燃料電池ワールド Vol.693 (2010/05/31 10:21)

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□燃料電池ワールド Vol.693
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■2010年05月31日発行

                  ◆燃料電池NPO法人PEM-DREAM
                  ◇http://www.fcworld.jp

■Blog ニュース 
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※ウェブサイトのブログページに掲載しました。
☆日本の教科書に載った燃料電池(3)

 すでに4年間で約100万人が使用した中学2年の英語の教科書に、何故燃料電池が取り上げられたのか? 開隆堂出版株式会社刊平成18年度版中学校英語教科書SUNSHINE ENGLISH COURSE 2(文部科学省検定済教科書)の教師用指導書に、その意図について書かれていました。以下に引用します。

●題材内容とねらい

 石油・石炭などの化石燃料は、枯渇が心配されるだけでなく、大気汚染や地球温暖化に深刻な影響を与えている。一方で、原子力エネルギーは、その安全性や放射性廃棄物処理などでいまだに不安な要素が多い。そういった中で注目されているのが燃料電池である。燃料電池が発電する仕組みは、水の電気分解の逆の反応である。仕組みを単純に示すと次のようになる。
 <水の電気分解>
       電気を加える
   水    →    水素+酸素
 <燃料電池による発電>
   水素+酸素    →    水
          電気を放出

 このように排出物については全く無害である。しかし、生産コストや燃料(水素・酸素)の補給など、まだ解決しなければならない課題は多い。

 2005年3月〜9月に愛知県で開催された万国博覧会「愛・地球博」では、長久手会場と瀬戸会場を連絡する乗り物として燃料電池を使ったバス(FCHV:fuel cell hybrid vehicle)が運行されて話題を呼んだ。夢のエネルギーだった燃料電池は、現実的なクリーンエネルギーとしての実用化に大きく近づきつつある。

 そこで、本課では燃料電池を紹介し、その仕組みや大気汚染防止への効果について理解を深める。また、交通機関と環境汚染や地球温暖化の関係への関心を喚起する。

 教師用指導書なので、大部分は英語の学習内容の詳しい説明です。語法や音声等の解説、指導法に関することなどが記載されています。その他にも「題材の背景」として、燃料電池の歴史についてや燃料電池車の説明等の題材内容に関することも簡略に書かれています。語彙・語句・語法の解説では、
batteries「バッテリー、電池」

 日本語で「バッテリー」というと、特に充電式の蓄電池を指すことが多いが、英語では電池一般を指す。
 野球の「バッテリー」も語源は同じ。
bat(打つ)→ batter(連打する)→ battery(一連・一組で力を発揮するもの)→(1)(2)
(1)野球の投手と捕手
(2)電極板を入れた容器が連なった蓄電池
fuel cell「燃料電池」

 fuelは「燃料」を意味する。石炭や石油のことはfossil fuel(化石燃料)と呼ぶ。fuel を使った表現としては、
・use fuel (燃料を使う)
・save fuel(燃料を節約する)
・waste fuel(燃料を浪費する)
などを関連で示してもよいだろう。

 cellは1つひとつの電池を指す。batteryは通例、2つ以上のcellが集まったもの。関連表現としては、
・a dry cell(乾電池)
・a solar cell(太陽電池)
などを示してもよいだろう。語源的には、cell(小部屋)→ (小さく区切られたもの)→(1)細胞/(2)電池 のように派生している。

 携帯電話をcellphoneと言うが、これはcellular phoneを短縮した形。cellularはcellの形容詞形。
という具合で、日本語では表現されていない言葉の概念の違いが私は初めて理解できました。

 この教科書を習った中学生は何人くらいいるのか、出版元の開隆堂出版株式会社に尋ねました。その前に、日本の中学2年生は何人いるのでしょうか。
 平成18年度 119万9518人
 平成19年度 118万7895人
 平成20年度 122万7410人
 平成21年度 117万6890人

 この生徒一人ひとりが教科書を所有しているのですが、SUNSHINE ENGLISH COURSE 2は平成18年4月から使用開始され、現在まで4年間使われています。「本来、教科書の使用期間は4年間ですが、新教育課程のスタートが2年遅れたことに伴い、本教科書も例外的にあと2年間(平成24年3月末まで)、つまり、6年間使用されることになります。

 2年生の教科書は、今年度(平成22年度)の発行部数が約23万部ですので、年度によって部数に変動がありますが、4年間で約100万人の中学生がこの教科書で学んだことになります。あと、2年間を加えると、約45万人プラスになります。(数字はあくまでも概数です)」(開隆堂出版株式会社)

 150万人近い生徒という数は、6年間の中学2年生の総数を約720万とすると5分の1にあたります。日本中のその世代の5人に一人が燃料電池を題材にした授業を受けるわけです。とてもすごい、すてきな数字だと思いませんか?       (終わり)

■2010年05月28〜30日のWEB LINK NEWS
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2010/05/29 技術立国ニッポンを支える裏方「三ツワフロンテック」(産経新聞)

 三ツワフロンテックは大学や研究所などで使われる分析機器や試験機、理化学機器の専門商社だ。平成20年1月に設立55周年を迎えたのを機に、社名を三ツワ理化学工業から現在の三ツワフロンテックに変更し、生産技術向けの市場開拓など事業領域の拡大に乗り出している。

 また、情報共有から生まれた成果に分野別オリジナルカタログ「DONDON」がある。これは通常のメーカー製品カタログとは別に、「燃料電池」「有機EL」「安全・環境」などの研究分野やテーマごとに、関連製品を1つに収載したカタログで、現在までに45種類を制作。重要な戦略的営業ツールに育っている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100529-00000535-san-bus_all
※写真あり

■海外ニュース
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<ポータブル/バックアップ電源>
●UPS社、BOC社とパートナーシップ協定を結ぶ(2010年04月15日)

 UPSシステムズ社(UPS Systems plc)は、リンデ・グループ(Linde Group)の一員であるBOC社と、UPS社の低コストの150w級新型水素燃料電池「ハイミラ(Hymera)」を流通させる協定を結んだ。300バールの超小型軽量水素容器を使って出力する燃料電池発電機「ハイミラ」は、高効率照明や器具類、防犯カメラ、電動工具、そして多くの低電力消費製品など、系統電源が利用できないような遠隔操作で主要な電力を使う幅広い製品群に適合している。
http://www.upssystems.co.uk/

■燃料電池関連イベント(初出後1週間を経過した情報はこちらに移動しました)
□□□──────────────詳細は、http://www.fcworld.jp/fc_02event.html
☆福岡水素エネルギー人材育成センター「第12回 技術者育成コース」開催!

 7月27日(火)から30日(金)の4日間、「実践的な実習」と「幅広い講義」により技術者に必要な知識の習得を目指す「技術者育成コース」を開催します。

 少人数制で参加者1人1人が機材に触れることができる実習や、水素ステーション、燃料電池自動車の実物を使用した構造等の解説が特長のコースです。
 皆様のご参加を心からお待ちしております。
○対象:水素エネルギー関連企業や新規参入を目指す企業の技術者等
※水素関連業務に従事されている方や、理系の高校、大学等を卒業された方など、一定の知識を持った方向けの専門的な内容です。
○日時:7月27日(火)?7月30日(金)
○会場:
・1日目 福岡県中小企業振興センター 4階 401B会議室
(福岡市博多区吉塚本町9番15号)
・2?4日目 九州大学伊都キャンパス 稲盛フロンティア研究センター ホールC(福岡市西区元岡744番地)
○受講料:50,000円/人(交流会参加の方は別途3,000円)
○締切:7月13日(火)※定員20名になり次第締め切ります。
○カリキュラム詳細及び申込みは人材育成センターホームページから!→ http://www.f-suiso.jp/12th_gijutsusya.html
○主催:福岡水素エネルギー人材育成センター(福岡水素エネルギー戦略会議)
○後援:独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、水素エネルギー協会(HESS)、燃料電池開発情報センター(FCDIC)、公益財団法人 水素エネルギー製品研究試験センター(HyTReC)

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