燃料電池ワールド (2005/02/02 10:20)

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□燃料電池ワールド
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■Vol.175 2005/02/02発行

                   ◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM

                        ◇http://www.pem-dream.com/

■お知らせ
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☆『図解入門 よくわかる最新燃料電池の基本と動向』発売!
◇発行:秀和システム ◇体裁:A5版、2色刷、232頁 ◇価格:1680円(本体価格+税)
◇書店またはインターネットの本のサイトから入手できます。

■燃料電池関連イベント
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☆「水素エネルギー・燃料電池セミナー in おおさか」
◇と き:2月7日(月)10:30から16:40
◇ところ:グランキューブ大阪(大阪国際会議場)10階会議室
 (所在地:大阪市北区中ノ島5−3−51)
◇主 催:おおさかFCV推進会議
◇参加料:無料(要 事前申込)
◇定 員:500名(定員になり次第締め切ります)
◇申込方法 次のホームページからお申し込みください。
  http://www.epcc.pref.osaka.jp/kanri/fcv/top.html
◇プログラム(都合により、テーマ、講師等が変更となることがあります):10:30〜
〇基調講演
・「水素社会への挑戦と中小企業のビジネスチャンス」
 経済産業省資源エネルギー庁 燃料電池室室長 安藤 晴彦
〇特別講演
・「愛知万博に導入される新エネルギー」

 (財)2005年日本国際博覧会協会事業企画本部調査役 根本 宏13:00〜
〇講演(大阪・関西を元気にする水素・燃料電池関連企業の取り組み)   

 コーディネーター:近畿経済産業局総務企画部参事官 村木 哲男
・「おおさかFCV推進会議の取り組み」
 大阪府環境農林水産部循環型社会推進室参事 佐藤 健二
・「燃料電池を支える水素インフラの取り組み」
 岩谷産業(株)ガス技術部シニアマネージャー 建元 章
・「天然ガスパイプラインを活用した水素インフラ形成への取り組み」
 大阪ガス(株)エンジニアリング部マネージャー 東 隆行
・「低温作動SOFC発電システム開発の取り組み」
 関西電力(株)エネルギー利用技術研究所主席研究員 山崎 啓
・「燃料電池搭載小型移動体開発の取り組み」

 (株)栗本鐵工所事業企画室燃料電池部マネージャー 福井 茂雄
・「燃料電池自動車開発の取り組み」
 ダイハツ工業(株)E・HV開発部長 北村 晏一
・「水電解水素発生装置を核にした水素事業の取り組み」
 日立造船(株)事業開発推進室統括部長 加藤 剛
・「家庭用燃料電池の実用化に向けた取り組み」

 松下電器産業(株)FC事業開発室グループマネージャー 山本 義明〇質疑応答・とりまとめ

☆水素エネルギー協会「第114回定例研究会」
◇日 時:2月18日(金)13:30〜15:50( 受付12:50〜)
◇場 所:学士会館2階210号室(千代田区神田錦町3-28、TEL03-3292-5931)
◇講演内容
・13:35〜14:35
 演題:「SOFC開発の最近の動向と基礎科学的話題(仮題)」

 講師:東北大学多元物質科学研究所融合システム部門教授 水崎純一郎氏
・14:45〜15:45

 演題:「固体高分子電解質を用いた電気化学プロセスの行方(仮題)」

 講師:(独)産業技術総合研究所関西センター所長代理 竹中啓恭氏
◇参加費:HESS会員無料、非会員3000円(資料代含む)
◇申込方法:FAXもしくはE-mailでお申込下さい。
◇締切り:2月15日(火)
◇問合せ先:水素エネルギー協会事務局・谷生、米富
 〒240-8501 横浜市保土ヶ谷区常盤台79-2
  横浜国立大学教育人間科学部 TEL/FAX 045-339-3996
  E-mail secretary@hess.jp Web  http://www.hess.jp/

■PEM−DREAMニュース
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☆「1月の燃料電池市民講座」と「日本水素エネルギー産業会議旗揚げセミナー」報告(上)

 今回の市民講座のタイトルを『エネルギービジネスへの挑戦』としたのは、ゲストの金田武司氏が株式会社ユニバーサルエネルギー研究所を設立された直後の時期であり、同時に日本水素エネルギー産業会議の設立準備事務局長として活動を開始した時期でもあったからだ。それまで勤めていた三菱総合研究所を退職され、自分の抱いた夢と信念を実現すべくベンチャーとして再出発した意気込みは、市民講座の話にもあふれ出て、2時間近い熱弁となった。

 エネルギーは世のいろいろな事象と複雑に絡み合い、さまざまな角度から語られているテーマである。エネルギーについて知ろうと思っても、その幅の広さと、技術あるいは統計などの専門的な予備知識の必要性から、なかなか入り口を突破することが難しい。しかし、燃料電池や水素についてよく理解しようとすれば、程度の差はあっても知らなければならない対象であることは間違いない。現実の社会生活に燃料電池が入り出そうとしている今はその必要性が強く感じられるので、市民講座のテーマもその領域に踏み込んでいこうと考えた。

 参加者からは「2000円で金田氏の話が聞けたのは得した気分」という感想も聞かれたが、その根拠は形式的な金額よりも話の中身にあったに違いない。20年以上エネルギ−畑を歩んできた金田氏の知識と経験から紡ぎ出された話は、示唆に富んだものだった。キーワードは「エネルギーセキュリティー」と「パラダイムシフト」だった。

 9.11を通して考えた都市のエネルギーセキュリティー、それをひとつのきっかけに水素経済への移行に踏み出したアメリカという国、そしてイラクへの侵攻。これらはエネルギーセキュリティーというものが厳しいものであり、容赦のないものであることを示唆している。金田氏は原油の価格を例に取り、「日本では原油価格は1バレル当たり40ドルだと考えているが、アメリカはその価格を維持するために3000億ドルを使っており、それを足せば80ドルになる。つまり、アメリカは1バレル80ドルが原油の価格と考えているのであって、40ドルを超える分については日本などに請求書を回し、水素のコストも1バレル80ドル以下なら実現性があると考えており、水素のコストが高い低いの議論にはなっていない」と指摘した。

 「価格はガソリンのように税によっていくらでも変えられる。アメリカは水素経済への移行ロードマップを発表して予算もつけた。アメリカの予算で突出して伸びているのは、軍事費とこの分野だけだ。両方とも対中東政策といえる。石油経済からの脱却をめざして、どんなエネルギー源でも使えるエネルギー機器をつくるということを21世紀の課題として、何からでも作れて何にでも使える水素を軸にした経済に移行する。これが9.11以降アメリカがとっているセキュリティー対策だ」。要旨このような話を受けて、私の頭のなかではアメリカが京都議定書から離脱したのはどうしてか、という疑問が少し氷解した。ばくぜんと水素経済への移行とCO2削減とは同じ目的のように考えていたが、そこにエネルギーセキュリティーという概念を加えることで、国家としてのアメリカのスタンスが理解できた。

 そして金田氏は、燃料電池の開発でもアメリカは日本と違う道を歩んでいると指摘した。2000年にエネルギー省(DOE)は、向こう10年で電解質が固体である固体酸化物型燃料電池(SOFC)の商業化を図る「固体エネルギー変換アライアンス(Solid-State Energy Conversion Alliance)」(SECA)を立ち上げた。SOFCは作動温度が高温のため、燃料として水素とCOが使える。つまり、「安い石炭を燃料にできる燃料電池を作ろう」というわけで、石炭からメタンガスを取り出し、「多少悪い燃料でも動く燃料電池」という違う発想で取り組んでいる。石炭はアメリカに豊富に埋蔵されている資源である。
※「固体エネルギー変換アライアンス(Solid-State Energy Conversion Alliance)」(SECA)については、http://www.fcdic.com/ja/news/200164.html参照。

 SECAについては、『燃料電池ワールド』の海外ニュースで団体名の訳に困った記憶があった。NEDOの海外レポートでも紹介されているが、固体酸化物型の動向としてのそれであり、上記のような理解とはなっていない。日本の燃料電池開発はPEM(固体高分子型)が中心になっている。世界の動向からは若干遅れたが、強力な政策転換でPEMでは世界のトップクラスにまでなった。SOFCでも技術開発は先端を歩んでいると報じられているが、それはまだ技術や効率などについてであり、具体的な使い方のアウトラインにまでは至っていない。PEMの燃料は水素だが、純度が問題だ。COなどの不純物が燃料極の白金電極を被毒して性能を劣化させるから、いろいろな原料からいかにきれいな水素をつくるかが課題となっている。99.999%(9の並ぶ桁数でフォーナインとかファイブナインとか言われ、水素の純度の指標となっている)の水素をつくるということが、コストを高くしているというのである。

 自動車はSOFCでは動力には使えず、PEMでなければ動かせない。しかし、SECAは自動車の補助電源用としてSOFCを使い、そのことで大量生産→コスト削減→SOFCの普及という構図を描いている、と金田氏は言う。コストの安い燃料電池を作って、水素経済へ移行するというアメリカの戦略は、エネルギーセキュリティーを軸にして進められている。そして、それはまた分散電源というパラダイムシフトをもたらしている、と話は続くのだが、以下は次号で。

■WEB LINK NEWS
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05/01/26 専用容器で長距離輸送 水素エネルギー普及へ前進(共同通信)

 川崎重工業は26日、燃料電池のエネルギー源となる液体水素を運ぶ専用コンテナを開発し、約600キロの長距離輸送に成功したと発表した。液体水素の運搬はこれまで、窒素の混入が必要な海外製容器などを使用。大容量で長距離の輸送に適した専用コンテナの国産化は初めてで、液体水素の蒸発を抑制する素材など最新技術も導入した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050126-00000223-kyodo-bus_all

05/01/27 エコデバイス、CO酸化触媒の事業化に着手−今春にもサンプル出荷(日刊工業新聞)

 可視光型光触媒ベンチャーのエコデバイス(埼玉県川口市、杉原慎一社長、048・263・1888)は26日、水素中の一酸化炭素(CO)を室温で酸化する新触媒の事業化に着手したと発表した。田中虔一埼玉工業大学特任教授が開発したもので、固体高分子形燃料電池(PEFC)に使われる水素に含まれ、発電用の白金電極の性能を低下させるCOを除去する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050127-00000022-nkn-ind

05/01/27 愛知県:燃料電池産業を育成−−新エネルギー計画案、策定委まとめ /愛知(毎日新聞)

 計画は、燃料電池を始めとする新エネルギー関連産業を県内で育成することにより、さまざまなエネルギーを最良の状態で組み合わせた、環境への負荷が少ない持続可能な経済社会の実現を目指す。県内には、自動車を中心に燃料電池を活用できる産業が集積し、工場で発生する水素が多いことから、燃料電池を新エネルギーの中核と位置付けた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050127-00000001-mailo-l23

05/01/27 <触媒技術>家畜ふん尿からベンゼンと水素 北大教授ら開発(毎日新聞)

 家畜のふん尿を発酵させたメタンを使って、化学繊維やプラスチックの原料になるベンゼンや燃料電池に使われる水素を効率よく製造する触媒技術を市川勝・北海道大触媒化学研究センター教授らが開発したと、27日発表した。北海道開発土木研究所がこの技術を導入した装置の長時間稼働にも成功しており、実用化にめどを付けている。石油から作られるベンゼンは原油高騰で価格が上昇しており、二酸化炭素を排出しない利点もあり、産業界の注目を集めそうだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050127-00000152-mai-soci

05/01/28 ホンダ、道庁に燃料電池車を納車(日刊工業新聞)

 【札幌】ホンダは27日、北海道庁にマイナス20度Cで始動できる燃料電池車を納入した。04年11月の米ニューヨーク州向けに続く納車で国内では初。北海道への販売はリース契約。1月27日―4月30日と11月1日―06年4月30日までが契約期間。リース料は月80万円だが、走行データなどの取得と提供に対する対価としてホンダが北海道に対し同額の料金を払う契約。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050128-00000006-nkn-ind

05/01/28 名古屋に近未来エコ住宅 燃料電池や緑化壁用タイルなど(中日新聞)

 【愛知県】二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス削減に効果がある先端技術を駆使した「近未来のエコ住宅」が三月中旬、名古屋市内にお目見えする。東邦ガスや中部電力など地元企業を含む四社の最新設備を完備した住宅で、市民が実際に住んで省エネ技術を体感する。東邦ガスは「家庭用燃料電池システム」を提供。二〇〇六年初頭に市場投入する最新鋭機器。

 三月二十一日から九月二十五日まで希望者が二週間交代で住む。六月までの体験入居者は決定済みで、七月以降は五月に募集予定。体験費は五千円。問い合わせは、同公社=電052(523)3991へ。万博後は、一部実験設備などを取り外し、賃貸しする。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050128-00000016-cnc-l23

05/01/29 運輸事業者がCO2削減計画 温暖化で省エネ法改正(共同通信)

 地球温暖化対策のため運輸部門などからの二酸化炭素(CO2)の排出削減策を強化する省エネルギー法改正案が29日、明らかになった。トラックやバス、航空機などを使う大手貨物・旅客の輸送事業者が、CO2排出削減の計画を作成、毎年実施状況を報告して国がチェック、問題があれば改善命令する仕組みだ。経済産業省と国土交通省が中心にまとめ、3月上旬に国会に提出する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050129-00000084-kyodo-soci

05/01/29 今夏にも太陽・燃料電池搭載=無人大型飛行船、長期滞空目指す−宇宙機構(時事通信)

 無人の大型飛行船を高空に長期間静止させるため、宇宙航空研究開発機構は29日までに、太陽電池と燃料電池を搭載する飛行試験を行う検討を始めた。高度約20キロから通信・放送や交通観測などを行う「成層圏プラットホーム」計画の一環で、今年夏から秋にかけて、北海道大樹町の実験場で実施する案が浮上している。 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050129-00000875-jij-soci

05/01/30 「マニフェスト」たたいま増加中 滋賀県内の役所や学校で(京都新聞)

 数値目標は、目指す将来像と現状を市民に分かりやすく伝え、実効性を高めるのが狙いだ。県は本年度内に策定、または策定予定の計画8つのうち、6つで具体的な目標を設定している。例えば、「しが新エネルギー導入戦略プラン」は目標年次の2010年度にはエネルギー自率を01年度の1%から4%に引き上げると定め、個人住宅の太陽熱温水器やソーラーシステムの導入を4000世帯増やすことなどを盛り込んだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050130-00000000-kyt-l25

05/01/31 OPEC、原油生産枠の据え置きで合意(ロイター)

 [ウィーン 30日 ロイター] 石油輸出国機構(OPEC)はウィーン本部で開いた臨時総会で、原油生産枠(日量2700万バレル)を据え置くことで合意した。OPECは、2000年3月に設定したバスケット価格での目標価格帯22─28ドルを一時停止とすることも決めた。 石油消費国の間で燃料コスト上昇懸念が高まっているにもかかわらず、臨時総会はごく短時間で生産枠据え置きを決定。1バレル=50ドル近くで推移している原油相場が、世界経済を圧迫することはないというOPEC加盟国の考えを示唆した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050131-00000541-reu-bus_all

05/01/31 万博未来型バス静かに発進 トヨタが燃料電池車公開(共同通信)

 トヨタ自動車は31日、3月開幕の2005年日本国際博覧会(愛知万博)で、来場者を乗せ長久手会場と瀬戸会場間の4・4キロを走る「燃料電池ハイブリッドバス」を、愛知県長久手町で報道陣に公開した。万博では65人乗りの8台が、会場間を約10分で結ぶ。乗車は無料。水素は瀬戸会場のステーションで充てんする。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050131-00000161-kyodo-soci

05/02/01 原油高で過去最高益=米エクソンの04年決算(時事通信)

 【ニューヨーク31日時事】米石油最大手エクソンモービルが31日発表した2004年12月期決算によると、純利益は253億3000万ドルで、過去最高を記録した前年の215億1000万ドルを上回った。原油や天然ガスなどエネルギー価格の高騰が追い風となった。売上高は前年比20.8%増の2980億2700万ドル。
 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050201-00000233-jij-bus_all

05/02/01 Jエナジー、5月にLPG改質型の定置用燃料電池システム発売(日刊工業新聞)

 ジャパンエナジーは31日、5月に液化石油ガス(LPG)改質型の定置用燃料電池システムを発売すると発表した。成長を見込む燃料電池システムの販売に乗り出すことで、事業へ本格参入する。価格などの詳細は発売までに詰め、今後3年間で150台の受注を目指す。東芝燃料電池システム(東京都港区)と共同開発したもので、発電性能は700ワット。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050201-00000021-nkn-ind

05/02/01 米上院、ボドマン氏のエネルギー長官就任を承認(ロイター)

 [ワシントン 31日 ロイター] 米上院議会は31日、サム・ボドマン氏のエネルギー長官就任を承認した。ボドマン氏は、エネルギー長官として、エネルギーの国内生産力を強化し、アラスカ州の野生動物保護区での油田開発を可能とするブッシュ政権のエネルギー法案推進を先導することになる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050201-00000653-reu-bus_all

05/02/02 東邦ガス、ガラス電解質を用いた燃料電池の中温域での発電に成功(日刊工業新聞)
【名古屋】東邦ガスはTYK、中部大学と共同で、ガラス素材の電解質を用いた燃料電池を開発し、作動温度が300度Cの中温域での発電に世界で初めて成功した。中温域で作動する燃料電池は排熱利用の拡大、触媒量の低減などのメリットがある。開発したガラス素材は安価に製造でき、大面積化が可能。エネルギー効率が高く、低コストな燃料電池コジェネレーション(熱電併給)システムに応用を進める。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050202-00000023-nkn-ind

■海外ニュース(中国)
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●10台の燃料電池試作車が上海でお目見え
 サンタナを原形にして製作された燃料電池車の試作車「超越3号」10台がまもなく上海の公道を走る。先代にあたる「超越2号」は、すでに工業博覧会で展示されて同済大学の試験場でテスト運転を繰り返していたが、2004年11月より改良がすすみ、今後上海の公道でのテストが繰り返される。上海燃料電池汽車動力系統有限公司によると、この「超越3号」では、満タンの水素で200キロの走行が可能で、燃料効率も従来の40%から45%に向上した。また上海市内で水素を補充できるスタンドを設置して第4代、第5代の燃料電池試作車を開発していく。
〔05/1/27 上海エクスプローラー〕

■海外ニュース(1月―3)
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<定置用電源>
●USPSがサンフランシスコの配送センターに燃料電池を設置

 シェブロン・テキサコの子会社で、フュエルセル・エナジー社の代理店であるシェブロン・エナジー・ソリューションズ社は、アメリカ郵政公社(USPS)のサンフランシスコ配送センターに250kW級 Direct FuelCellィ (DFCィ) 発電プラントを販売した。シェブロン・エナジー・ソリューションズ社は今後1年間にわたって、このプロジェクトを設計し、構築して、施設のオンサイト発電の準備を完了するだろう。フュエルセル・エナジー社は、DFC300A 発電プラント、技術サポート、システムコミッショニングサービスを提供する。
http://investor.internationalpaper.com/ireye/ir_site.zhtml?ticker=IP&script=410&item_id=648858&layout=23

<ポータブル/バックアップ電源>
●マンハッタン・サイエンティフィックスが燃料電池特許を取得

 マンハッタン・サイエンティフィックス社は、燃料電池「NovArs」のための米国特許番号680万8834「Koschany」(冷却用フィンを伴った燃料電池スタックと燃料電池に拡散した黒鉛の使用)を発表した。レンガより小さくて2ポンド未満の水素燃料電池「NovArs」は、使用形態、乗り手の体重、道路状況、タンクのサイズなどに拘わらず、自転車やスクーターを数百マイル動かすことを意図している。同社は現在、電動自転車やスクーターに使うために燃料電池「NovArs」をアジアで製造するビジネスプランを積極的に追求している。
http://www.mhtx.com/media_center/pressrelease55.htm

<燃料/改質器/貯蔵>
●NRC−IFCIが再生可能な水素製造システムを展示

 カナダ国立研究審議会燃料電池イノベーションセンター(NRC−IFCI)の研究者たちは、太陽光発電による水素製造システムを公開した。このシステムは、水から水素を製造するハイドロジェニックス社の電気分解装置HyLYZERェ の電源として、太陽光パネルから電気を作る。この水素はまもなく、NRC−IFCIの研究施設にバックアップ電源を提供するバラード社の Nexaィ RM シリーズ燃料電池モジュールの燃料として使われる。
http://www.nrc-cnrc.gc.ca/newsroom/news/2004/solarhydrogen04-nr_e.html

<燃料電池コンポーネント>
●ケンブリッジ・コンサルタンツが蒸発冷却器を開発

 ケンブリッジ・コンサルタンツ社は、燃料電池駆動のラップトップパソコンを冷却するために蒸発冷却器のコンセプトデザインの有用性を発表した。このデザインは、植物の生態からインスピレーションを得て、プロセッサの冷却、小型化、使い勝手(user experience)の改善に蒸発を用いる。
http://www.cambridgeconsultants.com/news_pr133.shtml
※ケンブリッジ・コンサルタンツ社(Cambridge Consultants):無線データ通信のアプリケーションやサービス、半導体製品を行っているイギリスの技術コンサルタント会社

<その他>
●水素と燃料電池でホールを飾る

 プラグパワー社は、英国ロンドンのトラファルガー広場の祝祭に用いられる飾樹に電気を供給するために、水素燃料電池 GenCoreィ 5Tを提供した。GenCoreィ 5T燃料電池システムは1日24時間、樹木に5kWの電気を供給する。このプロジェクトは、BOC社、ジョンソン・マッセイ社、プラグパワー社がスポンサーになっている。パートナーは他にも、大ロンドン市(Greater London Authority)、ロンドン水素パートナーシップ、siGEN 社がなっている。
※BOC社:BOC社(The BOC Group plc)はガス製品、化学製品等を扱う英国企業。詳しくは、
http://www.nedo.go.jp/itd/fesendo/h16/gaiyou/theme05/report08.html参照。
※siGEN 社:イギリスの燃料電池関連会社。同社のHPは、http://www.sigen.co.uk

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■燃料電池ワールド
 □毎週水曜日発行
 □編集・発行:燃料電池NPO法人PEM−DREAM 

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