燃料電池ワールド Vol.914 (2011/05/10 08:50)

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□燃料電池ワールド Vol.914
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■2011年05月10日発行

                  ◆燃料電池NPO法人PEM-DREAM
                  ◇http://www.fcworld.jp

■2011年05月09日のWEB LINK NEWS
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2011/05/09 燃料電池車、2020年に100万台…パイクリサーチ予測(レスポンス)

 米国の市場調査会社パイクリサーチは、燃料電池自動車(FCV)の販売は2020年に100万台の大台に乗り、2020年末に120万台に達するだろう、との予測結果を発表した。

 FCVは一連の電子運転技術のひとつであり、世界の乗用車やバスの市場でのシェアはますます拡大するとみる。燃料電池市場は現在、商用化が急速に進んでおり、2015年ごろに自動車メーカーがFCVを発売すると予測する。

 自動車メーカーは今後数年間、2015年の商用化をターゲットとして、性能を向上し、コスト削減を図るべきであると、Jerram氏は語る。早期導入が進むのは、多くの燃料インフラが計画されている日本、ドイツ、カリフォルニアだ、とパイクリサーチ。

 燃料電池のテストケースとして、バスでの利用が始まっているが、バスは商用化のタイムフレームでは乗用車にはいささか遅れをとっている。燃料電池によるバスは、二酸化炭素の排出量がゼロで、運転音も静かであり、内燃エンジンよりも燃料効率が非常に高い。パイクリサーチは、バスの商用化の後には、購入の際の補助金やインセンティブが期待できる軽自動車が続くだろうとみている。

 パイクリサーチ社は、2010〜14年の商用化の準備段階の期間に、約1万台の燃料電池自動車が普及するとみている。その後、2015年の燃料電池車の販売は5万7000台となり、2020年には年間39万台に急増するだろうと予測している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110509-00000002-rps-ind
※写真あり

2011/05/09 エコ住宅:CO2抑制実験 再生可能エネルギーを多用--つくば /茨城(毎日新聞)
 ◇木製建具ルーバー日差し調節/通風塔、太陽光発電パネル活用

 日差しを調節したり室内に風の流れを作ることで二酸化炭素(CO2)総排出量を極限まで減らす実験住宅が、つくば市立原の独立行政法人・建築研究所構内に完成した。東京電力福島第1原発の事故を受けて、同研究所の村上周三理事長は「再生可能エネルギーを住宅でも多用しなければならない」と意義を強調しており、6月9日に見学会を予定している。

 南に向いた縁側の外側にすだれのような木製の特注建具(ルーバー)を設置。夏はルーバーを閉めて日差しを遮り、2基の通風塔から風を取り込む。冬はルーバーを収納し窓ガラスを閉めて縁側をサンルームとする仕組み。屋根に8キロワットの太陽光発電パネルを載せたほか、ガス燃料電池や給湯器、エアコンやLED照明を設置。総工費は約4000万円かかった。

 6月の見学会は9日午前9時からメール(shimizu@kenken.go.jp)で申し込みを受け付ける。定員300人で先着順。参加無料。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110509-00000004-mailo-l08

■海外ニュース
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<燃料/改質器/貯蔵>
●マサチューセッツ工科大学、光合成で水素を生産する「人工葉」(2011年03月27日)

 マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)の科学者たちは、第241回アメリカ化学会定例学会(National Meeting of the American Chemical Society)で、初めての実用的な「人工葉(artificial leaf)」を紹介した。それは、光合成をまねた最新の新型太陽電池である。この装置はトランプのカードのような形をしているがそれよりも薄くて、シリコンや電子機器、触媒などから形作られている。

 水の中にこの装置を入れ、まばゆい日光を当てると化学反応が起こり、発展途上国の一軒の住宅が1日に使う電気を提供するために十分な電気を生産することができる。それは、水を酸素と水素という2つの成分に分離して、燃料電池で使うのである。
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2011-03/acs-dot031811.php〔参考1〕英会話のブログにこの記事が取り上げられていて、翻訳について以下のような指摘がありました。訳者も「葉」と訳していたのですが(ピッタリしないなとは思いながらも、そうとしか考えつかなかったのです)、この方の意見を知って考えてみました。そして、「植物の光合成を人工的に実現した」ということがこの太陽電池の特長であるので、それならやはり「葉」の方が適切だと判断しました。

 また、記事の原文ではこのチームのダニエル・ノセラ教授が、「この人工葉は数十年間の間、Holy Grails of scienceのひとつだった」と述べていますが、このHoly Grails of scienceも「究極の科学.....昔の騎士が聖杯を捜し求めたことから」とブログでは教えてくれています。
★☆leafと聞いて、へえ葉っぱがエネルギーに?と思った人は私だけでしょうか。フランス語では葉はfeuilleフォイュ(ほらお菓子のミルフィーユとかの)日本人はホイルと発音しているはず。つまりは「箔」のことでした。この場合は「箔」というご意見を聞きひとつ賢くなりました。
http://d.hatena.ne.jp/stacy88/20110410/p3
〔参考2〕この記事の概念図と実験の写真およびノセラ教授のビデオ解説が載っているブログが2つあります。コメントでは専門的な立場からの判断と、参考資料が書かれています。執筆されている方は、両方とも(t_t)氏。
http://greenpost.way-nifty.com/softenergy/2008/08/major_discovery_a4c9.html
http://greenpost.way-nifty.com/sinaken/2010/11/post-59de.html〔参考3〕マサチューセッツ工科大学のウェブにあるニュース記事。これが参考2で引用している元の記事ですが、日付は2008年7月31日。ダニエル・ノセラ教授の写真とインタビュービデオ、さらに2009年から2011年4月24日までに至るかなりのコメントがあります。
http://web.mit.edu/newsoffice/2008/oxygen-0731.html
〔参考4〕最初の「人工葉」は10年以上前に、コロラド州の米国再生可能エネルギー研究所(U.S. National Renewable Energy Laboratory)のジョン・ターナー氏によって開発されました。
〔参考5〕参考3の記事と、今回の2011年3月27日の記事とでは、どこが違うのか? 興味のある方はご自分でお調べください。訳者の手には負えませんので悪しからず。

 なお、この記事は2011年4月4日に、ギズモード・ジャパンが「MITが光合成も可能な人工葉の開発に成功」として報じています。燃料電池とは関係ない記事だと思って、メルマガのウェブリンクニュースには取り上げませんでした。
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&lr=lang_ja&tbs=lr%3Alang_1ja&q=artificial+leaf%E3%80%80Massachusetts+Institute+of+Technology&btnG=検索&aq=f&aqi=&aql=&oq=〔参考6〕日本では最近、大阪市立大学の「人工光合成への足がかりへ!」とする研究が報じられました。

2011/04/18 「光合成酸素発生の謎を解明-神谷信夫教授(複合先端研究機構)らの研究成果がネイチャー誌に掲載」(大阪市立大学ウェブ)
http://www.osaka-cu.ac.jp/news/20110418110425/research.html
また、産業技術総合研究所でも人工光合成の研究を進めています。
「意外にいける? 太陽エネルギーを蓄積する人工光合成の現実味」
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/report/20110128/105757/?P=1
http://unit.aist.go.jp/energy/slecg/aps/index.htm
日本の光合成研究の歴史は、
「光合成エネルギー利用への挑戦」
http://www.rikenresearch.riken.jp/jpn/history/4729

■燃料電池関連イベント(初出後1週間を経過した情報はこちらに移動しました)
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☆有機ハイドライド利用システム研究会 講演会【再掲】
◇日時:5月11日(水)
◇場所:弘済会館4階 会場名「蘭東」(東京都千代田区麹町5-1)
     http://www.kousaikai.or.jp/hall/index.html

     JR「四谷駅」麹町出口、または地下鉄「四谷駅」共通1番出口から徒歩5分
◇参加費:会員、一般ともに無料
◇講演内容
14:00-15:00 柏木孝夫氏(東京工業大学ソリューション研究機構教授)
「復興に向けた、これからのエネルギー政策の展望」
15:00-15:50 市川 勝氏(東京農業大学総合研究所客員教授)

 「低炭素社会に向けた有機ハイドライド技術の実用化展開 これまでとこれから」
16:00-16:50 斉藤泰和氏(株式会社新エネルギー研究所取締役)
 「サハリン風力水素計画と搬入有機ハイドライドの利用」
16:50-17:30 笹津浩司氏(電源開発株式会社技術開発センター若松研究所長)
 「石炭ガス化水素ーEAGLEプロジェクトー」
◇申し込み:okuda@hrein.jp または、FAX 011・209・9778にて奥田まで。
◇主催:有機ハイドライド利用システム研究会

☆福岡水素エネルギー人材育成センター【再掲】
●第11回経営者コース

 水素・燃料電池の基礎から定置用燃料電池分野への参入のために求められること、国内外のビジネス動向までを一流の講師陣が具体的、かつ丁寧に解説します。

 施設見学では、普及が進む家庭用燃料電池エネファーム、2015年の市場化を待つ燃料電池自動車、九州大学水素ステーションをご覧いただきます。
 交流会と併せて、情報収集・人脈形成にご活用ください!!
◇対象:水素関連分野への新規参入を目指す企業の経営幹部等
◇日程:6月2日(木)12:50〜17:10
◇会場:九州大学伊都キャンパス (福岡市西区元岡744番地)
◇定員:40名(定員に達し次第、募集を締め切ります)
◇締切:5月20日(金)
◇受講料:3000円/人(交流会費2,000円)
◇コースの詳細はこちら(福岡水素エネルギー戦略会議HP)
 http://www.f-suiso.jp/11th_keieisha.html
◇受講申込みはこちら(申込フォームが開きます)

 https://www.sipstool.com/f-suiso/anq/index.php?p=20110408095321
●福岡水素エネルギー人材育成センター 平成23年度の開催予定
今年度から、新たに「経営者(燃料電池自動車)コース」を追加。従来の「経営者コース」「技術者育成コース」「高度人材育成コース」も新たなカリキュラムを加えて開催します!
◇平成23年度の開催予定はこちら(福岡水素エネルギー戦略会議HP)
 http://www.f-suiso.jp/jinzai.html

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