燃料電池ワールド (2005/04/27 08:59)

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□燃料電池ワールド
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■Vol.187 2005/04/27発行

                   ◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM

                        ◇http://www.pem-dream.com/

■お知らせ
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☆恒例により、5月4日はお休みします。次号は5月11日号となります。

☆愛知万博「燃料電池どっぷりツアー」

 3月25日に開幕した愛知万博には、燃料電池や水素に関するいろいろな出展があります。PEM−DREAMでは、それらを集中的に視察し、加えて名古屋周辺の燃料電池関連企業への訪問や、宿泊は燃料電池を使っている名古屋栄ワシントンホテルプラザに泊まり、燃料電池を語り合う「燃料電池どっぷりツアー」を企画しています。大まかな骨子は以下のように決まりました。参加者の募集を始めるとともに、訪問先などの具体案は参加者の声を基に調整していこうと考えています。

○期日 7月7日(木)〜9日(土)
○集合 名古屋(解散も)
○主催 名鉄観光新霞が関支店
○企画 燃料電池NPO法人PEM−DREAM
○日程 
7月7日(木)昼頃名古屋集合。専用バスで名古屋周辺の燃料電池関連企業などを訪問。夜はウェルカムパーティ
7月8日(金)朝から万博会場視察。夜は自由行動
7月9日(土)朝から万博会場視察。自由解散
○宿泊 名古屋栄ワシントンホテルプラザ(シングルルーム使用)2泊。燃料電池の見学も予定。
○費用 一人5万5000円(上記費用一式。万博入場券は1日1枚のため2枚。名古屋までの交通費は自己負担)
○人数 15名程度
○申し込み・問い合わせは、メール info@pem-dream.comまで。

☆PEM−DREAM著『図解入門 よくわかる最新燃料電池の基本と動向』発売!
◇発行:秀和システム ◇体裁:A5版、2色刷、232頁 ◇価格:1680円(本体価格+税)
◇書店またはインターネットの本のサイトから入手できます。

■燃料電池関連イベント
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☆水素エネルギー協会・総会特別講演(第115回定例研究会)
◇日 時 5月19日(木)
◇場 所 日本教育会館(東京都千代田区一ツ橋2−6−2)

      講演会:7F中会議室 懇親会:2FレストランKIZAN
◇特別講演(第115回定例研究会): 13:40〜17:00(会員以外の方も参加できます)
(1)「『パタゴニア風力-水素計画』調査報告」
  講師:パタゴニア水素調査団参加者

     太田健一郎氏(HESS会長、横浜国立大学大学院工学研究院) 
     勝呂幸男氏(三菱重工業株式会社原動機事業本部)
     神谷祥二氏(川崎重工業株式会社 技術研究所)
(2)「水素ステーションの現状」
  講師:戸室仁一氏((財)エンジニアリング振興協会技術部)
(3)「福岡における水素プロジェクト」

  講師:佐々木一成氏(九州大学大学院総合理工学研究院物質科学部門、 九州大学水素利用技術研究センター) 
◇懇親会: 17:15〜19:15(会員以外の方も参加できます)
◇参加費 講演会 3,000円(資料代含む、会員無料)、意見交換会 5,000円
・郵便振替:口座番号; 00190-3-119581 水素エネルギー協会
・銀行振込:りそな銀行等々力支店 普通0930893水素エネルギー協会
・当日支払も可能ですが、なるべく振替か振込でお願い致します。(後日振込可)
※申込後のキャンセルにつきましては、5日前までに連絡をお願い致します。以降は参加料をお支払いただくことになります。ご了承ください。
◇申込方法と締切り: 
参加申込書(http://www.hess.jp/soukai.htmlよりダウンロード)をFAXでお送りください。
E-mail(secretary@hess.jp)で申し込まれる場合は、参加申込書を参考にお送りください。
締切りは5月9日(月曜日)と致します。

☆日本水素エネルギー産業会議第2弾セミナー」
「海外の水素エネルギー情勢とJHAの国際展開」
◇日 時 5月19日(木) 午後1時〜5時
◇場 所 JAビル 8階第一会議室

    (東京都千代田区大手町1−8−3、地下鉄大手町駅直結)
◇参加費 1人3万円(当日現金払い)

     5月17日(火)までにJHA入会を申し込まれた団体は3名まで無料
◇内 容
開催あいさつ 東京農工大学大学院 柏木孝夫教授
講 演 第1部 水素エネルギーパス
     「水素エネルギーパスをどう考えるか」(仮題)
     エイモリー・ロビンス氏(ロッキーマウンテン研究所)

     「世界の水素エネルギー社会化に向けた日豪協力の可能性」(仮題)  
   
     ビシー・カリ博士(タスマニア大学教授)
    第2部 日本の水素社会の担い手は誰か?〜パネル討論

     「我が国の水素エネルギーのオピニオンリーダー他、水素社会の担い手となる企業関係者などを交えたパネルディスカッション」
     「JHAの活動内容紹介」
     金田武司(ユニバーサルエネルギー研究所)
◇申込方法(5月18日(水)申込締切)

 メール(堀内 horiuchi@ueri.co.jp)またはファックス(03−5789−5757)にて下記の項目を明記の上、お申し込み下さい。
・件名:「5月19日セミナー参加希望」
・参加者貴名(フリガナ)
・貴団体名(フリガナ)
・参加者の部署・役職名
・電話、ファックス
・電子メールアドレス

■投稿
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☆愛知万博・燃料電池レポート?
○グローバル・ハウス

 ロシア連邦・サハ(ヤクート)共和国の永久凍土から発掘された「ユカギルマンモス」が展示されている博覧会協会の企画展示場の「グローバル・ハウス」のエントランスホールに2台、世界初という冷凍マンモスを展示しているマンモスラボ出口付近に1台、新日本石油製のLPG仕様のPEFCが展示されている。エントランスホールの銀河時計を動かす独立電源として利用されている。透明ケースに収められた燃料電池本体と貯湯槽はロビーのオブジェ風に置かれている。

☆日立グループ館

 昨年から今年にかけて、環境関係、エネルギー関係、IT関係の展示会で繰り返し試作機が展示された日立の「Nature Viewer」が初めて一般の利用に供された。次世代モバイル電源のホープと喧伝されつつ、最近では水素吸蔵合金(MH)による純水素利用の超小型PEFCの挑戦も受けているDMFCは愛知博では日立が唯一である。

 「Nature Viewer」はパビリオン前半の野生動物の展示を説明するポータブル情報ツールとして入口ゲートで入館者全員に貸し出される。入館者は動線に沿って移動しながら、展示物の前にある柱状のアクセスポイントにViewerを接近させると、信号が受信され、該当する情報が国際コンソーシアム規格のミニ・ハードディスクドライブで読み出され、マルチメディア・アプリケーション専用の1.5ギガビット/秒の高速データ転送が可能なプロセッサで処理されて、瞬時にモニターに説明文と画像が表示される。HDDは20ギガバイトの容量を持ち、動物の動画も見れる。電源は燃料電池とリチウムイオン電池のハイブリッド構成で、13時間連続稼動が可能。ディスポライターのメーカーの東海と共同開発したメタノール水溶液5cc入りのカートリッジで2時間発電できる。予約制入館で動線もスムースに流れていて館内の滞留がないので1人20分程度の使用で、Viewerの回収時にシースルーのカートリッジで残量を目視チェックして早めに交換している。Viewerは約600gとやや重い。量産プロダクツとなれば部品の高集積化、躯体の小型・軽量化で持ち易くなるだろう。

○NEDO新エネルギープラント(屋内施設)

 日本政府が出展している長久手日本館と独立行政法人・新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が出展しているNEDOパビリオンの配電系統はマイクロクログリッドを構成していて、負荷端末、自主電源が接続され、商用電力系統と1点で系統連系されている。

 このマイクログリッドの予想消費電力2200kWの2/3を供給し、長久手日本館の必要電力は全量、再生可能エネルギーで賄うのが基本方針。燃料電池3種類7台合計約1340kWをベース電源に、パビリオン周辺の屋外3カ所に設置された太陽光発電3種類約330kWを補助電源に、長久手日本館の消費電力に重点的に充当し、余剰電力をNEDOパビリオンの消費電力に振り向ける。マイクログリッドの不足電力は系統連系した商用電力の買電で補う。長久手日本館は、場所によっては異常繁殖して植生、土壌を破壊して竹害対策が迫られている竹の有効活用の一つとして、約23000本の竹を用いてトラス(桁)材、下地材、メッシュ材を組み合わせて90m×70m×19mの繭形のドームを作り、通風、遮蔽によって館内温度を下げ、空調負荷を軽減している。この自然材活用のパビリオンの電力を再生可能エネルギーで賄うことは、出展者の日本政府としては不可欠な演出である。とりわけ次世代の自動車と家庭用コジェネレーションのエネルギー源として育てる国家戦略を進めている燃料電池が政府館のエネルギーを支えていることは象徴的な意義がある。

 NEDO新エネルギープラントの中、MCFC2台はNEDOパビリオン地下の屋内に設置されている。このMCFCは有機廃棄物由来のバイオガスを主燃料に都市ガスを補助燃料に使っている。バイオガス発生装置は2種類あって、1つは生ゴミをメタン発酵させたもの、他は廃木材、ペットボトルなどを高温ガス化したものである。ガス発生装置はパビリオンの屋外に設置されている。

 メタン発酵システムとこれに接続したMCFCは中部電力の提供、高温ガス化システムとこれに接続したMCFCはトヨタ自動車の提供であるが、MCFCは共に石川島播磨重工業が製作した。MCFCは電解質に炭酸リチウムと炭酸ナトリウムを混合した炭酸塩を使い、炭酸塩が溶融状態になる約650℃で作動する。構成材料に金属を用いることができるので装置の大型化が比較的容易で高い発電効率を期待できる。高温型燃料電地は白金触媒を使用していないので、COによる触媒被毒の問題がない。メタンを燃料とするMCFCは出力350kWで、燃料電池の排気で作動するターボチャージャーで過給する。高温ガス化ガスを燃料とするMCFCは出力370kWで、燃料電池の排気で作動するマイクロガスタービンで過給する。高温ガス化ガスはメタンガスとのエネルギーの差分だけ出力増となっている。(次号へ)
(沼崎英夫)

■WEB LINK NEWS
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05/04/20 家庭でガス発電いかが 東邦ガス オール電化に対抗(中日新聞)

 4月の料金改定では、エコウィルを設置した場合にガス料金を5%安くする特別割引制度を新たに始めた。金融機関と提携し、住宅ローン金利を優遇する制度も7機関で実施している。一方、中部電力のオール電化住宅も順調に増えている。累計の採用戸数は04年末で18万戸を突破し、新規着工住宅の20%強を占める。07年度には30万戸突破を目指す勢いだ。東邦ガスは今後も「ガスはすごいことになっている」のCMシリーズを活用し、エコウィル普及に努める。さらに、次の一手は家庭向け燃料電池コージェネシステム。発電時に二酸化炭素を出さず、ガスの効率的利用が可能な次世代エネルギーで、05年度中に試験的な市場投入を目指す。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050420-00000014-cnc-l23

05/04/21 静岡ガスなど3社、1kWのFCシステムを開発−8月に一般家庭で実証(日刊工業新聞)

 静岡ガスと石川島芝浦機械(東京都中野区)、高木産業(静岡県富士市)は共同で、天然ガス改質の家庭用1キロワット燃料電池(FC)システムを開発、8月に最初の実証機を一般家庭に設置し、06年度からは国の大規模モニター実証に参加する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050421-00000018-nkn-ind

05/04/22 地域科学館連携支援事業に きっづ光科学館ふぉとん(京都新聞)

 日本初の光をテーマにした科学館「きっづ光科学館ふぉとん」(京都府木津町梅美台)の企画「光と化学から学ぶ新エネルギー−体験型・太陽電池と燃料電池」がこのほど、科学技術振興機構(埼玉県川口市)の2005年度地域科学館連携支援事業に選ばれた。今回は全国十五の科学館が対象となったが、京都府からは唯一、選出された。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050422-00000038-kyt-l26

05/04/26 「株式」新日鉱ホールディングス−個別銘柄ショート・コメント(フィスコ)

 3営業日続伸。グループのJエナジーは、2007年度までの3年間で、家庭用燃料電池など新規事業に約60億円を投資すると報じられている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050426-00000048-fis-biz

05/04/26 日本の電力会社は低評価 WWFが温暖化対策を採点(共同通信)

 環境保護団体の世界自然保護基金(WWF)ジャパンは26日、世界の主要電力会社71社の地球温暖化対策への取り組みを点数化した「電力会社スコアカード日本語版」を発表した。北海道電力が7位に入ったが、関西電力は48位、東京電力と中部電力は51位となるなど低い評価が相次いだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050426-00000228-kyodo-soci

■海外ニュース(4月―3)
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<輸送>
●インテリジェント・エナジーが燃料電池モーターバイクを発表

 インテリジェント・エナジー・ホールディングス社は、新しい燃料電池バイク「ENV」(emissions-neutral vehicle)を発表した。ENVバイクは、同社の着脱可能な燃料電池技術「CORE」を基礎として、時速50マイル以上で、そして燃料補給なしに4時間以上走ることができる。
http://www.intelligent-energy.com/index_article.asp?secID=15&secondlevel=796&artID=3709

<定置用電源>
●燃料電池と水素製造機を動物園に設置するプログレス・エナジー・フロリダ(05/03/01)

 プログレス・エナジー・フロリダは、フロリダ環境保護局(DEP)のためにホモサッサ・スプリングス州立野生公園に持続可能な水素製造機と燃料電池を設置中である。DEPとプログレス・エナジーは、協働でこのプロジェクトに資金を提供している。完全子会社のスチュワート・エナジー・システムズ社を通してハイドロジェニックス社が水素製造システムを提供する。燃料電池と5kWの太陽光発電システムは、講演のワイルドワイド・エンカウンター・パビリオンで使われている電気の一部を提供する。
http://www.progress-energy.com/aboutus/news/article.asp?id=11322

●フランクリンの燃料電池はガソリンで動く(05/03/23)

 フランクリン・フュエルセルズ社は、商業的に利用できるガソリンで100時間以上発電させ、同社の固体酸化物型燃料電池(SOFC)技術の柔軟性を実証した。ガソリンは、中央フィラデルフィアにあるBPステーションの小売り用から購入した。BPのガソリンは、フランクリン・フュエルセルズ社がテストに成功した6番目の燃料である。他の燃料は、ブタン、プロパン、水素、ディーゼルとナフサである。
http://www.franklinfuelcells.com/press_release_03.23.05.htm

<燃料/改質器/貯蔵>
●RTIインターナショナルはリサイクル可能な水素貯蔵技術のために160万ドルを獲得(05/03/09)

 RTIインターナショナル社の研究者は、環境的にきれいな燃料電池自動車のために、安定してリサイクル可能な水素の供給源になる水素燃料貯蔵技術の開発のために160万ドルを獲得した。米国エネルギー省との協力協定で資金が提供されるこのプロジェクトは、加熱して分解すると重量の約20%の純水素を放出するアミノボレンと呼ばれる物質を使う。今後4年間、RTI社の研究者は、水素自動車用の搭載燃料システムを設計し、水素を使い終わった水素貯蔵物質をリサイクル可能にする費用効率のいい製造工程を開発する。
http://www.rti.org/page.cfm?nav=89&objectid=0104CCF7-0D5A-43DD-8A1B420F22EA4AB1

●アストリス・エナジーが廃棄物から水素生産をするためにPETと組む(05/02/24)

 アストリス・エナジー社は、プラズマ・エンバイロメンタル・テクノロジーズ社(PET)と統合チーム協定を結び、PET社の水素を生産する廃棄物処理システムとアストリス社のアルカリ型燃料電池(AFC)技術を使った実用的な設備の開発を行う。PET社は、地方自治体における有害あるいは無害の固体廃棄物破壊して、水素が豊富な合成ガスに変換する plasma-assisted gasifier(PAG)技術の権利をキネクトリクス社と共同所有している。
http://www.astris.ca/NE/NE10.php?item=1109260374

<燃料電池コンポーネント>
●エココンポジットのプレートが成功裏に試験(05/03/22)

 エココンポジット社は、デイビスのカリフォルニア大学交通研究所で、同社が独自に開発したベッカー・フュエルセル・プレート技術のテストに成功したと発表した。2日間のテストは、エココンポジット社の独自なプレート技術が適切に機能して、通常燃料電池に使われている黒鉛プレートで期待される性能と同等であった。
http://www.ecocomposite.net/press1_03_22_05.html

<報告書/市場調査>
●クリーンエネルギーの動向2005

 クリーンエッジ社は、ソーラー、風力、燃料電池などのクリーンエネルギー市場に影響を与える要素を調査した新しい報告書「クリーンエネルギーの動向2005」を発表した。この調査書は、燃料電池と水素が次の10年間に9億ドルから151億ドルまで成長すると予測している。無料のレポートはwww.cleanedge.com.からダウンロードできる。

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■燃料電池ワールド
 □毎週水曜日発行
 □編集・発行:燃料電池NPO法人PEM−DREAM 

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