燃料電池ワールド Vol.1123 (2012/03/22 10:02)

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□燃料電池ワールド Vol.1123
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■2012年03月22日発行

                  ◆燃料電池NPO法人PEM-DREAM
                  ◇http://www.fcworld.jp

■2012年03月21日のWEB LINK NEWS
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2012/03/21 【ジュネーブモーターショー12】メルセデス Aクラス 新型…標準モデルはおとなしいけどスポーティ(レスポンス)

 新型Aクラスには、3種類のトリムラインを用意。「AMGスポーツ」、「アーバン」、「スタイル」の3種類だ。競合車のBMW『1シリーズ』は新型で、「スポーツライン」と「アーバンライン」という2種類のトリムラインを初設定しており、メルセデスベンツも新型Aクラスで、幅広い顧客のニーズに対応する。

 AMG製のエアロパーツやアルミホイールなどが装備されないアーバンとスタイルは、AMGスポーツと比較すると、見た目がおとなしい印象。それでも歴代Aクラスが採用してきた燃料電池車のための二重フロア、「サンドイッチ構造」を潔く捨て、約160mm低くなった新型Aクラスが、従来よりもスポーティに見えるのは間違いないところだろう。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120321-00000008-rps-ind
※写真あり

2012/03/21 産総研ら、常温常圧下でギ酸生成と高圧水素供給が可能な相互変換触媒を開発(マイナビニュース)

 産業技術総合研究所(産総研)は3月19日、常温常圧の水中で水素ガスを二酸化炭素(CO2)と反応させて「ギ酸(HCO2H)」を生成すると共に、ギ酸を分解して固体高分子形燃料電池などに適した一酸化炭素(CO)を含まない高圧水素を供給できる高効率二酸化炭素/ギ酸の「相互変換触媒」を開発したと発表した。

 成果は、産総研エネルギー技術研究部門太陽光エネルギー変換グループの姫田雄一郎主任研究員らと、米ブルックヘブン国立研究所(BNL)の藤田恵津子シニアケミストらとの国際共同研究グループによるもの。詳細な研究内容は、日本時間3月19日付けで英科学誌「Nature Chemistry」電子版に掲載された。

 今回、新たに設計・合成した触媒では、プロトン応答型の水酸基(-OH)をイリジウム(Ir)の近くに配置してあり、水素分子をイリジウムと水酸基の酸素原子との相互作用を利用して活性化させる。

 この触媒を用いて、常温常圧の水中で、CO2の水素化反応を行ったところ、従来の触媒に比べて、反応速度は10倍以上、ギ酸の収率(水素の貯蔵量)は100倍以上に向上した。すなわち、この触媒を用いることで、エネルギーを消費する高温高圧条件ではなく、常温常圧でも水素をギ酸に変換できることになったというわけである。

 一方、ギ酸の分解による水素放出については、従来のプロトン応答型触媒によって、比較的温和な条件で、有機添加物を用いることなく、一酸化炭素をまったく含まない水素を生成できたが、実用的な水素の供給・利用には、反応速度の向上に加えて、放出された水素ガスを圧縮(高圧化)する必要があった。今回開発した触媒により、反応速度は10倍以上の向上を確認(画像2・3)。

 また、密閉容器を用いて反応させても反応速度は低下せず、一酸化炭素を副生せずにギ酸をほぼ完全に分解できた。密閉容器中では、水素の発生に伴って内部の圧力が上昇し、外部ポンプを使わなくても高圧の水素ガスの供給を実現した。

 図4は、今回開発した触媒を用いた簡易な水素貯蔵システムのフロー図だ。まず、常温常圧条件下、触媒を溶解させたアルカリ性水溶液に二酸化炭素と水素(1対1)の混合ガスを吹き込むことで、水素ガスを0.48Mのギ酸塩として貯蔵することができた(ステップ1)。

 次に、反応溶液に酸を加えて溶液をpH1.7に調整することで(ステップ2)、pH変化に伴うプロトン応答型触媒の性能の切り替えを行った。容器を密閉して50℃に加温するとギ酸が分解して、圧縮された水素ガスが発生し(ステップ3)、反応終了後には96%以上のギ酸が分解された。

 この溶液に再び塩基を加えると(ステップ4)、水素を貯蔵できる状態に戻る。このようにして、常温常圧の水素を貯蔵し、高圧水素の放出を繰り返すことができた次第だ。なお、新たに触媒を加える必要はなかった。この触媒技術により、温和な条件でCO2の水素化によるギ酸生成(水素貯蔵)とギ酸の分解による高圧水素ガス供給が可能になったのである。

 変換反応に伴うエネルギー変化が大きいメタノールなどのほかの炭化水素系水素貯蔵材料と比べて、その変化が小さいCO2とギ酸の相互変換反応では、触媒によって、その変換反応のエネルギー効率を格段に向上できる可能性があるという。さらなる高性能触媒開発により、CO2を用いた大規模で安価な水素貯蔵システムの実現が期待できると、研究グループはコメントしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120321-00000038-mycomj-sci
※フロー図あり

■海外ニュース
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<輸送>
●デンマーク、燃料電池車「エコモーション・トラック」は園芸に適している(2011年12月16、20日)

 エコモーション・コンソーシアム(EcoMotion consortium)は、燃料電池エコモーション・トラックを開発した。コンソーシアムは、デンマークの企業であるGMRマスキナー社(GMR Maskiner A/S)とサーエナジー社(Serenergy A/S)、エネルギー協会(Energiselskabet OK a.m.b.a)、デンマーク技術研究所(Danish Technological Institute)の4団体で構成している。

 トラックは、2基の高温PEM型(polymer electrolyte membrane、PEM 日本では固体高分子型)燃料電池を動力源としており、メタノール改質で水素を取りだして走行する。走行するのに音を出さないという点が植木屋や造園師向けとなっており、最近はホルスタブロ共同墓地(Holstebro Cemeteries)で使われている。
http://www.ecomotion.dk/engelsk/ecomotion/news-and-press-releases/nyhedsvisning.aspx?Action=1&NewsId=35&PID=218
http://www.ecomotion.dk/engelsk/ecomotion/news-and-press-releases/nyhedsvisning.aspx?Action=1&NewsId=50&PID=218

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