燃料電池ワールド Vol.1170 (2012/05/31 11:17)

水素チャンネル Home

■───────────────────────────
□燃料電池ワールド Vol.1170
■□□□□□□□□□
■2012年05月31日発行

                  ◆燃料電池NPO法人PEM-DREAM
                  ◇http://www.fcworld.jp

■2012年05月30日のWEB LINK NEWS
□□□───────────────────────────

2012/05/30 太陽光・燃料電池搭載住宅で国内クレジットの認証取得 積水ハウス(住宅新報)

 積水ハウスは5月30日、同社住宅のオーナー組織「グリーンファースト倶楽部」が、住宅に搭載した太陽光発電システムと燃料電池によって削減されたCO2排出量を取りまとめて「国内クレジット」認証を取得したと発表した。

 経済産業省と環境省、農林水産省が実施している国内クレジット制度は、温室効果ガス排出削減量を認証し、排出権取引等に活用できるもの。

 今回、2011年11月までの同倶楽部入会者のCO2排出削減量272トンを取りまとめ、第25回国内クレジット認証委員会で認証を受けた。このクレジットを使った排出権取引で得られた売却益は、持続可能な社会づくり活動を展開する非営利団体「ジャパン・フォー・サステナビリティ」に全額寄付した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120530-00000001-jsn-ind

2012/05/30 NIMSら、助触媒による燃料電池用電極の反応の高効率化の仕組みを解明(マイナビニュース)

 物質・材料研究機構(NIMS)は、日本原子力研究開発機構(原子力機構)との共同研究により、金属酸化物系「助触媒」が固体高分子形燃料電池用電極の反応の高効率化に果たす役割を、放射光を用いた「その場測定」により初めて明らかにしたと発表した。

 成果は、NIMS ナノ材料科学環境拠点(GREEN)電池分野の増田卓也特別研究員、森利之GREENリーダー、原子力機構 量子ビーム応用研究部門の松村大樹研究員、同田村和久研究員、同西畑保雄研究主幹らの共同研究グループによるもの。研究の詳細な内容は、米科学雑誌「The Journal of Physical Chemistry C」オンライン速報版に掲載された。

 最近、森リーダーらは、別の研究において助触媒として比較的安価な材料である酸化セリウムと白金とのナノ複合体触媒(白金-酸化セリウムナノ複合体触媒)を開発し、それが従来の白金触媒より高い酸素還元反応活性を示すことを見出した。

 今回の研究では、活性が向上した仕組みを解明することができれば、さらに高性能な電極材料の開発に結びつくとの期待から、理化学研究所が所有する大型放射光施設「SPring-8」のX線を用いた「その場計測技術」により、における酸素還元反応メカニズムの解明が行われた。

 今回の研究では、このXAFS法を応用し、従来の白金触媒及び白金-酸化セリウムナノ複合体表面で酸素還元反応が起こる状態で測定を行い、酸素還元反応活性の向上に酸化セリウムが果たす役割について検討した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120530-00000051-mycomj-sci
※詳しい情報は本文を。↑ 

2012/05/30 【Wireless Japan 2012】将来は基地局が広域で電力連携!NTTドコモがグリーン基地局を展示デモ(RBB TODAY)

 この基地局は、同社とパナソニック モバイルコミュニケーションズとで共同開発したもので、230Wの高効率なソーラーパネルが4枚ほど(合計920W相当)採用されている。自家発電と商用電力を組み合わせ、約300Wの無線装置を駆動させることが可能だ。さらに長寿命で経済性の高い燃料電池(4.7kWhのリチウムイオン電池)を電力バックアップ装置として活用することで、何か災害などがあった場合でも電源の緊急確保と安定化を担保した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120530-00000032-rbb-sci
※この記事は、燃料電池とリチウムイオン電池をごっちゃにした間違いではないか? 

2012/05/30 IMS、燃料電池の陽極用の白金-コバルト合金触媒が働く瞬間の観察に成功(マイナビニュース)

 分子科学研究所(IMS)は5月30日、「白金-コバルト合金触媒」が「燃料電池カソード(陽極)触媒」として働く仕組みをリアルタイムでとらえることに世界で初めて成功したと発表した。

 成果は、IMSの唯美津木 准教授および高輝度光科学研究センター(JASRI)の宇留賀朋哉 副主席研究員らの研究グループによるもの。研究の詳細な内容は、米ワシントン時間5月30日付けで米化学会学会誌「ACS Catalysis」のオンライン版に掲載される予定。

 研究グループは、SPring-8の高速時間分解XAFS法を用いて、白金-コバルト合金触媒を用いた燃料電池MEAについて、しかも燃料電池を作動させている条件で、カソード表面で起こる白金-コバルト合金触媒の構造の変化や電極反応の様子を、500ミリ秒ごとにリアルタイムで観察することに取り組んだ。

 得られた高速時間分解XAFSの結果から、燃料電池の電位を制御した際に起こる酸化還元反応や白金-コバルト合金触媒の構造変化の速度定数を世界で初めて決定し、その反応の仕組みをとらえることに成功した。

 その結果、白金微粒子と比較して、白金-コバルト合金微粒子では、カソード表面で起こる一連の反応の速度が速くなっており、とりわけ触媒微粒子の溶出劣化を防ぐ白金-酸素結合の還元と白金同士の結合の再形成速度が速くなっていることを明らかにしたのである。

 最先端の高速時間分解XAFSを使い、JARI標準化セルを用いた燃料電池セルでのカソード表面の反応の様子やメカニズムを明らかにし、応用が期待されている白金合金系触媒の反応の仕組みをとらえた今回の研究は、白金使用量の低減や触媒劣化を抑制する新しい白金合金系触媒の開発、燃料電池制御システムの開発などにつながることが期待されると、研究グループはコメントしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120530-00000052-mycomj-sci
※詳しい情報は本文を。↑

2012/05/30 名大など、高プロトン導電率を実現する燃料電池用電解質化合物の合成に成功(マイナビニュース)

 名古屋大学(名大)とサムスン総合技術院(Samsung Advanced Institute of Technology;SAIT)の研究グループは、自動車や家庭用燃料電池の高効率化と低コスト化に繋がるプロトン(水素イオン)伝導性固体電解質を新たに開発し、これを用いた燃料電池の中温・無加湿作動に成功したと発表した。同成果は、名大環境学研究科の日比野高士 教授と沈岩柏 研究員、SAIT燃料電池グループの許弼源 博士らによるもので、英国王立化学会「Journal of Materials Chemistry」オンライン版に掲載された。

 今回の研究では、ピロリン酸化合物の特異な結晶構造を保持したまま、金属元素の半分を3価、もう半分を5価の元素に代替することを試みた。3価の金属元素としてアルミニウムをはじめとした10種類、また5価の金属としてアンチモン、ニオブとタンタルの3種類を選択して、様々な組み合わせで数十種類の化合物を合成したところ、鉄とタンタルから構成されるFe0.5Ta0.5P2O7が有望なプロトン導電体であることが確認された。

 これらの結果から、今回発見されたFe0.4Ta0.5P2O7は有望な燃料電池用固体電解質になり得ることが実証されたこととなる。

 研究グループでは中温作動によって、エネルギー変換効率が高まるとともに、白金使用量の低減化が期待されるとするほか、無加湿作動によって、システムの水管理が容易になるとしている。また、残された課題としては、実用材料に求められる機械強度と柔軟性があることから、対応策として研究グループでは現在、有機バインダーによる薄膜化技術に取り組んでおり、数年後を目標にSamsung Electronicsから市販化したいとしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120530-00000059-mycomj-sci
※詳しい情報は本文を。↑

2012/05/30 大津にスマート都市 ガス発電施設も視野に(京都新聞)

 地域でエネルギーを効率的に使う「スマートコミュニティー」の開発計画を、草津市の不動産開発会社「拓伸」が30日発表した。大津市関津で近く着工する予定で、太陽光発電や天然ガスコージェネレーション(熱電併給)システムを導入した住宅を提供するほか、防災機能を持つ公園などを整備する。

 大津市の県庁であった「再生可能エネルギーにかかる県市町研究会」で、拓伸が説明した。早稲田大やゼネコンなどの研究会が東日本大震災後にまとめた構想を実現するため大阪ガスやNTTグループ、住宅メーカーなどと連携して取り組む。本格的なスマートコミュニティーの開発は県内で初めてという。

 大津市関津4丁目で近く着工する「琵琶湖スマートコモンズ」。約11万平方メートルの敷地に宅地84戸区画と工業団地、医療・福祉エリアなどを整備する。宅地は今夏に発売し、年内に引き渡す予定。

 住宅は太陽光発電システムや家庭用燃料電池で自家発電するとともに廃熱を給湯などに利用する。電気自動車の充電システムも導入する。将来、規制緩和が実現すれば大津市の公営ガスを活用したガス発電施設の建設も視野に入れている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120530-00000016-kyt-l25

■海外ニュース
□□□───────────────────────────
<輸送>
●連邦交通局、燃料電池バスプロジェクトに1310万ドルを投資 (2012年04月02日)

 米国連邦交通局(Federal Transit Administration:FTA)は、同局のナショナル燃料電池バス計画(National Fuel Cell Bus Program)の元で進められている11の研究と実証のプロジェクトに総額1310万ドルの連邦資金を与えると発表した。この資金は、カリフォルニア州パサデナを拠点とする非営利団体の「カルスタート(Calstart)」と、ジョージア州アトランタの「環境と交通のためのセンター(Center for Transportation and the Environment:CTE)」、マサチューセッツ州ボストンの「米国北東部先進自動車コンソーシアム(Northeast Advanced Vehicle Consortium)」に分配される。

 これら3つの団体は、さまざまな燃料電池部品を開発し、燃料電池で走行するアメリカ製のバスを実際に試験し、教育的な広報活動を行う予定である。各プロジェクトの内容と授与される資金額は、下記のウェブサイトから資料をダウンロードできる。
http://www.fta.dot.gov/documents/FUELCELL-CHART-2012.pdf
http://www.fta.dot.gov/newsroom/12286_14487.html

────────────────────────────────────

■メルマガ「燃料電池ワールド」
 □毎週月〜金曜日発行(年末年始および祝日は休刊)
 □編集・発行:燃料電池NPO法人PEM-DREAM
  連絡先:fc55gogo@gmail.com

 □解除を希望される方は、利用されている「まぐまぐ」または「melma!」のどちらかで解除の手続きを行ってください。PEM-DREAMでの代行はできません。
 まぐまぐ http://www.kaijo.com/
 melma! http://melma.com/contents/taikai/
 □マガジンID:0000065319(まぐまぐ) m00039824(melma!)


**H2**

<前の号 次の号>

TAKAGI-1