□燃料電池ワールド
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■Vol.181 2005/03/16発行
◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM
■お知らせ
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☆愛知万博「燃料電池どっぷりツアー」
3月25日に開幕する愛知万博は、燃料電池や水素に関するいろいろな出展が予定されています。PEM−DREAMでは、それらを集中的に視察し、加えて名古屋周辺の燃料電池関連企業への訪問や、宿泊は燃料電池を使っている名古屋栄ワシントンホテルプラザに泊まり、燃料電池を語り合う「燃料電池どっぷりツアー」を企画しています。大まかな骨子は以下のように決まりました。参加者の募集を始めるとともに、訪問先などの具体案は参加者の声を基に調整していこうと考えています。
○期日 7月7日(木)〜9日(土)
○集合 名古屋(解散も)
○主催 名鉄観光新霞が関支店
○企画 燃料電池NPO法人PEM−DREAM
○日程
7月7日(木)昼頃名古屋集合。専用バスで名古屋周辺の燃料電池関連企業などを訪問。夜はウェルカムパーティ
7月8日(金)朝から万博会場視察。夜は自由行動
7月9日(土)朝から万博会場視察。自由解散
○宿泊 名古屋栄ワシントンホテルプラザ(シングルルーム使用)2泊。燃料電池の見学も予定。
○費用 一人5万5000円(上記費用一式。万博入場券は1日1枚のため2枚。名古屋までの交通費は自己負担)
○人数 15名程度
○申し込み・問い合わせは、メール info@pem-dream.comまで。
☆PEM−DREAM著『図解入門 よくわかる最新燃料電池の基本と動向』発売!
◇発行:秀和システム ◇体裁:A5版、2色刷、232頁 ◇価格:1680円(本体価格+税)
◇書店またはインターネットの本のサイトから入手できます。
■PEM−DREAMニュース
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☆「平成16年度JHFCセミナー」報告(上)
今回で3回目となるJHFCセミナーが3月10、11日の両日、パシフィコ横浜で開催された。当初計画では今回で最終年度となる予定だったが、途中から1年延長になり、2005年度まで続けられることとなった。JHFC、正式名称「水素・燃料電池実証プロジェクト」は政府の燃料電池自動車普及シナリオの基盤整備・技術実証段階(2000〜2005)に沿って、いよいよ大詰めにさしかかってきた。資金補助率100%の国家プロジェクトとして行われているJHFCの成果報告も、これまで積み上げてきたデータが姿を現し始めたと言えるだろう。
今年のセミナーは、1日目はJHFCの年次活動報告、2日目は海外の実証試験の動向について、プログラムが組まれた。セミナー以外にも屋内外の展示会、燃料電池自動車試乗会、燃料電池バスで行くテクニカル・ツアーと盛りだくさんで、スケールアップされた。会場も、昨年は東京プリンスホテルで希望者が入りきれなかったことを踏まえてパシフィコ横浜になり、会期も1日増えて2日間となった。
特に注目を集めたのは、石谷久慶応大学教授の2つの報告だった。ひとつは「自動車領域・試験結果」、今ひとつは「総合効率検討結果」で、石谷教授はどちらも正確な理解を求めて、慎重でかつ詳細な報告を行った。特に燃費に関する「自動車領域・試験結果」報告は具体的な数値が示され、その根拠となるデータの取得では自動車メーカーの協力に謝辞を述べられた。自動車開発の最先端での協力には、なかなか微妙な問題があるようだと感じた。
燃料電池自動車の省エネルギー効果を示す燃費についての数字が初めて明らかにされた。10・15モード燃費測定結果では、FCV(燃料電池自動車)はICV(内燃機関自動車)・HEV(ハイブリッド自動車)に比べて、車両重量当たりの燃費が改善されることが確認された。ガソリン等価燃費で比較した数字は以下のようになった。単位はkm/L gas.eq.である。
ICV群カタログ燃費:平均値10.2 トップランナー11.1
HEV群カタログ燃費:平均値20.7 トップランナー25.0
FCV群実測値 :平均値23.8 トップランナー31.0
比較に用いた車は、以下の車種である。これは公道走行試験も同じである。
ICV使用車種:クルーガー、X−TRAIL、CRーV、ザフィーラ、Aクラス、グランディス、ワゴンR
HEV使用車種:プリウス、旧プリウス、エスティマハイブリッド、ティーノハイブリッド、インサイト
FCV使用車種:FCHV、X−TRAIL FCV、FCX、HydroGen3,F−Cell、三菱FCV、ワゴンR−FCV
10・15モード燃費は実際の燃費と違うが、ガソリン車では測定方法が確立しているのでカタログデータが使える。FCVについてはシャシダイナモ(台上)試験を行い、試験用水素容器を車外に設置して水素容器の質量をモード走行前後で計測して車両側測定水素消費量を検証した。実際に走るのではなく、メーターの上でタイヤを回転させて測る試験である。上記の数字のうち、FCVのトップランナー30.1というのは、燃料電池スタックの最高効率が50%くらいのレベルだそうだ。モデル計算値によれば、55%時で34.5、60%時で38.0、65%時で41.4になるそうで、燃料電池の性能が良くなればまだ伸びることが予測されている。
公道走行による実燃費の比較では、2004年4月から12月までの9カ月間データの取得が行われた。エアコンオンの場合とオフの場合の2通りでデータ取得が行われ、オンではICVは843、HEVは765、FCVは2006が、オフではICVは347、HEVは410、FCVは478という数に上っている。実走行では同じ条件は2つとなく、単純な比較ができない。燃料の消費量を全走行距離で単に割り算しただけのアバウトなものではなく、数値に意味を持たせるために膨大なデータが集められた。
このデータは、その一つが5分毎となっていて、FCVの場合は5分毎の走行距離、水素消費量から各5分毎の平均車速と水素消費率を、ICV・HEVではガソリン消費量から同じく5分毎の車速と燃費を算出している。その上で車重による影響を補正し、水素消費率をガソリン等価燃費に換算し、等々というような複雑な作業を行い、平均車速とガソリン等価燃費のグラフを作成した。実燃費は10・15モード燃費より3割くらい下がっている。
こうして取得した実走行時燃費分析の知見として、以下のことを述べている。
・FCVはオリジナルのICVや参考比較のHEVに比べて、車両重量当たりの燃費が改善されることが確認された。特に中高速域での燃費改善効果が高い。
・FCVでのエアコンのオンオフでの影響は、高速域で影響が少なく、低速域では他の車両と同様にエアコン使用で燃費が悪化することを確認した。特にトップレベルの車ほど影響を受けることが確認された。
・シャシダイナモ上の10・15モード測定結果と実走行データ(エアコンオフ)との比較は、同一速度で概ね対応する結果が得られた。その差についてはICVと同様に主として加減速加速度の差と停止時間、停止回数の差によると推察される。
■WEB LINK NEWS
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05/03/09 中規模都市で排出増の予測 家庭やオフィスのCO2(共同通信)
高齢化や核家族化が進む一方で、オフィスや商業施設の大型化が続くと、人口10万−100万人の中規模都市での二酸化炭素(CO2)排出が、2010年には100万人以上の大都市と比べて目立って増えるとの予測を、民間の研究機関、環境自治体会議・環境政策研究所(東京)が9日発表した。地域ごとのエネルギー消費や世帯動向の変化に基づき、各市町村の2000年と2010年のCO2排出量を推計。その結果、100万人を超える大都市では増加率25%を超えたのが4割だったのに対し、30万−100万人の自治体では6割強、10万−30万人の自治体では約7割に達した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050309-00000196-kyodo-soci
05/03/11 出光、LPG改質家庭用FC実用化へ大規模モニター事業参加(日刊工業新聞)
出光興産は液化石油ガス(LPG)改質の家庭用燃料電池(FC)実用化に向けて、新エネルギー財団が05年度から行う大規模モニター補助事業に当初から参加する。FCメーカーからFCスタックの供給を受けてまず年間数十台を導入する。設置するのは系列のLPG特約店の個人宅などを予定しており、普及に向けて特約店と一体でメンテナンスの習得にもあたる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050311-00000024-nkn-ind
05/03/11 世界の風力発電20%の伸び 地球温暖化対策で増加(共同通信)
昨年1年間に世界各地で新設された風力発電施設の発電規模は、前年から20%増え、大型原発7基分に匹敵する計797万6000キロワットに上ることが、業界団体である世界風力エネルギー協会(GWEC、本部・ベルギー)のまとめで11日までに分かった。スペインとドイツでは、地球温暖化対策もあって約200万キロワットも増えたのに対し、日本はその10分の1足らずの19万キロワット弱。米国やインド、中国よりも少なく、日本の遅れが目立った。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050311-00000032-kyodo-soci
05/03/11 DJ-ミレニアム・セル、燃料電池発電システムを米空軍に納入(ダウ・ジョーンズ)
ニューヨーク(ダウ・ジョーンズ)発電用水素発生装置開発を手掛けるミレニアム・セル(Nasdaq:MCEL)は、携帯用高性能燃料電池発電装置製造の非公開企業プロトネクス・テクノロジーと共同開発した30ワット携帯用燃料電池発電システムを米空軍に納入した。これは、戦場に長期間滞在する兵士が使用するためのもの。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050311-00000023-dwj-biz
05/03/15 後退するヒマラヤの氷河…数十年後には数億人が水不足(読売新聞)
世界自然保護基金(WWF)は14日、地球温暖化の影響で、ヒマラヤの山岳地帯の氷河が年間10〜15メートルの割合で後退しており、数十年後には氷河を水源とする川の流量が低下して、数億人が飲み水不足に陥ると警告した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050314-00000416-yom-int
05/03/15 トヨタと日野、新交通システムと燃料電池バスを博覧会協へ引き渡し(日刊工業新聞)
トヨタ自動車と日野自動車は14日、愛・地球博(愛知万博)の輸送手段となる新交通システム「IMTS」と燃料電池ハイブリッド(FCHV)バスを、2005年日本国際博覧会協会へ引き渡す式典を行った。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050315-00000010-nkn-ind
05/03/15 大陽日酸、燃料電池車向け水素ガス高圧充填装置を開発(日刊工業新聞)
大陽日酸は燃料電池車に70メガパスカルの圧力で水素ガスを充填できるディスペンサー(充填装置)を開発した。ディスペンサーの高圧力化は燃料電池の本格的な普及には欠かせない技術で、これにより1回のガス充填で走行できる距離を現在の1・6倍に延ばすことができるという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050315-00000023-nkn-ind
05/03/15 東芝の燃料電池PCが初の実動デモ(impress Watch)
東芝は、これまでもいくつかの展示会で燃料電池のコンセプトモデルやモックアップを展示してきたが、今回、市販のノートPCを用いて初の実動デモを行なった。燃料電池ユニット自体は先のCES2005で展示されたものと同じ。ノートPCは「PortegeR100」。10ccのメタノールを利用し、平均消費電力13Wの場合で、およそ10時間の動作が可能といい、時間的には一般のバッテリを凌ぐ。同社担当者によれば、安定性の面で実用レベルまで上がってきたため、実動デモをするに至ったということだが、製品化にあたってはさらなる小型化を目指すという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050315-00000004-imp-sci
05/03/16 米エネルギー法案可決濃厚 石油の中東依存低減 京都議定書離脱、進む独自政策(産経新聞)
また、水素燃料電池の開発にも力を入れようとしている。ブッシュ政権は水素燃料電池車の実用化のため、今後、五年間で十二億ドルの予算拠出を予定している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050316-00000000-san-int
■海外ニュース(3月―1)
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<輸送>
●ホンダがラスベガスに2台リース
ラスベガス市は2年間、2台のホンダFCX燃料電池自動車を1台当たり月500ドルでリースする。FCX燃料電池自動車は、市営の水素ステーションで燃料を補給する。2台のホンダ車はネバダ州で唯一の燃料電池駆動車で、米国で走行するホンダの総台数は14台に増加する。
http://world.honda.com/news/2005/4050203.html
<ポータブル/バックアップ電源>
●NTTがマイクロPEFCの試作機を開発
日本電信電話株式会社(NTT)は、燃料に水素ガスを使い、携帯電話に直接搭載可能な大きさのマイクロ固体高分子型燃料電池(PEFC)の試作機を開発した。NTTによると、量産品の携帯電話を使った試験で、試作した燃料電池は成功裏に起動し、受発信を行った。
http://www.ntt.co.jp/news/news05e/0502/050222.html
<燃料/改質器/貯蔵>
●シェブロンテキサコ、現代とUTCがカリフォルニアに新しい水素ステーションを開設
シェブロンテキサコ・グループの子会社であるシェブロンテキサコ・テクノロジーベンチャー社は本日、カリフォルニア州の現代・起亜アメリカ技術センターで最初の水素エネルギーステーションを発表した。このプロジェクトは、米国エネルギー省(DOE)の「水素自動車フリートおよびインフラストラクチャー実証・確認プログラム」の一環として行われている。カリフォルニア州チノ市に設置した水素エネルギーステーションは、安全で実用的な水素技術を実環境下で実証するDOEとの5年間の資金分担計画の一部である。シェブロンテキサコ社はこのプロジェクトを、現代自動車、UTCフュエルセルズと協同して行っている。クエストエアー・テクノロジーズ社は、天然ガスから製造する水素精製で使うH−3200水素精製装置を提供した。
http://www.chevrontexaco.com/news/press/2005/2005-02-18_1.asp
<報告書/市場調査>
●水素インフラストラクチャ
ABIリサーチ社からの新しい研究は、自動車用の燃料電池産業は、市場の期待に添うならば2012年までに水素インフラを構築しながらおよそ20億ドルを投資しなければならない、と判断している。「水素インフラストラクチャ」は、全ての主要な燃料電池車生産に不可欠となる生産と流通パスを評価し、水素生産の燃料源のポテンシャルを示している。
http://www.abiresearch.com/products/market_research/Hydrogen_Infrastructure
<その他>
●フィデリスがスイスにオフィスを開設
フィデリス社はスイス・チューリッヒに、「フィデリス・テスト・ソリューション」と名付けた新しいオフィスを開設した。新オフィスはヨーロッパ、中東とアジアの顧客に役立つだろう。
http://www.fideris.com/DesktopDefault.aspx?tabid=2592
※フィデリス社(Fideris Inc.) 昨年8月にリンテク・インダストリーズ社から社名変更した。詳しくは、
http://prw.kyodonews.jp/a2web/jbn3/prwire/release/kaigai_body.jsp?cmpid=0010&relID=200408031637
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□編集・発行:燃料電池NPO法人PEM−DREAM
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