燃料電池ワールド Vol.992 (2011/08/30 08:50)

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□燃料電池ワールド Vol.992
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■2011年08月30日発行

                  ◆燃料電池NPO法人PEM-DREAM
                  ◇http://www.fcworld.jp

■2011年08月29日のWEB LINK NEWS
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2011/08/29 顧客という資産を生かすラストワンマイルの経営――新出光 出光泰典社長(ITmedia エンタープライズ)

 石油が枯渇すると言われて久しく、再生可能エネルギーの開発も盛んであるのだから、世界は脱石油の方向に向かっているのは間違いありません。しかし、先日も、メジャーと言われる海外資本であるエクソンモービルやロイヤル・ダッチ・シェルが過去最高益を出したというニュースが流れてきました。どうやら、石油産業の構造は見た目ほどには簡単ではないようです。一口に石油産業と言っても、プレーヤーの立場はさまざまでそのパワーゲームは熾烈です。そして、脱石油に向けた将来の戦略ももちろん、そのポジションにより違ってきます。

 今回は、石油産業で最も消費者に近いSS(サービスステーション)の大手、新出光の代表取締役社長にこの6月に就任した出光泰典さんに、石油産業の現状とその構造、そして、転換期の戦略と業界の変革について伺います。業界の若きホープの話からは、一見、弱いポジションである小売のSSが、実は限りない資産があることに気づかされました。改革は始まったばかりです。
●業界の分かりやすい常識
●SSの地位を変えた環境変化
●IDEXの名のとおりガソリンでなくエネルギーとクルマ
●ラストワンマイルの資産を生かせ!
●クルマ周りはIDEXに!
●新エネルギーにも着手

 さらに、新出光は福岡県大牟田市で、木屑 (木材のチップ)を蒸し焼きの要領で分解して、究極のクリーンエネルギーと言われる水素をつくる施設を建築中です。これは、国のバイオマス関連補助事業にも採用された世界初の事業です。クルマと家庭用燃料電池、大規模送電の時代からリスク分散思考にエネルギーの概念が転換する時代背景の中で、水素社会の本格的な到来には今しばらく時間がかかりそうなので、当初は半導体メーカーなどへ工業用ガスとしての納入から始め、最後は本業であるエネルギーとしての販売へつなげることを目指しています。9月にタワーが竣工、試運転を経て、来年春から本格稼働の予定です。

 社長交代で、これら新政策が次々と発表されました。事業の分散を危ぶまれそうですが、実はすべてがエネルギーとクルマに関わるビジネスのみ、コアは動かさないという大方針はぶれていません。
●出光家の覚悟
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110829-00000010-zdn_ep-sci
※写真あり

2011/08/29 GM、自動車の電動化をテーマに京都で講演(レスポンス)

 ゼネラルモーターズ(GM)は、8月30日〜9月2日に京都で開催されるJSAE/SAE主催の国際会議「2011パワートレインズ・フューエルズ&ラブリキャンツ・ミーティング」で「自動車の電動化」をテーマにした講演を行う。

 GMでは石油に依存しないエネルギー源の多様化、環境負荷の軽減に向けて、自動車の電動化に力を入れている。同社はハイブリッド、プラグイン・ハイブリッド、バッテリーEV、燃料電池自動車とシボレー『ボルト』で実現したE-REV(航続距離延長機能付電気自動車)の搭載車種拡大や、技術向上に取り組んでいる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110829-00000023-rps-bus_all
※写真あり

■海外ニュース
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<定置用電源>
●バルチラ社とヴァーサ・パワーシステムズ社、燃料電池製品開発の協力協定を結ぶ(2011年06月03日)

 船舶とエネルギー市場に動力を提供しているバルチラ社(W〓rtsil〓)と、固体酸化物型燃料電池(solid oxide fuel cell:SOFC)を開発しているヴァーサ・パワーシステムズ社(Versa Power Systems:VPS)は、商業的燃料電池製品を開発する協力協定を結んだ。

 この協定の主な目的は、分散型エネルギー市場と海洋市場のさまざまな応用分野のために熱と電気を生産する商業的なバルチラ社の燃料電池製品を開発することである。協定は特に、より大規模な電動製品にヴァーサ・パワー社の燃料電池スタックモジュールを統合することを、バルチラ社に認めている。ヴァーサ・パワー社は、世界中の大きな市場で燃料電池製品を商業化する能力を持っている信頼できるパートナーを獲得した。
http://usnewsupda.exblog.jp/15844249/
〔参考1〕 フィンランドの企業バルチラ社(W〓rtsil〓)は、ディーゼルエンジンを主とした動力、発電機用、船舶用エンジンの製造とそのサービス会社で、全世界70カ国に161の拠点を持つグローバル企業である。本社はヘルシンキ。
〔参考2〕 燃料電池製品を進歩させ商業化することは、バルチラ社の長期的開発戦略の一部を成している。顧客に、環境問題に対応した持続可能なエネルギー生産技術を提供することは、同社の戦略の本質的なものである。バルチラ社はすでに、デンマークに本社を置くトプソ・フュエルセル社(Topsoe Fuel Cell A/S)が提供する燃料電池技術を使った予備的プロジェクトを始めていて、この協力は予定通りに続けられる。

 2008年にバルチラ社は、フィンランドのバーサ市に埋立地ガスを使って電気と熱を生産する燃料電池ユニットを納入している。(「燃料電池ワールド」Vol.320 2008/03/16)

 2010年夏には、同社の燃料電池ユニット「WFC20」が、スウェーデンのワレニウス・ラインズ社(Wallenius Lines)の自動車・トラック運搬船「ウンディーヌ号(Undine)」に搭載された。これは船用燃料電池に関するEU助成プロジェクト「メタノール動力ユニット(METHAPU)」の実証実験であった。(「燃料電池ワールド」Vol.737 2010/08/04)

 加えて、バルチラ社は内部検証のために50kW級発電ユニット「WFC50」を開発している。
http://www.powerpulse.net/story.php?storyID=24116
〔参考3〕 他の産業と同様に、船舶業界も環境への取り組みを進めています。最も広範囲に及ぶ規制条約に、世界の船舶総トン数の98%に相当する国々が参加する国際会議によって整備・改正されてきた「マルポール条約」があります。その重点項目の1つは大気汚染の防止です。NOx排出量を2011年までに現在のレベルから20%削減するとともに、2016年までに80%の大幅削減が求められています。船舶の耐用年数が数十年単位であることを考えると、これらの期限は間近に迫っていると言えるので、企業は排出ガス削減の新たな方策に必死になって取り組んでいます。
http://www.lmsjapan.com/Wartsila-diesel-engine-generating-a-100000-horsepower-with-LMS-Imagine-Lab

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