燃料電池ワールド (2004/02/19 13:20)

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□燃料電池ワールド
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■Vol.128 2004/02/18発行

                   ◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM

                        ◇http://www.pem-dream.com/

■お知らせ
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☆燃料電池バスに乗りましょう!(再掲)

 東京都は昨年8月28日から、路線バスとして燃料電池バスを走らせています。このバ
スには、1乗車200円を払えば誰でも乗れます。このバスに多くの人が乗ることで、燃料電池バスに対する関心が高いことを示せます。それは、都市の大気汚染を早く解決して欲しいという世論の表れともなるでしょう。首都圏に住んでおられる方も、出張で東京に来られた方も、時間をやりくりして乗ってみませんか。路線や時刻の詳しい情報は以下のホームページで知ることができます。
http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/community/news/new/topics01-287.htm

☆『燃料電池パワー』Vol.28の内容
【今週の燃料電池関連画像】 
☆燃料電池を知る会 in OKAYAMA『時代は進む、燃料電池〜わたしの家に燃料電池が来る日〜』より(1)
1.ずらりと並んだ展示
2.会場が埋まった広瀬氏の講演
3.大もての燃料電池自転車
【沼崎英夫/技術レポート】              
◇ソーラーカー/燃料電池車製作講習会レポート
◇資料紹介/自動車技術会「自動車技術」04年1月号

      日経エレクトロニクス2003.11月10日号・特集「実験室を出る燃料電池ー水素エネルギー社会への序章」
※このメールマガジンは、より専門的な情報をPEM−DREAM会員に提供しています。サンプルは、http://www.pem-dream.com/conts.html

☆「遊んで作る燃料電池100円実験キット」と材料提供(再掲)

 日本中、どこでも誰でも、手軽に、安全に、安上がりに燃料電池の原理を実験できる「遊んで作る燃料電池100円実験キット」。このキットの材料と製作ストーリーを書いた資料をメールで無料で差し上げています。ご希望の方は、
info@pem-dream.com までお申し込み下さい。

 また、すでに資料を請求された方から、材料として使うLEDと電線が入手しにくいので対応できないかとの相談がありました。そこで、私たちが常備している中から、希望する方に提供することにしました。

 内容は、LED3個と電線20cmくらいを2本です。ご希望の方は、切手200円分(郵送料含む)を事務局までお送り下さい。折り返し郵送します。
・宛先 〒198−0032 東京都青梅市野上町4−3−4ベルドール河辺201
    燃料電池NPO法人PEM−DREAM

■燃料電池グッズ【ご注文はメール info@pem-dream.com でどうぞ】
☆「燃料電池+ミニカー」組み立てセット〔再掲)

 資源エネルギー庁のエネルギー教育用教材キットに取り上げられたセットです。自分で組み立てた燃料電池をミニカーにセットして、水素を供給して走らせることができ、直線で20メートルくらい走ります。燃料電池単独でも使えます。NPO特別価格15000円(税、送料込み。PEM−DREAM会員は1割引))です。写真は
http://www.pem-dream.com/kit.html でご覧ください。
※激走―そして激突!? 燃料電池ミニカーの23秒ビデオ 鳥取県の信原一郎さんが、ミニカーの激走ぶりをビデオで撮影してくださいました。
http://www.pem-dream.com/move.html

☆「ソーラー+燃料電池」学習キット(再掲)

 太陽光発電、水素の製造、燃料電池について、中学から高校生程度の物理と化学の基礎知識を学びながら、30種類の実験を進めるキットです。再生可能な循環型エネルギーの仕組みを理解するのに最適です。

 100頁の英文テキストと和訳テキストつき。販売価格24000円(税、送料別)のところ、NPO特別価格23000円(税、送料込み。PEM−DREAM会員は1割引)で提供します。写真は http://www.pem-dream.com/kit02.html でご覧ください。

■PEM−DREAMニュース
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☆燃料電池を知る会 in OKAYAMA『時代は進む、燃料電池〜わたしの家に燃料電池が来る日〜』報告

 朝から夕方までの開場時間6時間の間に参加した人々ーー高校生をはじめ、小さい子ども連れのお父さんお母さん、各企業の方々、県行政のトップの方たち、国会、県会、市会議員の方々、新エネルギーに携わる行政の職員の人たち、そしてマスコミ各社等々約300名が2月7日、岡山国際交流センターの8階に集った。無料ではなく、1000円を払っての参加だった。燃料電池を知る会 in OKAYAMAが主催したイベント『時代は進む、燃料電池〜わたしの家に燃料電池が来る日〜』である。

 2000年12月1日、同じ会場で広瀬隆氏の燃料電池講演会が開かれ、設立間もないPEM−DREAMは燃料電池の情報がとにかく欲しくて聴きに行った。その時は「わざわざ東京からですか?」と驚かれたが、今回は逆になって、昨年12月のエコプロダクツ2003に「わざわざ岡山から」みえられ、今回のイベントの構想について話し合った。その後精力的に準備が進められ、当日の会場には質量ともに現在考えられ得る最高の燃料電池の展示物が勢揃いすることになった。その上、現地スタッフによる生バンドの演奏、寸劇、講演と、バラエティに富んだプログラムが用意されたのだから充実しないはずがなかった。

 体育館に似た会場に入ると、正面奥には昭和30年代頃の家庭の居間を再現したモデルハウスが据えられた。これは、エコプロダクツ2003で日本ガス協会が出展した家庭用燃料電池システムの展示物で、ひと目見た主催者はこれを岡山まで持ってきたいと惚れ込んで、交渉を続けてきたものだ。幸いなことにモデルハウスを制作した株式会社アクトの熱意にも助けられて、埼玉県幸手市から10時間かけて運ばれ、組み立てられた。家庭用燃料電池のメーカーからは出展の協力は得られなかったものの、実際に設置されるとどういうふうに家庭の電気と温水が使われるかが原寸大で見ることができる。日本ガス協会が制作した説明ビデオは左側のスクリーンに映されていた。

 その前面に簡単なステージがしつらえられ、そこで「やまざるバンド」によるバンドの演奏「燃料電池が地球を救う!」、劇団「ぬーもす」による寸劇「時代は新しいエネルギーをまっている!」、広瀬隆氏の講演「燃料電池が拓く未来」が順々に行われた。

 「Fuel Cell」という曲まで作ってしまったやまざるバンドは地元の青年5名で活動を続けている。こういう時に「ユニークな演奏」というと、本当は下手だがまあ一生懸命頑張ってよくやってくれたというようなニュアンスを持つこともあるので、敢えて使わなかったが、演奏後、「ずいぶんうまくなったじゃないか」と労をねぎらわれていた。

 寸劇はキャスティングの妙と素人的失敗によって笑いの連続。何しろ5回くらいの練習量と、そのたびに書き換えられた台本を覚えるのがやっとの人もいたようだ。でも、衆知を集めて完成させた舞台は、そのうちこういう会話が交わされるだろうなというリアリティを持っていて、下手な講演も顔負けのわかりやすさである。この台本は作者の了解を得て来週の『燃料電池ワールド』に載せるので、乞う、ご期待。上演も可です。

 広瀬隆氏の講演は聴衆で会場が一杯になり、これまでの長年にわたる地元と広瀬氏の交流の絆を感じさせられた。広瀬氏は多数の著書で原子力発電を取り上げており、岡山県とは1980年代に高レベル放射性廃棄物処分場問題が持ち上がって以来の付き合いだ。ある人は「かつては原発推進の人から、薪や石炭の時代に戻ってもいいのか、といわれたことがあるが、いまは代替エネルギーとして燃料電池が可能性を持っている。反対から提案へ新しい運動が展開できる」と話してくれた。広瀬氏は講演の中に寸劇を登場させながら、燃料電池の最新情報とともに、アジアのエネルギー情勢について詳しく話した。

 会場の全体をもう少し説明しよう。右側には奥から、トヨタから借りた燃料電池バスのビデオが常時映されていた。その手前には、倉敷市の水島工業高校が製作中の燃料電池カーを展示し、先生や生徒がその説明に当たっていた。今年の8月にはこの車を完成させて、ワールドエコノムーブのレースに参加する予定とのこと。また、家庭の生ごみからメタンガスを生成するミニプラントも展示した。そして、PEM−DREAMの燃料電池自転車が子どもを乗せてゆっくりと走るコーナー、遊んで作る燃料電池100円キットの実演コーナーが配置された。LEDと電線を入れたフィルムケースもおみやげとして用意され、子どもたちは持ち帰っていた。

 左側には、燃料電池の説明パネルが並び、詳しい説明を読む人がたくさんいた。パネルの手前には、(有)テラリウムが販売している太陽光発電と燃料電池の組み合わせによるミニプラント模型、荏原バラードの1200W級燃料電池モジュール「Nexa」、AGVシステム研究所の中国製燃料電池、大同メタルのミニ燃料電池車「エスティマ」やミニカーキット、燃料電池キャタピラ車、(株)のもとの「ソーラー+燃料電池組立セット」などがずらりと並び、お互いに話し込んだりのぞき込んだりして、人だかりが絶えなかった。そして入口手前には、パンや飲み物、お弁当と本の販売コーナーが設けられ、広い会場を目一杯埋め尽くしていた。

 開場して間もなくテレビの取材が入り、昼のNHKニュースで放映され、それを見てやってきた方も10人以上はいたようだ。翌日の山陽新聞にも記事が載り、波及効果は大きかった。常時30人を超えるスタッフが持ち場持ち場で動き回るこのようなイベントは、PEM−DREAMではまだできないので、うらやましい限りだ。

 このイベントは、準備の過程でたくさんの企業に協力を呼びかけた。いろいろな事情から上記企業の他には三洋電機、広島ガス、三宅電機の協力を得るにとどまったが、交渉の過程では担当者の声援に励まされたという。また、岡山県、岡山県教育委員会、岡山市、岡山市委員会、岡山県商工会連合会などの後援も得て準備された。
 

 話は飛ぶが、2月4日付ガスエネルギー新聞のコラム「ガス灯」欄に、次のような提言が載っていた。「エコウィルと同様に、激しい電化攻勢に対抗する切り札として期待されている家庭用燃料電池のネーミングはぜひとも統一して、ガス業界全体で足並みをそろえて普及促進を図っていくべきである」。そして、他の紙面では東京ガスの方がこのように書いている。「とかくガス体エネルギー業界は省エネルギーを提案する力が弱い。弱いどころか「なんでわざわざ、消費原単位が減る商品を売らなきゃいけないんだ」と真顔で言う業界関係者もいるほど。……今、これ(注:エコキュートやガス温水暖房給湯システム)を売る力なくして、家庭用コージェネだけが売れるとは到底思えない。……燃料電池を本格普及させる道のりは、一番手の東京ガスですら、かなり足長く考えている」

 岡山イベントの交渉過程では、地元の岡山瓦斯は協力してくれず、広島ガスは熱心だったという。日本の都市ガス事業者は全国に229あり、燃料電池に対する温度差があることがわかった。来年の3月までには東京ガスが家庭用燃料電池商品を売り出すが、その後、その商品が欲しいと思っても地域によってはすんなりと入手できないこともあり得るように考えられる。ガス業界はどのような販売体制をとっていくのか、これからはその点も注目していきたい。

 そして、2月12日から14日まで東京・ビッグサイトで開かれたENEX2004では、東京ガスや新日本石油が新しい燃料電池のパンフレットを紹介していた。これまではA4かA3二つ折りのわりと手軽なものが多かったが、今度はともにA4サイズ16ページの充実した内容である。燃料電池の基礎知識とともに、家庭用を含めた定置用との説明も詳しく、いい教材となっている。こういうパンフレットが準備されてくると、いよいよ本腰を入れてきたと感じさせられる。
 

 疲れを知らずというか、その後数日して「9月頃にまた何か・・・」という話が伝わってきた。さて、年内にまた岡山の報告をすることになるかどうか、望むところではあるが。

■WEB LINK NEWS
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04/02/15 爆発は滞留した水素が原因 直島の事故で県が報告書(共同通信)

 報告書によると、廃棄物中の金属と石灰が反応して水素ガスが発生。密閉されたコンベヤー内や炉の上部に滞留し、廃棄物中の金属がこすれるなどして起きた静電気で引火し、連続的に爆発した可能性が高いという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040215-00000134-kyodo-soci

04/02/16 [新製品]NTTとNTT-AT、携帯機器用ソーラー電源「ポケットエナジー」を商品化(BCN)

 同社では、今後も「総合プロデュース」活動を継続し、商用電源の利用が困難な遠隔モニタリング装置などへの応用開拓を進めるとともに、昇圧回路モジュールの商品化も検討していく。さらに、マイクロ燃料電池などの新たなクリーンエネルギー源などへの応用も視野に入れ、ユビキタス社会の実現に向け、環境・エネルギーの側面から実用化を目指していく考え。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040216-00000006-bcn-sci

■海外ニュース(番外)
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●北京、天津、上海など16都市でエコ自動車普及 科技部

 科学技術部はこのほど、第10次五カ年計画(2001〜05年)で推進されている、低公害車「エコ自動車」について、北京、天津、上海など16の都市での普及計画および自動車分野での科学技術の重大プロジェクト30項目を発表した。国内で開発された低公害自動車の第一弾が、年内にもこれらの都市に順次投入される予定。

 「全国エコ自動車科学技術重大事業成果展示会」がこのほど上海で開催され、北京、天津、上海など16都市の105社が最新製品を展示した。展示されたエコ自動車の動力源は天然ガス、石油ガス、電力などさまざま。排ガスの量はこれまでにないほど低いレベルに抑えられていた。
(04/02/16 人民網日本語版)

■海外ニュース(2月ー2)
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<輸送>
●Millennium CellがPSAプジョー・シトロエンとの協力を継続

 Millennium Cell, Inc.と PSA プジョー・シトロエンは、2002年に発表したプジョーの燃料電池コンセプトカーH2Oに搭載されたMillenium Cell社製Hydrogen on Demandェ燃料システムの性能向上の為の共同開発を第二段階に進める計画だ。多段階のプログラムには、車載型及び非車載型の燃料、新しいコンセプトを実証する為のプロトタイプシステムでの、より高濃度の水素化ホウ素ナトリウム溶液を使用したホウ素のマネジメントが含まれる。
http://www.millenniumcell.com/cgi-bin/news.pl?function=detail&id=012204

<定置用電源>
●テキサス州が、新たなプロパン燃料電池を発表

 テキサス州政府は、サンアントニオ交通情報システム“TransGuide”が設置した大画面スクリーンの補助電力供給用として新型の5キロワット級プロパン燃料電池を展示した。HyRadix, IncとPlug Power, Incによって開発された燃料電池は、米国エネルギー省とプロパン教育研究協議会からの補助金によって設置された。
http://www.plugpower.com/news/customer.cfm

<燃料電池コンポーネント>
●富士通研究所が新素材技術を開発

 富士通研究所は濃度30%のメタノールを燃料として使用可能な新たな燃料電池素材技術とこれを導入したプロトタイプの発電ユニットを開発した。技術は、高密度の、メタノールブロック性を有した、高活性白金ナノ粒子触媒で覆われた芳香族系炭化水素固体電解質からなる。
http://www.labs.fujitsu.com/en

<報告・市場調査>
●USFCCがメディアガイドを発行

 米国燃料電池評議会は、110を超える燃料電池開発及び製造者、主要部品メーカー、燃料供給業者、エンドユーザー、研究機関、政府機関をリストしたメディアガイドを発行した。報道関係者はガイドを無料で入手できる他、報道関係者以外でも希望者は1冊20ドルで購入することが出来る。
http://www.usfcc.com/Media_Guide_2003-4.pdf

<その他>
●米国と日本が燃料電池及び水素の研究で協力

 米国エネルギー大臣のSpencer Abrahamは坂本剛二経済産業副大臣との間で、両国が水素及び燃料電池技術の開発で協力する合意書に署名した。 米国と日本とは、専門家の交流を行う他、燃料電池、水素製造、貯蔵、移送技術に関する現在の政策、技術プログラム及び開発に関する情報交換を行う。
http://www.energy.gov/engine/content.do?PUBLIC_ID=14758&BT_CODE=PR_PRESSRELEASES&TT_CODE=PRESSRELEASE

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■燃料電池ワールド
 □毎週水曜日発行
 □編集・発行:燃料電池NPO法人PEM−DREAM 

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