燃料電池ワールド Vol.1111 (2012/03/05 09:18)

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□燃料電池ワールド Vol.1111
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■2012年03月05日発行

                  ◆燃料電池NPO法人PEM-DREAM
                  ◇http://www.fcworld.jp

■燃料電池関連イベント
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☆「ワールド・エコノ・ムーブ」燃料電池部門参加のお誘い

 毎年5月に、秋田県大潟村で行われている電気自動車エコノミーラン「ワールド・エコノ・ムーブ」。その大会に燃料電池部門が加わったのは2003年のこと。PEM-DREAMも自転車を作って参加しました。

 それから10回目の今年は、燃料電池の自作・増設を自由にして、参加できる新部門を設けました。エントリーしてみようと思われる方は、以下の案内をご参照ください。登録受付は3月15日(木)まで。取りあえずのご質問でも歓迎です。
◇WEM(ワールド エコノ ムーブ)のご案内
http://www2.ogata.or.jp/wem/emindex.htm
◇燃料電池部門のご案内
http://www2.ogata.or.jp/wem/11wem/11wempdf/nowplan1.pdf
◇燃料電池についてのご案内
http://www2.ogata.or.jp/wem/fcchemix.htm
◇連絡先
(株)ケミックス WEM担当
E-mail:info-pefc@chemix.co.jp

■2012年03月02〜04日のWEB LINK NEWS
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2012/03/02 県省エネ・新エネ会議:中部電、今冬の節電状況報告 /岐阜(毎日新聞)

 県省エネ・新エネ会議が29日、県シンクタンク庁舎で開かれ、今冬の節電状況や次世代自動車、新エネバスツアーなどについて話し合われた。4回のツアーで定員675人に対し4000人を超える申し込みがあったといい、継続を求める声が相次いだ。

 次世代自動車については、県が昨年行った高山、下呂、中津川市の中山間地でのモニター実験の結果をもとに高燃費だったことが報告された。「充電スタンドなどのインフラ整備と合わせ、太陽光発電や燃料電池など次世代エネルギーシステムの一部分としての自動車と位置づけて考える必要がある」との意見も出された。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120302-00000082-mailo-l21

2012/03/03 ガス文明化でCO2排出を大幅に削減できる - 山田 高明(アゴラ)CO2を資源として利用するCCR技術

 このとんでもないコストをどうするかがネックである。ここで登場するのが新たな天然ガス火力であり、石炭火力だ。

 現在、SO型燃料電池を先頭とし、その高温排熱でガスタービンや蒸気タービンを回す「トリプル複合発電」の天然ガス火力が実証段階に入っている。このように、天然ガスを最初に燃料電池に投入する方式だと、メタンの改質によって生じた水素は電池部分に行くため、排ガスは最初から炭酸ガスのみとなる。つまり、吸収液や分離膜を使った高コストな分離工程が省けるのだ。

 また、同じように、石炭火力も、石炭ガス化複合発電(IGCC)や石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)が実証段階に入りつつある。これらはいわゆるクリーンコールテクノロジーともいわれる。石炭をガス化するIGCCでは、すでに燃焼前回収(PC法)によるCO2回収実績がある。一方、IGFCは、天然ガストリプル発電と同じように上流部分で燃料電池を使うので、やはり排ガスは最初から炭酸ガスのみであり、分離行程が必要ない。

 このように、近未来の火力は非常に簡単にCO2を回収できる。要は、ただ排ガスを圧縮するだけなのである。しかし、回収したCO2をわざわざコストをかけて地下に貯留していては、はやり余計なコストがかかる。ここで日本の技術はもうひと踏ん張りだ。

 実は貯留する(=捨てる)必要などないのだ。というのも、今やCO2を資源化する方法が続々と見つけられているからである。たとえば、三井化学はCO2を特殊な触媒でメタノールに変えるプラントを完成させた。メタノールはプラスチック原料や燃料用途など、応用範囲が広い。これはCO2の工業原料化の成功例である。ちなみに、この三井のプラントは、電力のほかに、原材料として炭酸ガス20に対して水素3を必要とする。この三つをオンサイトで同時供給できるものこそ、燃料電池を使った火力に他ならない。このように、プラスチック原料製造工場と新型火力は、たまたま相性がぴったりなのだ。

 これは従来のように、CO2という“ゴミ”をわざわざ費用をかけて分離回収し、地中に「捨てる」のではなく、資源として積極的に再利用する試みだ。つまり、採算のとれないCCS(and Storage)ではなく、CCR(and Reuse)技術と呼べよう。この方法によってCO2が資源に、経費が利益に早換わりするなら、経済性の問題はこれで解決だ。貴重な資源としてのCO2

 しかも、なにもCCR技術を樹脂製造に限定する必要はない。メタノールはそのまま燃料電池の燃料として利用することができる。また、海外ではすでに火力の排ガスを閉鎖系の光合成藻類の培養槽に導き、バイオ燃料を製造する試みが始まっている。CO2は植物性プランクトンの立派な成長促進剤なのである。
製鉄も脱炭素化し、CO2三大排出源を根絶

 このように、技術の進歩によって、火力からのCO2排出量をノーコスト又はプラスコストでゼロにできる可能性もあるのだ。むろん、空想や願望を話しているのではなく、すでに実現している技術同士を組み合わせる話をしているにすぎない。もっとも、個産個消テクノロジーの急激な発達によって、私は最終的に事業用発電自体の存続を危ぶんでいるので、火力から回収したCO2の資源利用については、将来的に減少していくかもしれない。

 同じ理屈は、前回の記事で紹介した、「水素還元法」を使った将来的な「天然ガス製鉄」にも当てはまる。最初に天然ガスを改質して水素を取り出すと、排ガスは最初からCO2又はCOだけだ。これはメタノールに変えるなど資源利用し、水素は酸化鉄の還元剤として利用する。これで天然ガス製鉄でも、新型火力と同様のCO2利用が可能となる。

 どうだろう、以上のように、メタン文明へのシフトによって、CO2の三大発生源である自動車・火力発電所・製鉄所を見事に脱炭素化することができるではないか。温室効果ガスインベントリオフィス資料によると、繰り返すが、火力発電所が4億1578万トン、自動車が2億1765万トン、そして鉄鋼業が1億5949万トンである(*すべて07年の数値)。合計すると約8億トンだ。一方、国全体のそれは約13億トンなので、いきなり60%の排出削減の達成である。ちなみに、脱石油によって、化学産業の排出する5225万トンもここに付け加えられていくだろうから、ますます削減が進展するだろう。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120303-00000301-agora-sci
※表あり

2012/03/03 廃プラアンモニアでNOx除去 火力発電で大活躍(産経新聞)

 昭和電工が製造している、使用済みプラスチックを原料の一部に用いたアンモニア「ECOANN(エコアン)」が脚光を浴びている。製造過程で排出される副生物の大半が再利用できる上、従来の方法に比べて製造時の二酸化炭素(CO2)排出量も削減できる。アンモニアには石炭や石油火力発電所で生じる窒素酸化物(NOx)を除去する役割もあり、東京電力福島第1原子力発電所事故以降、原発の運転停止で火力発電の比率が高まる中、この“環境配慮型素材”が発電所向けの出荷が伸びているという。

 製造方法はこうだ。フィルムやトレー、ボトルといった家庭や企業などから出された廃プラは自治体が分別収集し、入札を経て同社が調達した上で川崎事業所に運び込まれる。プラスチックは破砕して異物を除去した後、成型機によって圧縮されて小さな固まりに加工され、低温・高温の2つのガス化炉の中で水素とCO2の合成ガスに変わる。さらに、アンモニア製造設備で合成ガスから水素のみを取り出し、その水素を利用してアンモニアを製造する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120303-00000533-san-bus_all
※写真あり

2012/03/04 無限、EVバイクでマン島TTレースに参戦(レスポンス)

 M-TECは3日、EVバイク『神電(SHINDEN)』を開発し、2012年マン島TTレースへ参戦すると発表した。参戦クラスは「TT Zero Challenge」で、ライダーにジョン・マクギネス選手を起用する参戦体制も発表、「TEAM無限」で優勝を目指す。

 M-TECでは、モータースポーツの分野においても近い将来、燃料電池、ハイブリッド、EV等を使用したレースが主流になると見据え、オリジナルEVバイクで参戦することにより、「先進性」と「独創性」を世界に向けて発信し、若手エンジニアの育成など将来へ向けた技術力向上を目指す。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120304-00000004-rps-ind

■海外ニュース
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<報告書/市場調査>
●パイク社、無停電電源装置/バックアップ電源13社の調査レポート (2011年12月)

 市場調査会社パイク・リサーチ社(Pike Research)は、36頁のPikeパルス・レポート(Pike Pulse Report)「無停電電源装置/バックアップ電源定置用燃料電池市場:主要な無停電電源装置/バックアップ電源の定置用燃料電池メーカー13社の評価」を発表した。
13社は以下の通り。
《リーダー》

 ダンシーム・パワー社(Dantherm Power、PEM(ポリマー電解質膜):デンマーク)
 アルタージー社(Altergy、PEM:米国および南アフリカ)
《競争者》
 ハイドロジェニックス社(Hydrogenics、PEM:カナダ)
 アイダテック社(IdaTech、PEM:米国)
 リライオン社(ReliOn、PEM:米国)

 エレクトロ・パワーシステムズ社(Electro Power Systems、PEM:イタリア)
 ダイバース・エナジー社(Diverse Energy、PEM:英国)
《挑戦者》

 アイアールディ社(IRD、DMFC(直接メタノール型燃料電池)、PEM:デンマーク)

 ピー21(ヘリオセントリスの子会社)社(P21(Heliocentris)、PEM:ドイツ)
 フューチャーE社(FutureE、PEM:ドイツ)
 アクサン社(Axane、PEM:フランス)
 ヘリオン社(Helion、PEM:フランス)
 セルクラフト社(Cellkraft、PEM:スウェーデン)
http://www.pikeresearch.com/research/pike-pulse-report-upsbackup-power-stationary-fuel-cells

■燃料電池関連イベント(初出後1週間を経過した情報はこちらに移動しました)
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☆水素エネルギー協会・水素エネルギー利用開発研究会 合同講演会【再掲】(水素エネルギー協会第137回定例研究会・平成23年度第3回水素エネルギー利用開発研究会 合同講演会)
 「持続可能なエネルギー社会を目指して」
◇日 時  3月9日(金)13:00〜17:40
◇場 所  広島市西区民文化センター 2階ホール(広島市西区横川新町6-1)
◇参加費  ・水素エネルギー利用開発研究会会員:無料
       (当日入会(年会費無料)の場合も無料)
      ・水素エネルギー協会(HESS)会員:無料

       (H24年度より新入会(年会費有料)の場合も無料)

      ※どちらへもご入会されない場合:5000円(資料代含む。税込)
◇講演会
【講演1】「太陽エネルギーによる水からの水素生成用光触媒開発の現状」
   堂免一成氏(東京大学大学院工学系研究科教授)
【講演2】「NH3を用いた水素輸送」
   小島由継氏(広島大学先進機能物質研究センター長・教授)
【講演3】「エネルギー需給の現状と長期展望」

   小宮山涼一氏(東京大学大学院工学系研究科原子力国際専攻助教)【講演4】「高効率エンジンSKYACTIV」

   人見光夫氏(マツダ株式会社執行役員パワートレイン開発本部長)
◇交流会 18:00〜(会費:5000円)
◇申込方法 水素エネルギー協会会員の方は、水素エネルギー協会へお申し込みください。
      http://www.hess.jp/hess_contents/index.html

      水素エネルギー利用開発研究会へのお申込み先はこちらです。

      http://home.hiroshima-u.ac.jp/hih2/H2_Energy/index.html

      参加ご希望の方は、2月29日(水)までにお申し込みください。
◇連絡先  広島市立大学社会連携センター プロジェクト研究推進室

      担当:田村、矢島(水素エネルギー利用開発研究会事務局)

       広島市中区千田町三丁目8番24号(広島市工業技術センター内)
       電話:082-247-0263 ファックス:082-247-9753

       メール:tamura@office.hiroshima-cu.ac.jp(@は半角文字にしてください)
◇主 催  水素エネルギー利用開発研究会(広島大学、中国経済産業局、広島市)
      一般社団法人 水素エネルギー協会(HESS)

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