燃料電池ワールド (2005/09/28 22:50)

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□燃料電池ワールド
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■Vol.207 2005/09/28発行

                   ◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM

                        ◇http://www.pem-dream.com/

■燃料電池関連イベント
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☆ 10月の水素エネルギー協会HESS特別講演会
◇テーマ 「水素・燃料電池の規制緩和と安全技術研究」

      ―法令見直し作業、裏づけとなった各種安全性試験結果、法令改訂内容と今後の取組み
◇主催 水素エネルギー協会(HESS) 
◇共催 燃料電池実用化推進協議会(FCCJ)、燃料電池開発情報センター(FCDIC)
◇日時 10月6日(木)9:45〜17:10(開場9:00)
◇場所 東京都江戸川区船堀4-1-1 タワーホール船堀大ホール
    Tel 03-5676-2111 都営地下鉄新宿線船堀駅前
◇参加料 一般2万円、FCCJとFCDIC会員1万5000円、HESS会員1万円
◇申し込み方法ほか講演会詳細 申し込み方法、講演会のプログラム等は水素エネルギー協会ホームページhttp://www.hess.jpの特別講演会欄からダウンロードできます。
◇事務局 横浜市保土ヶ谷区常盤台79-5 横浜国立大学教育人間科学部谷生研究室内
      水素エネルギー協会谷生重晴
      Tel/Fax 045-339-3996、E-mail:secretary@hess.jp

☆第25回『INCHEM TOKYO 2005』
特別企画『燃料電池・水素製造』
◇会期 11月15日(火)〜18日(金) 10:00〜17:00
     (最終日は16:30終了)
◇会場 東京ビッグサイト(有明・東京国際展示場)東1〜3ホール
◇主催 社団法人化学工学会、社団法人日本能率協会
◇入場登録料 ¥1,000−(税込)

       ただし招待状持参者、Webからの事前登録者・学生は無料
◇内容
1.展示会 集中展示コーナー(24社)/各展出展者の部品・材料・関連製品展示(35ミ)
       製品・技術セミナー

 展示会無料事前登録/詳細情報は ⇒ http://www.jma.or.jp/INCHEM/2.技術シンポジウム  特別企画セッション『燃料電池の現状と課題』
           11/17(木)14:10〜17:00
3.協賛行事 燃料電池講演会『水素エネルギー社会の実現に向けて』
       11/15(火)、化学工学会主催
◇問い合わせ INCHEM TOKYO 2005事務局
   社団法人日本能率協会産業振興本部内

    TEL 03-3434-1391、Email inchem@convention.jma.or.jp

■PEM−DREAMニュース
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☆本より実験ーー「9月の燃料電池市民講座」報告・下

 横河電機の数見昌弘さんは、電圧と電流の関係についての簡単な説明から話し始めた。電圧を水圧、電流を水流に置き換えて水の量=電池の蓄電量とすると、一度に水をいっぱい流せばより早く水はなくなる、同じ電池でも電流をいっぱい流せば早く寿命がくることから、良い電池とは、同じ大きさで蓄電量が多い(エネルギー密度が高い)こと、いっぱい電流を流しても電圧降下しない(電流容量が大きい)ことだと説明した。

 壁時計は定常的でわずかな電気で十分に動くので、単三の乾電池2本(3V)100円で半年間電池の取り替えが要らないが、携帯電話は多機能になって消費電力が増加し、3.7Vのリチウムイオン電池1万円でも1週間で再充電が必要になる。同じ3Vほどの電圧を持っている電池でも、材料によって能力に違いが出る。

 携帯電話の電流の消費を表したグラフを例にして、ディスプレイをONにすると若干消費電流が増えて時計よりも大きな電流が流れるので、乾電池だとすぐに電池が切れてしまうこと、また、受信したときには間欠的に大きな電流が流れるので、乾電池を使うと瞬間的な電流が流せないことを視覚的に示した。普段当たり前のように使っている携帯だが、その働き方をグラフでみるとこんな形になるのだと参加者は面白がっていた。

 この話からは、いろいろな種類の電池がたくさんあるが、皆それぞれの使用目的に合わせた性能の電池が選ばれて使われていることが良く理解できた。電池の出力電流を増加させると電池の電圧が降下する。同一電流出力条件での電池電圧で電池の性能比較が行われる。これが電池の電気的特性といわれるもので、電池の開発では課題の解決のために、
 ・材料を変更して特性を比較する
 ・時間経過による差を比較する
 ・運転条件を変更して比較する
という試行錯誤が続けられる。そのためのパラメータが測定値で、電流、電圧、蓄電量、内部ロス(内部抵抗)の4つが計られ、それらの比較から内部のロスの原因を推測して対策が練られる。開発のためには計測は不可欠だと、ここの所は計測器メーカーの社員として力が入った説明になった。

 燃料電池の電気性能は、エネルギー密度が高い→同じ大きさでも蓄電量が多いこと、大きな電流が取り出しやすい→大容量の機器でも使えることにあるとして、実際の開発現場でのエピソードを話してくださった。

 以上のような説明の後、実際の燃料電池の電気的特性を計る実験に取りかかった。

 まず始めは燃料電池の実験で、100ccのビーカーに3%の水酸化ナトリウム溶液を入れて、2枚のニッケルの網を入れる。そこに乾電池を接続して水の電気分解を行った。網のところからは水素と酸素のガスが白い泡となって生まれてくる。しばらくするとビーカーの中は白く濁ってきた。今度は電池を取り外してモーターを回す。網に残っている水素ガスが反応して電気分解の逆反応が起き、外部に接続した負荷(モーター)に電流が流れて仕事をするのである。

 ニッケルの網は2種類用意した。ニッケルのままの白い網と、網にプラチナをつけた黒い網である。網を変えて実験すると、黒い網の方が水の電気分解も活発で、モーターも良く回ることが確認できた。プラチナが触媒として化学反応を促進させたのだ。発電特性が変わったことが分かる。ところが失敗したチームもいた。白い網と黒い網はそれぞれ2枚ずつ用意したが、白と黒を1枚ずつ使ってやったチームは、残った白と黒に網を変えても違いが確認できない。白白の組み合わせと黒黒の組み合わせで比較することでプラチナの役割が分かるのだが、白黒と白黒では同じ条件で行っているので、得られる情報に差ができてしまったのだ。

 そんなことを話し合っていると、ブーンと言うモーターの回る音が聞こえてきた。最初の実験の時よりもはるかに大きい音だったので、どこかのチームがよほど上手に実験しているのかとみんなが驚いて注目したが、その原因はすぐに判明した。乾電池につないだのではなく、100Vの電源の方に間違えてつないでいた。赤と黒のコードが机の上に何本もあるので、乾電池のコードだと思ったところが間違えたというわけである。実験は注意深くやらなければならないことを久しぶりに思い知らされたというわけだ。

 次は、乾電池を使って電流電圧を調べた。アルカリ電池とマンガン電池をそれぞれ計る。横河電機から持ち込んだ流す電流をコントロールして電圧を測定する装置の出番となった。この装置は本格的であるが故に使いやすくて欲しがる人もいたが、値段を聞いて断念したようだった。計った値を記す。

     アルカリ電池  マンガン電池  
電流     電圧      電圧
0A     2.8V    2.7V
0.2    2.7     1.8
0.4    2.6     1.0
0.6    2.5     0
0.8    2.4

 電流を取り出すと、マンガン電池は急速に電圧が失われていくのに対し、アルカリ電池はそれほど電圧が落ちないことが良く分かる。アルカリ電池はマンガン電池に比べてエネルギー密度が高く、電流をたくさん取り出して仕事をさせることができる。つまり、アルカリ電池の方が良い電池だということになり、価格も高いのである。

 いよいよ燃料電池の計測である。これも計った値を記す。燃料電池Aは、ミクロから買ったばかりの新しいものである。燃料電池Bは、PEM−DREAMが設立直後にイベントで見せることができる燃料電池が欲しくて買ったもので、今ほど知識もなくて、イベントで使ったまましまい込んでいたものを復活させたものである。水酸化ナトリウム溶液は入れっぱなしで、外に付着したものは白い粉になっていた。それを神谷先生のところに持参して使えるようにしていただいたが、有り難いやら申し訳ないやらの複雑な気持ちである。つまり中古品というところだ。

      燃料電池A  燃料電池B  
電流     電圧      電圧
0.00A  0.93V   1.37V
0.01   0.90    1.36
0.02   0.88    1.35
0.03   0.87    1.34
0.04   0.86    1.33
0.05   0.85    1.32
0.06   0.83    1.31
0.07   0.82    1.29
0.08   0.81    1.27
0.09   0.80    1.26
0.10   0.78    1.24
0.12   0.75    1.22
0.14   0.72    1.20
0.16   0.67    1.11
0.18   0.60    0.72
0.20   0.52    0.53
0.22   0.40    0.42
0.24   0.22    0.00

 新しい燃料電池より古いものの方が大きな電圧が出ていることに疑問を持たれるかもしれない。それは、古い方がいかれているかもしれないというので、燃料電池のところに電気を流して電気分解させ、活性化させる操作をしたからなのだ。そうすることでニッケルの網に付いている不純物を飛ばすことができ、リセットできる。アルカリ型の装置はとても便利だ。だが、電圧の変化をよく見ると、古い方が性能が悪いことが分かるだろう。手入れをちゃんとしなかった報いが数字で示された。

 この数値を、縦軸に電圧を横軸に電流をとってグラフを書くと、よく見る電流電圧のグラフと似たカーブを描いていることが分かる。この電圧を下降させないで一定の数値に安定させる(横に直線的になる)ように燃料電池の作動をコントロールしなければ、製品として使うことはできない。そして、元の電圧と下がった電圧の差分が電気抵抗として燃料電池の性能を悪くする原因なので、どうしたら差分ができないようにするか、または差分を大きくさせないかに技術者は日夜研究を重ねているということだ。

 電気抵抗は、電極反応による抵抗、電解質の抵抗、燃料の核酸移動による抵抗に分けられ、最近はそれぞれに分けて計測して原因を確定し、解決策を考えるようなことをしているという。次回はその抵抗の中身をぜひ見てみたいものだ。

■WEB LINK NEWS
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05/09/22 Verizon、交換センターの電力供給に燃料電池発電導入(ITmediaニュース)

 米Verizonは9月21日、ニューヨーク州にある交換センターとオフィスビルへの電力供給用に、燃料電池発電の導入を発表した。この種のプロジェクトとしては米国最大規模になるとしている。

 燃料電池はUTC Power製の「PureCell 200」7基を導入。それぞれが毎時200キロワットの発電能力を持つ。電力供給のほか、発電の過程で発生する水と熱をビルの冷暖房に利用する。これにより年間25万ドルの電力経費削減を見込む。
プロジェクトには米エネルギー省が資金を提供しているほか、ニューヨーク州エネルギー研究開発局からも資金供与を受ける見通し。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050922-00000018-zdn_n-sci

05/09/23 日産社長 100万台増販公約を達成 「日産の復活完了」(毎日新聞)

 ただ、現行計画の達成には課題がある。まず北米での事業拡大だ。原油高やハリケーン被害で、米国の全体需要は予想より減りそうで、利益率の高い小型トラックなどから小型車に需要が移る可能性もある。ゴーン社長は「利益を上げるのが難しくなりそうだ」と予測した。

 ハイブリッド車への対応も遅れた。日産は来年、ハイブリッド車を米国で販売するが、トヨタ自動車に10年近く遅れ、技術もトヨタから導入。環境対応車の“本命”とされる燃料電池車の開発には時間がかかり、ハイブリッド車への関心は高まっている。欧米では既に独BMWとダイムラークライスラー、米ゼネラルモーターズ(GM)がハイブリッド車開発で提携しており、日産も出遅れを補うための提携戦略を迫られる可能性もある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050923-00000006-maip-bus_all

05/09/25 <愛知万博>目標上回る2204万人が入場し、閉幕(毎日新聞)

 日本で開かれた大規模な国際博は1970年の大阪万博以来。参加国・企業が環境をテーマにした展示やイベントを展開したほか、会場内で出たごみを利用した発電や、有害物質を排出しない燃料電池ハイブリッドバスを運行するなど、会場全般を環境に配慮し、人類と自然が共生する持続可能な社会を実現しようというメッセージを発信した。NPO(非営利組織)、NGO(非政府組織)など、多くの市民組織が参加したのも特徴で、草の根レベルで環境保護運動の機運が高まった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050925-00000081-mai-soci

05/09/26 東洋合成、電解液・イオン性液体の量産開始(日刊工業新聞)

 【千葉】東洋合成工業は電解液・イオン性液体の量産出荷を始めた。サンプル出荷から量産体制にシフト、電子部品メーカーをターゲットに販売を始めた。燃料電池やリチウムイオン2次電池、電気2重層コンデンサーなどに使われる両液体の需要拡大に備え、いち早く量産化することで有望市場の足場を固める。電解液・イオン性液体市場は、現在100億―200億円規模。今後期待される次世代型電池の普及に伴い、一段の成長が見込まれることから、量産で対応することにした。量産で競合他社に先行し、有力顧客を囲い込む。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050926-00000016-nkn-ind

05/09/26 KDDI、改良された燃料電池携帯を試作(ITmediaモバイル)

 同社は2004年7月から、東芝や日立製作所と燃料電池携帯を共同開発してきた。今年度末までにユーザーの利用シーンを想定した試作機の評価や性能の拡充を進め、実用化を目指す。

 A5509Tをベースにしたモデルでは、背面電池部分に小型の燃料電池と燃料タンクを搭載した。これにより、内部リチウムイオン電池とのハイブリッド方式で携帯に電源供給が可能だ。99.5%の高濃度メタノールを使用しており、一回の燃料充填で従来の約2.5倍の電池容量を達成している。

 W32Hをベースにしたモデルでは、サブ液晶面に小型燃料電池を搭載。やはり内部リチウムイオン電池とハイブリッド方式で携帯電話に電源供給する。「燃料電池が利用される近未来をイメージし、オリジナルのW32Hとほぼ同じ大きさに収まるよう小型化した」(KDDI)。燃料の充填は小型カートリッジを利用して行う。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050926-00000015-zdn_m-sci

05/09/26 自動車大手、エネルギー対策を米政府に要請(ロイター)

 [ニューヨーク 26日 ロイター] 26日付のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙によると、米フォード・モーター<F.N>やトヨタ自動車<7203.T>などの自動車メーカーは、石油への依存を低下させるためより積極的な対策をとるよう米政府に要請した。WSJ紙の報道によると、フォードのウィリアム・フォード会長兼最高経営責任者(CEO)は、ブッシュ米大統領に書簡を送り、自動車メーカーや納入業者、燃料供給業者、消費者、政府関係者などが参加するエネルギー・サミットを開催するよう要請した、という。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050926-00000777-reu-bus_all

05/09/27 「ハイブリッド車」開発から10年 日本発の世界潮流 原油急騰や環境重視(産経新聞)

 「開発にどう取り組んでいるのか。商品化はいつになる?」−。今月中旬、独・フランクフルトで行われた欧州最大のモーターショーで、ハイブリッド車に関する報道各社の相次ぐ質問に対し欧米メーカー各社は対応に追われた。将来のエネルギー源を脱化石燃料と位置づけ、主に燃料電池車の開発を重点に置いてきた欧米メーカーはこれまで「ハイブリッド車は燃料電池車までのつなぎの車」(欧米各社首脳)とし、積極的な商品開発を進めてこなかった。

 しかし、最近の原油価格の急騰によるガソリン価格の高止まりに対応した低燃費対策や、地球温暖化対策として二酸化炭素(CO2)など有害な排ガス量削減は急務。低燃費で排ガスがきれいなハイブリッド車の商品化を求める消費者の声も急速に高まってきており、「ハイブリッドへの取り組みが、環境への企業姿勢と取られるようになってきた」(自動車アナリスト)ことが、各社を動かし始めたのだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050927-00000000-san-bus_all

05/09/27 県:燃料電池バイク参入 ヤマハ発動機からレンタル /静岡(毎日新聞)

 ヤマハ発動機(本社・磐田市、梶川隆社長)が開発した燃料電池二輪車「FC―me(エフシーミー)」の県への引き渡し式がこのほど、県庁であった。新エネルギー先進県を目指す県が、燃料電池の普及を目的に、来年3月までの契約で借りた。県によると、都道府県で燃料電池二輪車を導入するのは初めてという。県は今後、県内各地で展示会や試乗会を開いたり、中高生向けに教材として貸し出すなどして、燃料電池の普及を進める方針。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050927-00000004-mailo-l22

05/09/27 世界14カ国・地域、239社参加=東京モーターショーが来月開幕(時事通信)

 日本自動車工業会は27日、千葉市の幕張メッセで10月21日に開幕する「第39回東京モーターショー」に、世界14カ国・地域から乗用車と二輪車、部品メーカーなど239社が参加すると発表した。世界未公開の79台を含む、内外メーカーの計571台を一堂に展示。究極の低公害車とされる燃料電池車の試乗体験イベントも開催される。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050927-00000088-jij-bus_all

05/09/27 求む、連続通話48時間 & 20GBメモリの携帯電話! 世界のユーザー調査で判明(MYCOM PC WEB)

 調査結果によれば、全15カ国中14カ国において、ユーザーが次世代携帯電話に望むチョイスのトップとなったのは「2日間の連続通話利用などを可能にする長時間駆動バッテリの搭載」だったという。現在、携帯電話でゲーム、音楽、TVなどをあまり利用しない主な理由にも、短時間で電池切れになってしまうことへの懸念が挙がったようだ。唯一の例外は、中国のユーザーだったようで、リクエストのトップは「20GBの大容量メモリの装備」とされている。とはいえ、回答者全体の約7割が2日連続利用可能なバッテリを、約5割が20GBのメモリを、次世代携帯電話に求める重要項目にリストアップしたようで、ユーザーの関心の高さも伺える。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050928-00000094-myc-sci

05/09/28 新日石、定置型業務用FC装置の廃熱を冷暖房に活用目指す(日刊工業新聞)

 新日本石油は定置型の業務用燃料電池(FC)のコンビニエンスストア向け需要を創出するため、排熱を空調に利用する実証試験を始めた。FC装置と吸収式冷凍機を組み合わせ、熱を冷暖房に使う可能性について実際の店舗で実験。1年間をかけて効率性や耐久性を調べるほか、経済性についても試算し、06年度の商品化を目指す。

 試験機は灯油を燃料として使う出力10キロワット級の固体高分子形燃料電池(PEFC)システム。石油製品で取引関係のあるトキワ(東京都品川区)が多角化の一環として運営する店舗面積150平方メートルの「ファミリーマートトキワ大崎店」(同)で実験を始めた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050928-00000022-nkn-ind

05/09/28 温室効果ガスの温暖化への熱効果、90年の1・2倍(読売新聞)

 【ワシントン=笹沢教一】二酸化炭素などの温室効果ガスが地球全体の温暖化に与える熱効果が1990年の水準の1・2倍に増加していることが米海洋大気局の最新分析でわかった。各年の傾向で見ると、2・8〜0・8%ほどのペースで増加しており、鈍化することはあっても、減少に転じたことはない。温暖化防止のための京都議定書から離脱した米国では、今夏、カトリーナ、リタの超大型ハリケーンが襲い、インフラや経済などに深刻な打撃を与えたことから、今回の分析結果は、温暖化による異常気象と関連付けて報じられ、関心を集めている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050928-00000505-yom-soci

05/09/28 トヨタ、大阪府に燃料電池車「トヨタFCHV」を納入(時事通信)

 トヨタ自動車 は28日、新型の燃料電池車「トヨタFCHV」を大阪府にリース形式で1台販売すると発表した。環境省や愛知県、東京ガス、東邦ガスなどに続き、国内では7台目の販売となる。リース料金は月105万円で、10月1日から30カ月間の契約。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050928-00000160-jij-biz  

■海外ニュース(9月―3)
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<輸送>
●燃料電池バイモーダルの乗り物に取り組むKRRI (2005/07/19)

 韓国鉄道技術研究院(Korea Railroad Research Institute ,KRRI)は、アスファルト道路と地下鉄のように磁気浮上式鉄道として走ることができる燃料電池バイモーダル(バス/鉄道)の乗り物を開発している。バイモーダルの乗り物は現在、バスの専用使用のために主要幹線道路に沿って専用車線を用意する快速バス輸送システム(Bus Rapid Transit (BRT) system)のために開発されている。KRRIは2009年までに、バスの開発を終える予定である。BRTの詳しい情報は、
http://www.gobrt.org まで。
http://world.kbs.co.kr/english/news/news_zoom_detail.htm?No=829

<ポータブル/バックアップ電源>
●ヨーロッパで入手できるSFCカートリッジ、SFCはドイツ陸軍と契約(2005/08/03, 26)

 SFCスマート・フュエルセルズ社(SFC Smart Fuel Cell AG ,SFC)は、ヨーロッパ全域でメタノール燃料の流通ネットワークを導入すると発表した。2005年9月から、SFCのメタノール燃料カートリッジは、ポルトガルからポーランドまで、そしてイタリーからノルウェイまでの200以上の販売拠点で入手できる。そして又、SFCは、ドイツ連邦軍(German Federal Army)軍用車両・戦車技術室(MilitaryVehicle and Tank Technology Department)のWTD41との協力契約を結んだ。この協定でSFC社は、野外の兵士のために電力を供給する次世代型ポータブル燃料電池を開発する。
http://www.smartfuelcell.de/index.php?id=146&L=1&tx_ttnews%5Btt_news%5D=70&tx_ttnews%5BbackPid%5D=1&cHash=7de893ce19
http://www.smartfuelcell.de/index.php?id=146&L=1&tx_ttnews%5Btt_news%5D=65&tx_ttnews%5BbackPid%5D=128&cHash=1b7d095bad

<燃料/改質器/貯蔵>
●ECDオボニックがオハイオ州に水素試験施設を計画 (2005/08/15)

 エナジー・コンバージョン・デバイス社(Energy Conversion Devices)は、オハイオ州のアクロン(Akron)にオボニック社(Ovonic)の固体水素試験施設を開設することを検討している。試験場は、ポータブル燃料電池で使うオボニック社の水素吸蔵合金容器、内燃機関と燃料電池自動車のための水素車載容器、そして燃料容器と自動車に補給する固体水素の分配ステーションのために、さらに他の定置用途などを試験して証明する能力を持つ。実験場は、最初の3年間で最大25人の雇用を生みだす。
http://www.ovonic.com/news_events/5_2_press_releases/20050815.htm

<報告書/市場調査>
●フュエルセル2000が世界の燃料電池導入チャートをアップデイト

 ブレイクスルー・テクノロジーズ・インスティチュート(BreakthroughTechnologies Institute)の活動部門であるフュエルセル2000(Fuel Cells2000)は、世界の燃料電池の導入に関する運用と技術の65頁にのぼる包括的な世界の燃料電池導入チャートをアップデイトした。チャートは進化しており、フュエルセル2000は技術情報や写真などのどのような追加や修正も歓迎している。
http://www.fuelcells.org/info/charts/FCInstallationChart.pdf

<その他>
●ミレニアムセルは第2フェーズの資金を獲得(2005/08/29)

 ミレニアムセル社(Millennium Cell)は、米国空軍の電力技術オフィス(Advanced Power Technology Office ,APTO)と、コンカラント・テクノロジー社(Concurrent Technologies Corporation)によって運営されている国防総省の燃料電池試験評価センター(Fuel Cell Test and Evaluation Center ,FCTec)のプログラムを継続するために第2フェーズ資金を獲得した。プログラムの2年目に、ミレニアムセル社は、プログラムの第1フェーズの間にFCTecで成功裏に実験された5kW級システムのための革新的な固体の水素化ホウ素燃料モジュールを開発する。
http://www.corporate-ir.net/ireye/ir_site.zhtml?ticker=MCEL&script=410&layout=-6&item_id=750022

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■燃料電池ワールド
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