燃料電池ワールド Vol.1124 (2012/03/23 08:30)

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□燃料電池ワールド Vol.1124
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■2012年03月23日発行

                  ◆燃料電池NPO法人PEM-DREAM
                  ◇http://www.fcworld.jp

■2012年03月22日のWEB LINK NEWS
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2012/03/22 水素エネルギー社会は夢で終わる(その1)――燃料電池車は不要である - 山田 高明(アゴラ)

 メタン文明と紛らわしいものに、「水素文明」「ガス体文明」「気体エネルギー文明」などというものがある。最初のは文字通り「水素主体」の文明であり、後の二つも「水素+天然ガス」を意味している。共通しているのはエネルギー源として水素をメインに持ってくることであり、それゆえ“水素エネルギー社会”ともいう。これらは一見、メタン文明とよく似た印象を受けるが、実際には本質的に異質であり、しっかりと区別する必要がある。

 これらに共通するのは、「水素の生産から流通に至るインフラ網を構築し、自動車をはじめとする需要家のエネルギー源とする」という構想だ。たいへん多くの方がこれを真剣に主張しているが、私の考えでは、社会として明白に誤った選択である。少なくとも、人間が合理的な選択をする生き物であるならば、このような未来はありえないと思う。なぜなら、水素で自動車を走らせようという発想自体が、そもそもの間違いだからだ。

 水素自動車と称されるものには、ロータリーエンジンなどを利用した内燃自動車もあるが、一般的には「燃料電池車」のことを指している。一時期、マスメディアは猫も杓子も同車を「未来の乗り物」と持ち上げていたが、09年に「電気自動車元年」が訪れて以来、その論調も下火になった。だが、政府内には今でも「2?30年度の水素エネルギー社会の本格的到来」を謳い、燃料電池車の普及に異様にこだわっている人たちがいる。このように「水素エネルギー社会」と「燃料電池車」は、だいたいセットで語られることが多い。

 たしかに、来たるメタン文明でも、燃料電池は重要な役割を果たす。なぜなら、大は火力発電所から小は一般家庭まで、ガスに含まれる水素を使うことで、オンサイトで化学的に電気を作り出すことができるからだ。その際に同時に発生する熱も回収すれば、高いエネルギー利用効率を達成することができる。しかも、太陽光や風力と違って人間が発電をコントロールできる。それゆえ、電力事業とは無縁の企業や家庭であっても、ガス管と繋がっている限り、常用発電が容易になる。よって、将来的には素人にもプロ級の電力供給が可能になりかねないので、電力会社の中にはこれを脅威視する向きもある。

 ただし、である。「そんなに燃料電池が素晴らしいのなら…」ということで、うっかり「燃料電池車」まで素晴らしいものと錯覚しないように注意しなければならない。今なお多くの人が犯している過ちであるが、同じ燃料電池といっても「定置用」と「移動体用」は、完全に分けて考える必要がある。なぜなら、後者の場合、使い勝手が極端に悪化し、社会にいらぬ負担を強いるからである。その理由を以下に説明しよう。燃料電池車が本質的にEVに劣る理由
※以下、原文をご覧下さい。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120322-00000308-agora-sci

■海外ニュース
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<定置用電源>
●セラミック・フュエルセルズ社の燃料電池、ドイツ市場で初の販促活動
(2012年01月23日)

 セラミック・フュエルセルズ社(Ceramic Fuel Cells Limited)と同社の燃料電池製品「ブルーゲン(BlueGen)」の販売パートナーであるサネボ・ブルー・エナジー社(Sanevo blue energy)はこのほど、ドイツ市場に向けた6週間にわたる販促活動を行った。この結果、サネボ社は、セラミック社に対して行った初注文の「ブルーゲン」100基に対する顧客の契約を受注した。この注文主には、ドイツの6つの州のエネルギー公益事業者だけでなく定置用として使う商業的な顧客も含まれている。燃料電池は6か月以内に配送され、設置される予定である。
「ブルーゲン」にとってサネボ社の最大の顧客は、南ドイツのアーレン市近郊に電力とガスを提供しているアーレン電力公社(Stadtwerke Aalen)である。アーレン電力公社は「ブルーゲン」の販促活動をサネボ社と協働することで、早期の「ブルーゲン」の顧客に奨励報奨金を提供するドイツで最初の公社となる。
http://www.cfcl.com.au/Assets/Files/20120123_CFCL_German_Distributor_Marketing_BlueGen_23Jan2012.pdf

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