燃料電池ワールド (2005/04/20 12:10)

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□燃料電池ワールド
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■Vol.186 2005/04/20発行

                   ◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM

                        ◇http://www.pem-dream.com/

■お知らせ
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☆愛知万博「燃料電池どっぷりツアー」

 3月25日に開幕した愛知万博には、燃料電池や水素に関するいろいろな出展があります。PEM−DREAMでは、それらを集中的に視察し、加えて名古屋周辺の燃料電池関連企業への訪問や、宿泊は燃料電池を使っている名古屋栄ワシントンホテルプラザに泊まり、燃料電池を語り合う「燃料電池どっぷりツアー」を企画しています。大まかな骨子は以下のように決まりました。参加者の募集を始めるとともに、訪問先などの具体案は参加者の声を基に調整していこうと考えています。

○期日 7月7日(木)〜9日(土)
○集合 名古屋(解散も)
○主催 名鉄観光新霞が関支店
○企画 燃料電池NPO法人PEM−DREAM
○日程 
7月7日(木)昼頃名古屋集合。専用バスで名古屋周辺の燃料電池関連企業などを訪問。夜はウェルカムパーティ
7月8日(金)朝から万博会場視察。夜は自由行動
7月9日(土)朝から万博会場視察。自由解散
○宿泊 名古屋栄ワシントンホテルプラザ(シングルルーム使用)2泊。燃料電池の見学も予定。
○費用 一人5万5000円(上記費用一式。万博入場券は1日1枚のため2枚。名古屋までの交通費は自己負担)
○人数 15名程度
○申し込み・問い合わせは、メール info@pem-dream.comまで。

☆PEM−DREAM著『図解入門 よくわかる最新燃料電池の基本と動向』発売!
◇発行:秀和システム ◇体裁:A5版、2色刷、232頁 ◇価格:1680円(本体価格+税)
◇書店またはインターネットの本のサイトから入手できます。

■投稿
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☆愛知万博・燃料電池レポート 第1回(4回連載)

 現在開会中(9月25日まで)の「愛・地球博」(主催者制定の愛称。正式名称は「2005年日本国際博覧会」)には、以下のように2桁の台数の定置式燃料電池と燃料電池自動車が展示・運用されている。

[定置式燃料電池]
★固体高分子型燃料電池(PEFC)

 メーカー         台数  出展・運用場所     出展者

 トヨタ/アイシン精機   1   ガスパビリオン     日本ガス協会

 新日本石油        3   グローバル・ハウス   2005年日本国際博覧会協会
★固体酸化物型燃料電池(SOFC)

 中部電力/三菱重工業   1   ワンダーサーカス電力館 電気事業連合会

 三菱重工業        1   NEDOパビリオン   NEDO

 東邦ガス/住友精密工業  1   ガスパビリオン     日本ガス協会
★炭酸溶融塩型燃料電池(MCFC)

 中部電力/IHI     1   NEDOパビリオン   NEDO

 トヨタ自動車/IHI   1   NEDOパビリオン   NEDO
★りん酸型燃料電池(PAFC)
 NTTTファシリティーズ/東芝燃料電池システム

              4   NEDOパビリオン   NEDO

[燃料電池自動車]
★燃料電池バス(FCHV−BUS)
 トヨタ自動車/日野自動車 8   会場間輸送
★燃料電池自動車(FCV)

 トヨタ自動車           ナショナルデーホスト先導等

 ダイムラークライスラー      ナショナルデーホスト先導等

 このほか、日立製作所が日立グループ館の携帯型展示説明装置の電源にダイレクトメタノール型燃料電池(DMFC)を使用している。

 以下はこれらの概要である。

○ガスパビリオン

 去る2月8日の東京ガスのリース開始を皮切りに、今年から来年にかけて都市ガスをエネルギー源とする家庭用燃料電池コジェネレーション(熱電併給)システムの市場導入計画が目白押しで、日本ガス協会の会員会社で燃料電池コジェネの開発に関わっている企業も多々ある中で、パビリオンの展示は地元のトヨタ・グループのアイシン精機が開発した出力1kW級1台となった。

 展示ホールには冷蔵庫や風呂をキャラクターに仕立てたショートミュージカル「燃料電池エコミュージカル」のコーナーもあり、「環境にやさしいガスで電気を作る」燃料電池と日常生活とのつながりをPRしている。一般の目には付かないが、パビリオンの裏に東邦ガス/住友精密工業の小型SOFCが稼動している。低温型のPEFCのようにDSS運転は不向きで負荷変動の対応性は低いが、非貴金属触媒でも自己改質が可能で熱効率の高い高温型のSOFCは、セラミック利用技術の進歩で急速に実用性を増しており、大型電源と共に1kW〜数kW級の小型電源向けの開発が進んでいる。

○電力館

 電事連出展のパビリオンの前庭に、アイ・キャッチャー役のプロペラ型ミニ風車と、アモルファスの可撓性を活かした造形物を兼ねた太陽電池、箱型の燃料電池が設置されていて、それぞれ只今の発電量が、入場口上の電光表示板にリアルタイムで表示されている。風任せ、日照次第のめまぐるしく変わる天然エネルギー由来の発電とは対照的に、片や30kWの定格出力で微動もしない。中部電力/三菱重工業が開発したSOFCは、都市ガスを燃料として発電効率42%、30kWの熱供給も行っている。(次号へ)
(沼崎英夫)

■WEB LINK NEWS
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05/04/13 「万博ツアー任せてネ」 三重交通が新人バスガイド研修(中日新聞)

 この日は午前八時、四日市市の研修所で「教習バス」に乗り込み、伊勢市を経由して万博会場に向かった。車中では、解説書を参考に前夜考えたガイドを披露。午後二時ごろ長久手会場にさしかかり、指導員が「右に見える緑のバス。あれが燃料電池バスです」と説明すると、歓声を上げた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050413-00000006-cnc-l24

05/04/14 野崎教育賞:安富直樹さんら4人が受賞 /岡山(毎日新聞)

 40歳以下の県内若手教職員を対象にした第13回野崎教育賞(財団法人岡山県教育弘済会主催)の受賞者が12日、発表された。岡山市立清輝小教諭、安富直樹さん(35)▽同市立操山中教諭、森章博さん(40)▽中国・上海日本人学校教諭、川元彰さん(40)▽県立水島工高教諭、北田尚稔さん(38)の4人。川元さんは「生徒指導は教科指導から」を合言葉に、少人数指導のエキスパートとして教材や指導法を工夫・改善。北田さんは製鉄スラグ・火力発電灰を使った軽量骨材開発や、燃料電池車の完成といった研究活動に加え、環境分野のイベントにも参加して青少年の育成に貢献した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050414-00000264-mailo-l33

05/04/14 DJ-ミレニアム・セル、水素貯蔵開発で米エネルギー省と3年契約(ダウ・ジョーンズ)

 ニューヨーク(ダウ・ジョーンズ)発電用水素発生装置開発を手掛けるミレニアム・セル(Nasdaq:MCEL)は13日、化学的水素貯蔵の共同開発に関し米エネルギー省と3年間契約を結んだと明らかにした。契約により米エネルギー省は300万ドルを拠出、ミレニアムは、同省の水素貯蔵効率化目標を達成するため水素発生装置の開発を行う。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050414-00000017-dwj-biz

05/04/15 紀伊山地で風力発電−世界遺産そば 関電が計画(奈良新聞)

 世界遺産に昨年登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」から約8キロ離れた奈良、和歌山両県境の山の上に、関西電力が高さ100メートル前後の風力発電機の設置を計画している。地球環境保全への取り組みの一環として新エネルギー普及に役立てたいとするが、和歌山県教育委員会は文化的景観を重視し、計画に反対。県教委も慎重な対応姿勢を見せている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050415-00000009-nara-l29

05/04/15 大阪ガス、エネルギープラザ開設へ=5月9日からガス科学館で(時事通信)

 大阪ガスは15日、業務用、工業用の顧客に都市ガスだけでなく電力や液化天然ガス(LNG)などさまざまなエネルギーに関する情報を提供する「マルチエネルギープラザ」を開設すると発表した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050415-00000022-jij-biz

05/04/15 代替エネルギーの導入促進を=「脱石油」戦略で閣僚に指示−小泉首相(時事通信)

 首相は「(石油依存度を低下させるには)原発も大事だが増やすことはできない。地域の反対もある」と指摘。その上で「太陽光や燃料電池、風力など代替エネルギーを軽視せず、大いに力を入れて、世界で最も石油依存度の低い国になるよう全省庁あげて取り組んでほしい」と述べた。この指示を受け、各省は中長期的な脱石油戦略をまとめる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050415-00000303-jij-pol

05/04/16 エネ庁が架空組織に予算、3年度で2億円超(読売新聞)

 経済産業省資源エネルギー庁が財団法人「電源地域振興センター」に委託した広報事業で、実在しない委員会や協議会などの運営費の名目で、3年度にわたり計2億円を超す予算が計上されていたことが15日、読売新聞の調べで分かった。不自然な予算が計上されていたのは、資源エネルギー庁が同センターに委託している「地域振興計画策定等事業」と「専門家登録管理事業」の広報関連2事業。ところが、こうした委員会や連絡会議について、同センターは、「財団内にそのような名前の組織は存在しない」と回答。「内容的に似ているものがある可能性はあるが、いずれにしても、これだけの費用は使っていない」と話している。

 電源地域振興センターは、原子力発電所などが計画・稼働中の地域の産業振興や人材育成を図る目的で、1990年に発足した。元資源エネルギー庁長官が理事長を務め、残る常勤理事5人のうち3人が経産省OB、2人が電力会社の出向者で占められている。実態を伴わない予算付けについては、財団法人「社会経済生産性本部」に同庁が委託している「原子力なんでも相談室」事業でも既に見つかっている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050416-00000301-yom-soci

05/04/16 愛知万博 舞台裏見学の「バックヤードツアー」始まる(毎日新聞)

 循環型システムコースでは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が実証実験を行っている「新エネルギーによる分散型エネルギー供給システム」が見学できる。会場内のレストランから出た生ごみからメタンガスを取り出し、さらにメタンガスから取り出した水素を燃料電池に供給し発電。電気は長久手日本館などの電力を賄っており、先端環境技術の目玉になっている。コースを見学した大手ゼネコンで環境を担当する小笠原修一さんは「普段、耳にする技術ではあるが、実際に目で見て説明を受けると勉強になる」と言う。一方で、「もう少し、詳しく説明してほしかった」(名古屋市職員)、「専門的なものを見たかったが、2時間では短くて無理かな」(会社社長)などの声も聞かれた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050416-00000019-maip-soci

05/04/18 三菱自、燃料電池車を単独開発…ダイムラー提携は解消(読売新聞)

 経営再建中の三菱自動車は、これまで独ダイムラー・クライスラーと共同で進めていた燃料電池車の開発を、自社の単独開発に切り替える。巨額な開発費が必要な燃料電池本体の開発は行わず、車体に絞って開発する。経営再建の主導権がダイムラーから三菱グループに移ったことから、ダイムラーとの提携を解消し、路線転換を図る。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050418-00000501-yom-bus_all

05/04/18 滋賀県、太陽光発電新設住宅での補助制度開始(日刊工業新聞)

 滋賀県は05年度から太陽光発電設備を新設する県民を対象とした補助制度をスタートする。発電した電気を電力会社へ売電する際、電力会社が買いとる電気代に3年間にわたり1キロワット時10―5円を上乗せする。ランニングコストに補助する制度は国内で初めて。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050418-00000015-nkn-ind

05/04/18 米エネルギー省が見解「CO2規制、経済に影響なし」(読売新聞)

 試算は同省エネルギー情報局が担当。昨年末に、父親のブッシュ元大統領時代の米環境保護局(EPA)長官だったウィリアム・ライリー氏ら超党派の政策提言グループが政府に提出した長期戦略を前提としている。この戦略では、強制的な排出権取引を2010年までに導入することで、2025年の排出量を、何もしない場合より約7%削減することを目指している。試算では、この削減目標を達成した場合でも、原子力などの代替エネルギーの導入によって経済への影響は抑えられ、同年の国内総生産の0・15%以下の負担で済むという結果になった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050418-00000107-yom-int

05/04/19 ずさんな予算計上、説明渋るエネ庁に批判の声(読売新聞)

 実態のない同庁の予算付けはこれまでに、〈1〉財団法人「電源地域振興センター」への委託事業で、実在しない四つの組織の運営費として計2億円余り〈2〉同センターの「物産展」で、実際には廃止された広告の費用などとして計約2億円〈3〉財団法人「社会経済生産性本部」への委託事業である「原子力なんでも相談室」の運営で、実績のない「出張説明旅費」や、存在しない「事務室借料」として計約1億円――をそれぞれ計上していたことが判明している。いずれも、2003〜05年度の3年度にわたって、予算付けが行われていた。

 予算編成は通常、前年までの支出実績を考慮して行われる。情勢の変化に応じて、実績を上回る予算付けが行われることもあるが、今回は、前年の支出が全くないのに、予算が3年連続で計上されたり、存在しない組織の運営費なども計上されたりしていた。ずさんさが際立っており、土本武司・白鴎大法科大学院教授(刑事法)は「支出が全くないのに予算を計上し続けるのは、国民の税金をだまし取る詐欺的要素すら感じる」と話している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050419-00000208-yom-soci

05/04/20 社会保険庁、イベント開催名目で6年間に6億円計上(読売新聞)

 社会保険庁が1998年度以降6年間にわたり、この間に一度も行われていないか、実施が確認されていないイベントの開催費名目で、計約6億円に上る予算を計上していたことが19日、わかった。年金保険料などを財源とする「厚生保険特別会計」と「国民年金特別会計」の予算として計上された。実態を伴わない予算付けは、経済産業省資源エネルギー庁の「電源開発促進対策特別会計」で繰り返されていたことがわかっているが、別の特別会計でも行われていたことが判明したのは初めて。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050420-00000101-yom-soci

■海外ニュース(4月―2)
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<定置用電源>
●ペパレッジ・ファームに燃料電池を提供するフュエルセル・エナジー(05/03/10)

 フュエルセル・エナジー社とその供給パートナーであるPPL EnergyPlus社(PPLコーポレーションの子会社)は、250kW級 Direct FuelCellィ (DFCィ) 発電プラントを、コネチカット州ブルームフィールドにあるペパレッジ・ファーム製パン工場に供給する。この燃料電池プラントは、約20%の基幹電力を副産物として蒸気を作る熱とともに工場に提供するだろう。
http://www.corporate-ir.net/ireye/ir_site.zhtml?ticker=FCEL&script=412&layout=-6&item_id=683864
※Pepperidge Farm アメリカの食品メーカー「キャンベル社」が出しているクッキーなどのお菓子のブランド名

●コスモ石油はLPG改質型燃料電池を始める(05/03/01)

 コスモ石油とコスモ石油ガス株式会社は、東芝燃料電池システム株式会社の協力で、伊坂ダムサイクルパークでLPG改質型燃料電池システムの実証試験を始めたと発表した。
http://www2.cosmo-oil.co.jp/eng/press/050301/index.html

<ポータブル/バックアップ電源>
●アイダテックがリタールと契約(05/03/16)

 アイダテック社は、同社の燃料電池技術をリタール社の通信と情報技術システムに統合するために、リタール社と戦略的提携協定を結んだ。このぺートナーシップはまた、会社の製品の統合パッケージ、販売およびマーケティングを含んでいる。アイダテック社が最近開発した5kW、48VDCの ElectraGenェ5 バックアップ電源システムは、高度のモジュラーと拡張性を設計上の特徴としている。
http://www.idatech.com/media/news.html?article=70

<燃料/改質器/貯蔵>
●PNNLの研究者が新しい水素貯蔵物質を発見(05/03/21)

 パシフィック・ノースウエスト研究所の研究者たちは、これまでの水素貯蔵物質で考えられていた可能性よりもおよそ100倍早く水素を固体化合物から放出する方法を発見した。彼らは、この方法はゆくゆくは可逆的に設計され、貯蔵物質が再生利用されて、寿命が長い持続可能な水素貯蔵化合物を提供することが可能だと確信している。この水素貯蔵方法の特許は審査中である。
http://www.pnl.gov/news/2005/05-20.htm

●クエストエアーとフュエルセル・エナジーは水素精製技術の覚書に署名(05/03/07)

 クエストエアー・テクノロジーズ社は、フュエルセル・エナジー社の DirectFuelCellィ (DFCィ) 発電プラントの排気ガスから純水素を製造するために、クエストエアー社の水素精製技術を使うことを評価するためのフュエルセル・エナジー社との覚書(MOU)に署名した。
http://www.questairinc.com/investor_relations/press_releases/archived_releases/2005/03-07A.htm

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■燃料電池ワールド
 □毎週水曜日発行
 □編集・発行:燃料電池NPO法人PEM−DREAM 

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