燃料電池ワールド Vol.751 (2010/08/24 08:50)

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□燃料電池ワールド Vol.751
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■2010年08月24日発行

                  ◆燃料電池NPO法人PEM-DREAM
                  ◇http://www.fcworld.jp

■2010年08月23日のWEB LINK NEWS
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2010/08/23 燃料電池事業参入企業向けセミナー 山梨(産経新聞)

 自動車産業や家電産業など幅広い分野でビジネス参入が可能な「燃料電池」の実用化推進セミナーが、26日から11月まで計4回開かれる。

 初回は午後2時から甲府市のホテル談露館で、講演「世界のクリーンテック開発と燃料電池」(電気通信大の安藤晴彦特任教授)と「燃料電池研究開発最前線」(山梨大の渡辺政広教授)。費用は1人3千円。2回目以降は燃料電池自動車の開発状況、燃料電池の普及と課題、クリーンエネルギー社会の実現と課題。申し込み方法は「やまなし産業立地コミッション」ホームページに掲載。締め切りは25日。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100823-00000055-san-l19

2010/08/23 経産省、太陽光発電普及へ「品質安定化」狙う 施工士研修制度を創設(フジサンケイ ビジネスアイ)

 太陽光発電の普及促進に必要な課題は、施工時の品質確保と導入コストの低減につながる「標準化」活動。その推進策などを具体化させるため、経産省は9月に太陽光発電や住宅関連の団体・企業の関係者や有識者らが参加する検討委員会を立ち上げる。

 統一的な施工士養成制度をつくる動きも標準化活動の一環。養成制度の議論は委員会の主導で進め、来年2月までに検討の成果をまとめる。

 この教材を活用した研修で基礎知識と技能を身に付けた個人が試験を受験。そこで一定の能力を備えたと認められた個人を「業界」が施工士として認定する仕組みを想定している。

 施工士養成の背景には、補助制度や余った電気を電力会社が買い取る制度を追い風に、住宅用太陽光発電の導入量が急拡大している現状がある。

 これを反映して、太陽光発電協会(JPEA)が昨年度から2年計画で開催する施行技術無料講習会には、初年度に予想を大幅に上回る約8000人の受講者が殺到。今年度も同水準の受講者数を見込む。

 メーカー各社が独自展開する有料の研修制度の人気も上昇。「施工技術者のブームは昨年度に比べ落ち着いてきたが、まだまだ人材供給は不足している」(業界関係者)のが実情だ。

 現行の「自動車整備士」は、身につけた業界共有の知見をベースに自動車メーカー固有の技術を学ぶ。太陽光発電もこれと似た役割分担となり、メーカーの制度も併存しそうだ。

 一方で「むやみに施工技術者を増やし続けても仕事がなければ意味がない」(業界関係者)との見方もある。経産省では「制度が成熟した段階で国家資格化も視野に入れたい」(資源エネルギー庁)としているが、施工技術者の需給バランスを踏まえた慎重な人材養成策が求められそうだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100822-00000005-fsi-bus_all

2010/08/23 【日本版コラム】日本の「スマートグリッド」はどこに向かうのか?理念なき投資続けば無駄金になるおそれ(ウォール・ストリート・ジャーナル)次世代送配電網への大型投資

 「次世代送電網のインフラ投資6000億円。電力各社、太陽光発電普及にらむ」。これは、日本経済新聞8月21日付朝刊のトップ記事の見出しである。

 なぜ、電力会社はこ送配電網(グリッド)の設備投資を行うのか?それは、今後増える可能性が高い太陽光発電の「デメリット」対策である。2009年末から太陽光発電を推進するためのフィード・イン・タリフの導入も投資を後押ししている。
太陽光発電のデメリット

 太陽光発電のデメリットは、火力発電や原子力発電と比較して発電量が不安定で、グリッドに悪影響を与えることである。太陽光発電は晴天の昼間しか十分な電力を得られず、電力需要が大きい時間帯とマッチしない可能性が高いからだ。逆に、長期連休期間は大量の余剰電力が発生するおそれがある。いずれの場合も電圧が不安定となって、大停電の原因となってしまう。

 クリーンエネルギーが増えるといって喜んでばかりもいられないのだ。太陽光に依存するエネルギー社会はCO2の排出を減らすことはできるが、火力、原子力によって作られる電力の安定性を犠牲にすることになる。
割高な蓄電池を中心にしたグリッド安定化対策

 そこで、配電網の電圧調整装置、次世代型開閉機(電圧が変動したトラブル時に電気を遮断する装置)、スマートーメーター、そして発電所や変電所に設置する蓄電池が解決策となる。

 ところが、安定化を本格的に行うと、今回発表された6000億円程度の投資では全く足りなくなる。

 経産省の「次世代送配電ネットワーク研究会報告書」を見ると、太陽光発電の余剰電力対策コストは、少ない場合は1兆3600億円、最大で57兆2000億円かかると試算されている。シナリオ分析で、ここまで対策費に開きがあるのは驚きである。費用が1兆3600億円と最小になるシナリオでは、休日に太陽光発電から余剰電力が生じれば、年間30日、出力抑制を行うという前提になっている。逆に費用が57.2兆円と最大になるシナリオでは、出力抑制は一切行わず、蓄電池を発電所ではなく工場、オフィス、家庭に置くという前提で計算されている。また、対策費用の大半は蓄電池購入費で、用地費は含まれていない。
そもそも、何故、スマートグリッド投資を行うのか?

 ここで問題なのは、スマートグリッド投資の目的や理念は何かということである。

 目的はひとつだけではないだろう。実態は複数目的の組み合わせであろうか、1)と2)以外の動機が強いと思えてならない。何故ならば、経産省が掲げるクリーンエネルギー導入計画は極めて野心的だが、具体的な実行計画と予算措置がいつまでも曖昧だからである。電力業界はインフラ産業で公的役割があるといっても一産業に過ぎない。国家戦略なしに独力で数十兆円の投資は行えないだろう。
スマートグリッドを歓迎しなかった経産省と電力業界

 また、スマートグリッドを経産省や電力業界は基本的に歓迎していないようだ。2009年2月、経産省の望月前次官は記者会見で、「米国はスマートグリッドの名の下に、老朽化したグリッドの設備更新を行っている。対照的に、日本の送配電網は安定しているので、スマートグリッドは不要である」という趣旨の発言をしている。電気事業連合会も同様のレポートを出しているので、電力業界がクリーンエネルギーのことを「日本の、安定して質が高いグリッドを混乱させる厄介もの」と見ていたことは間違いない。柔軟な電気料金設定を阻む「9電力体制」

 蓄電池に過度に依存した割高な設備投資を避けるためには、前述したように電気料金体系を柔軟にしなければならない。そのためには、電力業界の強度の規制体質がネックとなる。例えば、日本には「9電力体制」という硬直したシステムがある。日本は一応、電力自由化の国であり、新規参入会社が電力会社に卸電力を販売することは可能である。ところが、名ばかりの自由化で、古くからの9電力会社の地域独占体制は堅固である。

 日本の電力需要は三大都市圏に集中しているが、クリーンエネルギー設置に適しているのは、大都市以外の過疎地域である。ところが、現状は9電力地域独占が基本であれば、グリッドの効率化を追求しても、自ずと限界が見えてくる。現体制見直しも含めた投資の理念を明確化させなければ、日本のスマートグリッド投資は無駄金になってしまう。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100823-00000001-wsj-bus_all

■海外ニュース
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<報告書/市場調査>
●韓国の燃料電池2010(2010年07月26日)

 フュエルセル・ツデイ(Fuel Cell Today)はこのほど、レポート「韓国における燃料電池の現状2010」を発表した。この論文は20ページで、以下のサイトから全文をダウンロードできる。
http://www.fuelcelltoday.com/online/survey?survey=2010-07/Survey-of-Korea-2010

■燃料電池関連イベント(初出後1週間を経過した情報はこちらに移動しました)
□□□──────────────詳細は、http://www.fcworld.jp/fc_02event.html
☆第1回 山梨燃料電池実用化推進セミナー

 燃料電池ビジネスに参入する上で、自社の技術をどのように生かせるのか、現在どのような技術が求められているのか、世界をリードする講師陣により必要な情報を提供いたしますので、皆様のご参加を心からお待ちしております。
◇開催日程 8月26日(木)14:00?17:30
◇会場 ホテル談露館(山梨県甲府市丸の内1?19?16)
◇参加費 3,000円
◇内容
第1部 14:15?15:45
『世界のクリーンテック開発と燃料電池』
[講師]安藤晴彦氏(電気通信大学特任教授 内閣官房知的財産戦略推進事務局参事官)第2部 16:00?17:30 
『燃料電池研究開発最前線』
[講師]渡辺政廣氏(山梨大学燃料電池ナノ材料研究センター教授・センター長)
◇申込締切 8月25日(水)(定員に達し次第、募集を締め切ります)
◇詳細についてはこちら
http://www.pref.yamanashi.jp/sangyo/news/index.php?id=73
◇主催  山梨燃料電池実用化推進会議
     山梨県地域産業活性化協議会

☆福岡水素エネルギー人材育成センター「第3回 高度人材育成コース」開催!

 8月31日(火)から9月2日(木)までの3日間、大学生、大学院生、若手研究者等を対象とした「高度人材育成コース」を開催します。燃料電池産業や水素エネルギー研究の最新情報をサマースクール形式により幅広く講義することで、将来を担う若手研究者の育成を目指します。皆様のご参加を心からお待ちしております。
※申込みは先着順です。お早めにお申し込みください。
?コースの概要?
◇対象 大学生・大学院生、若手研究者等(原則35才未満)
◇開催日程 8月31日(火)?9月2日(木)3日間
◇会場 九州大学伊都キャンパス(福岡市西区元岡744)
◇受講料 無料(交通費、宿泊費は受講者負担)
◇交流会(名刺交換会) [初日の講義終了後。全員参加]
 参加無料 ※社会人(大学生・大学院生以外)は2,000円/人
◇募集人数(定員) 40名
◇申込締め切り 8月23日(月)(定員に達し次第、募集を締め切ります)
◇詳細・お申し込みはこちらから
http://www.f-suiso.jp/3rd_koudo.html
◇主催 福岡水素エネルギー人材育成センター(福岡水素エネルギー戦略会議)/独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)/国立大学法人 九州大学 水素エネルギー国際研究センター/独立行政法人 産業技術総合研究所 水素材料先端科学研究センター(HYDROGENIUS)
◇後援 水素エネルギー協会(HESS)/燃料電池開発情報センター(FCDIC)/公益財団法人 水素エネルギー製品研究試験センター(HyTReC)

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 □マガジンID:0000065319(まぐまぐ) m00039824(melma!)


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