燃料電池ワールド (2005/07/20 18:48)

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□燃料電池ワールド
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■Vol.198 2005/07/20発行

                   ◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM

                        ◇http://www.pem-dream.com/

■燃料電池関連イベント
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☆JHFCパークが夏休み特別イベント

 7月26日と8月4、11、18、25日に「親子で体験 燃料電池・水素エネルギー教室」を開催する。夏休みの自由研究のテーマとして、いかがですか?
※詳しい内容は、http://www.jhfc.jp/event/20050701_02_index.html

☆有機ハイドライド利用システム研究会・特別講演会
「水素エネルギー利用技術の最新動向」
◇日 時 7月29日(金)13:00〜17:45
◇場 所 弘済会館(東京都千代田区麹町5−1)
      講演会場:4F「椿」
      http://www.kousaikai.or.jp/hall/index.html
◇参加費 本研究会の会員は3名まで無料

     会員以外は1人8000円(資料代含む。当日現金払い)
◇特別講演: (会員以外の方も参加できます)
(1)東京農工大学大学院 柏木孝夫教授
 「水素時代に向けたわが国のエネルギー政策について」
(2)北海道大学触媒化学研究センター 市川 勝教授
 「水素供給インフラ技術の現状と展望」
(3)宇都宮大学 伊藤直次教授

 「パラジウム膜を用いた水素製造、メンブレンリアクターを用いた膜反応装置の開発」
(4)株式会社ジャパンエナジー
 「有機ハイドライドを用いた水素貯蔵、供給について」
(5)独立行政法人北海道開発土木研究所 秀島好昭特別研究官
 「農村地域における有機ハイドライドの利用と実証研究」
◇申込方法(7月28日(木)申込締切)

 メール(奥田okuda@hrein.jp)またはファックス(011−209−9778)にて下記の項目を明記の上、お申し込み下さい。定員となり次第、締め切りとさせて頂きます。
・件名:「7月29日セミナー参加希望」
・参加者貴名(フリガナ)
・貴団体名(フリガナ)
・参加者の部署・役職名
・電話、ファックス
・電子メールアドレス

■PEM−DREAMニュース
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☆愛知万博「燃料電池どっぷりツアー」報告・4

 名古屋城のはす向かいにある愛知県庁から南に下がっていくと、熱田神宮があった。何かで記憶にあるなと聞いてみると、大和武尊の草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)が祀ってある神社だという。だが、私の記憶はそれとは関係なくて燃料電池に関するものだった。1999年に近くの名古屋国際会議場で「第3回国際燃料電池会議」が行われて、燃料電池を知ったばかりの私は興味本位で参加した。英語が分からないのだから参加しても意味がなく、ただただ自己満足に雰囲気を楽しんだだけで、外人が来ると話しかけられないように逃げ回っていた。その時、地下鉄の駅を間違えて降りてこの熱田神宮に行き会ったのである。この会議で、Proton Exchange Membrane(陽子交換膜)の頭字語PEMが固体高分子型燃料電池を表し、燃料電池一般の代名詞としても使われていることを知り、日本のPEFCという言い方に反抗する気分で「PEM−DREAM」という団体名を考えたので、名古屋の地は私たちの名付け親でもあったのである。

 文章にすると長いが頭をよぎったのは一瞬で、バスはどんどん南へ進み、両側が工場地帯になり、天白川を越えた所に東邦ガス株式会社総合技術研究所はあった。40分くらいかかっただろうか、予定より遅れたが早速部屋に案内され、説明を受けた。

 東邦ガスは、愛知、岐阜、三重県で約200万戸の家庭に都市ガスを供給しているが、特徴的なのは、家庭用ガスよりも工業ガスの販売量が多いことである。2003年にはガス販売量の50%を超えている。ものづくり日本一の地域特性から来るものだが、同時にそれは熱処理のニーズも多いこととなっている。「炎を知り尽くす専門技術者」とパンフレットには書いてあり、万博ガスパビリオンの「炎のマジックシアター」で使われている炎は、この会社の技術によるものかも知れないと勝手に想像した。

 総合技術研究所には、技術企画部、基盤技術研究部、エネルギー技術開発部が入っていて、固体高分子型燃料電池の実用化開発と都市ガス改質水素ステーション関連開発はエネルギー技術開発部の燃料電池・水素技術グループが、固体酸化物型燃料電池の基礎研究は基盤技術研究部の材料基盤技術グループ、水素の精製、貯蔵等の基礎研究は環境・資源技術グループがそれぞれ研究開発を行っている。今回のツアーで東邦ガスに対する私の認識が改まったのは、東邦ガスが取り組んでいる燃料電池の種類が幅広いということだった。個々のニュースでは、こんなことをやっているんだな、と理解できても、今回初めてそれらを次々と見せられて、まとまった理解ができた。

 一般に4種類のタイプのうち、溶融炭酸塩型(MCFC)はもともと発電事業用途なので除外している。固体高分子型(PEFC)は家庭用燃料電池システムとしてすでに市場導入が行われていて、東邦ガスも今年度にはモニター的に市場導入を行う。この場合は、燃料電池は燃料電池メーカーから供給を受けて、東邦ガスがリンナイと共同で開発した排熱利用給湯暖房システムを組み込むスタイルとなる。現在、トヨタ自動車/アイシン精機、荏原バラードおよび松下電器産業の燃料電池システムを用いて一般家庭で実証実験を行っており、近くメーカーの最終選定が行われる予定だ。万博ではガスパビリオンの2階に設置してある。ここは並ばなくても入場できる。

 固体酸化物型(SOFC)は東邦ガス自身が燃料電池メーカーとなっている。2003年9月から、住友精機工業と共同開発をした1kW級の実証試験機で運転評価試験を開始した。これはまだ貯湯槽との接続はなく、発電のみの試験である。万博ではガスパビリオンの裏に設置してある。

 りん酸型(PAFC)は、1991年にこの総合技術研究所に導入して以来、計11台を導入している。我々が泊まった名古屋栄ワシントンホテルプラザの燃料電池もその一つだった。今年度はさらに2カ所の病院に設置される予定だ。燃料電池は東芝や富士電機のもので、東邦ガスは主として保守管理を行っている。

 これらは全て都市ガスを燃料源に使っている。となれば東邦ガスが都市ガス改質の水素ステーションに注力するのは当然のことで、2001年から水素製造装置を設置して技術開発に着手して、2002年に研究所内に中部地区で初の水素ステーションを作り、燃料電池自動車への水素供給を行っている。広い構内の端に圧縮機、蓄ガス器、ディスペンサーがひとまとまりになっていて、一番大きい水素製造装置は少し離れているので、東京周辺に建設された水素ステーションと違ってこぢんまりとした印象を受ける。要するに水素ステーションとして必要な機器類はこれだけなのだな、とすんなり分かる。現在は、急速充てん時の技術開発を行っているとのことである。万博の国内最大級となる水素ステーションも東邦ガスは、JHFCプロジェクト(国プロ)において建設に参画している。

 この他、実験住宅に設置された1kW級家庭用燃料電池や、1991年に初めて導入された50kW級りん酸型燃料電池も見学させていただいた。さすがに使い込んだ雰囲気がある。外箱はスケルトンになっていて、内部に収まっている機器が見れるようになっていた。

 私は県庁では話に夢中になってツアーの証拠写真を撮ることを忘れてしまい、この研究所から時にはカメラマンに早変わりしたので、話の内容を全て聞くことができなかった。確か、オール電化住宅の話をしていたときだと思うが、富山県から参加された電気会社の方が、彼のところでは新築住宅の70%がオール電化住宅になっている話をされた。この比率はかなり突出しているもので、しばらくこの話題が続いた。私は少し考えていたことがあったので、口を入れさせてもらった。

 極端な意見だとは思うが、私は超高齢社会の到来に対して家庭用燃料電池がどこまで応えられるのか、少々疑問を持っている。一人暮らしのぼけ老人(認知症と言わなければいけないようだが勘弁していただこう)が介護施設に入る動機は、統計的なことは知らないが、私の周りではガスの空焚きがきっかけとなったという話をよく聞くし、私も体験した。徘徊や財布をしまった所を忘れたというようなことが時々起きても、困ったなーということでまだ収まっていたが、ガスの空焚きの時は深刻になり、2度目で決断した。電気でも空焚きは起きるが、熱が高くなると電気を遮断してしまうセーフティシステムが付いている。これから20年後には4人に一人が高齢者となり、数百万人のぼけ老人が生まれ、そんな社会がしばらく続く。厚生労働省は在宅での介護に重点を移しているので、この空焚き問題は結構深刻になるかも知れないと思っていた。

 現在の家庭用燃料電池は皆1kWなので、家庭の電力を全てまかなうことはできず、調理にガスを使い続けなければならない。住宅設備のインフラはそう簡単に変更ができず、ガス業界と電力業界は、調理に向くのはうちの方だと争っているが、それは健常者が主たる家庭の話で、私は空焚き問題に関してはオール電化の方が優位性があると思っている。願わくは、業界の枠を取り払って、ガスでも電気でも使えるような調理熱源のハイブリッド技術ができてこないかと思うのだが、どんなものだろうか。

 研究所でも予定をオーバーして、ホテルに着いたのが6時30分。食事は7時からで、翌日の作戦会議と懇談であっという間に時間が過ぎた。起床が6時の予定なので2次会はなし。さっさと眠りについた(ことだろう)。(次号に続く)

■WEB LINK NEWS
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05/07/13 KDDI、燃料電池の試作機を展示(ITmediaモバイル)

 KDDIは7月13日から開催している「ワイヤレスジャパン2005」会場の展示ブースで、携帯電話向け燃料電池の試作機を展示している。従来モックアップだった充電タイプの燃料電池は、東芝製と日立製作所製の試作機が稼働している。また、同じ2社による端末内蔵型のイメージモックアップと、目標スペックなどが明かされている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050713-00000033-zdn_m-sci

05/07/13 WSJ-BPの海洋油田掘削施設「サンダーホース」、ハリケーンで傾く(ダウ・ジョーンズ)

 ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)先週末にハリケーン「デニス」がメキシコ湾岸地域を襲った後、メジャー(国際石油資本)の英BP(NYSE:BP)が75%を保有する世界最大の海洋油田掘削施設「サンダーホース」が大きく傾いた。多額の投資を必要とする意欲的なプロジェクトを手がけているエネルギー業界が大きなリスクを抱えていることを浮き彫りにした。

 サンダーホースはまだ生産を開始していないが、これが傾いたというニュースは原油先物市場を揺るがした。次の熱帯暴風雨「エミリー」が発生したこともあり、12日の原油価格は上昇した。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI8月限の終値は、前日比1.70ドル高の1バレル=60.62ドルとなった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050713-00000029-dwj-biz

05/07/13 県都・中核市創造協:路面電車導入など、将来像を甲府市長に提言 /山梨(毎日新聞)

 企業やNPO(非営利組織)、大学教授などで作る「県都・中核市創造協議会」(会長・伊良原龍夫元県出納長)は、甲府市を「魅力ある中核市」にするための提言書をまとめ12日、宮島雅展市長に提出した。提言書には、路面電車の導入など公共交通機関の整備や環境に優しい新エネルギーを使った循環型社会の構築などの提言が盛り込まれた。

 再生プロジェクトとして▽過度の車社会からの脱却や高齢化を見据え、低床路面電車などを導入した公共交通機関の整備▽森林・水資源などを活用し、木くずや水素などの新エネルギーを利用することで、循環型社会の構築を目指す▽市内の特定の地区で活性化事業をを行い地区の資産価値を上げることができる制度の創設▽どのような街を目指し、どのように行政と市民がパートナーシップを作り上げていくのかを決める住民自治条例の制定――の四つを柱とした提言を行った。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050713-00000233-mailo-l19

05/07/14 愛知万博 宇部興産など開発リサイクル技術 「愛・地球賞」を受賞(西日本新聞)

 加圧二段ガス化システムは、廃プラスチックを分別することなく、加圧状態で運転される低温、高温両ガスから成る二段ガス化炉に投入。酸素と蒸気を使って熱分解し、炭化水素をほとんど含まない水素、一酸化炭素主体のガスに変えるという。このガスは、アンモニアなどの化学工業原料や燃料電池などのクリーンエネルギーに利用できる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050714-00000011-nnp-l35

05/07/14 米国 原発計画ラッシュ 電力確保へ政府後押し(産経新聞)

 【ワシントン=気仙英郎】米国で原子力発電所の新設に向けた計画が二十九年ぶりに動き出している。ブッシュ政権は中東石油への依存度を引き下げるため、電源の多様化を推進しているほか、米議会でも懸案のエネルギー法案が可決され、原発建設に補助金や減税などの支援も期待できるためだ。電力各社は全米で八基の原発新設を検討しており、二〇一〇年までの操業認可取得を目指している。

 原発建設を計画しているのは「ニュースタート・エナジー・デベロップメント」。米国で十七基の原発を運転するエクセロンなど電力会社のほか、原発技術を保有するゼネラル・エレクトリック(GE)などで構成する企業グループだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050714-00000013-san-int

05/07/14 ヤマハ発、共同研究で初募集(中日新聞)

 ヤマハ発はこれまで、燃料電池や新センサー開発などについて3年間で30件ほどを、社内の技術者と大学関係者とで連携して研究してきた。しかし個別的な関係だったことから、新技術の迅速な導入などを目的に組織的、戦略的に取り組むことにした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050714-00000012-cnc-l22

05/07/14 自動運転車いすや未来の買い物カート――富士通フォーラム(ITmediaニュース)

 富士通グループの新技術を集めた展示会「富士通フォーラム2005」が7月14日、東京国際フォーラムで始まった。愛知万博に出展中の自動運転車いすや、スーパーのちらしチェックを総電子化した未来の買い物システム、携帯電話向け燃料電池の試作品などを展示中だ。7月13日に発表した、曲がるカラー電子ペーパーの実物も展示している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050714-00000042-zdn_n-sci

05/07/15 燃料電池車:体験授業「乗り心地よかった」−−浜松城北工高で県 /静岡(毎日新聞)

 温暖化対策として注目される燃料電池の理解を深めてもらおうと、県エネルギー対策室は14日、浜松城北工業高校(浜松市住吉、河合英治校長、生徒1049人)で県内の高校では初めて、燃料電池車の体験授業を開いた=写真。生徒は開発費などを含め約1億円と言われる「高級車」の乗り心地を楽しんだ。

 この授業は県エネルギー対策室が今年度から始めたECOエネルギー・スクールの第1回目で、燃料電池車を開発するスズキの協力で実現。スズキの燃料電池車開発に携わった青山市三さんや日産の研究所に勤務していた小林紀さんの講演を聞いた後、希望者82人が校舎前で試乗した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050715-00000004-mailo-l22

05/07/18 総合資源エネルギー調査会、20日に設置以来初の総会(読売新聞)

 経済産業省・資源エネルギー庁は、国のエネルギー政策全般を論議する総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の総会を20日に開く。2001年1月に調査会が設置されて以来、総会を開くのは今回が初めてとなる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050718-00000203-yom-bus_all

05/07/20 総合資源エネ調、原子力部会を4年ぶりに開催−原発推進を明確に(日刊工業新聞)

 経産相の諮問機関、総合資源エネルギー調査会・原子力部会の初会合が19日開かれた。2030年以降も原子力発電が発電電力量の30―40%かそれ以上の役割を担うという国の方針が年内にもまとまることを受け、それを実現させるために必要な諸課題を1年間かけて総合的に検討する。

 同部会の開催は4年ぶり。初会合では部会長に就任した田中知東大大学院教授が冒頭、「原子力や核燃料サイクルをきちんと推進し、国のエネルギー安全保障や地球温暖化防止問題にこたえる方針の中で建設的な検討をお願いしたい」と所信を表明、部会の目的が原発、核燃サイクル推進であることを明確に打ち出した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050720-00000001-nkn-ind

05/07/20 20日三菱化工機が1月高値更新、水素事業に関心(ラジオNIKKEI)

 三菱化工機が1月高値253円を更新する場面を見せた。水素ステーション事業への展開が注目されている。同社は過去40年間において水素製造装置を約100基納入した経緯がある。水素を動力源とする燃料電池搭載自動車の普及に伴って、一般の自動車のガソリンスタンドに当たる水素ステーションの需要が拡大し、水素ステーションの設備一式を供給する同社がメリットを得るとして評価されている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050720-00000202-rtp-biz

05/07/20 DJ- DES、今年度売上高見通しが予想を大幅に上回る(ダウ・ジョーンズ)

 ニューヨーク(ダウ・ジョーンズ)燃料電池や風力発電機など遠隔地でのエネルギー
・システムを開発するディストリビューテッド・エナジー・システムズ(DES)(Nasdaq:DESC)は、第2四半期(4-6月期)の売上高見通しを1000万ドル以上、今年度通期の売上高見通しを4000万ドル程度との見方を示した。トムソン・ファーストコールの調査によるアナリスト予想平均は、それぞれ670万ドル、3030万ドルとなっていることから、予想を大幅に上回っている。また、前年同期はそれぞれ430万ドル、2200万ドルだった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050720-00000021-dwj-biz

■海外ニュース(7月―2)
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<輸送>
●IKEAはハイドロジェン3を受け取る(2005/06/03)

 IKEAのベルリン支店はこのほど、水素駆動のオペル社のハイドロジェン3(HydroGen3)を受け取った。60kWの燃料電池自動車は、IKEAの技術サービスチームで使われる。IKEAの2人の従業員が、この車に特有の機能の取り扱いと、そして今後の評価のために集められる性能データをいかに記録するかに対処するために派遣された。
http://www.opel.com/corporate/2/2.html
※IKEA スエーデンの家具販売大手メーカー
※このニュースは、2004年秋に始まったClean Energy Partnershipベルリン(CEP)水素デモンストレーションプロジェクトの一環で、ドイツ連邦政府と10のパートナー会社が参加している。

<定置用電源>
●FCTは固体酸化物型燃料電池をリエージュ大学に出荷(2005/06/01)

 フュエルセル・テクノロジーズ社(Fuel Cell Technologies, FCT)は、熱電併給(CHP)の5kW級固体酸化物型燃料電池(SOFC)をベルギーのリエージュ大学(University of Liege)に出荷した。システムは、大学のモンテフィオーレ研究所で動力と発熱による従来の方法と比較される。
http://www.fct.ca/index.php?pressid=50

<ポータブル/バックアップ電源>
●メディスは米国の一流携帯電話会社と契約した(2005/06/07)

 メディス・テクノロジーズ社(Medis Technologies)は、移動体通信事業者の携帯用電子機器の2次電源として、メディス社の燃料電池「パワーパック(Power Packs)」の採用と市場調査のために米国の一流携帯電話会社と協定契約を結んだ。協定により、メディス社は携帯電話会社が社内と顧客の双方で実証するために、7月末までに15個のパワーパックを提供する。
http://www.medistechnologies.com/news.asp

<燃料/改質器/貯蔵>
●クエストエアーが三菱、ハイ・ラディックスと協定(2005/06/09)

 クエストエアー・テクノロジーズ社(QuestAir Technologies)は、同社の水素精製システムを日本及び他のアジア諸国で販売するために三菱化工機株式会社(Mitsubishi Kakoki Kaisha,MKK)との協定に署名した。非独占的協定により、MKKは、クエストエアー社のPSA(pressure swing adsorption)装置「HyQuestorィ」と「QuestAir H-3200」の日本、中国、そしてアジアの他の6カ国における販売権を獲得した。協定のイニシャルタームは3年間である。クエストエアー社はまた、工業用水素製造装置と水素改質システムの主要な開発者であるハイ・ラディックス社(HyRadix)に水素精製装置「H-3200」を提供する協定を結び、ハイ・ラディックス社から今後1年間にH-3200ユニットの完成品を初期配送するため、26万3000USドルの発注書を受け取った。
http://www.questairinc.com/investor_relations/press_releases/archived_releases/2005/06-09.htm
※PSA:Pressure Swing Adsorption・圧力スイング吸着法の略語で、ガス精製方法の1つです。吸着剤の吸着力の差と圧力変動を利用して、様々な成分の混合ガスから、目的とする製品ガスを分離する技術です。現在、PSAは、工業用水素、酸素、窒素の製造及び精製に幅広く適用されています。(三菱化工機HPより)

<燃料電池コンポーネント>
●コロンビアン・ケミカルはクリスタル・フレーム賞を受賞(2005/05/17)

 コロンビア・ケミカル社(Columbian Chemical)の燃料電池チームは、同社のPEM燃料電池の電極触媒である「DURA-lystェ」の開発で、フュエルセルサウス(FuelCellSouth)の「産業におけるクリスタル・フレーム・イノベーション賞(Crystal Flame Innovation Award In Industry)」を受賞した。
http://www.columbianchemicals.com/News/NewsDetails/News%2BDetail.htm
※FuelCellSouth サウスカロライナ州コロンビアで毎年開かれる燃料電池の会議。
※Columbian Chemical Company(ジョージア州 Atlanta) カーボンブラックの大手製造会社

<その他>
●バラードはダイムラークライスラーとフォードに子会社を売却する契約に署名した(2005/06/23)

 バラード・パワーシステムズ社(Ballard Power Systems Inc.)とダイムラークライスラー社(DaimlerChrysler AG)、フォード社(Ford Motor Company)は、バラードのドイツ子会社であるバラード・パワーシステムズ社(Ballard Power Systems AG)をダイムラークライスラー社とフォード社へ売却すると以前に表明した協定に署名した。
http://www.ballard.com/be_informed/about_ballard/news/2005/06/23/11

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