燃料電池ワールド (2008/03/30 21:20)

水素チャンネル Home

□燃料電池ワールド
■□□□□□□□□□
■Vol.322 2008/03/30発行

                   ◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM

                        ◇http://www.pem-dream.com/

■WEB LINK NEWS
□□□

2008/03/24 積水ハウス、ミサワホーム 次世代型住宅相次ぐ “CO2オフ”普及狙う(フジサンケイ ビジネスアイ)

 大手住宅メーカーが日常生活での二酸化炭素(CO2)の排出を極力少なくする住宅の開発に力を入れている。CO2の排出削減に迫られるなか、日本の場合、家庭部門の排出量は逆に増え続けているのが実情。こうした最新設備・技術を駆使した次世代型住宅の普及がカギを握ることになりそうだ。

 積水ハウスは4月3日から、住宅の高度な省エネ技術により、生活に伴い排出されるCO2を、太陽光と燃料電池発電によって差し引きほぼゼロにする「CO2オフ住宅」の販売を開始する。

 一方、ミサワホームも同様に年間のエネルギー消費と発電の収支をゼロにする「ゼロ・エネルギー住宅」を実用化しているが、この次世代タイプを開発し、北海道旭川市に試行棟を完成させた。生活に必要なエネルギーに加え、建設時に消費するエネルギーも回収できるのが特徴だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080324-00000005-fsi-ind

2008/03/24 発信力なき“環境ニッポン” 奥ゆかしさは必要ない(産経新聞)

 日本の環境技術のレベルの高さはつとに知られている。だが、環境ビジネスの創造という点では出遅れており、日本への期待も低いようだ。

 こんな出来事があった。2007年初夏。在ロサンゼルス日本総領事館は、近く大きな環境問題に関する国際会議が開かれるとの情報をキャッチした。どうやら新たな環境ビジネスとマーケットプレイス(市場)を創造しようという動きらしい。環境といえば日本の存在感は抜群、のはずだ。日本企業はどれくらい参加するのだろうか…。

 調べて愕然(がくぜん)とした。参加者リストの中に、日本企業の名はどこにもなかったのである。

 「グリーン・エクスチェンジ」と題されたこの会議はロスの環境シンクタンクの主催。初めての開催にもかかわらず、すでにグーグル、AT&Tなど大企業がスポンサーにつき、出席者には当時大統領選に名乗りを上げていたニューメキシコ州知事のビル・リチャードソン氏や、ノーマン・ミネタ元米運輸長官、ビヤライゴーザ・ロス市長など、そうそうたる面々が顔をそろえていた。

 だが、日本はというと、ハイブリッド技術で世界をリードするトヨタも、燃料電池車で巻き返しを図るホンダも、太陽光発電で世界一のシェアを誇るシャープの名もなかった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080324-00000940-san-int

2008/03/26 水素吸蔵合金発熱量を半減 東北大岡田教授ら開発(河北新報)

 水素をため込む際の発熱量が従来の半分程度に抑えられる水素吸蔵合金を、東北大大学院工学研究科の岡田益男教授(エネルギー情報材料学)らのグループが開発した。水素吸蔵合金は環境への負荷が小さい燃料電池車の水素タンクに使われている。新合金ではタンクの設計次第で冷却装置が不要となり、小型化につながる成果として注目される。

 グループは自動車メーカーの要望を受け、3年前から少発熱合金を研究。従来は40―50%を占めていたチタンをごく微量に減らし、発熱が少ないバナジウムやモリブデンを中心した合金の開発に成功した。

 試験では、発熱量が50%程度に低減した。冷却する必要がなくなれば、タンクの小型化や、同じサイズでも水素の貯蔵量を増やすことが可能という。冷却装置の制御も不要になり、車全体の省スペース化も図られる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080326-00000005-khk-l04

2008/03/27 【e燃費アワード07-08】受賞メーカーのコメント ラグジュアリー部門・セダン/ワゴン部門・小型セダン/ワゴン部門(レスポンス)
IRIコマースアンドテクノロジーが運営する携帯端末向けマイカー情報管理サービス『e燃費』は27日、「e燃費アワード2007-2008」と題し、e燃費ユーザーにおける1年間の実用燃費平均値ランキング優秀車を表彰した。受賞メーカーのコメントは以下の通り。
●小型セダン/ワゴン部門:トヨタ・プリウス(19.9km/リットル)
トヨタ自動車株式会社 広報部 商品・技術広報室 北野博久氏

 「当社の環境対応はハイブリッド技術がコア。ハイブリッドは制御技術であるので、ガソリンだけでなく、ディーゼルやCNG(天然ガス)、燃料電池といったさまざまなエンジンと組み合わせられる。このハイブリッドを軸に環境技術の開発を進めていきたい」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080327-00000017-rps-ind
※写真有り↑

2008/03/27 燃料電池の高性能化、日立マクセルが新触媒を開発…白金の約4.8倍(レスポンス)

 日立マクセルは、燃料電池の電極に使用される酸素還元用触媒として高活性な金白金(AuPt)触媒を合成する新技術を開発したと発表。白金よりも単位面積当たり約4.8倍の酸素還元電流を発生する。

 今回マクセルが開発した触媒は、酸に溶けにくい金を白金に添加した材料。同社がこれまで培ってきたナノ粒子合成技術を応用し、クエン酸を還元剤として100度で金と小さい粒子になりやすい白金を合成することで、粒子径が2 - 3nmと小さく、金と白金が十分に合金化していない構造の高活性な新触媒を開発した。

 新触媒は、白金触媒に比べ単位面積当たり約4.8倍の酸素還元電流を実現、X線回折法で判明した金と白金が十分に合金化していない構造と微粒子化したことが酸素還元活性の向上に大きく寄与していると見られる。

 同社では、今回の技術で大電流を必要とする自動車用、家庭用電源などの燃料電池の実用化へ大きく近づけることができたとしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080327-00000041-rps-ind
※説明写真有り↑

2008/03/29 世界市場拡大なのに 太陽電池生産 日本トップ陥落(産経新聞)
 ■米紙調査 材料調達遅れ、国内縮小など影響

 太陽電池の生産量で長く世界一を保ってきた日本が、2007年にトップの座を欧州に譲り渡したことが29日、米国の専門紙の調査で分かった。世界市場が急拡大する中、原材料の調達が遅れたことに加え、住宅用太陽光発電への補助金廃止などにより日本市場が縮小しているのが原因。企業別で7年連続1位だったシャープも、ドイツのメーカーに抜かれた。

 太陽電池生産は、地球温暖化対策が急務となる中、国際競争の激化が確実視されている分野。日本は太陽光発電の累積導入量でも05年にドイツに抜かれており、国内市場の拡大対策を求める声が高まりそうだ。

 業界関係者によると、太陽光発電からの電力を電力会社が優遇価格で買い取る制度を導入する動きがドイツやスペイン、ギリシャ、韓国などで広がり、市場が急拡大している。

 逆に日本は普及を牽引(けんいん)してきた住宅用太陽光発電への補助金が05年度に廃止されて以来、市場が縮小。日本企業も工場建設などで増産を計画しているが、多くが海外向けだという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080329-00000108-san-bus_all

■海外ニュース(3月ー4)
□□□
<輸送>
●バラード社はニューフライヤー社と5年間の協定を結ぶ(2008/02/12)

 バラード・パワーシステムズ社(Ballard Power Systems)は、ニューフライヤー・インダストリーズ社(New Flyer Industries Inc.)と5年間の協定を結んだ。カナダの公的資金を供給されたプログラムの最初の焦点として、ニューフライヤー社のシャトルバスに使う燃料電池モジュールを提供して、交通局のシャトルバスプログラムへの努力の共同の準備を行う。協定の下で、ニューフライヤー社は、バラード社の燃料電池技術に適合させたシャトルバスを開発し、製造する。そして、バラード社の燃料電池モジュールは、ニューフライヤー社のシャトルバスの車台に統合される。
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=76046&p=irol-newsArticle&ID=1107523&highlight

●アダプティブ・マテリアルズ社はゴンの基金を受け取る

 235万ドルの第2期中小企業技術革新制度基金(Phase II SBIR grant)は、無人航空機(unmanned aerial vehicles ;UAV)のためのポータブル固体酸化物型燃料電池(solid oxide fuel cell)技術を引き続き開発する資金として、アダプティブ・マテリアルズ社(Adaptive Materials)に与えられた。
この裁定は、アダプティ・マテリアルズ社の国防高等研究計画局(DARPA)が資金提供するプロジェクトの延長である。資金提供は、無人航空機の電源を改善するためにライト・パターソン空軍基地にある米空軍研究所(Air Force Research Laboratory)を通して行われ、完成させて飛行試験を行う予定である。
http://www.adaptivematerials.com/index.php
※国防高等研究計画局 (Defense Advanced Research Projects Agency)略称はダーパ (DARPA)

<定置用電源>
●アキュメントリクス社は600万カナダドルのプロジェクトに選ばれた(2008/02/11)

 オンタリオ・センターズ・オブ・エクセレンス社(Ontario Centres ofExcellence (OCE) Inc.)とそのパートナーは、オハイオ州のために、6つの革新的なクリーンエネルギープロジェクトの調査研究に2800万カナダドルを投資する。アキュメントリクス社(Acumentrics )は、ミシサーガ市のヘーゼル・マキャリオン・アカデミック・ラーニング・センター(Hazel McCallion Academic Learning

 Centre)でトロント大学に熱と電気を提供する50kW級固体酸化物型燃料電池(SOFC)システムを設置するための600万カナダドルのプロジェクトに選ばれた。
http://www.oce-ontario.org/documents/media/Energy_launch_media_release.pdf

<ポータブル/バックアップ電源>
●新しいユニットを紹介するエレクトロPS社 (2008/02/27)

 エレクトロ・パワーシステムズ社(Electro Power Systems ;ElectroPS)は、今度の見本市で、ラックマウントができる発電システム「エレクトロ7 19″(Electro7ェ 19モ)」を紹介する。エレクトロ7 19″は、通信産業で配備されている次世代型シェルターと能率的に統合するために特別に企画されている。そして、たくさんの商業部門で危機におけるバックアップ・アプリケーションのためにいつでも要求される電力を7kWまで送ることができる。
http://www.electrops.it/press/pdf/pr_cebit08_en.pdf

●SFCスマート・フュエルセル社は2つのメーカーと連携し、別の防衛契約を受けた(2008/02/13,11)

 2つの電動車両メーカーは、SFCスマートフュエルセル社(SFC Smart FuelCell)のEFOY燃料電池を彼らの車に搭載する設備とすることを決めた。オランダの自転車会社ヴァン・ラーム社(van Raam)と、ベロファーム社(Veloform GmbH)(よく知られているシティクルーザー・ベロタクシー(CityCruiser Velotaxi)のドイツ企業)はともに、標準装備としてEFOY電源を特定の製造ラインで製造し始める。
また、SFCスマートフュエルセル社は、国際的な平和維持任務のための防衛アプリケーションのポータブル燃料電池のために35万ユーロの別の商業注文を受けた。
http://www.efoy.de/index.php?option=com_content&task=view&id=922&Itemid=177&lang=en
http://www.efoy.de/index.php?option=com_content&task=view&id=921&Itemid=177&lang=en
※ベロタクシー 1997年にドイツの首都ベルリンで『環境にやさしい新しい交通システムと、動く広告がひとつになった乗り物』として開発された自転車タクシー。世界の都市で運行されている。シティクルーザーはその車両の名前。

<燃料/改質器/貯蔵>
●NHAは新しいウェブサイトを始める

 全米水素協会(National Hydrogen Association)の水素教育財団(HydrogenEducation Foundation)は、水素の付いての理解を増大させるため
にwww.H2andYou.orgを始めた。 このサイトは、一般的な質問に答える。今日の本当のエネルギーの解決を提供する市場に出ている水素製品の例を提示して、とか、ビデオ、ポッドキャストそして水素ニュース記事へのリンクを提供して、等々。

<その他>
●パシフィック・フュエルセル社は移動する

 パシフィック・フュエルセル社(Pacific Fuel Cell Corp.)は、カリフォルニア州リバーサイドを拠点とした膜電極接合体(membrane electrode assembly ;MEA)研究開発設備をオハイオ州ウィロビーの2万4000フィートの設備に移動している。

──────────────────────────────────────

■燃料電池ワールド
 □毎週日曜日発行
 □編集・発行:燃料電池NPO法人PEM−DREAM 

 □解除:「まぐまぐ」と「melma!」から直接ご購読の方が解除される場合は、「まぐまぐ」か「melma!」から直接解除の手続きを行ってください。PEM−DREAMでの代行はできません。
 まぐまぐ http://www.kaijo.com/  
 melma! http://melma.com/contents/taikai/
 □連絡先: info@pem-dream.com
 □マガジンID:0000065319(まぐまぐ) m00039824(melma!)


**H2**

<前の号 次の号>

TAKAGI-1