燃料電池ワールド (2004/11/24 16:00)

水素チャンネル Home

□燃料電池ワールド
■□□□□□□□□□
■Vol.166 2004/11/24発行

                   ◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM

                        ◇http://www.pem-dream.com/

■お知らせ
□□□
☆12月のイベント・ボランティアを募集
・12月9日(木)〜11日(土)まで、東京ビッグサイトで開かれる「エコプロダクツ2004」に参加します。テーマは「日本で使える燃料電池教育グッズ」。1日だけでも助かります。
・12月11(土)、12日(日)は新潟市で行われる「青少年のための科学の祭典」に参加します。特に新潟市周辺の方でご協力いただける方がいらっしゃれば幸いです。
※ご協力いただける方は、いずれもinfo@pem-dream.comまでご連絡ください。

☆市民講座は来年から

 11月のゲストを予定していた方に、そろそろお願いしようかという矢先に新潟の地震が起きました。タイミングを逸し、その後、イベントで手が回らなくなったため、11月は休みます。また、12月は例年休みにしていますので、この間に来年からのスケジュールを作りたいと思います。

☆『図解入門 よくわかる最新燃料電池の基本と動向』発売!
◇発行:秀和システム ◇体裁:A5版、2色刷、232頁 ◇価格:1680円(本体価格+税)
◇書店またはインターネットの本のサイト(例えばアマゾンドットコム)から入手できます。

☆『燃料電池パワー』Vol.66の内容
【沼崎英夫/技術レポート】              
◇FC視点のマガジンウォッチング(沼崎英夫)
●「燃料電池がてんぷら油に落ちたなら・・・」(NE日経エレクトロニクス11月22日号)
●「二輪車にも水素の時代!?」(日経エコロジー12月号)
●「中国で開かれたエコカーの競演」(日経エコロジー12月号)
●「工業的水素製造技術の現状と課題」(池松正樹、新日本石油・新エネルギー本部FC事業2部、「自動車技術」04.11.特集「これからの自動車燃料」)
●「水素燃料エンジンの研究開発」(森本賢治、マツダ・技術研究所、「自動車技術」04.11.特集「これからの自動車燃料」)
※このメールマガジンは、より専門的な情報をPEM−DREAM会員に提供しています。サンプルは、http://www.pem-dream.com/conts.html

■燃料電池関連イベント
□□□
●日本計画研究所セミナー
☆第8122回JPI特別研究セミナー
東京ガス株式会社
家庭用燃料電池・水素ステーション最前線
−東京ガスにおける家庭用燃料電池・水素ステーションの最新開発動向と今後の課題−
〜世界で初めての商用機を首相新公邸に設置する東京ガス。その開発状況から今後の展望を読み解く〜
◇講師:金子彰一氏(東京ガス株式会社R&D本部技術開発部シニアリサーチャー)
◇日時:11月29日(月)15:00〜17:00
◇会 場:全共連ビル
千代田区平河町2-7-9 TEL:03-5215-9501
◇参加費:お一人様 : 29470円
〔 優待参加費 (1社で複数名、同時申込の場合に限ります) 〕
  1社2名 :54470 円  1社3名 :74470 円

◇詳細とお申し込み
http://61.114.14.21/seminar/cgi-bin/data_html/1041018112642.html
◇お問い合わせ(URL)http://www.jpi.co.jp/
株式会社日本計画研究所    
〒100-0006千代田区有楽町1-2-14 紫ビル
TEL 03-3508-9070 E-mail:biz-forum@jpi.co.jp

☆「第1回 産業技術総合研究所 環境・エネルギー分野フォーラム」      
 
第2回 水素エネルギーシンポジウム
◇日時:11月26日(金)12時40分〜5時
◇場所:東京 新霞ヶ関ビル1階 灘尾ホール
    東京都千代田区霞が関3−3−2 TEL: 03-3580-0988
◇参加費:無料
◇プログラム 
概要報告 「産総研における水素エネルギー研究開発」
     産総研エネルギー技術研究部門総括研究員 秋葉 悦男
招待講演1 「世界的視点から見た水素エネルギー研究開発」

     新エネルギー・産業技術総合開発機構燃料電池・水素技術開発部長 名久井 恒司
招待講演2 「水素と分散エネルギーシステムの将来を占う」
     岐阜大学大学院工学研究科助教授 小澤 由行 
講演1 バイオ技術による水素製造 
     セルエンジニアリング研究部門 三宅 淳・若山 樹
講演2 水素貯蔵材料の開発と評価 
     エネルギー技術研究部門 中村 優美子
講演3 水素ガスの安全利用技術 
     爆発安全研究センター 堀口 貞茲
講演4 新しい水素センサーの提案 
     計測フロンテイア研究部門 黒河 明
講演5 エネルギーネットワークと水素エネルギーの活用 
     エネルギー技術研究部門 石井 格
◇申し込み方法 http://www.jita.or.jp/suisosympo/mousikomisyo.pdf から申込書をダウンロードしてFAXで。
◇問い合わせ 第2回水素エネルギーシンポジウム事務局
      (財)日本産業技術振興協会  技術情報部 水野
       電話:029-855-1267 FAX:029-855-1279
※詳細
http://www.aist.go.jp/aist_j/event/ev2004/ev20041126_3/ev20041126_3.html

■PEM−DREAMニュース
□□□
◇FC視点のマガジンウォッチング
「図解入門・よくわかる最新燃料電池の基本と動向」
〜市民啓発活動の現場から集成した解説的読本

 2000年に市民社会での燃料電池の普及を目指して、市民自体が啓発を図る活動を目的として設立されたNPO(非営利事業特定法人)「PEM−DREAM」が初めて出版物をリリースした。

 日本政府の国家戦略として、燃料電池の実用化推進が出され、01年1月に「燃料電池実用化戦略研究会報告」がまとめられ、3月に「燃料電池実用化推進協議会」が正式に発足、4月に週刊メールマガジン「燃料電池ワールド」が発行された。本書には、NPO発足以来の集積された情報が選別されて、現時点の視点でまとめられている。「燃料電池NPO法人PEM−DREAM著」となっているのはそのためであり、執筆者はNPOの事務局長である坂本一郎氏であることが、巻頭・巻末に明記されている。

 次世代のエネルギーキャリヤーとして関心を高めている水素エネルギーとその利用装置のエースである燃料電池については、開発と社会的関心を反映して、多数の出版物が出ているが、本書が類書と異なる特徴は、普及活動の産物であることである。

 筆者である坂本氏は研究者でもエンジニアでもなく、サイエンスライターでもない。ただただ、水素エネルギーの生み出す未来社会に胸を躍らせ、そのツールである燃料電池に目を見張って飛び込んできた無名の市民である。この3年余りの間に、文字と写真のパネル展示から始まって、燃料電池模型装置、燃料電池搭載電動自転車などの実演、体験イベントを自治体の環境フェスティバル、研究機関や環境団体のイベント、高校などの学園祭などに遠近を問わず出前して続けてきた。その中で出された多数の質問に答えるべく、資料・文献を読み、専門家に尋ねて知識を養い、応えるすべを身につけてきた。だから本書は市民の目線で問いに答え、語るスタンスとスタイルで通している。主要部分でしばしば、自分にはわからない(理解できない、見通せない)ということを記している。こういう先進技術の解説書は極めて珍しい。専門的解説書ではなく、啓発活動を続けている1市民がまとめた解説的読本である。よりくわしい知識を求める読者には、参考にした文献から30数冊を挙げている。

 9章から成り、「燃料電池の登場」「燃料電池の背景と魅力」「燃料電池の基礎知識」「いろいろな燃料電池」「燃料電池自動車」「家庭用燃料電池」「携帯用燃料電池」「水素」「日本の開発体制と世界の流れ」で、技術の歴史と日米欧の国家戦略の動向と国際標準化を巡るせめぎあいまでが、最近の技術開発と製品化のトピックスをはさんでパノラマ的に記されている。知識を習得中のアマチュアが書いたものであるから、内容に粗密があり、説明不足や至らないところがあるが、専門家とは違ったジャーナルな該博さが取り柄である。
 
「いろいろな(化学)電池の名前は、プラスとマイナスの2つの電極に使うそれぞれの材料から名前が由来しています」とあるが、例えば「リチウムポリマー電池」は、陽極がリチウム化合物、陰極は炭素化合物などで、電解液に固体(ポリマー)を使っている。燃料電池では電解質の素材名か燃料名(DMFC)である。

 「ダイムラークライスラーとフォードは、04年中にバラード社の燃料電池開発システム部門を買収する予定」の記述があるが、バラード社が資金を得るために両社に出資を求めて設立した両社向けの自動車用燃料電池システム開発・製造の合弁会社を、両社が買収する予定で、バラード社が燃料電池プロパーの開発から撤収するわけではない。

 メタンの化学記号(CH4)の誤記(CH3)が反復されている。

 家庭用コジェネのくだりで、燃料電池の熱発生が抵抗熱によるように書かれているが、反応熱である。

 DMFCのくだりで、「メタノールは1分子当たりの水素の含有量が最も多い液体」とあるのは、「最も少ない液体」であり、電解質膜のくだりで、「日立製作所がフッ素系素材ではなく炭素系素材を使用し」は「炭化水素系」であり、燃焼する水素の不可視炎の可視化のくだりで、今後の実用化の期待を述べているが、JHFCの水素ステーションでは法規制外の安全対策として、水素センサーの設置に上乗せして火炎モニターカメラを設置している。(沼崎英夫)
?秀和システム発行、A4版232ページ、本文2色刷り、写真・図表多数。1680円。

■WEB LINK NEWS
□□□
04/11/17 薬品会社で実験中、配管破裂=作業ミス、水素爆発−大阪・吹田(時事通信)

 調べによると、実験棟1階で研究員2人が薬品の実験中、作業ミスをしたため、屋内から屋外へ延びた配管内の水素ガスが爆発したとみられる。配管は長さ約3メートルにわたって破裂していた。現場付近は工業地帯。 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041117-00000151-jij-soci

04/11/18 <プレスリリース>東芝、家庭用燃料電池事業の推進体制を強化(毎日新聞)

 東芝は、商用化が近づいている家庭用燃料電池の開発、事業化を加速するため、燃料電池事業の推進体制を強化します。12月1日付で、当社電力・社会システム社内に燃料電池事業開発室を新設するとともに、UTC Fuel Cells社(以下、UTCFC社)との合弁会社である、東芝インターナショナルフュエルセルズ社(以下、TIFC社)を100%子会社(東芝燃料電池システム(改称))とします。また、当社が有するUTCFC社への出資をUnited Technologies

 Corporation(以下、UTC社)に対して譲渡します。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041118-00000018-maibz-ind

04/11/19 ブッシュ政権と科学界の対立、2期目はどうなる?(第1回)(WIRED)

 差し迫った問題は数々あるが、なかでももっとも重要なのが、胚性幹細胞(ES細胞)研究、地球規模の気候変動、リニューアブル・エネルギーの研究、科学教育の4つだ。これらの課題が今後4年間でどのような方向に進んでいくかについて、個別に考察してみよう。
胚性幹細胞(ES細胞)研究
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041119-00000003-wir-sci

04/11/22 ブッシュ政権と科学界の対立、2期目はどうなる?(第2回)(WIRED)地球規模の気候変動
リニューアブル・エネルギーの研究
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041122-00000009-wir-sci

04/11/24 【中国】燃料電池自動車開発、ガソリン消費抑制が急務(サーチナ・中国情報局)

 中国は2008年北京オリンピックと2010年上海万博でのデモンストレーション走行を目標に、燃料電池自動車の研究・開発を行っている。上海では近く燃料電池ハイブリッド車を発表する見込み。将来的には、燃料電池による軽自動車の完成も期待されている。23日付で香港・経済通が伝えた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041124-00000003-scn-int

■海外ニュース(11月―2)
□□□
<輸送>
●ドイツの科学者たちが車両にDMFCを装備

 ジュリッヒ開発センターの科学者たちは、商業ベースの電気自動車にダイレクトメタノール燃料電池を取り付けた。この新しい自動車は "JuMOVe" として知られており、成功裏に公道走行を終えた。
http://www.fz-juelich.de/portal/index.php?index=281&cmd=show&mid=240

●フォードが水素動力の自動車とバスを導入

 フォードは、スーパーチャージャー付き水素内燃エンジンと、フォードが特許を取得しているモジュール・ハイブリッド・トランスミッション・システム(MHTS)を搭載したH2RVを発表した。フォード・フォーカスワゴンをベースとした2台のH2RVは今、実際に数千マイルの距離がある南東ミシガン州の路上にいる。フォードはまた、二酸化炭素の排出を99%削減すると豪語している水素内燃エンジン(H2ICE)の新しいシャトルバスを発表した。

 この新しい自動車は、シャトルバスの車体と水素燃料の6.8リッターのトリトンV−10エンジン、フォードE−450のシャーシを持っている。水素内燃エンジンのEー450は12人の乗員を乗せ、25ガロンと同等な5000ポンド/平方インチの水素燃料タンクを装備している。走行距離はコンディションと道路状況により、150マイル程度である。
http://media.ford.com/newsroom/release_display.cfm?release=19385

<定置用電源>
●フュエルセル・エナジーとPOSCOが韓国にDFC発電プラント

 フュエルセル・エナジー社と日本の販売代理店丸紅は、韓国に Direct FuelCellィ(DFCィ) 発電プラントを輸出する戦略的提携契約を浦項綜合製鉄(POSCO)と結んだ。この契約で浦項綜合製鉄は、フュエルセル・エナジー社から丸紅を通じて3台の250kW級DFC300A発電プラントを購入し、最初の1台は韓国ポハン市のポハン科学技術大学(POSTECH)に設置する予定である。残りの2台のDFC発電プラントの設置については年末までに発表されると予想されている。
http://www.corporate-ir.net/ireye/ir_site.zhtml?ticker=FCEL&script=412&layout=-6&item_id=640390

<ポータブル/バックアップ電源>
●ナノダイナミックスが燃料電池セミナーでポータブルのSOFCを発表

 ナノダイナミックス社は2004燃料電池セミナーで、画期的な新しいポータブルタイプの固体酸化物型燃料電池「the Revolutionェ 50」を発表した。「theRevolutionェ 50」はさまざまな他の適用はもちろん、戦闘兵、バッテリー再充電システム、野外の安全灯や広告の照明、ポータブル冷凍システムなどの幅広い応用が出来るように設計されている。
http://www.nanodynamics.com/newsArticles/news-november-02-04.asp

●ハイドロジェニックスがHyPMィの生産ラインを拡大

 ハイドロジェニックス社は2004燃料電池セミナーで、HyPMィの2つの生産ライン――HyPM 7 ユニットとHyPM 765ユニット――を拡大すると発表した。HyPM ラインは、軽量の移動体とバックアップ電源用に設計されている。
http://www.hydrogenics.com/ir_newsdetail.asp?RELEASEID=147103

<燃料/改質器/貯蔵>
●DOEが水素燃料研究に7500万ドルを貸与

 DOEは、大統領の水素燃料イニシアティブを支援するために7500万ドル以上を受け取る36の研究プロジェクトを発表した。それには、太陽光や幾つかの再生可能な水素生産技術、例えば、近未来にガソリンスタンドに設置される小規模な天然ガス改質器や電気分解装置といった水素生成装置などの力強い技術が含まれている。個人の費用負担が含まれる場合は、36のプロジェクトは1億ドル近い投資となり、DOE国立研究所と産額を含む115以上の組織となる。
http://www.energy.gov/engine/content.do?PUBLIC_ID=16784&BT_CODE=PR_PRESSRELEASES&TT_CODE=PRESSRELEASE

●GTIはエタノールを水素に変換する

 ガス・テクノロジー研究所(GTI)は、2段階の水蒸気改質装置が成功裏にかつ効果的にエタノールを水素に変換したと発表した。過去6カ月間、GTIの技術者は、様々な再生可能燃料から水素を生産するための燃料改質技術を実証するために研究を続けてきた。
http://www.gastechnology.org/webroot/app/xn/xd.aspx?it=enweb&xd=6newsroom%5Cethanoltohydrogen.xml

●ハイドロジェニックスのSHEC研究所

 SHEC研究所(ソーラー・ハイドロジェン・エナジー社)は、ハイドロジェニックス社と戦略的提携協定を結んだ。この協定でハイドロジェニックス社は、近く始まるSHEC研究所の商用プロジェクトに、燃料電池技術と製造に関する知識を提供する。
http://www.prweb.com/releases/2004/10/prwebxml168260.php

<その他>
●アストリスは El.Ma.との協力協定に署名

 アストリス・エナジー社は、イタリアのElectronic Machining s.r.l. (El.Ma.)と協力協定を結んだ。この協定によってアストリス社は、El.Ma.のAFC技術を早く拡大して準備し、イタリアおよびヨーロッパで専門的な水素・燃料電池センターを設立するために、 El.Ma.にアルカリ型燃料電池(AFC)技術の使用を許可し、製品およびコンサルティングサービスを行うと述べた。
http://www.astris.ca/NE/NE10.php?item=1098204163

──────────────────────────────────────

■燃料電池ワールド
 □毎週水曜日発行
 □編集・発行:燃料電池NPO法人PEM−DREAM 

 □解除:「まぐまぐ」と「melma!」から直接ご購読の方が解除される場合は、「まぐまぐ」か「melma!」から直接解除の手続きを行ってください。PEM−DREAMでの代行はできません。
 まぐまぐ http://www.kaijo.com/  
 melma! http://www.melma.com/taikai/
 □連絡先: info@pem-dream.com
 □マガジンID:0000065319(まぐまぐ) m00039824(melma!)


**H2**

<前の号 次の号>

TAKAGI-1