燃料電池ワールド Vol.845 (2011/01/21 08:50)

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□燃料電池ワールド Vol.845
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■2011年01月21日発行

                  ◆燃料電池NPO法人PEM-DREAM
                  ◇http://www.fcworld.jp

■情報提供
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☆『現代化学』2011年2月号(1月17日発売,800円)【再掲】「次世代リチウムイオン電池の最前線〜新型リチウム―空気電池の開発〜」記事執筆:産業総合技術研究所 周 豪慎博士
【記事の要点】

 長距離運転が可能な電気自動車に搭載するには、現行のリチウムイオン電池では容量が不十分です。そこで、理論的に大容量が可能な「リチウム―空気電池」が次世代電池の有力候補として注目されています。

 周博士らは、リチウムイオン電池と燃料電池のよいところを組み合わせ,正極区域を燃料電池型とした「燃料電池型リチウム―空気電池」を提案・開発しています。

 リチウムのリサイクル利用も念頭に置いたユニット構成についても触れています。
○提供元 月刊誌『現代化学』編集室 TEL:03-3946-5311
○直接予約購読のお申込みはこちら↓
http://www.tkd-pbl.com/news/nc243.html

■2011年01月20日のWEB LINK NEWS
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2011/01/20 産総研ら、450℃で発電するマイクロ固体酸化物燃料電池を開発(マイコミジャーナル)

 産業技術総合研究所(産総研)および米国Colorado School of Minesらによる研究グループは、さまざまな炭化水素燃料を直接改質して利用できる触媒層を付加したマイクロ固体酸化物形燃料電池(マイクロSOFC)を開発したことを発表した。英国の科学誌「Energy & Environmental Science」に同成果の一部が掲載されたほか、詳細は2011年1月23?28日に米国フロリダ州で開催される「The 35th International Conference and Exposition on Advanced Ceramics and Composites」にて発表される予定。

 産総研はこれまでにも小型電源へのSOFCの応用を目指した研究開発を進めてきており、650℃以下の動作温度で高出力で熱衝撃にも強いSOFCを実用化する研究を行い、セリア系およびジルコニア系材料を用いて急速起動運転が可能なマイクロSOFCのバンドル・スタック化技術の開発に成功したほか、SOFCは運転温度を下げると急激に性能が下がるため、水素燃料を用い600℃付近の低温で1.0W/cm2の高出力発電を可能とする新たな電極技術などを開発してきた。

 機能性触媒層としてセリア触媒層を付与したマイクロSOFCと付与しないマイクロSOFCについて450℃付近の低温でメタンと水蒸気の混合ガスを用いて試験をしたところ、セリア触媒層を付与したマイクロSOFCはセリア触媒層がないマイクロSOFCと比較して飛躍的な発電性能の向上が確認できたという。

 セリア触媒層を付与しない場合、メタン系燃料の直接利用において、450℃付近では、起電力は0.6V程度と小さく、数mW/cm2程度の出力であったが、セリア触媒層を利用することでその約30倍の実用レベルである0.1W/cm2の出力が確認できた。

 さらに、500℃、550℃付近においては、それぞれ0.4W/cm2および0.45W/cm2の出力密度が得られており、現在は、低温域においても、メタンを含むさまざまな炭化水素燃料にて、水素燃料と同等以上の出力性能への向上を目指し、種々の触媒層を付与した電極技術の研究開発を進めているという。

 今回開発したマイクロSOFCでは、機能性触媒層を付与するプロセスはスラリコーティング法を用いており、同プロセスを利用することで、さまざまな炭化水素燃料に適した触媒層の付与が可能となるほか、触媒層の焼成が空気極の焼成と同時に行えることから、コスト面での優位性も得られる。そのため、さまざまな炭化水素燃料の直接低温利用が可能でコンパクトなSOFCシステムの実現が加速するものと考えられるとしており、研究グループでは、今後、これまで開発してきたSOFCモジュール化技術を適用することで、起動エネルギーを低減し、急速起動性を高めた小型SOFCシステムの開発を進め、多燃料利用による次世代自動車用や移動体向けの小型電源として、普及促進を進めたいとしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110120-00000005-mycomj-sci
※図あり

2011/01/20 温暖化対策や化石原料削減の切り札 化学各社、CO2の資源化加速(フジサンケイ ビジネスアイ)

 化学メーカーが地球温暖化の“元凶”とされ、利用法が限られてきた二酸化炭素(CO2)を化学品の原料に活用する取り組みを強化している。三菱化学は19日、リチウムイオン電池の部材の原料に使うエチレンカーボネートを増産する計画を明らかにした。三井化学と旭化成はCO2から樹脂原料を作る技術の外販に乗り出している。

 一方、特殊な触媒を使ってCO2と水素からメタノールを作る技術を開発しているのは三井化学だ。通常のメタノールは天然ガスから作り、樹脂以外に燃料電池や医薬品など幅広い用途に使われている。同社では「応用範囲が広く、価格上昇が続く化石資源の節約にもなる」と、開発の意義を強調する。

 2009年2月に14億円をかけ大阪工場(大阪府高石市)に試験設備を導入し、基本技術は確立済み。コスト削減などの課題が残るが、電力会社などを相手に技術の売り込みを始めており、「数年後には本格的な実用化にこぎつけたい」と意気込む。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110119-00000023-fsi-bus_all

2011/01/20 低炭素型産業:新産業振興策を検討 県全体で発展の方針 /青森(毎日新聞)

 低炭素型ものづくり産業の推進を目指した県の検討委員会は19日、県庁で初会合を開き、破綻(はたん)した「クリスタルバレイ構想」に代わる産業振興策の指針作りに向け検討を始めた。企業を1カ所に集積せず、県全体で低炭素型産業を発展させる方針で、雇用の拡大を図りたい考え。

 地球温暖化により環境に配慮した産業構造への変革が求められる中、国が新成長戦略で低炭素型産業に力を入れており、県も調査を進めてきた。国内や海外の動向をにらみながら、太陽電池・半導体▽2次電池・燃料電池▽電気自動車(部品、小型モーター)▽光(有機EL、LED)--関連の低炭素型産業発展を目指す。

 検討委は産学官のメンバーらで構成。今年3月に指針の骨格案、6月に最終案をまとめ、7月をめどに県に提言する予定。低炭素型産業の振興で、県は1720億円の経済波及効果と1万2000人の新規雇用を見込んでいる。

 県商工労働部の桜庭洋一部長は「国内産業として立地展開が可能なものや、海外との競争の中で、国内で勝ち残れる技術など、オンリーワンの技術が立ち上がり、雇用を生み出していければ」と期待を込めた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110120-00000028-mailo-l02

2011/01/20 小規模水力発電所:足尾で稼働開始 開所式に30人出席 /栃木(毎日新聞)

 日光市足尾町に設置を進めていた小規模水力発電所が完成、19日に開所式が開かれた。年度内には実証実験を進めて、水力発電により二酸化炭素を出さずに水素を取り出し、燃料電池車に供給する、国内初のシステムを目指している。

 開所式は、発電施設が設置された足尾砂防堰堤(えんてい)脇の銅親水公園内にある足尾環境学習センターで行われた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110120-00000044-mailo-l09

■海外ニュース
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<輸送>
●連邦交通局、8つの燃料電池バス事業に資金提供 (2010年12月)

 連邦交通局(Federal Transit Administration)の全米燃料尾電池バス計画(National Fuel Cell Bus Program)は、「輸送と環境のためのセンター(Center for Transportation and the Environment)」による6つの事業に642万ドルを、非営利団体「カルスタート(CALSTART)」による2つの事業に1017万ドルを授与した。これらの団体は、全米の燃料電池メーカーや工学系事業所、交通公社の研究を組み合わせて連携させている。
http://www.fta.dot.gov/news/news_events_12231.html
【燃料電池ワールドの関連記事】
Vol.256 2006/11/12発行「FTAは水素燃料電池バスの開発に4900万ドルの資金を提供する(2006/10/12)」
Vol.299 2007/10/16発行「6台の燃料電池バスプロジェクトに資金提供するFTA(2007/09/20)」
Vol.665 2010/04/15発行「BAEシステムズ社、サンライン交通公社の燃料電池バスを開発中(2010/03/24)
Vol.799 2010/11/08発行「コネチカット州、4台の燃料電池バスを受領(2010年10月15日)」

■燃料電池関連イベント(初出後1週間を経過した情報はこちらに移動しました)
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☆第5回イワタニ水素エネルギーフォーラム【再掲】
http://www.iwatani.co.jp/jpn/information/detail.php?idx=1141
●大阪会場
◇日 時:2011年1月25日(火)13:00?17:00
◇場 所:ホテル阪急インターナショナル(大阪市北区茶屋町)
◇参加費:無料
◇定員:300名(定員になり次第締切)
【講演概要】
「水素エネルギー社会実現に向けた各地域の取り組み」
来賓挨拶「水素エネルギーが切り拓く未来」
 安藤晴彦氏(内閣参事官、知的財産戦略推進事務局)
基調講演「福岡水素戦略?Hy-Lifeプロジェクト?」
 麻生渡氏(福岡県知事)
特別講演「水素エネルギー社会の実現に向けた大阪地区の取組みについて」
 北野義幸氏(大阪FCV推進会議会長、大阪府商工労働部理事)
特別講演 「高圧水素充填インフラと充填基準の国際標準化への挑戦」

 門出政則氏(佐賀大学大学院教授、海洋エネルギー研究センター長)特別講演「トヨタの燃料電池自動車の開発と挑戦」

 河合大洋氏(トヨタ自動車株式会社第2技術開発本部FC開発部部長)
◇申し込み https://ssl.iwatani.co.jp/h2_forum/form/form.php?r=osaka
●東京会場
◇日 時:2011年2月24日(木)13:00?17:00
◇場 所:東京国際フォーラム(東京都千代田区丸の内)
◇参加費:無料
◇定員:400名(定員になり次第締切)
【講演概要】
「2015年水素ステーションと燃料電池自動車の普及に向けて」
来賓挨拶

 飯田健太氏(経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー対策課燃料電池推進室長)
特別講演「トヨタの燃料電池自動車の開発と挑戦」

 河合大洋氏(トヨタ自動車株式会社第2技術開発本部FC開発部部長)特別講演 「ホンダの燃料電池電気自動車開発と水素社会に向けた取組み」

 守谷隆史氏(株式会社ホンダ技術研究所四輪R&Dセンター執行役員、第1技術開発室室長)
特別講演 「市場化を目指した燃料電池自動車の開発 コストと耐久性への挑戦」

 飯山明裕氏(日産自動車株式会社総合研究所EVシステム研究所所長)特別講演 「水素供給インフラの構築に向けて」

 吉田正寛氏(水素供給・利用技術研究組合理事長、JX日鉱日石エネルギー株式会社執行役員)
◇申し込み https://ssl.iwatani.co.jp/h2_forum/form/form.php?r=tokyo

○お問い合わせ イワタニ水素エネルギーフォーラム事務局(受付時間 平日9:00〜
17:30) TEL:03-5405-7030 FAX:03-5405-7022 http://www.iwatani.co.jp/jpn/
○主催 岩谷産業株式会社
○後援 おおさかFCV推進会議、財団法人大阪科学技術センター、社団法人関西経済連合会、水素エネルギー協会、水素供給・利用技術研究組合、財団法人地球環境産業技術研究機構、社団法人日本化学会、燃料電池実用化推進協議会、福岡水素エネルギー戦略会議、NPO法人PEM-DREAM

☆『水素先端世界フォーラム2011』開催!
http://www.congre.co.jp/hydrogen2011/)

 2011年2月2日(水)?3日(木)、「水素先端世界フォーラム2011」を開催します。5回目を迎える今回は、2015年の燃料電池自動車市場化を目指した取り組みについて日米欧の自動車、インフラ企業から、最新の動向を発表するほか、ノルウェー、フィンランド、オーストラリアといった世界各国から講演者を招へいします。

 水素ビジネス・水素エネルギー研究に関する世界最先端の情報を入手する絶好の機会です。フォーラムへの参加は無料です。みなさまの参加をお待ちしています。【プログラム概要】
◆2月2日(水)/グランドハイアット福岡(福岡市博多区)
※同時通訳あり、入場無料(レセプションは別途)
○9:30?12:00 セッション1『2015年 燃料電池自動車の市場化に向けて』
・飯山 明裕氏(日産自動車(株)総合研究所EVシステム研究所所長)
・George P. Hansen氏(ゼネラルモーターズ燃料電池事業本部)
・Andreas Opfermann氏(リンデガス&エンジニアリング)
○13:15?17:00 セッション2『水素エネルギー社会の実現に向けた各国の戦略』
・Antonio Ruiz氏(米国エネルギー省)
・HYDROGENIUS及び世界各国からの招へい研究者
○17:30?19:00 レセプション(参加費 5000円)
◆2月3日(木)/九州大学伊都キャンパス(福岡市西区)
※同時通訳なし、参加無料
○世界各国の研究者、HYDROGENIUS各研究チーム等の研究者による研究発表
○ポスターセッション 
○HYDROGENIUS、HyTReC、水素ステーションの施設見学。
◆主催 (独)産業技術総合研究所水素材料先端科学研究センター、福岡水素エネルギー戦略会議、福岡県、九州大学
◆後援 (独)新エネルギー・産業技術総合開発機構、水素エネルギー協会、燃料電池開発情報センター、燃料電池実用化推進協議会、公益財団法人 水素エネルギー製品研究試験センター
◆申込み締切 平成22年1月24日(月)
◆詳細・お申込み
ホームページオンラインフォームにてお申し込みください。
URL:http://www.congre.co.jp/hydrogen2011/
<フォーラム運営事務局/(株)コングレ九州支社内>

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