燃料電池ワールド (2004/03/31 15:10)

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□燃料電池ワールド
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■Vol.134 2004/03/31発行

                   ◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM

                        ◇http://www.pem-dream.com/

■お知らせ
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☆燃料電池バスに乗りましょう!(再掲)

 東京都は昨年8月28日から、路線バスとして燃料電池バスを走らせています。このバ
スには、1乗車200円を払えば誰でも乗れます。このバスに多くの人が乗ることで、燃料電池バスに対する関心が高いことを示せます。それは、都市の大気汚染を早く解決して欲しいという世論の表れともなるでしょう。首都圏に住んでおられる方も、出張で東京に来られた方も、時間をやりくりして乗ってみませんか。路線や時刻の詳しい情報は以下のホームページで知ることができます。
http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/community/news/new/topics01-287.htm

☆『燃料電池パワー』Vol.34の内容
【今週の燃料電池関連画像】 
☆燃料電池を知る会 in OKAYAMA『時代は進む、燃料電池〜わたしの家に燃料電池が来る日〜』より(3)
1.遊んでつくる燃料電池100円キットは実演とおみやげに使われた2.燃料電池だけでなく、風力や太陽光などの新エネルギーについても説明したパネル
3.舞台正面に燃料電池で家庭の電気をまかなう実寸大の家が造られた【沼崎英夫/技術レポート】              
◇JHFCセミナー(3月11日付既報の続報)
※このメールマガジンは、より専門的な情報をPEM−DREAM会員に提供しています。サンプルは、http://www.pem-dream.com/conts.html

☆「遊んで作る燃料電池100円実験キット」と材料提供(再掲)

 日本中、どこでも誰でも、手軽に、安全に、安上がりに燃料電池の原理を実験できる「遊んで作る燃料電池100円実験キット」。このキットの材料と製作ストーリーを書いた資料をメールで無料で差し上げています。ご希望の方は、
info@pem-dream.com までお申し込み下さい。

 また、すでに資料を請求された方から、材料として使うLEDと電線が入手しにくいので対応できないかとの相談がありました。そこで、私たちが常備している中から、希望する方に提供することにしました。

 内容は、LED3個と電線20cmくらいを2本です。ご希望の方は、切手200円分(郵送料含む)を事務局までお送り下さい。折り返し郵送します。
・宛先 〒198−0032 東京都青梅市野上町4−3−4ベルドール河辺201
    燃料電池NPO法人PEM−DREAM

■燃料電池グッズ【ご注文はメール info@pem-dream.com でどうぞ】
☆「燃料電池+ミニカー」組み立てセット〔再掲)

 資源エネルギー庁のエネルギー教育用教材キットに取り上げられたセットです。自分で組み立てた燃料電池をミニカーにセットして、水素を供給して走らせることができ、直線で20メートルくらい走ります。燃料電池単独でも使えます。NPO特別価格15000円(税、送料込み。PEM−DREAM会員は1割引))です。写真は
http://www.pem-dream.com/kit.html でご覧ください。
※激走―そして激突!? 燃料電池ミニカーの23秒ビデオ 鳥取県の信原一郎さんが、ミニカーの激走ぶりをビデオで撮影してくださいました。
http://www.pem-dream.com/move.html

☆「ソーラー+燃料電池」学習キット(再掲)

 太陽光発電、水素の製造、燃料電池について、中学から高校生程度の物理と化学の基礎知識を学びながら、30種類の実験を進めるキットです。再生可能な循環型エネルギーの仕組みを理解するのに最適です。

 100頁の英文テキストと和訳テキストつき。販売価格24000円(税、送料別)のところ、NPO特別価格23000円(税、送料込み。PEM−DREAM会員は1割引)で提供します。写真は http://www.pem-dream.com/kit02.html でご覧ください。

■PEM−DREAMニュース
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 読者の牧博史さんから、勉強のためにまとめてみたというレポートをいただきました。牧さんの了解をいただきましたので掲載します。

☆低公害車

 環境問題は世界的に問題視されており、改善努力が進められている。ディーゼルエンジンを使用すると、高温で完全燃焼した状態の予混合燃焼期間において発生するNOxが、SOxとともに酸性雨の弊害をもたらし、低温時の不完全燃焼状態の拡散燃焼期間と後燃え期間で発生するPMは、喘息や肺気腫の原因となったり、花粉と融合して花粉症の原因になるため大きな問題になっている。東京都では、重油使用の制限を設け、30台以上を使用する事業者に自動車環境管理計画書を提出義務付け、200台以上の自動車を保有する事業者にはH17年度までに低公害車を全所有の5%以上導入を求めている。

 大型トラックの分野では低公害車の開発は進んでおらず、現時点において、4トン積みのクラスまでしか実用的な低公害トラックはないが、以下に、優位性のある低公害車について列挙する。

1.粒子状物質低減装置装着車

 ディーゼル車から排出される黒煙などのPMを除去するフィルター等を装着する。円筒状のセラミックに酸化触媒を埋め込んで黒煙を吸着・除去するが、300℃の高温が必要となる。渋滞の多い都市部では排ガスの温度が低いためDPFが効果的に機能しないが、排ガスをエンジンに戻して温度を上昇させることで解決している。

*フィルターでPMをキャッチし燃焼してしまうものだが、DPF(ディーゼル微粒子除去装置)は50万円と高く、車体重量も装着分だけ重くなり燃費が悪くなる。また、NOxの軽減にはならないし、フィルターの取り替えの手間もいる。さらに、装着できる車両が限られ全ての大型車に取り付け可能なわけではないため完全な解決策とはいえない。

2.電気自動車
○メリット
? 排気ガスがゼロ=これ以上のクリーン性は無い。CO2の排出量も最も低い。? 走行騒音がしない。

●デメリット
? 車体価核が既存車の2〜3.5倍と高い。
? 充電1回あたりの走行距離が短い。
? 急速充電で30分くらい、普通充電では数時間かかる。
? 大馬力の車ではまだ開発されていない。
? 燃料系の電力を化石燃料の発電に頼るのではNOx、CO2の削減効果も薄れる。? 充電スタンド施設があまり無い。
? バッテリーの交換が必要。

*環境対策としては好ましいが価格が高く、充電設備をまんべんなく設置することが困難。狭い範囲のシティコミューター、工場内等に限られる。

3.燃料電池自動車

 クリーンなうえ、燃費も水素にすると従来ガソリンの3倍になるといわれる。燃焼でなく化学反応によるエネルギー創出なので無駄が無く、将来的には基も望ましいスタイルと思われる。ただ、今のところ車両価格がかなり高いため量産化によるコストダウンが期待される。
さらに、使用する燃料をどうやって調達するかが大きな問題。まず、改質する触媒に、希少金属の白金やコバルトを使用している限りは高コストになり実用化が難しく、これらに代わる触媒の開発を待たなくてはならない。

 車上改質を行う方法もあるが、この場合、改質器を積み込むスペースが必要で、重量がかさむうえ設計上も制約される。吸蔵合金に水素を蓄える方法は、重量とスペースを抑えることが課題となる。従って、純粋水素をタンクに積み込みそのまま使うことになるが、タンクの軽量化への改良とともに、液化や高圧に耐えるタンクの高性能化が課題。

 オフサイトで水素を製造し、スタンドに運ぶ方法は大量に製造できて安価だが、水素は漏れやすく生産地から消費地に運ぶ途中においてロスが生じる。アメリカでは、夜間に家庭で都市ガスから改質し充填するということも言われるが、少なくとも日本においては、法規制上、個々の家庭で取り扱うことは出来ないと思われる。従って、既設のエコスタンド等で製造し、充填を行うことが望ましいといえる。

4.メタノール自動車

 アルコールの一種であるメタノールを燃料とする。メタノールは天然ガスや石油(ナフサ・残渣油)を原料として製造される。従来の用途は主にホルマリン製造用だが、発電用にも使える。メタノールは、古くは航空機の補助材料として使われた。自動車用は、メタノール濃度によって、種類が分かれる。(メタノール濃度が3%の低濃度混合、85%〜95%の高濃度混合=M85〜95、100%のニート=M100)

○メリット
? 天然ガスや石炭からも製造可能で、石油系燃料に依存せず安定供給が可能。? クリーン度が高い(但し、CO2はガソリン車より10%増加する)CO2 ガソリン車の1.1倍。
NOx ディーゼル車の半分に抑制される。
PM 全くない。
SOx 発生しない。

●デメリット
? 改造後の車体価格が既存車の2倍と高い。
? 低温時のスタートに難がある。
? 起動時にホルムアルデヒドを排出し、燃料自体に毒性がある。(毒物劇物取締法の劇物に当たる)
? 燃料供給施設が少ない。
? 燃料配管に耐腐食性が必要。
? 走行距離がガソリン車より若干短い。

☆その他

 ガソリン用エンジンと同じ火花点火のオットータイプと、メタノールと軽油を2系統で供給し、軽油を着火用に、メタノールを主燃料とするディーゼルタイプがある。

*従来の内燃機関の応用であり、完成度は高いが、アルコール燃料はエンジンに負荷を与えるため好ましくないということで既に規制されていることから、今後、あまり促進されないと思われる。

5.水素自動車

 水素をエンジン内で直接燃やして走行する仕組み、ガソリン車と同じ内燃機関を用いるため、自動車本来のダイナミックな走りを享受できるだけでなく、低コスト。BMWとフォードが開発している。

*水素の製造・運搬・供給設備・積載タンク等燃料電池と同様の問題を抱えている。

 燃料電池のような化学反応ではなく燃焼作用に負うことから、CO2対策としては燃料電池よりも劣る。

6.DME車

 DMEは天然ガスのみならず石炭やバイオなど多様な燃料から生産が可能で、液化ガスのため可搬性があるうえ、硫黄や窒素を含まないためクリーンな燃料で、物性がLPGと類似している。産出国が中東に集中し安定供給に不安のあるLPGの代替となり得る。

 液体状態では、熱量はLPGや軽油よりも劣るため乗用車に適用するためには、積載スペースをコンパクトにすることが課題。また、DME専用車の開発が必要でもある。これらのことから、ディーゼルの排ガス問題を解消でき、積載スペースのとれる大型トラック・バスで使用することが考えられる。普及に当たっては、自治体の協力をとりつけることが効果的と思われる。

 DMEは、高建設費のLNG施設の無いアジア太平洋地域中小規模ガス田で製造することが効率的であり、また、中国のCO2を自然発生する炭層メタンからもつくることができ、有望な燃料ではあるが、製造の為にはまず需要の確保が前提であり、当初は、都市部や離島の分散型電源用、中国・東南アジアなど製造地の近くで、パイプラインや電力の送電網が無い地域において、発電用として使用することから始めることが望ましい。

 既設のLPG供給インフラをDMEに転用することは可能だが、?単位容積/重量当たりの発熱量が低く、かつ液密度が高いため設備力の増給が必要?ゴム類・プラスティック材料に対して溶媒作用があるためこれの緩和が必要。

7.天然ガス自動車(Natural Gasu Vehicle)
1)圧縮天然ガス自動車(Compressed Natural Gasu)

 天然ガスを気体のままで、1/200に圧縮し高圧ガスとして使用する。日本では現在、一万数千台使用されているが、イタリアは40万台弱、オランダは5万台強が使用されている。

 日本の2010年度目標は100万台とされているが、コスト・耐久性に対する改善と燃料供給の整備が求められる。

○メリット
? レシプロエンジン車からの改造が可能。(ガソリン車のオットーサイクル、LPG車は高圧ボンベ・高圧減圧弁が要る)
? オクタン価がガソリンより高いため、圧縮比を上げて高効率。高トルクと粘りのある走りで、渋滞などの発信・停止の多い市街地での配送業務に適している。? 気体燃料のため、冬場でもスタートがスムーズ。
? 万が一、漏れても空気より軽いため空気中に拡散するため安全性が高い。? 騒音がしない。
? 中東地域に石油ほど依存しないことから石油の代替となる。
? 将来的に燃料電池車が普及したときの改質用燃料となり得る。
? 環境特性に優れる
CO2 規制値を大幅にクリアできる。ガソリン車の70〜80%程度。排出量の少ないLPG車と比べると、2000cc位までは排出濃度が高めだが、2トンクラス以上のトラックになるとディーゼル同様に低くなる。
NOx ディーゼル車の10〜30%程度に抑制される。
PM 黒煙が排出されない。
SOx 硫黄分を含まないため発生しない。

●デメリット
? 改造車体価格が、既存車の1.4〜2倍。
? 日本は欧州のような天然ガスのパイプライン網が無く、全国で現在1500ヶ所くらいしか補給スタンド設備がない。(2010年想定で3000ヶ所、エコステーション等)? タンクの容積が大きく車体重量も重くなる。従って一充填あたりの走行距離が短くなる。(150〜350km、普通貨物で200kmくらい)→オールコンポジット容器などの軽量タンクが開発され、改善されてきている。

☆その他、
?燃費:ガソリン車(小型バン)=7.0円/kmに対し、 4.3円/kmと安いが、ディーゼル車=10.4円/kmに対し、10.5円/kmと少し高め。?6年に一度、ガスボンベの耐圧テストが必要。
?エコステーションでは、急速充填で数分内に充填が行える。

*クリン性があることから渋滞などの発信・停止の多い市街地での配送業務に使用する中・小型トラックについてディーゼル車の代替として有効。

CNG車(圧縮天然ガス)の種類
? 圧縮天然ガスのみを燃料とするタイプ
? バイフューエル=NGorガソリン・LPGを切り替えて使用できるタイプ? デュアルバイフューエル=NG+軽油の混合したものを使用するタイプ? ハイブリッド=NGエンジンに電気モーターを組み合わせるタイプ

2)LNG(液化天然ガス)車

 LNGを用いると、エネルギー密度はCNGの3倍となり、重量もその分軽くなる。しかし、LNG断熱容器の開発が必要で、実用化レベルになるまでに時間を要する。

 小型自動車(ディーゼル)をCNG車に改造すると排気量の要件から普通自動車扱いになり、自賠責保険・高速料金の面で不利になっていたが、H14年10月からに、次の車検を受けるとき、使用本拠地変更でナンバーを変更するときから小型自動車に車種区分変更が認められ改造前同様となった。

3)ANG(吸着天然ガス)車 

 ガス容器内の吸着剤にガスを吸着させ、数MPaの圧力で貯蔵する。

8.LPG自動車

 構造はガソリン車と似ており、エンジンをLPG向けに改造し、燃料タンクをLPG用に変更したもの。タクシーなどで、軽油を燃料として燃料とするディーゼル車の代替として、塵芥車、配送車で普及が進みつつある。

 普及状況は韓国・イタリアが150万台位と、日本の30万台に比べて多い。世界の大手自動車メーカーも積極的に生産しており、ボルボ社は全ての車種にLPGを設定、ルノー社は12車種に設定し販売、フォード社もライトトラックを中心に生産している。(ほとんどが、燃料切り替え可能なバイフューエル)

○メリット
? H11年の高圧ガス保安法の規制緩和により、燃料噴射方式が従来のキャブレター方式から、LPガスを液体のまま直接エンジンに噴射する電子制御加圧燃料噴射方式(LPi方式)が可能になったことから、エンジン稼働率が約20%アップ、燃費が大幅に向上した。ディーゼルと同等のパワーになっている。
? 燃料が安価。
? 環境特性に優れる
CO2 ガソリン車より数%低いが、ディーゼルより10%位、CNGより20%くらい削減率が劣る。
NOx ディーゼル車の10〜30%程度に抑制される。
PM 黒煙が排出されない。
SOx 硫黄分を含まないため発生しない。

●デメリット
? 車体価格が既存車の1.1〜1.5倍。
? 石油と一緒に取り出すLPGの場合は、中東地域依存となり石油代替効果はない。? 燃料供給施設が少ない。
? 走行距離が300〜400Kmと若干短い。

☆その他
? 全国のLPGスタンドは、1900箇所(H12年9月末時点)。
? トータルコストの面では群を抜いている。
 
*地球環境問題として、SPM・黒鉛・NOxがクローズアップされれば、インフラの現実性・車両コストから有効と思われる。CO2対策が表に立つ観点では、温暖化阻止の効果は薄く不利。欧米を中心として、米国・カナダ・中国・オーストラリアなどがクリーンカーとしての位置づけを明示している。大型トラックのディーゼル代替は出来ないが、中小型車の代替になる。

9.ハイブリッド車

 複数の動力源を組み合わせて低公害化や省エネルギーを図る自動車。エンジンで発生させたエネルギーやブレーキをかけたときの制動エネルギーを電気や圧力エネルギーに変えて保存し、発進や加速、登坂時にそのエネルギーを使って駆動する力を補助する。燃料にガソリンも使用でき、燃費も2倍以上。消費燃料が少ないため、減った分だけクリーン度は増す。NOxはガソリン車の1/4以下。2005年からはビッグスリーも進出。欧州では、ハイブリッドよりディーゼル・LPGを進めている。

○メリット
? 燃費効率がよい。
? 既存のインフラを利用できる。
? 航続距離が既存車以上。
? クリーン度が高い。

●デメリット
? 車体価格が既存車の1.04〜107倍になる。(燃費が従来車よりかから無いことで解消できる)
? バッテリーの交換が必要。

*リチウム電池や二重電層キャパシタなどが実用化に向け開発されているので、これらの蓄電技術との併用が出来れば、燃料消費が激減することからコスト的にも環境対策としても、現時点において一番実効性のある対策と思われる。

補足)購入にあたってリースの利用

 低公害車はバッテリーや技術開発が、長足の進歩を遂げており、年々車体性能が良くなっている。ユーザーにとっては、購入後に、技術改良が実現される価値ダウンリスク感がつきまとい購入意欲の妨げになることがあることからリースによる調達が考えられる。

 利用料金=車両価格+購入時の付帯費用(取得税含む)+付随費用(保険料・支払金利等)+整備費用 で、契約は通常3年間。

☆リースのメリット
 所有者がリース会社となるのでオフバランス化が図れる。
@ 税務上=全額損気温処理が出来る。
? 資金運用上=経費負担が均等のため、平準化でき資金計画が立てやすい。? 財務上=固定資産ではないので、固定資産税がかからない。
? 経理上=減価償却にかける手間が省ける。
? 総務上=廃棄の手間がかからない。

*現金フローに余裕があれば、自己購入に比べ割高になることから、あえてリースを利用することはない。所有管理上手間を取りたくない場合、購入資金を借り入れなければいけない場合に利用価値がある。

■WEB LINK NEWS
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04/03/29 日産が燃料電池車を初納入 トヨタ、ホンダに続き(共同通信)

 日産自動車とコスモ石油は29日、日産が開発した水素と酸素の化学反応を利用して走る「燃料電池車」第1号のリース契約を結んだと発表した。同日、横浜市内で納車式を開いた。日産はこのほか数台を年内に販売する考え。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040329-00000165-kyodo-bus_all

04/03/29 「静かで、パワーが違う」 燃料電池車試乗会、知事ら乗り心地体験−−鈴鹿 /三重(毎日新聞)

 県と鈴鹿市は、ホンダ鈴鹿を中心とした同市の自動車関連産業の技術力を生かし、燃料電池開発のための特区申請を4月にも行う。また、同市は鈴鹿高専での燃料電池技術者育成と、産学官の連携によるネットワークづくりも進める予定。試乗会は、こうした動きに連携し、ホンダ鈴鹿が燃料電池車PRのために行った。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040329-00000004-mai-l24

04/03/30 岩谷産、液体水素の製造会社を設立=06年4月稼動、国内最大規模(時事通信)

 新会社「ハイドロエッジ」(本社大阪市)は、資本金2億4500万円。岩谷が80%、岩谷と関西電力などの共同出資会社が20%出資する。岩谷は、半導体、ガラス、食品メーカーなどに圧縮水素を販売しているが、水素を液体化することで体積が800分の1に圧縮できるため、輸送費の削減が見込まれるという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040330-00000072-jij-biz

04/03/30 <プレスリリース>日産自動車、燃料電池車に二酸化炭素冷媒のカーエアコンを搭載(毎日新聞)

 現在、一般的に車載されているカーエアコンは、代替フロンを冷媒として車室内熱交換器で蒸発させ、熱を奪うことで冷房を行ない、暖房については、エンジンから発生する熱で加熱した冷却水を循環させて暖気するという二系統のシステムを用いている。よって、内燃機関を持たない燃料電池車や電気自動車の場合、熱源がないため暖房の効きが良くないという欠点があった。今回、「X−TRAIL FCV」に搭載されるカーエアコンは、低温における特性に優れた二酸化炭素を冷媒としたシステムであり、冷房は通常のカーエアコンと同様に行いながら、暖房は、冷媒の流路を切り替え、冷媒を圧縮して車室内熱交換器へ流し、放熱させることで、システムを一系統化、効率的に暖房効果を高めている。また、二酸化炭素の冷媒は、従来より使用されている代替フロンに比べて地球温暖化への影響が小さいことから、燃料電池車の環境対応効果をいっそう高めることとなる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040330-00000010-mai-ind

■海外ニュース(3月ー4)
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<輸送>
●現代が新規な燃料電池SUVをジュネーブで展示

 韓国−現代は、同社のコンパクトSUVであるTucsonの燃料電池仕様車を第74回ジュネーブ国際モーターショーで展示する計画である。燃料電池Tucsonは本年末にも、スモールビジネス向け車両として実用化する予定である。

<ポータブル/バックアップ電源>
●Millennium CellとProtonex が契約にサイン

 Millennium Cell, Inc.とProtonex Technology Corporationは、小型、携帯用燃料電源システムの共同開発、技術供与に関する契約に署名した。 両社は、クリーンで安全且つ高耐久性の携帯電源を市場に提供する為、Millennium Cell社 のHydrogenon Demandェ システムとProtonexユs fuel cell power technologyとを一体化させる。
http://www.millenniumcell.com/cgi-bin/news.pl?function=detail&id=021204

<燃料・改質器・貯蔵>
●DOEが新たな水素教育ツアーを発表

 米国エネルギー省(DOE) のSpencer Abraham大臣は、「水素パワー:期待と挑戦」と題した全米6年を回る、州政府及び地方行政の非技術者向け教育ツアーを発表した。ツアーは、水素及び燃料電池技術、水素の安全性に関する情報を提供するもので、「水素構想」を完遂への挑戦である。
http://www.energy.gov/engine/content.do?PUBLIC_ID=15085&BT_CODE=PR_PRESSRELEASES&TT_CODE=PRESSRELEASE

<燃料電池コンポーネント>
●MaxwellとHydrogenicsが戦略的提携

 Maxwell Technologies, IncはHydrogenics Corportationと戦略的提携を結んだ。提携関係の下、Maxwell社のBOOSTCAPウルトラキャパシタとHydrogenics社の燃料電池発電システムとを総合し、システム性能の最適化とコストダウンを図る。
http://www.maxwell.com/news/archives/2004/february25-04.html

<その他>
●クリーンエネルギー州アライアンスが発足

 12州17の公共基金は、クリーンエネルギープロジェクトと企業を助成する為の新しいクリーンエネルギー州アライアンス(CESA) を支援することで合意した。基金は、向こう10年間のこれらの活動に対し、総額で35億ドル(3800億円)が必要と見ている。
http://www.cleanenergystates.org/library/Press/CESA%20Press%20Release%20-%2001.29.04.Final.pdf

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■燃料電池ワールド
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