□燃料電池ワールド
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■Vol.300 2007/10/21発行
◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM
※読者の皆さまへ
今年の春頃、「秋には300号になるんだな。その頃までにはPEM−DREAMニュースを復活させたいな」と願っていましたが、とうとう念願を果たす余裕もなく300号を迎えてしまいました。オリジナルの情報発信をすることがPEM−DREAMの何よりの役割だと肩をはっても、まだその力を復活させることができません。
PEM−DREAMニュースを休むようになった頃、読者は5000名を越えていました。かなり経るだろうなと覚悟していましたが、予想に反して少し増えています。自分では理解できない現象ですが、何よりの応援になっています。
今年のエコプロダクツ展は出展しないことになりました。5年前のエコプロダクツ展ではまだ燃料電池は影も形もなかったので、PEM−DREAMの出展も意味があったかと思いますが、昨年はメジャーの企業が私たちの100倍以上のお金を掛けて燃料電池の展示を行うようになりました。そうした状況が到来したことは望ましいことですが、同時にPEM−DREAMに対しては従来とは違うコンセプトを要求してきていると思います。しかし、今はそれに応えることができないので、無理することを辞めました。
燃料電池の発展は少し局面が変わってきているように思えます。いずれまた、そうした状況をレポートすることをしたいという意欲は変わりません。しばらくの間、現状の形を続けますが、どうぞよろしくご愛読下さい。
■WEB LINK NEWS
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07/10/17 【東京モーターショー07】ユニークさもホンダイズム…PUYO(レスポンス)
技術的には燃料電池車のコンセプトカーである『FCX』で培ったV-FLOW FCスタックを流用。具体的にはセンタートンネルに燃料電池ユニットを納めることで、省スペース化を推進しつつ、広大なパッケージング確保に貢献する。さらにこのPUYOの場合、各ホイールに動力を持たせるインホイールモーターを採用することで、広大な室内空間とフラットなフロアを実現している。
その結果、ボディ自体は写真を見てもわかるように、かなりコンパクト。担当デザイナーによれば「小さいからこそ、周囲に優しくできるというのはあると思います。ペットのような存在であるクルマというのはなにかというのを提案してみました」とのこと。確かに前後とも対称のデザインで、アニメに出てくる動物のバスみたいでもあるし、食パンみたいでもある。なんとも愛らしいキャラクターだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071017-00000001-rps-ind
※写真有り↑
07/10/17 【東京モーターショー07】マツダ プレマシー にRE?…実は水素自動車(レスポンス)
見た目は『プレマシー』なのに、ボンネットに収まっているのはロータリーエンジン(珍しく横置き!)。そんな不思議なクルマが、東京モーターショーのマツダブースに出展される『プレマシーハイドロジェンREハイブリッド』だ。
じつはこのロータリーエンジンを積んだプレマシーは、水素を燃料として走るクルマ。水素は小さな火種で異常燃焼を起こしやすいが、点火直前まで燃料が点火プラグに接しないロータリーエンジンは水素エンジンとして適しているのだ。そこで、プレマシーなのにロータリーエンジンを積んでいるわけである。
水素自動車は「燃料電池車」と「水素エンジン車」にわけることができるのだが、このプレマシーのように水素エンジン車は「電池と違って純度の低い水素にも対応できる」(技術研究所松下正典さん)のもメリット。
また、この車両は水素だけでなくガソリンでも走ることが可能なデュアルフューエル仕様だ。水素補填のインフラが完全に整わない環境でも走行できる仕様になっているのは普及に大きな追い風となるだろう。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071017-00000025-rps-ind
※写真有り↑
07/10/17 【東京モーターショー07】ボルボ、プラグインハイブリッドやアルコガードを出展(レスポンス)
また、飲酒運転防止装置のアルコガードは、自動車メーカーとしては世界で初めての技術だ。車載型のアルコール・インターロック装置(飲酒運転防止装置)で、燃料電池を活用し、ドライバーがエンジン始動前に車載型のハンドセットに呼気を吹き込むだけで血液中のアルコール濃度を測定し、その濃度が基準値以上だった場合はエンジンがかからない。小さなテレビリモコン程度の大きさの装置で、飲酒運転が原因による事故防止に向け、2008年初めからボルボはスウェーデンから発売する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071017-00000053-rps-ind
07/10/18 “エコカー”試乗に大喜び 関の小学生ら(中日新聞)
【岐阜県】ブリヂストングループは17日、燃料電池自動車「F−Cell」の試乗など、児童を対象にした体験事業を、関市桜ケ丘小学校と田原小学校でそれぞれ実施。5年生計162人が、環境に優しい車とタイヤについて学んだ。
事業は全国のブリヂストン工場のある地域を対象に、年間を通して行われており、この日は本社(東京都)と関工場=同市下迫間=から社員約15人が訪れた。
児童は、体育館で燃料電池の仕組みやタイヤのリサイクルについて学んだ後、校庭に移動し、3人ずつに分かれて“エコカー”に乗り込んだ。砂ぼこりをあげて疾走する様子を、目を輝かせて見つめていた。
桜ケ丘小の雨池雅也君(11)は、試乗を終えて「スピードは遅かったけれど、乗り心地が良かった。スムーズで速く走っているように感じた」と楽しんでいた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071018-00000008-cnc-l21
07/10/18 【東京モーターショー07】マツダ…シリーズハイブリッドでもZoom-Zoom♪(レスポンス)
マツダは2006年より『RX-8』水素仕様をリース販売しているが、東京モーターショーに出展する『プレマシー』水素仕様ではメカニズムが大きく変更されている。最大の違いは、バッテリーを積んでハイブリッド化していることだ。エンジンの動力が機械的に駆動輪に直結せず、電気エネルギーに改変してモーターを駆動して走る「シリーズハイブリッド」を採用している。
おもしろいのはその考え方。一般的なシリーズハイブリッドのエンジンは効率を追求して一定の回転数を保つが、このプレマシーはアクセル操作に反応してエンジン回転も上下する。アクセルでコントロールするのはモーター出力だが、エンジン回転も連動しているのである。
理由は、走る実感。「ハイブリッドといえども、マツダは走る楽しみを失いたくない。アクセル操作とエンジン回転が同期し、走りにエンジンが応える気持ちよさをしっかり味わえます」と技術研究所の松下正典さんは理由を説明する。つまり、水素エンジンのハイブリッドカーでもしっかりと「Zoom-Zoom」というわけだ。
水素エンジンの出力は、一世代前のRX-8ハイドロジェンREに比べて約40%アップ。ハイブリッド化により、航続は約2倍の200kmに到達している。マツダでは、「2008年からのリース販売」を目指しているという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071018-00000033-rps-ind
※写真有り↑
07/10/19 石油元売り 灯油需要回復へ燃料電池に狙い コストダウンがカギ(フジサンケイ ビジネスアイ)
石油元売り各社が、家庭用燃料電池を使って灯油の新規需要を開拓しようとしている。灯油販売は電力・ガス会社との競争激化に伴い減少を続けており、燃料電池に灯油を使うことで電力・ガスから需要を取り戻すのが狙いだ。新日本石油と出光興産は、灯油を使った燃料電池の実証実験にそれぞれ着手しており、2010年度ころの本格導入を目指している。灯油型燃料電池は、灯油需要回復の“切り札”となり得るのか。
石油元売りが灯油型の導入に力を入れるのは、ここ数年のガスや電力との競争激化に伴い灯油の需要が減少基調をたどっていることがある。資源エネルギー庁の調べによれば、06年度の灯油販売量は前年度比13・3%減の2450万キロリットルとなり1984年以来の低水準となった。また同庁予測によれば、10年度まで年率2%の市場縮小が避けられない見通しという。
厳しい環境の中、石油各社は、灯油から水素を取り出し電気と熱を同時に発生させる燃料電池を灯油タンクが各家庭に設置されていることが多い東北地方向けなどに訴求。普及を促していく。
ただ灯油型の普及には課題もある。コストだ。現在、液化石油ガス(LPG)を燃料に使った燃料電池が1台400万円なのに対し、出光が導入する市販灯油型は特殊な硫黄除去装置が必要なため1000万円程度もする。一般家庭にはとても手が届かない水準だ。
それだけに、電力やガスに対抗し灯油需要を盛り上げるには設置コストを数十万円程度まで引き下げることが欠かせず、新日石は10年度をめどに助成金込みで100万円以下までのコスト圧縮を目指すとしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071019-00000016-fsi-ind
07/10/20
<雑記帳>日本縦断中のエコカー、札幌の小学校へ(毎日新聞)
◇クリーンエネルギーへの理解を深めてもらおうと水素を燃料に動くエコカー4台で日本縦断中の岩谷産業(本社・大阪)キャラバンが19日、札幌市中央区の市立緑丘小学校を訪れた。
◇9月20日に鹿児島県を出発。稚内まで4500キロを走破する途中で、ゴールは間近。これまで全国30カ所で水素教室や試乗会を開いてきた。
◇試乗した5年生約160人は口々に「静かで速い」と驚きの声をあげた。でも、君たちが大人になるころにはエコカーが当たり前になっているはず。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071020-00000003-mai-soci
※写真有り↑
07/10/20 新日本石油、家庭用燃料電池を設置 コスモ石油にOEM供給(レスポンス)
新日本石油は、今年4月にコスモ石油と燃料電池分野で業務提携について合意したが、今回この一環として初めてLPガス仕様1kW級家庭用燃料電池をコスモ石油にOEM供給し、甲府市の家庭に設置したと発表した。
コスモ石油には今後、灯油仕様1kW級家庭用燃料電池についてもOEM供給する予定で、2007年度中にLPガス仕様9台、灯油仕様5台、合計14台が設置される予定。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071020-00000008-rps-ind
※写真有り↑
07/10/21 東京モーターショー2007 エコカーはメーカーを救うのか?(J-CASTニュース)
第40回東京モーターショーが2007年10月26日から11月11日までの17日間、千葉市の幕張メッセで開催される。トヨタや日産、ホンダをはじめ、国内外の自動車メーカーや部品メーカー約240社が参加し、520台の車両を展示する。主催の日本自動車工業会によると、そのうちの71台が世界初公開となるという。9月に開かれた欧州最大規模のフランクフルトモーターショーでは、低公害型ディーゼルエンジン車やハイブリッドカー、燃料電池車で環境技術を競ったが、「東京」もそれを踏襲しているようだ。トヨタや日産などはそれらに加えて、若者向けのコンセプトカーを出展し、低迷する国内の販売市場を刺激する。若者向けコンセプトカーやエコカーは、自動車メーカーを救うのだろうか。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071021-00000000-jct-bus_all
■海外ニュース(10月ー2)
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<輸送>
●GMがハイドロゲン4を発表(2007/07/04)
ゼネラルモータース(General Motors)は9月、フランクフルト・モーターショーで燃料電池車「シボレー・エクイノックス(Chevrolet Equinox)」のヨーロッパバージョンである「ハイドロゲン4(HydroGen4)」を発表した。ハイドロゲン4は、2年で8万kmのライフサイクルに設計されている。そして、前身のハイドロゲン3よりもに重要な進歩ーー氷点下の温度でスタートして走ることができる。
http://www.edmunds.com/insideline/do/News/articleId=121541
●ヒュンダイがアイ・ブルーを発表(2007/09/11)
フランクフルト・モーターショーで、ヒュンダイ自動車(Hyundai Motor Company)は、新しい燃料電池試作車「アイ・ブルー(i-Blue)」を発表した。アイ・ブルーは、韓国の環境技術研究所(Eco-Technology Research Institute)で最近開発されたヒュンダイの第3世代燃料電池技術が使われている。アイ・ブルーは、100kWの電気エンジンと燃料電池スタックで駆動される。700バールの水素を圧縮した燃料は115リッターのタンクに貯蔵されており、アイ・ブルーは補給なしで600Km以上走行でき、最高時速は165kmを達成した。
http://worldwide.hyundai-motor.com/common/html/about/news_event/press_read_2007_22.html
<定置用電源>
●アキュメントリクス社はカイヤホガバレー国立公園に2番目の燃料電池を設置する(2007/09/25)
アキュメントリクス社(Acumentrics Corporation)は、オハイオ州のカイヤホガ国立公園に、公園にとっては2番目の設置となる5kW級SOFCシステムの設置を完了した。アキュメントリクス社のシステムは、米国国防総省(U.S. Department ofDefense)、国立公園局(National Park Service)、電力研究所(Electric PowerResearch Institute ;EPRI)とカイヤホガ地域の電力企業ファースト・エナジー社(First Energy)によって後援されていて、公園内の環境教育施設にある。
http://www.acumentrics.com/de0ae505-60ee-40a8-82a0-b26cc01a2b64/press-releases-release-details.htm
<ポータブル/バックアップ電源>
●ヘリオセントリス社とSMAはPVバックアップシステムを導入(2007/09/24)
ヘリオセントリス・フュエルセルズ社(Heliocentris Fuel Cells AG)とSMAテクノロジー社(SMA Technologie AG)は、燃料電池システムと関連した太陽光発電バックアップ装置を発表した。システムは、太陽光発電装置のユーザーに提供するために、ヘリオセントリス社の燃料電池システムとSMA社のサニー・バックアップシステム(Sunny backup system)を結合する。その電力は公共ネットワークに送り込まれ,停電時には独立したエネルギー供給源となる。
http://www.heliocentris.com/en/news/news/news-release/?tx_ttnews%5Btt_news%5D=150&tx_ttnews%5BbackPid%5D=104&cHash=de80b96f9c
<燃料/改質器/貯蔵>
●改質器を開発するヴォーラー社とケンブリッジ大学(2007/09/24)
ヴォーラー・エナジーグループ(Voller Energy Group PLC)は、ディーゼル、バイオディーゼル、灯油またはJP−8燃料改質器を開発するためにケンブリッジ大学と協同している。この研究計画は、ヴォーラー社が開発した燃料電池システムに合同のプロセスを適合させる。また、灯油やディーゼル、JP−8のような炭化水素集合体を含んだものを処理できて燃料の範囲を拡大する。
http://www.voller.com/press.asp
<材料/部品>
●マグネテック社はUTC社から注文を受ける(2007/09/25)
マグネテック社(Magnetek, Inc.)は、合計2.4MWのPCS−2Cと2D燃料電池電力変換器のためにUTCパワー社(UTC Power)から合計130万ドルの注文を受けた。燃料電池変換器は来るべき8カ月にわたって配送する予定である。
http://www.magnetek.com/press/corpinfrelease2007925.htm
<その他>
●新しいウェブサイトがたくさん
最近、フュエルコン社、フュエルセル・エナジー社、フュエルセル・トゥデイのウェブサイトがリニューアルされた。
http://www.fuelcon.com/
http://www.fuelcellenergy.com/
http://www.fuelcelltoday.com/
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■燃料電池ワールド
□毎週日曜日発行
□編集・発行:燃料電池NPO法人PEM−DREAM
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