、産業用ガスおよび化学品の製造販売を行うエアープロダクツ社(Air Products)と協力関係を築く覚書を交わした。このメガワット級トライジェネレーション(tri-generation)式定置用燃料電池発電プラントの目標市場は、自動車に水素燃料を供給するような産業用水素を扱う業界も想定されていて、水素の現地あるいはローカルな場所での生産は供給の安全と信頼性を増しながら配達経費を削減するメリットがある。
http://fcel.client.shareholder.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=657174〔参考〕トライジェネレーション(tri-generation)  燃料や太陽エネルギーなどの熱源から、発電時にできる廃物の熱も利用するのがコージェネレーション(熱電併給)だが、トライジェネレーションは熱と電気の他にもう一つ加えて、3つのエネルギー供給システムを示す造語。このもう一つが何にあたるのかについてバラバラな説明が散見される。

 「ダイレクト・フュエルセル(Direct FuelCell〓)」は溶融炭酸塩型燃料電池で、さまざまな原燃料から粗製水素を作り燃料とする内部改質型だが、バイオガスを改質して、燃料電池で使用する水素とは別に(あるいはその一部を)、ステーションで自動車に供給するための水素にも利用することを「トライジェネレーション」といっている。

 そして、tri-generationの日本語表記をトリジェネレーションとしているものも見られるが、これは「triple」(3重の)の略と考えているからで、tri-は接頭辞であり、発音はトライとなるのでこちらを取った。(「燃料電池ワールド」Vol.1026/2011年10月24日発行より)

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