燃料電池ワールド (2006/05/14 09:00)

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□燃料電池ワールド
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■Vol.233 2006/05/14発行

                   ◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM

                        ◇http://www.pem-dream.com/

■PEM−DREAMニュース
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☆家庭用燃料電池は漏電するかーー4月23日号のPEM−DREAMニュースを巡って

 前々回(4月23日号)のPEM−DREAMニュース「燃料電池点描――K宅のコージェネシステム」について、読者の方から「忠告」をいただいた。要旨以下のようなものである。

 「家庭用FC設置手記を読んで驚きました。あの表現は明らかに「漏電による浴槽での感電表現」です。自宅への設置計画を進めようと考えていたのですが女房があの記事を読み,拒絶されてしてしまいました。「絶対イヤだ!風呂の中で感電死したくない。」とね。

 問い合わせたところあの表現は効果的なアピールを狙ったジョークであったとか・・
・? もしそうだとすればあれは極めて悪いジョークです。水中の人間が感電した時には46Vで即死することが分かっています。お二人のジョークは順調に進んできた「大規模実証事業研究」に水を差すものです。

 悪意があってのことではないにしろ,PEFCを推進されているPEM−DREAMのすることではありません。東京ガスのみならず,全ての定置式PEFCに携わっているメーカーに迷惑がかかるでしょうし,すでに使用し始めているユーザーに多大な心配をさせるでことでしょう。

 あの「ピリピリ」表現の真意が何だったのか,至急訂正・謝罪記事を出すべきだと思います。ご忠告まで。 」

 問題となった文章は、最後の文節の次の箇所である。

 「明日への充電も兼ねて、燃料電池が作ったお湯で「オフロ」を楽しんでいますが、少しピりピリする気がするのは、熱電併給システムのおまけでしょうか。」

 全文を読んでみれば、この「ピリピリ」という表現がジョークであることは分かると判断して、原文どおり掲載したのだが、私にとっては意外な反応が返ってきた。そこで、その意見に対して私の考えを述べたいと思う。

 忠告氏は2つのことを問題にしている。ひとつは、家庭用燃料電池は漏電するのか、ということと、今ひとつは、燃料電池を普及・推進しようとしているこのメルマガでは、たとえジョークでも載せていいものといけないものがあるのではないか、ということである。

 燃料電池が社会の中に受容されていく時には、誤解、曲解、利害の対立などいろいろな出来事が起きる。燃料電池を推進する世論をつくることを目的とするPEM−DREAMは、燃料電池はどのようなものであるかを科学的に理解してもらうことを第一に考えて活動してきた。それが普及することの基礎になることだと思ったからだ。実践してみると、自分たちでは考えつかないさまざまな考えが世の中には存在していて、そうした考えを持つ人々と話し合うためには、こちらもさらに勉強しなければいけないと思った。いわばQ&Aの形で問題が提起されてくるので、それに即した理解・説明が必要になり、学校で教えてもらったり本を読んだりする勉強とは少し違って、新しい角度からこれはどうなっているのかと考えさせられるからだ。

 その意味で、この「ピリピリ」という言葉が引き起こした「家庭用燃料電池は漏電するのか」という問題提起は、私の理解の浅さを知らしめてくれた。これはジョークですよ、というだけでは、漏電すると考えた人の考えを変えることはできない。なぜ漏電しないのかという原理的構造的なことを話さないとならない。そこで、燃料電池と漏電というテーマで考えられる疑問を考えてみた。

 燃料電池の説明をする時、電子の流れが電流であり、それを取り出して働かせれば電気になると話してきた。今回の問題では、燃料電池が発電した電気が、燃料電池で発生した熱で暖められたお湯の中に漏れだしたのではないか、ということである。家庭用燃料電池が構造的にそのような危険を持っていれば、その対策はどうなっているのかについて東京ガスに聞いてみたが、それは後ほど述べる。ここでは、燃料電池そのものの原理的なことを考えてみたい。

 家庭用燃料電池として使われている固体高分子型燃料電池では、水素が燃料極に入ってくると電極と触媒と交換膜が交わっている三相界面で水素原子が陽子(プロトン)と電子に分離され、プロトンは交換膜をとおって反対側の空気極に移動し、電子は電極から外部に作られた回路を通って空気極に移動して、空気極にある酸素とそれらが結合して水ができる。その水は、交換膜の湿度を保つために使用されたり、排出される。燃料電池内部には電子の流れがあり、水も存在するのだから、そこの水が通電作用を受けているかどうかだが、燃料電池の構造は電子の流れと生成した水分は交わることがない構造になっている。だから、燃料電池内での漏電はありえない。

 次の問題は、発電した電気が外部回路を通る時に漏れるかどうかという送電一般のことになる。仮にあったとしても、その電気の量にもよるのだろうが、その水に人間が触れた時に危険かどうかである。燃料電池自動車が排出した水を飲んだことがあるが、その場合には電源と水はつながっていないので問題はなかった。

 家庭用燃料電池のシステムでは、製造メーカーが説明している構造から判断すると、発電した電気の回路と内部で発生した水の回路は別になっており、その水は貯湯タンクにある水とはつながっていない。貯湯タンクの水を温めるのは燃料電池が発生した熱であり、その熱を伝える機器と貯湯タンクの水がつながっているだけである。燃料電池側のシステムで熱交換機器に燃料電池で発電した電気が流れることがあれば、その電気はタンク内のお湯をとおってお風呂のお湯にも流れることができる(タンク内のお湯がお風呂に供給される)が、それは電気の利用効率のロスになる。だから、燃料電池側のシステムがどうなっているのか知りたかった。

 東京ガスの説明ではこうであった。

 燃料電池で生成した水は、都市ガスから水素を作る改質器の水蒸気として使うので、貯湯タンクの水としては使わない。貯湯タンクは下部から水道の水を入れ、その水道圧で上部にある温水を押し出して、家庭内のお湯として供給している。

 燃料電池で発電した電気の回路とその他の部品の間には、漏電しないように絶縁材が使われている。また、発電した電気は東京電力が供給している電気と分電盤で完全にミックスして、その後、家庭内のテレビや冷蔵庫などに流れて使われる。その一部の電気は貯湯タンクのバックアップボイラーの電源にも使われるが、それは、一般の給湯器が100Vのコンセントにつないで使っても漏電しないようにしていることと同じことだ。当然、漏電ブレーカーやアースも設置してある。

 製品の検査ではJIA(日本ガス機器検査協会)の認証を受けており、その認証シールが貼ってある。その認証を受けるための検査項目は漏電も対象になっている。

 以上のように、家庭用燃料電池システムでお風呂の漏電が起きることは全くあり得ない。

 次の問題は、ジョークの問題である。メルマガの編集方針は、悪意がなければ表現は自由だと考えている。メルマガは文字しか使えず、一方通行の媒体だから、誤解を生じさせないように表現には注意しているが、数ある理解の仕方のすべては予測できない。意見の違いが起きるのは当然であり、そうしたことを通して相互理解が進み、燃料電池の世論作りが一つ一つできていくのだと思う。

 問題となった4月23日号時点で燃料電池ワールドの読者は、「まぐまぐ」が2299名、「melma」が2890名の合計5189名だった。この数字はそれぞれに常時公表されている。先日、「melma」のトップページのランキングの紹介欄に燃料電池ワールドの名前が出ていた。偶然に見たのだが、登録している自然科学・技術では第3位ということだった。日本最大級メルマガポータルサイトを豪語しているここでさえ、この程度の数字で上位に入ってしまうのは、如何にこの分野の関心が薄いかを示している。燃料電池への関心では性差が顕著であり、世の中の理解が進んだかどうかは、女性週刊誌が取りあげるかどうかが一つの目安になるのではないかと考えている。

 関心が薄いからこそ誤解も生じやすいので、今回の場合は、家庭用燃料電池、発電、お風呂のお湯という概念が前提にあるところに「ピリピリ」という表現がくっついて漏電という理解になってしまった、と考えられる。私が時々利用している浴場では大浴槽の片隅に電気風呂が設けてあるが、その電気が問題を起こすとは考えたこともなく浴槽に浸かっている。それと同じで(家庭用燃料電池に漏電があるかないかというのではなく)、私はそのような理解の仕方があり得るということは全く考えていなかったし、だからこそジョークと理解したのだが、そのような誤解が世の中に存在することを教えられた。今年中にはリニューアルしたいと準備しているPEM−DREAMのホームページには、このこともぜひ取りあげたいと思った。その点で今回の指摘には感謝したい。

 ジョークの質については読者の判断に委ねるしかない。ジョークそのものは表現の自由の問題にも関わるので、ジョーク一般を否定するつもりはない。「大規模実証事業研究」に水を差したかどうかも、今後の指摘を待ちたいと思う。また、誤解をされたかもしれない方にもまじめに回答したつもりである。読者のご意見をいただければ幸いです。

■WEB LINK NEWS
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06/04/30 イランと巨額契約調印へ 中国、米の制裁論けん制(共同通信)

 【テヘラン30日共同】劉振堂・駐イラン中国大使は30日までに、イランのメヘル通信に対し、同国での石油と天然ガスの開発をめぐる総額約1000億ドル(約11兆4000億円)の契約が数日中にも調印されるとの見通しを示した。「どの国もこの合意を阻むことはできない」とも述べ、核問題でイランに経済制裁を科そうとする米国などの動きをけん制した。

 国連安全保障理事会の常任理事国である中国が対イラン制裁に反対する背景に、巨額のエネルギー権益があることがあらためて浮き彫りになった。

 劉大使は「イランが石油を売ることを妨げるのなら、米国はわれわれに同じだけの石油を売ってくれるのか」と語り、イランに対して圧力を強める米国を痛烈に批判した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060430-00000121-kyodo-int

06/05/02 ボリビア大統領が天然ガスセクター国有化の政令に署名、軍にガス田占拠命令(ロイター)

 [ラパス(ボリビア) 1日 ロイター] ボリビアのモラレス大統領は1日、炭化水素セクターを国有化し、外資系企業に天然ガス田の即時返還を求める政令に署名した。大統領は、天然ガス生産を確保するため、軍に天然ガス田の占拠を命じた。

 ガルシア副大統領によると、大統領の署名を受けて直ちに国営エネルギー会社YPFBの幹部と軍がガス田、パイプライン、精製施設を含む53カ所のエネルギー施設を管理下に置くことについて協議を開始した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060502-00000945-reu-bus_all

06/05/03 水素自動車:県と広島市、全国自治体で初導入−−マツダからリース /広島(毎日新聞)

 自動車メーカー「マツダ」が生産した水素自動車を、県と広島市が導入。環境イベントや駅伝などの先導に利用されるもので、水素自動車を自治体が導入するのは全国で初めて。

 燃料が水素のため、二酸化炭素などの温室効果ガスは一切出ず、水のみ排出。燃料を水素かガソリンにボタン一つで切り替えられる。マツダが月額40万円で30カ月間リース提供する。このほど県庁で導入に伴うセレモニーがあり、試乗した藤田雄山知事は「環境に優しい次世代エネルギーを使った水素自動車で、温暖化防止対策の普及・啓発に努めたい。乗り心地はガソリンとまったく変わらない」と話していた。

 また、ロータリーエンジンを使うことで燃費も改善。110リットル満タンで100キロを走行可能。燃料の水素は宇品の「マツダ水素ステーション」で無償提供される。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060503-00000291-mailo-l34

06/05/05 ブラジル ボリビアの天然ガス国有化で国際提訴も(フジサンケイ ビジネスアイ)

 南米ボリビアが国内の天然ガス資源の国有化を宣言し、海外資本の関連施設を差し押さえたことに対応し、ブラジルが国際裁判所に提訴する可能性が出てきた。ブラジルなど南米三カ国は日本時間四日深夜から五日未明にかけ、ボリビアとの首脳会談でこの問題を話し合うが、混乱の収束に結びつくかは不透明だ。

 英紙フィナンシャル・タイムズによれば、ボリビア国内の施設を差し押さえられたブラジル国営のペトロブラスはボリビア政府を相手取り、国際裁判を起こすことも辞さない構えだ。国際的な係争を扱う機関としては国際仲裁裁判所(本部・仏パリ)などがある。

 ブラジルのルラ大統領は、一月のボリビア大統領選で同じ左派路線のモラレス大統領を支持。恩をあだで返すような今回の決定に激怒しているといわれる。ブラジルは国内需要の半分をボリビア産ガスに頼っており、ボリビア政府が要求する採掘権料の大幅値上げに応じればガス価格急騰を通し、産業や市民生活への打撃は避けられない。

 一方、ボリビアにとっても、今回の決定が有利に働くかは疑問だ。同国は南米二位のガス埋蔵量を誇るが、ほかに大きな産業はなく、南米最貧国のひとつ。かりに海外の資源関連企業が撤退すれば歳入の三割を占める貴重な外貨収入源を失うことになる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060505-00000011-fsi-bus_all

06/05/05 燃料電池車:静かで熱いレース 15台出走、工夫争う−−大潟村 /秋田(毎日新聞)

 液体水素と空気中の酸素を化学反応させて走る燃料電池車のレースが4日、大潟村のソーラースポーツラインで始まった。県内外の大学や企業から軽量化に工夫を凝らした15台が出走し、静かで熱いレースを繰り広げた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060505-00000087-mailo-l05

06/05/10 チノー、PEFC単セル用評価試験装置のミニタイプ開発(日刊工業新聞)

 チノーは固体高分子形燃料電池(PEFC)単セル用評価試験装置のミニタイプ「FC5105M」を開発、近く発売する。PEFCの初期開発試験や耐久試験向けで、価格は1式330万円から。初年度150式の販売を見込む。

 同装置は重量40キログラムと小型軽量。加湿器にはバブラー方式を採用し、温度制御とタンクの小型化により、従来機種比2分の1の安定幅である露点温度プラスマイナス0・5度Cを実現した。タッチパネルによる簡単操作の手動運転装置で、簡易プログラム機能を備えている。

 また同装置の発売に合わせ、FC専用インピーダンス測定器「FC―200F」を商品化する。価格は未定。交流インピーダンス法で、装置と連動した自動測定、大電流の交流信号重畳に対応し、パソコン上でのグラフ表示、解析が可能。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060510-00000003-nkn-ind

06/05/10 エネ庁、新エネから省エネに概念変更−廃プラの原料化など(日刊工業新聞)

 経済産業省・資源エネルギー庁はプラスチックなど化石原料由来の廃棄物を高炉原料化、化学製品原料化、セメント燃料化するなどの徹底した再利用法を省エネルギーと位置付ける概念に変更することを決めた。従来はこれら再利用法が新エネに位置付けられているのを受け、鉄鋼、化学、セメントの各業界は大型投資をしてきた。今後、鉄鋼業は省エネ技術・手法として2010年度には製鉄プロセスでの廃プラ、廃タイヤ、カーシュレッダーダスト(ASR)の処理を合わせ年99万トンに拡充する。

 エネ庁は概念の変更を11日に開く総合エネルギー調査会の新エネルギー部会で明記する。プラスチックなど廃棄物のこれらの手法での利用法を新エネの概念から外す方針を明らかにしたことで、鉄鋼、化学業界は「これでは事業の概念が宙に浮き、その位置付けが失われる」と反発していた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060510-00000021-nkn-ind

06/05/10 産学官連携を推進 神奈川など5県選定 文科省(フジサンケイ ビジネスアイ)

 文部科学省は、地域が個性を発揮するための研究開発型の地域活性化事業「都市エリア産学官連携促進事業」の二〇〇六年度採択地域として秋田、山梨、神奈川、鳥取、山口の五県を選定した。山梨県は、山梨大学の燃料電池研究を軸に水、バイオマス、都市ガスから生成される水素を用いた分散型クリーンエネルギーシステムの構築を図る。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060510-00000018-fsi-ind

06/05/10 選挙:東吉野村長選 出直し選、元課長2人が立候補−−告示 /奈良(毎日新聞)

 守秘義務違反問題などに端を発し、前村長が辞職したのに伴う東吉野村長選は9日告示され、同村の元保健福祉課長、向井光彦氏(60)▽元総務課長、水本実氏(57)の無所属2新人が立候補した。

 両候補は選挙事務所前で第一声。向井候補は「合併は避けて通れない。間伐材による発電で、水素燃料電池をつくる。それで村が力をつけて吉野町と歩調を合わせ桜井、橿原、中和と提携を模索する」と訴えた。一方の水本候補は「行財政改革で財源をねん出し福祉、教育、林業などに取り組む。合併は県の方針を勉強し村民の意見を聞いて次のステップにいけたらと考えている」と強調した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060510-00000182-mailo-l29

06/05/11 自動車大手 3月期決算 6社で営業益最高更新 三菱自3期ぶり黒字(フジサンケイ ビジネスアイ)

 トヨタ自動車や日産自動車など自動車大手八社の二〇〇六年三月期連結決算が十日までに出そろった。それによると本業のもうけを示す営業利益は、北米販売の好調や円安を背景に六社で過去最高を更新。売上高も七社社が過去最高を塗り替えた。

 一方、八社の研究開発費は9・8%増の二兆三千二百十五億円となる見込み。各社とも新型車開発費用に加え、ハイブリッド車、燃料電池車などの環境技術や、対人被害軽減など安全技術の開発費用が増加するためだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060511-00000016-fsi-ind

06/05/11 県燃料電池研究センター:新たな産業の基盤作りを−−四日市・東阿倉川で開所 /三重(毎日新聞)
 ◇窯業技術を応用

 燃料電池の実証試験を行う県燃料電池研究センターが四日市市東阿倉川に完成し、10日、開所式が行われた。自動車用燃料電池の劣化のメカニズムや耐久性などを研究する。

 県科学技術振興センター窯業研究室の敷地内に設置した。将来の窯業技術を使った燃料電池の開発を視野に入れている。軽量鉄骨平屋建てで、約100平方メートル。実証試験用の設備として発電評価装置を2台導入し、樹脂部品の劣化原因や対策を調べる。装置は1台600万円。

 開所式で野呂明彦知事は「燃料電池を核にした新たな産業の基盤作りを進めていきたい」と話し、新施設に期待を込めた。

 研究は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が進める燃料電池に関する産学連携プロジェクト(05年4月〜09年3月)の一部。NEDOから、年3000万円の事業費が出ている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060511-00000011-mailo-l24

06/05/11 エネルギー危機?ベネズエラのガソリンは水より安い(ロイター)

 [カラカス(ベネズエラ) 10日 ロイター] ベネズエラの首都カラカスでタクシーの運転手をしているジェイミー・ティノコさんは1日に19ガロン(72リットル)のガソリンを食う車に乗っているが、燃費を気にしてはいないという。というのもタンクいっぱいに給油してもガソリン代は2.30ドル(約256円)で済むからだ。

 米国でエネルギー価格が上昇するなか、世界第5位の石油輸出国ベネズエラのガソリン価格は1ガロン=0.12ドルと、現在世界で最低水準。ミネラル・ウォーターより安いという。国際通貨基金(IMF)が4月に発表した報告書によると、ベネズエラのガソリン価格は、サウジアラビアの約3分の1で世界で最も安い。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060511-00000918-reu-ent

06/05/12 岩谷産業など、来月から5年間大阪で水素の多角的利用法を実証(日刊工業新聞)

 大阪地区で6月から水素を利用した移動体、定置型燃料電池(FC)の実証プロジェクトが動きだす。5年間の計画でFC車、FC移動電源車などを走行させ、高圧水素、液化水素の水素ステーションを建設。ステーションから水素を配管で供給し、建屋でのオンサイト発電にも使う。

 大阪地区では水素利用を多角的に進める実証を展開する。参加するのは岩谷産業、関西電力、大阪ガス、ダイハツ工業、栗本鉄工所、日立造船など。大阪市や大阪産業大学も参加する。水素を燃料とした移動体ではFC自転車を製作する。まず年内に1台を製作し、計10台程度をつくる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060512-00000021-nkn-ind

06/05/13 エタノール製造を沖縄振興の目玉に、首相が指示(読売新聞)

 小泉首相は12日夜、都内のホテルで、額賀防衛長官、二階経済産業相らと会談し、沖縄振興策の新たな柱の一つとして、県特産のサトウキビを使ったエタノール製造を国としても支援するよう、両閣僚に指示した。

 二階氏の提案に応えたもので、最近の原油価格高騰も踏まえ、新しいエネルギー開発の拠点とするのが狙いだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060512-00000115-yom-pol

■海外ニュース(4月ー3)
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<輸送>
●LBSTは新しい水素自動車のサイトを始める

 L-B-Systemtechnik GmbH(LBST)は、水素動力の内燃機関、燃料電池およびガスタービンの400以上の試作車を載せた世界中の水素と燃料電池自動車の新しいサイトを始めた。
http://www.H2Mobility.org/
※L-B-Systemtechnik GmbH(LBST) ドイツの研究所

<定置用電源>
●燃料電池エネルギーシステムを評価する東京ガス(2006/03/28)

 東京ガスは、フュエルセルエナジー社(FuelCell Energy)のダイレクト燃料電池(Direct FuelCellィ ;DFCィ)発電プラントが、エネルギーと産業用ガス部門の顧客のために採用可能かどうかを評価する計画を始めた。ユニットはこの程、日本の明石市にある川崎重工業の工場に設置され、特に系統電源との接続に焦点を充てて、さまざまに予想される運転条件のもとで発電プラントを評価する。東京ガスは2006年の第2四半期に、このDFC300A発電プラントを鶴見の新しい研究開発センターに設置することに同意した。
http://www.fuelcellenergy.com/#
※ダイレクト燃料電池(Direct FuelCellィ ;DFCィ) フュエルセルエナジー社が開発した内部改質の溶融炭酸塩型燃料電池。250kW、1MW、2MWのプラントがある。

●JIWETは廃水処理プラントでのフュエルセルエナジー社の燃料電池の点検を終了(2006/03/27)

 財団法人下水道新技術推進機構(Japan Institute of Wastewater EngineeringTechnology ;JIWET)は、西部廃水処理プラントで作動中のフュエルセルエナジー社(FuelCell Energy)の燃料電池発電プラント「DFC300A」の総合点検を終了した。製品が、独立した産業貿易グループの検査基準ーー電気効率、熱回収効率、排気と嫌気性消化ガス(anaerobic digester gas ;ADG)装置の操作安定性ーーを満たすか超えるのを認定した。
http://www.fuelcellenergy.com/#
※嫌気性消化ガス(Anaerobic Digester Gas) メタンガス、二酸化炭素などからなる混合ガス

<ポータブル/バックアップ電源>
●IECが小型燃料電池の安全仕様を発表(2006/02/23)

 国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission ;IEC)は、商業化への新たに重要な里程標となる個人的な電子機器を動かす小型燃料電池の安全仕様を発表した。仕様は、携帯電話、音楽プレーヤー、ゲーム機、懐中電灯、そしてノートパソコンなどの装置の燃料電池を対象としている。それは、厳密な試験と使ったり輸送する時の安全を確実にするための品質を盛り込んでいる。メタノール、ギ酸、ホウ化水素、ブタンと水素を含む多数の燃料が網羅されている。仕様の承諾は任意だが、承諾は、2007年から始まる燃料電池で動く機器の機内持ち込みを許可する国際民間航空機関(International Civil Aviation Organization ;ICAO)の技術指針(Technical Instruction)の下で、航空旅客を輸送することができる機器を要求している。
http://webstore.iec.ch/webstore/webstore.nsf/artnum/035728
※国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission ;IEC) 電気、電子、通信、原子力などの分野で各国の規格・標準の調整を行なう国際機関。1906年に設立され、1947年以降はISOの電気・電子部門を担当している。本部はスイスのジュネーブ。

<燃料/改質器/貯蔵>
●ハイドロジェニックスは中国から水素製造プラントの注文を受ける(2006/03/21)

 ハイドロジェニックス社(Hydrogenics Corporation)は、中国の2つの大きなエネルギー会社に電解ベースの水素製造プラントを供給する注文を受けた。中国電気エネルギーグループ(China Electric Power Energy Group)と中国電力公司(ChinaNational Power)はそれぞれ、25気圧で高純度水素を10Nm3/h 生産できるHySTAT-A 水素プラントを購入した。どちらの場合も、水素は石炭火力発電所で発電機の冷却に使われる。注文品の配送は2006年に行われる予定である。
http://www.hydrogenics.com/ir_newsdetail.asp?RELEASEID=190797

●BASFがテキオンと協定を結ぶ(2006/03/13)

 BASF社(BASF Aktiengesellschaft)とテキオン社(Tekion, Inc.)は、テキオン社の燃料電池技術の燃料としてギ酸(formic acid)の開発のための共同協定に調印した。
http://www.corporate.basf.com/en/presse/mitteilungen/pm.htm?pmid=2188&n=20&id=V00-9KxKw8Vdzbcp2OD
※ドイツのBASF社は化学業界をリードする企業であり、ギ酸については業界トップの生産量を誇る。カナダのTekion社は携帯電話機に向けた燃料電池開発に取り組んでいる企業。

●BPは水素実証プロジェクトの延長を受ける(2006/03/02)

 BP社は、CUTEプログラムと提携して水素実証プログラムの1年間の延長を受けた。BP社は、プログラムに参加しているロンドンの3台のバスに水素を提供する。
http://www.bp.com/genericarticle.do?categoryId=120&contentId=7015687

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