燃料電池ワールド (2005/03/23 10:00)

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□燃料電池ワールド
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■Vol.182 2005/03/23発行

                   ◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM

                        ◇http://www.pem-dream.com/

■お知らせ
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☆愛知万博「燃料電池どっぷりツアー」

 3月25日に開幕する愛知万博は、燃料電池や水素に関するいろいろな出展が予定されています。PEM−DREAMでは、それらを集中的に視察し、加えて名古屋周辺の燃料電池関連企業への訪問や、宿泊は燃料電池を使っている名古屋栄ワシントンホテルプラザに泊まり、燃料電池を語り合う「燃料電池どっぷりツアー」を企画しています。大まかな骨子は以下のように決まりました。参加者の募集を始めるとともに、訪問先などの具体案は参加者の声を基に調整していこうと考えています。

○期日 7月7日(木)〜9日(土)
○集合 名古屋(解散も)
○主催 名鉄観光新霞が関支店
○企画 燃料電池NPO法人PEM−DREAM
○日程 
7月7日(木)昼頃名古屋集合。専用バスで名古屋周辺の燃料電池関連企業などを訪問。夜はウェルカムパーティ
7月8日(金)朝から万博会場視察。夜は自由行動
7月9日(土)朝から万博会場視察。自由解散
○宿泊 名古屋栄ワシントンホテルプラザ(シングルルーム使用)2泊。燃料電池の見学も予定。
○費用 一人5万5000円(上記費用一式。万博入場券は1日1枚のため2枚。名古屋までの交通費は自己負担)
○人数 15名程度
○申し込み・問い合わせは、メール info@pem-dream.comまで。

☆PEM−DREAM著『図解入門 よくわかる最新燃料電池の基本と動向』発売!
◇発行:秀和システム ◇体裁:A5版、2色刷、232頁 ◇価格:1680円(本体価格+税)
◇書店またはインターネットの本のサイトから入手できます。

■PEM−DREAMニュース
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☆「平成16年度JHFCセミナー」報告(下)

 2日目の3月11日は、日本及び世界各国・団体の実証試験の取り組みについて報告された。日本の取り組みについては安藤晴彦氏が講演した。安藤氏の肩書きは長く、経済産業省資源エネルギー庁長官官房企画官(国際戦略・燃料電池担当)(併)省エネルギー・新エネルギー部燃料電池推進室長である。

 2005(平成17)年度の燃料電池関連予算案は354億円が投じられ、以下のような特徴がある。
1.世界初の市場立ち上げ(定置用燃料電池)

 ○高分子形燃料電池実用化戦略的技術開発(新規)ーートップ企業連携による劣化要因解明プロジェクト

 ○定置用燃料電池大規模実証事業(新規)ーー大量生産へのステップアップ・ラーニングカーブ検証
 ○スペック整合化検討(モジュール化戦略の活用)
2.サイエンス・異分野のナレッジの融合・結集
 ○高分子形燃料電池実用化戦略的技術開発ーー異分野連携
 ○燃料電池先端科学研究委託費ーー産総研「若手梁山泊」

 ○燃料電池導入促進戦略広報等事業(新規)ーー異分野先端企業、中小ベンチャー企業の参入促進、世界的ラボとの交流促進
3.技術選択肢としての高温形燃料電池の強化
 ○固体酸化物形燃料電池システム技術開発

 国際的な動きも、世界初の水素社会をめざすアイスランドに続いて、水の都ヴェネツィアもオール燃料電池を目指し、アルゼンチンでは風力から水素生産を行うことが検討されていると報告された。安藤氏は、「燃料電池開発は、実は、人類と地球を救うプロジェクトである」「国家百年の大計であり、世界共通のチャレンジ」として、「ガソリン車では今後100年は乗り越えられないという前提」のもとの「不確実性の長丁場」であり、「あきらめたら終わりになる」「最も大事なものは、創造的個人の希望と情熱」だと、そのスタンスを語った。

 アメリカからは、エネルギー省(DOE)のSteve Chalk 氏が「米国の水素プログラム」と題する講演をした。
・我々のプログラムは、将来下がる石油依存度によって動かされている。水素は普遍的な燃料であり、原料の多様性が供給、価格の安定性をもたらす。原料で言えば、長期的には天然ガスが主要な役割を担うかどうかは分からない。
・戦略的にはハイブリッド車は短期的な対策であり、効率だけでは問題解決はできない。置き換えることが必要だが、車両を水素に置き換えるには50年くらいかかるだろう。
・アメリカはまだ日本のようには進んでおらず、学習実証プログラムが始まったばかりだ。2015年の商業的実用化を目指している。
 

 ヨーロッパについてはEUの担当者が来日できなかったので、ダイムラークライスラーのKlaus Bonhoff 氏が「ヨーロピアン・コミッション・ステイツメント」と題して講演した。EUは燃料電池の意義について、エネルギー源の多様化に重きを置いている日米とは違って、環境負荷低減効果に熱心である。どのような方法で水素を生産するかという水素パスの解明に力を注いでいる。前日の石谷久氏の総合効率の講演でも、文献データによってJHFCプロジェクト関連パスを中心に82通りのパスで計算していると報告があった。パス(pass)という聞きなれない言葉が今後はよく使われるようになる予感がした。

 このほか、カリフォルニア・パートナーシップやダイムラークライスラーの取り組み、アジア・豪州におけるFCVプロジェクトの報告などの講演が行われた。2日間にわたる各講演の資料は、JHFCのホームページ
http://www.jhfc.jp/kouen/index.html)に掲載されたので、講演内容や各種のデータについては参照していただきたい。

■WEB LINK NEWS
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05/03/16 県子ども総合科学館:エネルギーを身近に、人力発電など体験−−企画展
 /栃木(毎日新聞)

 同展では、ハンドルを回す力で電球をともす人力発電や、電灯の光を照らしてミニソーラーカーを走らせるコーナーなどがあり、一般には分かりにくいエネルギーについて、実際に体験することで身近に感じられるよう構成されている。会場には、電気、原子力、燃料電池、風力発電など新旧のエネルギーについて説明するパネルも展示されている。同展は4月10日まで。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050316-00000138-mailo-l09

05/03/16 太陽電池:「夢は海中で発電」 日南工業高の3人、国際学会発表に向け研究中 /宮崎(毎日新聞)

 研究のきっかけは昨年8月、平川君が油津港に釣りに行ったこと。広い海を見て「屋根に太陽電池を乗せても台風や地震で壊れてしまう。津波の影響を受けないくらい深い海中に設置できないだろうか」と考えた。3人から相談された電気部の湯地敏史顧問(28)は当初「太陽電池を海面に浮かべる研究はあるが、海中に置くのは突拍子もないと思った」という。だが、水槽と円形太陽電池(直径12センチ)で実験するうち、「水中では発電効率が下がる」という定説とは逆に、効率が上がるデータが得られた。この結果を学会関係者に話すと、発表してほしいと依頼されたという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050316-00000194-mailo-l45

05/03/17 国産有人宇宙船20年以内に、東京―ロス2時間飛行も(読売新聞)

 一方、航空分野では国際競争力を持つ技術の獲得を目標に、約10時間かかる東京―ロサンゼルス間の飛行時間を5分の1に短縮する、水素燃料の極超音速機の開発を目指す。30年以降の実用化を想定し、25年までに無人機で技術を実証する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050317-00000101-yom-bus_all

05/03/17 家庭用FCモニター補助事業、大ガスや石油6社も参加(日刊工業新聞)

 家庭用燃料電池(FC)の大規模モニター補助事業について、大阪ガスは05年度上期から天然ガス改質で三洋電機など3メーカーと組んで実証に着手し、06年度から実用ステージに乗せる。さらにLPG(液化石油ガス)改質で石油業界も新たに昭和シェル石油、九州石油、太陽石油が同事業に参加する予定。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050317-00000020-nkn-ind

05/03/17 「低炭素社会」に向け協調=環境閣僚会合(時事通信)

 【ロンドン16日時事】主要8カ国(G8)や新興市場国など20カ国のエネルギー、環境担当閣僚が集まり、政策の調和について話し合うエネルギー・環境閣僚円卓会合が15、16の両日にロンドンで開かれた。会合では「低炭素社会」に向けた国際協力について協議。「環境問題について先進国、途上国間でも一定の問題は共有できるとの認識」(経済産業省の平田耕一政務官)で一致するとともに、今後もこうした意見交換の場を継続していく方針を確認した。 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050317-00000486-jij-int

05/03/17 ものづくり遊んで触れて 名商パビリオン完成 愛知万博(中日新聞)

 【愛知県】愛・地球博(愛知万博)に名古屋商工会議所が出展する期間限定のパビリオン「モノづくりランド シンフォニア」の完成式が十六日、長久手会場であった。遊びながらものづくりを学べる展示品が多く、鋳物で作った恐竜やペダルをこぐと四本足が動くマンモスの乗り物、一人乗りの小型燃料電池車などがある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050317-00000016-cnc-l23

05/03/17 高校入試:公立高後期入試 3万5000人が“春”目指す /大阪(毎日新聞)
 ■出題のねらい(定時制は除く)

 ◆理科 燃料電池の仕組み、軽く触るだけで自動改札機を通過できるICカードの仕組み、金星の太陽面通過などを取り上げ、身の回りの事象を科学的に考察する力をみた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050317-00000259-mailo-l27

05/03/17 こんな静かに時速80キロ! - 燃料電池バイク「ENV」の開発に成功(MYCOMPC WEB)

 英Intelligent Energyは、水素燃料電池で駆動するバイク「ENV(EmissionsNeutral Vehicle)」を発表した。プロトタイプとして開発が進められたものの、今後も実用化を視野に入れつつ、さらなる改良が重ねられていく。ENVは、着脱可能なPEM(Proton Exchange Membrane)型の燃料電池システム「CORE」を搭載し、水素燃料と電動バッテリのハイブリッド方式を採用している。これにより同社では、最長4時間の連続走行、最高時速50マイル(80キロメートル)の高速走行性能を実現したとされている。COREのエンジン音は、一般的なPCの駆動音と比較できるほど静かなようで、排出される水も非常にクリーンであるため、環境に優しい次世代の乗り物として紹介されている。

 今後も改良を重ねることで、ENVは、さらなる走行性能の向上などが目指されるようだ。なお、騒音問題などと取り組む英Noise Abatement Societyの報告によれば、12秒の加速で時速50マイルに達する快適なライディングの最大の特徴は、あまりにも静かなエンジン音にあるとされ、安全性を考慮して、Intelligent Energyでは、ENVに人工的なエンジン音を出させる装備を追加することも検討しているという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050318-00000093-myc-sci

05/03/19 実験工作など楽しみながら学ぶ 木津で「地球にやさしいエネルギー展」(京都新聞)

 20、27の両日は、水素を燃料にし無公害として期待されている「燃料電池自動車試乗会」が行われる。入館料は大人300円、高校生200円、小中学生100円。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050319-00000017-kyt-l26

05/03/21 萩尾高圧容器、FC用LPガス新供給方式の実証実験(日刊工業新聞)

 【松山】萩尾高圧容器(愛媛県新居浜市、萩尾智社長、0897・46・3111)は、家庭用の液化石油ガス(LPG)を燃料に使う「燃料電池用LPガス新供給方式」の実証試験を4月1日から行う。三菱液化ガス(東京都千代田区、石黒俊雄社長、03・3211・6231)との共同実施でLPGを水素供給源として確立する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050321-00000017-nkn-ind

05/03/22 WSJ-米エンテグリス、マイクロリスを5.8億ドルで買収(ダウ・ジョーンズ)

 エンテグリスはミネソタ州に本社を置き、半導体、データ・ストレージ、生命科学、燃料電池などの市場で使用される先端的な部品やサービスを提供している。一方、マイクロリスの本社はマサチューセッツ州、半導体製造過程で使用される精密ろ過フィルターの開発製造を手掛ける。新会社の社名はエンテグリスを継承する計画だが、北米全体や欧州のほか、日本、台湾ほかアジア地区に強固な営業拠点を持つことになる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050322-00000015-dwj-biz

05/03/22 凍った天然ガス「メタンハイドレート」:米で採掘調査開始(WIRED)

 約5700兆立方メートルのメタンハイドレートが海底に存在すると推定されており、米エネルギー省では2015年までに商業生産を目指す、本格的な調査のための『国家メタンハイドレート・プログラム』を進めている。ヘブン国立研究所の研究者らは13日(米国時間)、海底での高圧・低温という状態を再現する卓上の研究装置の完成を発表した。これにより、科学者たちは不安定な凍結ガスを海面まで運ぶ方法を研究できるようになる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050322-00000005-wir-sci

05/03/22 ハイブリッド初のSUV トヨタ、2車種発売(共同通信)

 トヨタ自動車は22日、ハイブリッドシステムを搭載したスポーツタイプ多目的車(SUV)の「ハリアーハイブリッド」と「クルーガーハイブリッド」を発売した。エンジンと電気モーターを併用するハイブリッド車のSUVの発売は、国内メーカーでは初めて。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050322-00000205-kyodo-bus_all

05/03/22 【企業パビリオンB編】ロボットショー中心のトヨタグループ館など(impress Watch)
●ガスパビリオン「炎のマジックシアター」

 展示ホールでは、家庭用燃料電池やガス冷房など天然ガス関連技術、コジェネ技術が紹介されている。なかでも、未来のエネルギーとして注目されている「メタンハイドレート」の展示が注目だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050322-00000025-imp-sci

■海外ニュース(3月―2)
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<輸送>
●日産が自社開発燃料電池スタックと水素貯蔵容器を開発

 日産自動車は、同社初の自社開発燃料電池スタックと新しい高圧水素容器を開発した。この新技術は、燃料電池自動車が要求する加速性能や航続距離といった性能を著しく改善している。日産は総合的な性能と信頼性を更に改善するために、新しい燃料電池スタックの車載試験を始める。高圧水素容器は、70MPa高圧水素容器として日本の高圧ガス保安協会(KHK)の認可を取得している。内部をアルミニウム製ライナーで作り、外側に高強度・高弾性のカーボンファイバーを幾重にも巻き付けている。
http://www.nissan-global.com/EN/STORY/0,1299,SI9-CH181-LO3-TI1321-CI979-IFY-MC109,00.html

<定置用電源>
●アイダテックはフットヒルズ環境学習センターに取り付けを開始

 IDACORPの子会社であるアイダテック社は、アイダホ州ボイジーのフットヒルズ環境学習センターで5kW級燃料電池の取り付けを開始した。アイダテックパワー社とボイジーを拠点とするインターマウンティン・ガス社が共同で先端技術の発電設備を寄贈した。このユニットは天然ガスが燃料となる。IDACORPは、購入と燃料電池の取り付けに要する資金の半分と、センターの電力線の拡張を提供した。インターマウンティン・ガス社はこのプロジェクトに天然ガスを供給する費用だけでなく、購入費用の残りの半分も負担した。
http://www.idahopower.com/newsroom/pressreleases/20050131_1.htm
※ボイジー(Boise) 米アイダホ州の州都

<燃料/改質器/貯蔵>
●マツダは日本で水素ステーションの認可を受ける

 マツダは政府当局から、進行中の水素自動車の研究開発のために燃料の貯蔵と供給を行う充填ステーションの認可を受けた。新しい水素ステーションは広島のマツダ本社の敷地内に設置され、2005年の2月早々に公式に稼働を始めた。それは西日本の中国地方で最初の充填ステーションである。
http://www.mazda.com/publicity/release/200502/0216e.html

<燃料電池コンポーネント>
●Pdcマシーンズのコンプレッサーはヨーロッパの規則を満たす

 Pdcマシーンズ社は、ヨーロッパのCE、ATEX、PED規則に適合するダイアフラム・コンプレッサーを製造するアメリカで最初の企業である。これらのコンプレッサーは、ヨーロッパがきれいな環境を導く広範囲に代替できる再生可能エネルギーの開発という目的を実現するための重要な役割を果たすだろう。ヨーロッパのCUTEプロジェクトの一部として、1台のコンプレッサーがスペインのマドリッドで稼働している。そして、別のものがスウェーデンのストックホルムに予定されていて、ともに水素によるバスの実証に燃料を供給する。
http://www.pdcmachines.com/

<その他>
●アイダテックはドイツ・オフィスを開設

 アイダテック社は、IDATECH Fuel Cells GmbH という名称でドイツのノルトライン・ヴェストファーレン州のヘルテンにヨーロッパで初めてのオフィスを開設した。
http://www.idatech.com/media/news.html?article=69

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■燃料電池ワールド
 □毎週水曜日発行
 □編集・発行:燃料電池NPO法人PEM−DREAM 

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