燃料電池ワールド Vol.814 (2010/11/30 10:12)

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□燃料電池ワールド Vol.814
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■2010年11月30日発行

                  ◆燃料電池NPO法人PEM-DREAM
                  ◇http://www.fcworld.jp

■2010年11月29日のWEB LINK NEWS
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2010/11/29 ハイブリッド車大量投入の陰で見えてきたトヨタの全方位戦略(ダイヤモンド・オンライン)

 2010年11月18日、トヨタは12年末までにハイブリッド車を11車種投入すると発表した。
「トヨタがハイブリッド車を11車種投入」。今回の発表で他社を大きく引き離すことになるだけに、翌日の多くの新聞にはハイブリッド車についての見出しが躍った。事実、当面、ハイブリッド車でトヨタに追いつける自動車メーカーは世界を見回しても一つもない。

 しかし、ライバルが本当におののいたのは「ハイブリッド車以外」の部分にある。今回トヨタは同時に電気自動車(EV)、次世代電池、燃料電池車戦略の三つも発表した。そこからは規模を背景に、したたかに全方位に保険をかけるトヨタの次世代環境車の戦略が見えてくる。
 まずは、12年に発売すると発表したEVである。
 さらに、燃料電池車を15年に投入するとも発表した。

 燃料電池車はタンクに充填された水素の化学反応により発電しながら走るため、航続距離が短いというEVの短所を解決した究極の環境対応車といわれる。

 トヨタの燃料電池車はすでに1000万円を切るメドがついたといい、投入時には500万円程度にまで近づけていくという。小吹専務は15年に投入する燃料電池車を「初代プリウスのような存在にしたい」と意気込む。
 対して、ライバルの次世代環境車の動きはどうだろうか。

 また、ホンダはハイブリッド車をすでに投入しているが、燃費性能や販売面でトヨタの後塵を拝している。燃料電池車をすでに日米で35台ほどリースのかたちで納車しているが、一般の販売時期や価格などについては明言していない。

 つまり、15年までを見通せば、トヨタの環境戦略が最も具体的で、かつ、その数が多い。ハイブリッド車で独走するうえに、他社が得意とする環境対応車も本気を出せば近い将来に安価に投入できるという状態にあるのだ。

 実際、トヨタには他社にまねのできない全方位戦略を実現できる体力がある。なにしろ、ここ10年間の研究開発費と固定資産の取得の合計額は日産が約7.7兆円、ホンダが約12兆円なのに対し、トヨタは約23兆円にもなる。

 リコール問題でイメージに大きく傷がついてしまったトヨタ。以降、環境面での大きな発表はなく、プリウス一本でなんとかしのいできた。しかし、今回の全方位の次世代環境車戦略で挽回を図る。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20101129-00000004-diamond-bus_all
※図表あり

2010/11/29 乗って分かったEVの天敵は「遠出」「大雨」「寒い朝」(nikkei TRENDYnet)

 我が家に電気自動車(EV)「i-MiEV(アイ・ミーブ)」(三菱自動車)がやって来た。1カ月間のレンタカーを借りての「EVのある生活」の実験だ。

 EVに試乗したことなら何度かある。音が静かで、加速がいい。そんなことはわかっている。今回の実験の目的は、クルマの性能を調べることではなく、実際に生活の中でEVを使ってみること。1回の充電で、実際にはどのくらい走れるのか。家庭での充電とはどんなものか、などの実験だ。

 アイ・ミーブをレンタルして3週間が過ぎるが、EVはガソリン車に置き換わるクルマにはなりえないのではと個人的には思い始めている。航続距離の制限が大きすぎて、1日の移動距離や移動場所が明確な場合にしかEVは乗れない。たとえ急速充電のインフラが普及したとしても、30分近くかかる充電を日に何度も必要な人がEVを選択するとも思えない。しかも、現状では、ガソリン車よりも価格はかなり高い。

 考えうる購入層は、クルマを複数所有していて、そのうちの1台はEVという家庭。しかも、近距離の移動がメインとなるのは都心部だが、都心で2台のクルマを維持できる人はそう多くないだろう。

 ほかには、通常は近場だけを移動し、年に数回の遠出の際はレンタカーを借りると割り切って考える家庭。地域限定、走行距離限定の営業用としての活用。カーシェアリングでの活用など、やはり、市場としては限定的なように思う。

 ただ、従来はガソリンと軽油という化石燃料だけに頼っていたクルマのエネルギーが、電気を使う方式に変わりつつあることには間違いない。すでに普及期に入っているハイブリッド車、これから販売が本格化するEV、リースが始まっているプラグイン・ハイブリッド車、トヨタ自動車が2015年ごろ500万円程度で販売予定と発表した燃料電池車。いずれも電気モーターを積んだクルマだが、まだガソリンに置き換わるようなエネルギーの本命は見えてこない。ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車であれば、従来のガソリン車の延長上で考えられるが、EVや燃料電池車になれば、私たちのライフスタイルさえも変えなければならなくなる可能性がある。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20101129-00000007-trendy-ind
※写真あり

■海外ニュース
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<定置用電源>
●プラグパワー社、アイダテック社に定置用燃料電池技術の知的所有権の使用を認可(2010年10月26日)

 プラグパワー社(Plug Power Inc.)は、同社の定置用燃料電池製品のゲンコア(GenCore〓)とゲンシス(GenSys〓)に関する知的所有権の使用を非独占的権利に基づいてアイダテック社(IdaTech plc)に認可した。そして、定置用燃料電池ビジネスに関連する目録や設備、その他の特定の資産を売却した。この総額は500万ドルである。プラグパワー社は現在のところ、140を超える特許を持っていて、アイダテック社に認可した特許と他の知的所有権の所有および利用権を保ち続けている。
http://www.plugpower.com/newsroom/pressreleases.aspx?action=details&newsid=367〔参考〕ゲンコア(GenCore〓)は純水素を、ゲンシス(GenSys〓)は液化石油ガスを燃料とする燃料電池システムで、プラグパワー社は無線通信のバックアップ用として世界中に販売してきた。同社には、資材運搬機器のバッテリーと代替するゲンドライブ(GenDrive)が残されている。

■燃料電池関連イベント(初出後1週間を経過した情報はこちらに移動しました)
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☆福岡水素エネルギー人材育成センター【再掲】
●第10回経営者コース

 水素エネルギーに関心を持つ企業経営者等を対象に、水素の性質や燃料電池などに関する基本的な知識と市場の最新動向を短時間で習得いただくコースです。施設見学では、水素ステーション、燃料電池自動車、家庭用燃料電池の実物をご覧いただきます。
◇対象:水素エネルギーに関心を持つ企業経営者等
◇日程:12月2日(木)12:50〜18:10
◇会場:九州大学伊都キャンパス (福岡市西区元岡744番地)
◇定員:40名(定員に達し次第、募集を締め切ります)
◇受講料:3000円/人(交流会費2,000円)
◇コースの詳細はこちら(福岡水素エネルギー戦略会議HP)
http://www.f-suiso.jp/10th_keieisha.html
◇受講申込みはこちら(申込フォームが開きます)
https://www.sipstool.com/f-suiso/anq/index.php?p=20090309105516
◇主催:福岡水素エネルギー人材育成センター(福岡水素エネルギー戦略会議)
◇後援:(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、水素エネルギー協会(HESS)、燃料電池開発情報センター(FCDIC)、(公財)水素エネルギー製品研究試験センター(HyTReC)

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