燃料電池ワールド Vol.1126 (2012/03/27 08:59)

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□燃料電池ワールド Vol.1126
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■2012年03月27日発行

                  ◆燃料電池NPO法人PEM-DREAM
                  ◇http://www.fcworld.jp

■2012年03月26日のWEB LINK NEWS
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2012/03/26 東北大で新スパコンが稼働 クリーンエネルギー研究の効率化を図る(ITmedia エンタープライズ)

 ソーラーパネル材料やガソリン燃料に代わる水素吸蔵新材料などの研究設計に実績がある東北大学金属材料研究所は、同分野の国内研究機関としてトップクラスとなる300テラFLOPSの理論演算性能を有するスーパーコンピューターシステムを4月16日から稼働させる。3月26日に日立製作所(日立)が公表した。

 同研究所では、燃料電池用の電極を設計する第一原理シミュレーションに要する時間を10分の1に短縮するなど、研究活動の効率化に期待しているという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120326-00000072-zdn_ep-sci

2012/03/26 東海電子、携帯型アルコール検知器を発売(レスポンス)

 東海電子は、電気化学式(燃料電池式センタータイプ)の小型アルコール検知器『ALC-Pico』の発売を4月1日から開始する。

 新製品は、乾電池駆動の携帯タイプで、呼気検出は吹込み/吹きかけのデュアル方式を採用。マウスピース使用での吹き込み時は高精度測定を行うことができる。結果は暗い所でも見やすいLED表示、また電子音でも通知する。
 価格は3万1290円。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120326-00000025-rps-bus_all
※写真あり

2012/03/26 米カリフォルニア州、充電インフラ整備に大型投資(レスポンス)

 米国の中でも、最もEVの普及が進んでいるカリフォルニア州。同州が、さらなるEV普及を目指す新政策を発表した。

 これは23日、カリフォルニア州が明らかにしたもの。同州が、新たに1億2000万ドル(約100億円)を投資。大手エネルギー会社、NRGエナジーと共同で、カリフォルニア州内にEVやプラグインハイブリッド車(PHV)用の急速充電スタンドを設置する。

 その数は、少なくとも200か所。また通常の充電スタンドは、州内1000か所に1万基を追加整備する計画だ。この政策の最終目標は2025年までに、カリフォルニア州で販売される新車の15%をEVやPHV、燃料電池車にすることにある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120326-00000034-rps-ind
※写真あり

2012/03/26 自然エネルギーへの幻想を助長する「原発何基分」という表現 - 山田 高明(アゴラ)
 「日経よ、おまえもか」である。

 一応は「最大出力年内に原発6基分」という小見出しがあり、出力ベースの換算であることを断ってはいるが、記事を読んだ人の大半は、「国内にある太陽光発電が原発6基と同じだけの働きをするまでになった」という印象を持ったに違いない。

 この、電源の出力だけを比較して「原発×基分」と表現する行為は、マスメディアでは以前から横行している。前々から気になっていたが、これは本当に注意してもらいたい。というのも、少なくとも年間発電量ベースで見ないと、公正な比較にはならないからだ。

 年間発電量は「出力×稼働率」で表すことができる。火力は燃料供給によって稼働率を高めることができるし、原発はいったん燃料棒を装てんしたら年中放熱するので高稼働率を維持することができる。対して、太陽光の稼働率は、お天道様まかせだ。自然現象をそのまま利用するタイプの自然エネルギー発電(*つまりバイオマス火力を除くもの)の場合、稼働率はあくまで設置場所の自然環境が決める。

 日本の場合、各地によって日照差はあるが、平均すると、スタンダードな固定式の太陽光パネルは、年間に出力の約1千時間分を発電することができる。これは年間稼働率にすると約12%である。太陽追尾式だと、この稼働率をさらに5%前後、上げることもできるが、その分、パネル間の間隔をとる必要があるので、土地代の高い日本ではジレンマが生じる。ちなみに、陸上風力だと、この倍の2千時間前後と考えればよい。

 一方、原発の稼働率は、今は見る影もないが、2000年ごろは平均で8割をキープしていた。アメリカや韓国などは、ここ十年間の平均でも稼働率9割である。つまり、順調であれば、年に7千から8千時間も稼動することができる。

 要は、年間発電量ベースの比較とは、パートタイマーの年収の比較だと思えばいい。その年収は「時給×年間労働時間」で表される。年間にどれだけ労働したかを勘案せずに、AさんとBさんの時給だけ比較して「同じだ、違う」と論じても意味がない。

 さて、日経の記事によると、国内の太陽光発電の出力は、本年度末で600万kWだそうだ。これは年間発電量に換算すると、約60億kWhである。対して、100万kW級の原発の場合、稼働率が8割とすると、年間発電量は約70億kWhだ。原発6基分だと約420億kWhである。

 つまり、本当は、日本がこれまで延々と導入してきたすべての太陽光発電設備――それこそ住宅用からメガソーラーまで――を合計しても、原発1基分の発電能力に届いていなかった、というのが事実なのだ。これは例えるなら、孫悟空が「みんな、オラに元気を分けてくれ!」と、世界中から元気玉を集めてみたが、結局、フリーザ一人に敵わなかった、という情けないオチと同じだ。しかも、新鋭基は出力150万kW前後が主流化しているので、今では「原発1基=100万kW」という前提すら怪しくなりつつある。

 さらに、追い討ちをかけるようだが、量的な供給能力だけでなく、質的なそれでも等しいとは言い難い。なぜなら、火力や原発ならば人為で定格出力にもっていくことが可能だが、600万kWの太陽光発電設備が本当に600万kWの出力を発揮するためには、全国の太陽光パネルに一斉に直射日光が差す、という神の奇跡が必要だからである。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120326-00000304-agora-sci
※詳細は本文記事で。

2012/03/26 東電のスマートメーター「国際入札」は延期して見直せ - 池田 信夫(アゴラ)

 アゴラで松本徹三さんからスマートメーターについて問題提起があったので、現状を解説しておく。

 週刊ダイヤモンドによれば、3月12日に行なわれた東電の国際入札の説明会には70社以上が集まったが、そこで渡された仕様書は東電と出入り業者4社の決めた規格でがっちり固められていた。入札そのものは10月だが、仕様は4月に決定し、応札者はそれで製造しなければならない。つまり経産省の「コスト削減」を求める行政主導で形だけは国際入札にしたが、実態は「電力ゼネコン」との随意契約で1700万台も配備するのだ。

 この「談合入札」が問題なのは、コストが上がるだけではない。技術が東電の独自規格で、電力使用量を30分ごとに東電に送る機能しかないことだ。このように「電力計を遠隔検針する」というだけのために2000億円以上かけてメーターを取り替えるのはナンセンスだ。大事なのはこの機会にスマメをHEMS(住宅エネルギー管理システム)などの中枢と位置づけ、住宅やビルの電機製品を情報化することだ。

 日本の電力産業の規模は年間売上高ベースで約15兆円。サービスを変えないで電力消費を4割減らすことができれば、最大6兆円の新しいビジネスが生まれる。こうした省エネ型の「スマートシティ」の市場規模は、2030年には世界全体で累積3100兆円になるという推計もある。スマメを標準化して新しいPPS(独立系発電会社)が参入すればコストはもっと低下して、「環境にやさしい成長」が実現できるだろう。

 ところが現在の東電のスマメは検針データを電力会社に送る機能しかなく、HEMSにも送ることができない。通信プロトコルも東電独自で、他の電力会社とも互換性がない。海外では高機能のAMIが配備されているのに、今わざわざこんな低機能のメーターを配備する目的は、小口電力の自由化を妨害するためとしか考えられない。

 こんなガラパゴス型メーターをつくるより、すでに国際的に標準化されたAMIのインターフェイスを使い、メーターの情報はWi-Fiや3Gなど標準的な技術を使ってIPで共有すればいいのだ。アメリカでは通信キャリアやベンダーが競争して新しいビジネスを創造し始めている。東電の入札は延期し、仕様の策定からオープンに議論すべきだ。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120326-00000308-agora-sci
※図あり

■海外ニュース
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<燃料/改質器/貯蔵>
●北極のサンタクロースがくれた水素ステーション(2012年01月13日)

 H2ロジック社(H2 Logic A/S)は、フィンランドの北極線(polar circle)の北150mにある北極ドライビングセンター(Arctic Driving Center)に水素ステーションを開設した。オイ・ヴォイコスキー社(Oy Woikoski Ab)が操業するこのステーションは、H2ロジック社の「H2ステーション(H2Station〓)」技術を使って、極端に寒冷な気候条件の下で自動車メーカーが試験を行う燃料電池電気自動車に、700バールで水素を供給する。3分間で急速充てんする。
http://www.h2logic.com/com/shownews.asp?lang=en&id=381
※写真あり↑
〔参考1〕北極ドライビングセンター(Arctic Driving Center) ロバニエミ郊外にあり、ポルシェが冬季に氷上走行トレーニングキャンプを開いている。〔参考2〕オイ・ヴォイコスキー社(Oy Woikoski Ab) 1882年に設立されたフィンランドで最も古いガス供給会社。

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