燃料電池ワールド Vol.1131 (2012/04/03 08:31)

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□燃料電池ワールド Vol.1131
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■2012年04月03日発行

                  ◆燃料電池NPO法人PEM-DREAM
                  ◇http://www.fcworld.jp

■2012年04月02日のWEB LINK NEWS
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2012/04/02 水素エネルギー社会は夢で終わる(その3)――R水素はコンセプト倒れとなる - 山田 高明(アゴラ)
R水素の理念とは?

 水素エネルギー論者の中には、水素こそ持続可能なエネルギーシステムの核となりうると考える人が少なくない。水素は地球圏にほとんど存在しないが、原料が水であるため、無尽蔵に存在するに等しい。しかも、直接燃やしても、燃料電池に投入しても、どちらにしても酸素と化合するために、排出されるのは水だけであり、環境を汚染しない。

 この点に着目した海外の学者が唱え、世界中の環境主義者に広まったのが、再生可能renewableという意味での「R水素」という概念である。水素エネルギー社会を待望する人の中には、一定の割合でこのR水素を信奉する自然エネルギー論者が存在している。彼らの主張は次のようなものだ。太陽光や風力は豊富にあるが、天候次第という欠点がある。そこで、それらの供給力が需要をオーバーしている時などに、その余剰電力を使って水を電解する。そうして製造した水素は、逆に供給力が需要に届かない時などに、燃料電池などのエネルギー源とする。こうすれば、不安定な太陽光・風力発電の欠点が補える。しかも、この種の水素は、単に自然エネルギーの保存だけでなく、自動車のエネルギーや化学原料としても使えるので、石油の代わりにもなる。よって、自然エネルギーとそれに拠る「再生可能水素」の利用を拡大していけば、最終的には脱化石エネルギー、つまり持続可能な「カーボンフリー」社会を築き上げることができる…こんなところである。

 このような理念は、そもそも「電気は保存できない」又は「し辛い」という“常識”から来たものだ。われわれ需要家にとって、電気というのは必要な時に必要な量がなければ意味がない。ところが、太陽光や風力は気まぐれに発電するため、そのニーズに十分に応えることができない。よって、自然エネルギーで作った電力をいったん「水素」に転換しておけば、エネルギーの保存と電力の需給調節、他の目的での使用等が可能になるというわけだ。
わざわざR水素で太陽光や風力を保存する必要はない
結局、R水素の出番はあまりない
“水素エネルギー社会”の神話は崩壊した
さて、蛇足である。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120402-00000303-agora-sci
※筆者の主張は本文をお読み下さい。

■海外ニュース
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<輸送>
●バラード社、タタ・モーターズ社と燃料電池供給の覚書を結ぶ(2012年01月27日)

 バラード・パワーシステムズ社(Ballard Power Systems)はタタ・モーターズ社(Tata Motors)と、インドのあちこちの都市で燃料電池バスの実証を行う計画に使われるバラード社の燃料電池スタック「FCベロシティ(FCvelocity)1100」12基について、法的拘束力のない覚書を結んだ。この燃料電池は、2012年と2013年にタタ・モーターズ社に引き渡される予定である。

 タタ・モーターズ社は最近の2012ニューデリー・モーターショーで、バラード社の燃料電池スタックを使った第1号の燃料電池バスを発表した。同社の燃料電池バス供給計画は、インド政府の化学産業研究局(Department of Scientific and Industrial Research)の支持を受けている。
http://www.ballard.com/about-ballard/newsroom/news-releases/news01271201.aspx

●バラード社、ブラジルのトゥット社へ燃料電池を提供(2012年01月12日)

 バラード社はまた、国連開発計画ーサンパウロ都市圏運輸公社(United Nations Development Programme - Empresa Metropolitana de Transportes Urbanos)バス計画の一環として、ブラジルのトゥット社(TuttoTrasporti:TUTTO)へ150kW級燃料電池モジュール「FCベロシティ(FCvelocity)HD6」を3基出荷した。国連はこのバス計画に基づいて、サンパウロ都市圏運輸公社に資金を提供している。トゥット社は、ブラジルでハイブリッド公共バスを統合している最大手のバス会社である。
http://www.ballard.com/about-ballard/newsroom/news-releases/news01121201.aspx

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