燃料電池ワールド (2009/05/22 09:12)

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□燃料電池ワールド Vol.451
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■2009年05月22日発行

                  ◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM

                  ◇http://blogs.yahoo.co.jp/pemdream

■Blog ニュース 画像は→http://blogs.yahoo.co.jp/pemdream/16972317.html
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☆水素燃料電池電源車をどう使いこなすか
燃料電池って、一体どういうものに使えるんだろうか? 家庭用燃料電池が新しい市場を作ろうと全力で取り組んでいるが、これに続く大きなものがまだよく見えない。だから、この車もどういうふうに使われるのかは今後のアイディア次第といわざるを得ない。それは、岩谷産業がNEDOの新利用形態燃料電池標準化等技術開発事業で3年かけて開発した水素燃料電池電源車だ。(写真左から1)

「最初は、トラックの荷台に燃料電池と水素を積んで、ニーズのあるところに移動して使う電源車、という軽〜い発想だったんです」と開発担当者は語る。だが、実際に作り出してみるといろいろな面倒な問題が出てきた。定置用でなく車で移動するのだから、振動が燃料電池にどのような影響を与えるかということとか、法律的にはどのような位置づけになるのかなど、やってみなければ分からない課題は多かったようだ。

燃料電池の水分管理の一例だが、純水素をセルのセパレータ流路に送り込むと、入り口のところのガス流量は100%あっても、それは流路を流れるうちに消費されて出口の辺りでは5%以下になってしまう。そうすると反応でできた水を出口のところから押し出すことができなくなって、生成水が滞留する現象が起きる。やがてガス(水素)を均一に供給することができなくなり電池性能が低下するばかりか、他のセルにガスが行ってしまって、滞留水のあるセルは死んでしまい、スタック全体も使えなくなってしまうことに至る。この問題では、改質ガスを使う燃料電池に比べて純水素を使う燃料電池のほうがむずかしい。この水分は振動や温度差などのいろいろなことで影響を受けるようで、そこら辺になると実際に開発して触っていないと分からないレベルだ。これには悩ませられたらしい。

スペックを確認しておこう。ベース車両は三菱ふそうの3トントラック。そこに10kW級燃料電池を積んで電力供給ができるようにシステム化を図った。燃料は純水素である。システム化すると補機類が結構スペースを取って大きくなってしまった。写真2の右上の薄い黄色に見えるものが燃料電池の本体で、それ以外は補機類である。そのためかどうかは確認しなかったが、荷台の後部に水素ボンベを積む方法は止めて、トレーラーに積んで走ることになった。

このことはトレーラーのところを変えれば使い勝手が広がるということになった。写真では35Mpaの高圧水素タンクで100Nm3の水素を積んでいる状態だが、これを移動式水素ステーションに変えればより長時間の連続発電が可能になる。

この電源車は、4月18、19日に代々木公園で開かれたアースデイ東京2009でお披露目され、音源システム用の電源を供給した。音も振動も臭いも二酸化炭素の排出もなく、人がたくさん集まっている野外ステージの音源や照明の電源としては最適だろう。車両の進行方向右側には65インチの液晶モニターと100Wのスピーカーが積んであり(写真3)、サッカーの中継を屋外で見るとか、そんな使い方も想像できる。

だが、何よりも使ってもらいたいと思うのは、都市の夜間工事だ。大体、工事そのものに「またか」というような拒否反応があるので、音や振動、臭いなどは工事をしている方でも気になるだろう。「この工事の電源は、環境に優しい燃料電池を使っています」という看板を掲げてみれば、少しは理解の仕方も変わってくることが期待できる。

もう一つ、屋内やトンネルのような閉ざされた場所での作業用電源としても有用だ。空港ターミナルの荷捌場のようなところにはガソリンエンジン車(排気ガスを出す車)は入れない。関西国際空港には水素ステーションが設置されており、水素の実用化をめざして今後の用途開発を考えていきたいとしている。

実際のところしばらくは、水素燃料電池電源車は水素と燃料電池の広告塔の役割を果たしそうだから、自治体などのイベントに活用できればいいのではないだろうか。何しろ、電源車なのだからどうにでも使えそうである。加えて大きく、目立つ。代々木公園でも見た人が発したのは、「へぇ〜」という表現ではなく「おっ、すごい」という言葉だった。(写真4,5)

■燃料電池関連イベント
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☆燃料電池を語る会【再掲】
久しぶりにダベりませんか。テーマは決めません。燃料電池に関心を持たれる方ならどなたでも参加できます。ただし、必ずしゃべることが条件です。
◇日 時:5月23日(土) 午後2時〜5時
◇会 場:岩谷産業株式会社東京本社会議室(JR新橋駅より徒歩10分)
◇参加費:無料(飲み物は各自でご用意を)
◇定 員:20人くらい
◇申し込み:「語る会へ参加」と明記して、氏名、連絡先電話番号を下記のメール宛にお送りください。
 E-mail pemdream@gmail.com
◇主 催:燃料電池NPO法人PEM−DREAM

■2009年05月21日のWEB LINK NEWS
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2009/05/21 横浜でエコカーワールド開催 神奈川(産経新聞)

 「環境モデル都市」の実現を推進する横浜市は、横浜開港150周年記念と6月の「環境月間」の一環として、同市と環境省、環境再生保全機構の3者共催による「エコカーワールド」を6月6、7の両日、横浜赤レンガ倉庫広場(同市中区)で開催する。入場無料。

 大気汚染や地球温暖化防止の切り札として期待される最新エコカー(低公害車)の展示を始め、試乗コーナーや周辺技術の展示、次世代自動車についてのミニシンポジウムなどを実施し、エコカーの理解と普及促進を図る。約10台の試乗用エコカーが用意され、JR桜木町駅から会場までは、燃料電池バスや非接触給電ハイブリッドバス、LPGバスの3台が運行する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090521-00000035-san-l14

2009/05/21 韓国ASEAN首脳会議で「グリーン成長展示館」設置(YONHAP NEWS)【ソウル21日聯合ニュース】来月初めに済州道で開かれる韓国・東南アジア諸国連合(ASEAN)特別首脳会議の期間中、李明博(イ・ミョンバク)政権の低炭素・グリーン成長ビジョンを広報する「グリーン成長展示館」が設置される。

 展示館は31日から来月2日にかけ、会議会場となる済州国際コンベンションセンターのロビーに設けられ、ASEAN諸国がベンチマーキング可能な韓国のグリーン産業技術を提示する。首都圏環境エネルギー総合タウン、太陽エネルギー、水、ストップCO2、バイオ・風力エネルギー・スマートグリッド(次世代電力網)、水素燃料自動車の6テーマで構成され、太陽電池の材料となるポリシリコンからスマートグリッドの模型まで、グリーン産業技術に関する27製品が展示される。李大統領は特別首脳会議の期間中、ASEAN10カ国の首脳に展示館を直接案内する予定だ。

 こうした政府の戦略は、国内より海外で先に評価されている。国連環境計画(UNEP)は先月末の主要20カ国・地域(G20)環境相会議で、韓国をグリーン成長の模範ケースだと広くアピールした。世界銀行も、香港上海銀行(HSBC)が主要20カ国のグリーン景気浮揚策を分析した報告書を引用し、韓国が最も親環境的だと言及した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090521-00000053-yonh-kr

2009/05/21 東電・東ガス 省エネ診断サービス拡充 排出量「見える化」 意識高める(フジサンケイ ビジネスアイ)

 東京電力や東京ガスが省エネ診断サービスの充実させている。インターネットを活用して二酸化炭素(CO2)排出量やエネルギー使用量などを数値で示し、「見える化」を実現。消費者や企業の地球温暖化対策に対する意識を高め、CO2削減に寄与するのが狙いだ。
 ■顧客囲い込み収益基盤確保

 省エネの推進は電気とガスの使用量の減少を招きかねない。それでも、東電や東ガスが消費者や企業を対象とした省エネ診断サービスの充実に取り組むのは、エネルギー間競争の激化に伴い、「顧客から選ばれる企業にならなければ、勝ち残れない」(東ガス幹部)との思いがあるためだ。

 特に「オール電化」攻勢にさらされるガス業界の危機感は相当なもの。家庭用分野だけでなく、これまですみ分けがされていた業務・産業用市場でも、電力会社との競合が鮮明になっているからだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090520-00000048-fsi-bus_all
※写真あり

■海外ニュース
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<素材/部品/試験>
●レンセラー工科大学、新しいMEAの製造方法を開発するために助成金を受ける(2009/04/24)

 米国エネルギー省(DOE)は、燃料電池の膜/電極接合体(membrane electrode assemblies;MEAs)を低価格で効率よく製造する新しい方法を開発するために、レンセラー工科大学(Rensselaer Polytechnic Institute)に160万ドルの助成金を授与した。42カ月間にわたるプロジェクトのレンセラー大学の協力者は、アリゾナ州立大学(Arizona State University)、BASFフュエルセル社(BASF Fuel Cell GmbH)、プログレッシブ・マシーン&デザイン社(Progressive Machine and Design)、そしてウルトラセル社(UltraCell Corporation)である。
http://news.rpi.edu/update.do?artcenterkey=2548&setappvar=page(1)

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