燃料電池ワールド (2004/12/16 22:50)

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□燃料電池ワールド
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■Vol.169 2004/12/15発行

                   ◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM

                        ◇http://www.pem-dream.com/

■お知らせ
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☆1月の燃料電池市民講座
『エネルギービジネスへの挑戦』
ゲスト=金田武司氏(株式会社ユニバーサルエネルギー研究所代表取締役)

 家庭用燃料電池の市場導入が近づいてきています。この流れは、分散型電源が電力ネットワークの一角に入っていくことで、やがては日本のエネルギー構造に大きなインパクトをもたらすことが予想されます。現在、こうした変化を予測して水素を核とした次世代エネルギーのさまざまな研究開発が行われ、ベンチャー企業も設立されています。

 金田氏は三菱総合研究所からこのほど独立されて、株式会社ユニバーサルエネルギー研究所を設立されました。新しく始めた事業について、起業のきっかけや意図、事業目的、背景や展望などについて語っていただこうと思います。

○日 時 2005年1月22日(土)午後2時から
○場 所 株式会社守谷商会本社会議室(東京駅から徒歩約3分、地図をお送りします)
○参加費 2000円(PEM−DREAM会員は無料)
○申し込み方法 メールまたはFAXにて、「1月の燃料電池市民講座」と明記の上、氏名、連絡先、電話番号をご記入の上、お送り下さい。
 メール info@pem-dream.com 

☆『図解入門 よくわかる最新燃料電池の基本と動向』発売!
◇発行:秀和システム ◇体裁:A5版、2色刷、232頁 ◇価格:1680円(本体価格+税)
◇書店またはインターネットの本のサイト(例えばアマゾンドットコム)から入手できます。

☆『燃料電池パワー』Vol.69の内容
【今週の燃料電池関連画像】著作権フリー/添付ファイル 
◇「東陶機器がマイクロSOFCを試作」より
1.紙巻タバコよりはやや長いが、逆に細いマイクロサイズのセルと熱自立モジュールで使われた16mmφ×600mmのセル(手前)。
2.試作したマイクロチューブセルを使用したセルスタックの写真展示(NEDO・産業技術実用化開発助成事業成果展示会で)。
【沼崎英夫/技術レポート】 
◇東陶機器がマイクロSOFCを試作――携帯型機器の電源に
◇内外の小型SOFCの開発
◇第24回水素エネルギー協会大会
※このメールマガジンは、より専門的な情報をPEM−DREAM会員に提供しています。サンプルは、http://www.pem-dream.com/conts.html

■燃料電池関連イベント
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☆第1回国際燃料電池展(FC EXPO2005)
◇日 時:2005年1月19日(水)〜21日(金)10:00〜17:00
◇会 場:東京国際展示場(東京ビッグサイト)
◇主 催:リード エグジビション ジャパン株式会社
◇イベントホームページ(無料招待券もこちらから)
http://www.fcexpo.jp/fc/jp/press/release040412.phtml

■PEM−DREAMニュース
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☆「エコプロダクツ2004」「青少年のための科学の祭典新潟退会」報告・その1

 毎年、エコプロダクツ展が来ると年の終わりを感じる。今年は呆けが始まったのか、整理能力が落ちたのか、12月11日は東京と新潟の2つのイベントをバッティングしてしまった。「さー、どーする」状態に陥ったが、4年もこの活動をしていると苔も生えて、何とかするさ、と準備にいそしんだ。そして、何とかなったのである。

 この2つのイベントを今週と来週の2回に分けて報告する。今週は、新潟に行ってくださった佐藤昌史さんのレポートから。

●2004青少年のための科学の祭典(新潟大会)参加報告
東京都立墨田工業高等学校自動車科教諭 佐藤昌史

 12月11、12日に新潟県産業振興センターにて行われた上記大会で感じたことを報告します。

 11日(土)の早朝に、前泊した宿屋を出発して新潟県産業振興センターに到着。その後、展示ブースの確認やテーブルの配置、各機材の準備に追われた。

 プレゼンテーションの内容は、PEM−DREAMの坂本氏が食塩水型燃料電池を担当。この食塩水型燃料電池は簡易な実験装置であり、昨年10月に月刊誌「現代化学」に私の原稿が掲載されたものである。ケミックスの松田氏は若手社員の田中氏を引き連れて、同社が販売している固体高分子型燃料電池組み立てキットを持ち込んだ。

 今回の私は何をしたかというと、一昨年に開発した自作の固体高分子型燃料電池を活用して原理や構造、そして製作法を伝えることにした。つまり、前者ふたりの中間的なポジションである。また、同時に燃料電池における問題点の提案と、小学生を中心とした子どもたちの電気的な基礎知識がどれくらいかを探ることも作戦に入れた。

 開会式終了直後から怒濤のごとく子どもたちの大群が押し寄せてきた。
 「あれ? 東京の雰囲気と違うぞ!」
 そんな焦りに驚いていたら、いきなり、
 「おっ! 燃料電池だ! おじさん教えてくれるの?」

 と詰め寄ってくる。いつ見ても小さな子どもは可愛い。早速、今回の勉強会が始まった。

 私は、はじめに子どもの学年を確かめる。この一瞬で子どもがどれだけ理科の勉強をしているかを見極めてプロセスを組み立て、必ずと言っていいほど燃料電池の導入には食塩水型燃料電池から電気分解から教える。水は「水素と酸素が2:1だからH2Oだぜ〜!」なんて子供と保護者を冷やかしながら笑いと確認をとる。

 次にはダイオード。少年は「おっ! 光った!」と不思議そうに私と保護者に目配りする。いつの時代も子どもは光り物には弱い。この顔を見るたびに幼い頃の自分を思い出してしまう。子どもがキラリと目を輝かせばこちらのもの。いよいよ次の展開は「自作固体高分子型燃料電池」である。

 「さっき電気分解で作った水素は少なくてすぐに無くなったちゃったよね? だから光が長く続かないんだよ〜」と香具師のような口調で誘い文句を言いながら、「こっちの機械でやってみよう」。水素をずっと流せれば電気はいつまでも生まれる。そして、ダイオードも光りつづけるんだ!!

 というところで、「イオン交換膜は塩水の変わり、ふたつある電極は2本の鉛筆の芯だよ。こちらは水素、こちらは空気(酸素)・・・」という具合に説明する。そして、水素を注入すると電気が生まれる。折角なのでサーキットテスターを使わせて検電させると、針が振れるのを知ってか知らずか好奇心で眺めている。ついでに、小学4年以上は電気の勉強をしているので、直列・並列を質問しながら復習させた。

 最後のまとめは乾電池。「これは1.5Vだよね〜? 忘れないで覚えていてね」と締めくくり、ONE・SET終了。祭典の始めから終わりまで2日間ともこんな調子で、人、人、人の連続だった。

 新潟県の人々の産業への関心は非常に高い。親子で学び、疑問があればレベルの高い質問もくる。時には「この食塩水型燃料電池、テレビでやってたよ」と言う方もいた。炭素棒に食塩水はこの手のものにはよく使われるけれど、ストローまで活躍してたのかな〜? 自分のアイデアが世に広まることは喜ばしいことですね。

 そして、最も印象に残ったのは、見た限りかなりの高齢女性から、「あなた! 水素作るのに電気でやってお金かかるじゃない。これを実用化してどうするの?」とご意見された。そこで鶴見曹達と岩谷産業の話をして、ものを作るときに副産物としてできる水素を利用することや、LPGやガソリンなどの化石燃料から改質器を通すことで水素だけを取り出し、これを使うのですよ、と優しく答えると、「なるほどね。これで排気ガスを出す内燃機関の自動車もなくなるわね」でした。別れ際には「あなたのお話は最高よ。楽しかったわ!」の一言に負けてしまい笑顔でお別れしました。
 

 2日間を通して私だけで100人以上の子どもたちとふれあった。乾電池が「1.5V」と知っていた子どもは中学生を含めて、なんと僅か3人立ったのには驚いたが、これからも子どもたちの未来のために普及活動を続けていきたい。

■WEB LINK NEWS
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04/12/08 DJ-米フュアルセル、スミス・バーニーが「セル」の投資判断(ダウ・ジョーンズ)

 ニューヨーク(ダウ・ジョーンズ)スミス・バーニーは7日、燃料電池開発を手掛ける米フュエルセル・エナジー(Nasdaq:FCEL)の投資判断を売り推奨の「セル」で開始した。また、株価目標を7ドルに設定した。これを受けてフュエルセルの株価は13%下がった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041208-00000025-dwj-biz

04/12/09 太陽エネルギーで水から直接水素を作る新技術、実用化目前(WIRED)

 太陽電池はもう古い。太陽光を利用する最新の技術は、ナノ物質を触媒として、光のエネルギーで水から直接水素を取り出すというものだ。英ハイドロジェン・ソーラー社(サリー州ギルフォード)と米アルテア・ナノテクノロジーズ社は、太陽光を取り込み、そのエネルギーで水の分子を水素と酸素に分解する水素生成システムを構築している。現在は、ラスベガスの燃料補給所で水素燃料を供給するというプロジェクトに取り組んでいる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041209-00000002-wir-sci

04/12/10 原油高でも大量消費 米長期エネルギー見通し(共同通信)

 【ワシントン9日共同】米エネルギー省は9日、米国のエネルギー消費量が毎年1・4%ずつ増加、2025年には03年比で35・6%も増えるとの長期エネルギー需給見通しを発表した。原油高の影響で昨年予想より伸び幅はやや鈍化するものの、ガソリンの大量消費などを背景に引き続き高い水準で増加が続く。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041210-00000044-kyodo-bus_all

04/12/13 DJ-クオンタム・フュエル、8-10月期赤字幅拡大(ダウ・ジョーンズ)

 ニューヨーク(ダウ・ジョーンズ)水素や天然ガス用の高圧燃料タンク及びレギュレーターなどの燃料供給モジュールの生産を手掛けるクオンタム・フュエル・システムズ・テクノロジーズ・ワールドワイド(Nasdaq:QTWW)は、第2四半期(8-10月期)決算で、売上高が500万ドルとなり、最終赤字が330万ドル、1株当たり10セントとなった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041213-00000017-dwj-biz

04/12/13 中国の排出量、日本の3倍 初の温室効果ガス報告(共同通信)

 【ブエノスアイレス13日共同】中国政府が、気候変動枠組み条約に基づいて同条約事務局に提出した、国内の温室効果ガス排出量に関する初めての国別報告書が13日、明らかになった。二酸化炭素(CO2)など3種類のガスを対象とした1994年時点の古いデータだが、総排出量は約40億5700万トン(CO2換算)で、同年の日本の排出量の3倍強に相当する量で、排出の多くが化石エネルギー使用によるものだった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041213-00000109-kyodo-soci

04/12/13 燃料電池をハウス栽培に活用 ジーエス・ユアサコーポレーション(京都新聞)

 ジーエス・ユアサコーポレーションは13日、自社開発の燃料電池をイチゴのハウス栽培に活用する実証実験を三重県鈴鹿市で始めた。燃料電池を農業分野に活用するのは世界初の試みで、約1年間かけてデータを集め、2007年度の商品化に生かす。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041213-00000042-kyt-l26

04/12/14 原発の魅力をアピール NGOから批判も(共同通信)

 【ブエノスアイレス13日共同】アルゼンチンで開かれている気候変動枠組み条約の第10回締約国会議(COP10)で13日、日本の経済産業省が、途上国のエネルギー問題に関する討論会を主催。「途上国からの温室効果ガス削減には、省エネ技術と並んで原発の輸出が有効」とする同省審議会の報告書の内容を紹介した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041214-00000057-kyodo-soci

■海外ニュース(11月―4)
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<輸送>
●ホンダが燃料電池車FCXをニューヨークへリースし、チューラビスタへ配送

 アメリカン・ホンダモーターは、2005年に、ホンダの燃料電池技術の州レベルでは最初の顧客であり、米国北東部では最初の燃料電池車の顧客となるニューヨーク州へ、2台の Honda FCX 燃料電池車をリースすると発表した。ニューヨーク州は、水素で動く FCX 燃料電池車を2年契約でリースし、1台目が12月に、2台目は2005年中頃に納車される。ホンダはまた、カリフォルニア州チューラビスタ市へ2年間のリース契約で FCX 燃料電池車を配車した。チューラビスタ市は日常業務にFCX を使う。
http://world.honda.com/news/2004/4041116_a.html

<定置用電源>
●オハイオは地域配電システムに電力を供給するために燃料電池を設置

 キャタピラー社とフュエルセル・エナジー社、そしてオハイオ州ウェスタービル市は、変電所から顧客に電力を供給している北アメリカで、最初の実用規模の燃料電池発電所をネットワーク上に接続するという画期的な段階に到達した。250KW級のDirect FuelCellィ (DFC)ユニットはフュエルセル・エナジー社で製造され、そのディーラーであるオハイオ・キャッツ社を通してキャタピラー社によって配送された。燃料電池は、ウェスタービルの第2変電所に設置され、完全稼働時にはウェスタービルの約180軒の家庭に十分な電力を供給する。
http://www.corporate-ir.net/ireye/ir_site.zhtml?ticker=FCEL&script=412&layout=-6&item_id=644578

<ポータブル/バックアップ電源>
●ハイドロジェニックスが25の燃料電池モジュールを受注

 ハイドロジェニックス社は、10kW級の燃料電池 HyPMィ モジュールを25個追加注文を受注した。このモジュールは、世界最大の無停電電源装置供給業者のために、バックアップ電源装置に組み込まれる。ハイドロジェニックス社は2004年に2ユニットを、2005年中に残りを納入したいとしている。
http://www.hydrogenics.com/ir_newsdetail.asp?RELEASEID=147922

<燃料/改質器/貯蔵>
●水素ステーションがワシントンDCで公式オープン

 シェルとゼネラルモータースは、北米のワシントンDCに最初のガソリン/水素複合スタンドを開設した。スタンドは、エネルギー省(DOE)の車とインフラの実証プロジェクトでゼネラルモータースの燃料電池車の燃料補給に使われる。
http://www.energy.gov/engine/content.do?PUBLIC_ID=16868&BT_CODE=PR_PRESSRELEASES&TT_CODE=PRESSRELEASE

<報告書/市場調査>
●新しい調査を利用できるフュエルセル・トゥデイ

 フュエルセル・トゥデイは、2004年の燃料電池バスの調査、小型の定置用製品、そして大規模な定置用製品について、幾つかの新しい調査を、
www.fuelcelltoday.com. で利用できるようにした。
http://www.fuelcells.org/  

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■燃料電池ワールド
 □毎週水曜日発行
 □編集・発行:燃料電池NPO法人PEM−DREAM 

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