燃料電池ワールド Vol.1008 (2011/09/22 09:02)

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□燃料電池ワールド Vol.1008
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■2011年09月22日発行

                  ◆燃料電池NPO法人PEM-DREAM
                  ◇http://www.fcworld.jp

■2011年09月21日のWEB LINK NEWS
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2011/09/21 太陽光発電を導入、植物工場整備へ 精華の府立大(京都新聞)

 京都府精華町北稲八間の府立大精華キャンパスで、太陽光発電などを取り入れた植物工場が整備される。2009年3月に閉園した「花空間けいはんな」の施設を活用し、省エネ対応の植物工場の普及に向けたモデルづくりなどを目指す。府によると、完成は本年度末の見込みという。

 府は21日開会の9月定例府議会に提案する本年度一般会計補正予算案に工場整備費5千万円を計上した。

 新しい植物工場は、花の販売などに使われていた鉄骨平屋建てのフラワーショップ棟(約210平方メートル)を改修する。府によると、太陽光発電システムや燃料電池を導入して電力を確保し、屋内栽培用の照明にはLED(発光ダイオード)を使用して省エネ化を図る。

 精華キャンパスでは今年4月、旧「花空間けいはんな」の施設を改修した産学公連携拠点施設が開所。大学発ベンチャーなどが研究活動を進めている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110921-00000010-kyt-l26
※写真あり

2011/09/21 【閲覧注意】原発で活躍する「災害用ゴキブリサイボーグ」が1年以内の実用化(ギズモード・ジャパン)
 ゴキブリサイボーグは1年間活動できるんだとか。

 昆虫の体液を利用して発電するバイオ燃料電池を東京農工大の秋山佳丈助教と森島圭祐准教授らが開発しました。この技術を用いゴキブリなどの昆虫へカメラや放射線計測器などを搭載した、昆虫サイボーグの開発が進められています。原発事故現場などで活躍する災害用昆虫サイボーグとして1年以内の実用化が目指されているそうです。ゴキブリなら放射線耐性が人間の数十倍高いですし、隙間などに入っていくこともできるため、今まで困難だった現場での情報収集も容易に可能となりそうです。

 これまでもカブトムシやゴキブリや蛾なんかをリモコンで操作できる昆虫サイボーグは存在しましたが、写真のようにコイン型電池を取り付けるタイプのものが主流でした。今回開発された体液発電装置のほうが軽量のためゴキブリのフットワークが軽くなり、自由自在に動けるようになるそうです。ちなみに今回のゴキブリサイボーグもリモコン操作できるっぽいです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110921-00000313-giz-ent
※写真あり

2011/09/21 理研、新たな水素吸蔵材料「多金属ヒドリドクラスター」の合成に成功(マイコミジャーナル)

 理化学研究所は9月19日、水素の挙動を観察できる新たな水素吸蔵材料「多金属ヒドリド(H-)クラスター」の合成と構造解析に成功したことを発表した。中国大連理工大、仏・ラウエ-ランジュバン研究所、米・南カリフォルニア大との共同研究で、今回の成果は科学雑誌「Nature Chemistry」オンライン版に日本時間9月19日に掲載された。

 水素は燃焼しても水になるだけで、温室効果ガスを排出しないクリーンで再生可能なエネルギーとして注目されているのはご存じの通り。燃料電池の燃料としての実用化を目指してさまざまな研究や開発が行われているが、化石燃料と異なって常温・常圧だと機体のため、輸送や貯蔵の難しさが普及の妨げとなっている。

 その解決策として期待されている方法の1つが、水素を「ヒドリド」(H-)の形で金属と結合させ固体にする貯蔵法だ。この方法のメリットは、用いる材料によらずに水素の体積を1/1000以下に抑えることができ、かつ使用したい時には水素として取り出せる点である(画像1)。

 この異種多金属ヒドリドクラスターを減圧下で「加熱脱気」(10-8乗気圧、80℃)とすると、水素1分子を放出した新たなクラスターが得られたとした(画像3・右)。その構造を調べたところ、中心部にあったヒドリド原子と、2つのイットリウム原子間(Y3とY4)を架橋していたヒドリド原子が、水素分子となって放出していることが判明している(画像3・左→右)。

 そして、この水素分子が抜けた抜けた多金属ヒドリドクラスターに再び水素を常温・常圧で吹きかけると、速やかに水素を吸着し、元のクラスターに戻ることが確認された(画像3・右→左)。

 さらに、水素がこの単結晶に吸着する様子をX線構造解析で追跡したところ、水素と反応してヒドリド原子が中心部とY3〜Y4の間に取り込まれる様子と全体構造の変化を、リアルタイムでとらえることに成功している(画像4)。理論計算による解析の結果、この水素との反応では、イットリウムが水素を捕らえ、モリブデンが水素を蓄えることでクラスター内に水素が取り込まれることが判明した。

 研究グループでは、今回の成果は、より多くの水素を効率よく吸着・放出するための「金属の組み合わせ」や「金属の電子的性質が反応性に夜ボス影響」についての理解を深め、今後さらに新たな物質群の創製や、それらの研究を通した新たな水素吸蔵材料への開発につながると期待するとしている。また、これまで1つの金属に集中した研究がほとんどだったが、多数の金属が反応に作用する多金属クラスターを用いた新たな触媒の開発などへの展開も期待されているとした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110921-00000079-mycomj-sci
※全ての画像は↓
http://journal.mycom.co.jp/news/2011/09/21/098/index.html

2011/09/21 児童ポルノで廃棄命令 京都府議会開会(京都新聞)

 京都府議会の9月定例会が21日開会し、円高緊急対策や災害対策、節電・省エネ支援策を中心に総額58億4千万円を追加する2011年度一般会計補正予算案や児童ポルノ規制条例案など計22議案が提案された。

 補正予算案では、円高対策として中小企業向けの設備投資補助などに3億6200万円を計上し、府民から身近な災害対策を公募する事業に5億円、住宅に太陽光発電や燃料電池を導入する府民向けの融資制度創設に6億100万円、保育所の新設や増改築に補助する待機児童対策で2億6200万円を盛り込んだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110921-00000030-kyt-l26

2011/09/21 オイルサンド輸送で地下水汚染の危険性
(ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト)

 カナダ、アルバータ州からアメリカ、テキサス州まで、スラリー(懸濁液)状のオイルサンドを運ぶパイプライン建設が予定されている。この計画に抗議し、8月後半から9月前半にかけての2週間、環境活動家たちがホワイトハウスの前で座り込みを行った。

 抗議の理由は炭素排出だ。オイルサンドはタール状の原油を含む砂岩で、原油を得るには分解しなければならない。その工程は複雑で、通常の油田からの原油採掘より炭素の排出量がはるかに多くなる。

 全長約2700キロのキーストーンXLパイプラインに対して、専門家は別の環境問題も指摘する。それはパイプライン周辺の水質汚染だ。

 パイプラインの大部分は溝を掘って埋められる。悪天候には強い一方、漏出事故が起きても正確な場所の特定が難しい。

 別の場所では、ディルビット漏出の前例が複数ある。例えば、2010年7月には、数百万リットルのディルビットがアメリカ、ミシガン州のカラマズー川に流れ出した。カラマズー川では6カ月以上にわたり、釣りや遊泳が禁止された。

 カナダ西部のアサバスカ川流域に分布する採掘地の近くでは、魚に背骨の湾曲や奇妙なただれが発生し、口を2つ持つ魚も釣り上げられている。

 石油業界とアルバータ州政府は魚の奇形と採掘の関係を否定している。しかし、アルバータ大学の研究チームが発表した2つの研究によれば、採掘地の周辺や近くを流れる川の下流では、癌や発達障害を引き起こす有害物質が通常より高いレベルで検出されているという。具体的には、水銀、タリウムなどの重金属や多環芳香族炭化水素(PAH)だ。

 委員の一人で、水と毒物の関係を研究するサスカチュワン大学のモニク・デュベ(Monique Dube)氏は、「オイルサンドが大気や水、土壌を汚染している現状は疑う余地もない」と述べている。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110921-00000002-natiogeo-int
※写真あり

■海外ニュース
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<輸送>
●APFCT社、台湾政府と燃料電池スクーター80台の契約(2011年07月12日)

 アジア・パシフィック・フュエルセル・テクノロジーズ社(Asia Pacific Fuel Cell Technologies:APFCT)は、台湾エネルギー省(Taiwan Board of Energy)から、燃料電池技術の実証と検証のために、80台の燃料電池スクーターを製造するプロジェクト契約を勝ち取った。これは昨年8月、同社が10台を製造したエネルギー省のプロジェクトの続きとなるもの。今回は、仕事での配送や旅行者のレンタル用などに使用される。スクーターは来年の5月には納入されて、実用に供される計画である。
http://www.apfct.com/article_cat.php?act=view&no=26
〔参考〕アジア・パシフィック・フュエルセル・テクノロジーズ社(Asia Pacific Fuel Cell Technologies:APFCT) 2000年に創立した台湾のベンチャー企業。デュポン社が一部材料提供を行っている。栗本鐵工所と2003年6月に技術提携している。

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