燃料電池ワールド (2004/01/29 12:10)

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□燃料電池ワールド
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■Vol.125 2004/01/28発行

                   ◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM

                        ◇http://www.pem-dream.com/

■お知らせ
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☆燃料電池バスに乗りましょう!(再掲)

 東京都は昨年8月28日から、路線バスとして燃料電池バスを走らせています。このバ
スには、1乗車200円を払えば誰でも乗れます。このバスに多くの人が乗ることで、燃料電池バスに対する関心が高いことを示せます。それは、都市の大気汚染を早く解決して欲しいという世論の表れともなるでしょう。首都圏に住んでおられる方も、出張で東京に来られた方も、時間をやりくりして乗ってみませんか。路線や時刻の詳しい情報は以下のホームページで知ることができます。
http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/community/news/new/topics01-287.htm

☆『燃料電池パワー』Vol.25の内容
【今週の燃料電池関連画像】 
☆北海道平成15年度水素・燃料電池実証実験より/計4枚(提供:株式会社電制)1.5台並んだFCBox
2.ダ実証実験施設
3.実証実験表示パネル
4.水素供給プラント
【沼崎英夫/技術レポート】              
◇JARI次世代自動車フォーラム(下)
◇資料紹介・日経BP社発行「オートモーティオブ・テクノロジー2004先端技術編」
※このメールマガジンは、より専門的な情報をPEM−DREAM会員に提供しています。サンプルは、http://www.pem-dream.com/conts.html

☆「遊んで作る燃料電池100円実験キット」と材料提供(再掲)

 日本中、どこでも誰でも、手軽に、安全に、安上がりに燃料電池の原理を実験できる「遊んで作る燃料電池100円実験キット」。このキットの材料と製作ストーリーを書いた資料をメールで無料で差し上げています。ご希望の方は、
info@pem-dream.com までお申し込み下さい。

 また、すでに資料を請求された方から、材料として使うLEDと電線が入手しにくいので対応できないかとの相談がありました。そこで、私たちが常備している中から、希望する方に提供することにしました。

 内容は、LED3個と電線20cmくらいを2本です。ご希望の方は、切手200円分(郵送料含む)を事務局までお送り下さい。折り返し郵送します。
・宛先 〒198−0032 東京都青梅市野上町4−3−4ベルドール河辺201
    燃料電池NPO法人PEM−DREAM

■燃料電池関連イベント
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☆1月31日にソーラーカー、燃料電池車製作講習会

 5月初めに行われる電動車両のエコノミーランである「ワールド・エコノムーブ」(WEM)と7月末〜8月初めの3日間に行われるソーラーカー・レース「ワールド・ソーラーカー・ラリー」(WSR、共に秋田県南秋田郡大潟村)などの主催団体が、出場者の製作講習会を1月31日午前8時50分〜午後5時30分、東海大学高輪校舎(東京・港区高輪2-3-23)で開く。

 昨年はWEMとWSRと同時開催のJISC(全日本学生ソーラーカー選手権大会)に燃料電池部門が新設された。今年のレギュレーションと開催日程は当日発表される予定。「燃料電池車の高効率運転法」(大同メタル工業)、「DC-DCコンバーターの適材適所ー太陽電池&燃料電池への応用」(小山高専・鹿野研究室)などの講演と機器の展示がある。参加費無料、申し込み不要。
問合せ先:東海大学工学部木村研究室(電話0463-58-1211内線4092)

☆新潟県燃料電池実証試験研究開所式
◇日時 2月3日(火)13:00〜17:00
◇会場 長岡技術科学大学メディアセンター
◇内容
(1) 新潟県燃料電池試験サイト視察
(2) 新潟県燃料電池実証試験サイト開所式
注)会場(長岡技術科学大学マルチメディアセンター)から遠隔操作により燃料電池の起動を行います。
(3)記念講演
  「燃料電池の市場性について」(仮題)
  株式会社日本総合研究所創発戦略センター所長 井熊均氏
◇問い合わせ (事務局)新潟県産業労働部原子力安全・資源対策課
            資源エネルギー推進係 葉葺(はぶき)
   電話 025-280-5257(直)
E-mail s050070@mail.pref.niigata.jp

☆燃料電池を知る会 in OKAYAMA
『時代は進む、燃料電池〜わたしの家に燃料電池が来る日〜』
◇日時 2月7日(土)午前10時〜午後3時まで
◇会場 岡山国際交流センター8階
(岡山駅前西口、交流センター最上階 Tel.086-256-2000)
◇資料代(入場整理券) 1000円 ※高校生以下無料
◇内容
●生バンド演奏 10時〜
「燃料電池が地球を救う!」
出演「やまざるバンド」
●寸劇 10時30分〜
「時代は新しいエネルギーをまっている!」
劇団「ぬーもす」
●講演会 13時〜
講師 広瀬隆氏  
●展示物 10時〜15時
・家庭用燃料電池システムモデル住宅
・太陽光発電と燃料電池の組み合わせによるミニプラント
・各メーカー開発中の家庭用燃料電池パネル
・中国製燃料電池などいろいろな燃料電池の展示
・燃料電池自転車の試乗 など
◇参加申し込み 当日、直接会場へ。

■PEM−DREAMニュース
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☆1月燃料電池市民講座『荏原バラード社の事業展開』報告とバラード社の人事

 市民講座始まって以来の多数の参加者(60名)を迎えることができたのは、燃料電池業界における荏原バラード社のポジションのせいだろう。カナダのバラード社はいうまでもなく燃料電池の扉を開いた会社で、世界のリーディング・カンパニーである。バラード社の自動車用燃料電池は、提携関係にあるダイムラークライスラー社とフォード社を通じて、日本ではマツダと三菱自動車が使っており、ホンダも昨年10月に発表した自社製の燃料電池を搭載するまではバラード製のものを使っている。

 定置式と位置づけられた分野では、日本での独占販売・サービス・製造を、荏原製作所と合弁会社を設立して橋頭堡を築いている。その合弁会社が荏原バラード株式会社であり、1998年に設立された。まだ日本では燃料電池という言葉が一般に知られだしていた頃である。その前年の京都議定書によるCO2排出削減目標の影響は燃料電池の研究開発にも火をつけ、固体高分子形燃料電池を主役の座に押し上げた。日本ではPEFCといい、バラードおよび海外ではPEMと呼ばれるこのタイプの燃料電池が自動車や家庭用に使われて、自動車では既にリース販売が行われ、家庭用も2004年度中、つまり2005年3月までに商品が発売される状況になっている。

 荏原バラード社は、東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、北海道ガスの各社と家庭用燃料電池の共同研究に取り組んでいる。その他に、カナダのバラード社が世界初の量産を始めたPEM型燃料電池モジュール「Nexa」を用いて、「FC Box」という移動用バックアップ電源を独自に発売している。また「Nexa」は単体でも提供され、教育用には割引価格を設けて大学などに数十台販売されている。

 燃料電池はブラックボックスといわれ、特にバラード社の製品には購入しても厳しい制限が課せられていることは常識となっている。そうした事情もあって、荏原バラード社もこれまで積極的な広報活動はしてこなかったが、企業活動が商品販売の段階に入ったことをきっかけに、ホームページを開設して情報提供を始めた。そのお知らせを昨年10月にメールでいただいたことが、この市民講座に繋がったのである。もちろんPEMーDREAMからの図々しいほどのアタックもあったのだが、社外の要請に応じてまとまった話をするのは初めてのことだったようで、とても光栄に思っている。

 だが、一般向けに情報提供するというのは、その反応への対応ということを考えると大変なことだと思うが、市民講座でも似たようなことになった。荏原バラード社営業企画部の山本貴之氏のお話に続いて懇談に入った。参加者一人ひとりから最低一言ずつ発言していただくことを運営の原則としているので、人数分の質問が浴びせかけられた。ホームページ流にいえば「よくある質問」集ができてしまうほどの内容で、参加者は「いい勉強になった」と楽しげだったが、答える側は「非常に気を使った」のである。同社の燃料電池事業統括コージェネレーション部長の森豊氏からは、理論的な問題に対してていねいな解説をしていただいた。

 例えば、「Nexa」を購入したとしたらどの程度までいじっていいのか、という率直な、そしてほとんどの方が聞きたいと思っている質問には、スタック以外の部分は購入者の責任で外したりしてもOKだ、との回答があった。また、仮に2年ほど使って動かなくなった場合、セル(スタックを構成している単体の燃料電池)は下取りして入れ替えるのか、交換してくれるのか、という質問では、全取っ替えとの答。こうした現実的な質問もあれば、「Nexa」は純度99.99%の純水素を燃料として使用するが、この純度はどのくらいまで下げることができるのか、という質問もあった。これには、下水処理場でメタンガスからの副生水素を使って燃料電池を動かしているが、その純度は99.95%くらいでも稼働した。しかし、純度を下げてくると動かないところがあるが、それが何%までなのかはまだわからない、と説明された。

 後日、窓口になっていただいた営業企画部の柳田啓之氏から、「様々なバックグラウンドの参加者の方々の熱心さに触れ、燃料電池に対する期待の高さを感じました。2次会で聞いた皆さんの「本音」も大変参考になりました。今後は燃料電池システムメーカーとして皆さんの期待に応えられるよう一層努力していきたいと思います」というメールをいただき、主催者としてはホッとしてところである。

 さて、市民講座から2日後、読者の方からカナダのバラード社のニュース・リリースを教えてもらった。それは、市民講座の2日前(22日)のもので、「バラード社が、CTO(技術部門取締役)の交代を発表」というものだった。ニュース・リリースの冒頭にはこう書いてある。

「バラードパワーシステムは、本日、バラード社と本人双方の合意として、現CTOのFred Vassocelosが、別のキャリアを積むために(注:要は転職・・・)バラードを去ることになったと発表した。

後任が決定するまで、CTOの仕事はバラード社経営陣の中の3名が分担して担当する。R&D担当のDr.Charles Stoneは開発計画策定を、Dr. Fred Fletは電動機及び動力変換装置開発を、Mr. Jim Sturekはバンクーバー(カナダ)とネイバーン(ドイツ)における燃料電池開発に関するあらゆる活動を管掌することになる。各々は、社長でCEOのMr. Dennis Campbellに直接報告をする」

 全文は http://www.ballard.com/pdfs/01%20CTO.PDF でお読みいただきたいが、これを巡って早速いろいろな憶測が飛び交いだした。曰く、「ある筋からバラードが自動車、定置用燃料電池から撤退し、マイク
ロ燃料電池に特化するという話を聞きました。最近、バラードの技術最高責任者が辞任するとの報道がなされています。もうバラードは燃料電池開発競争から脱落したのではないでしょうか」という気の早いものもある。

 この根拠のひとつは、昨年10月の東京モーターショウでの下記のキャンベル社長の発言にある。

○戦略転換を模索するBallard Power Systems
 Ballardは1980年代後半、固体高分子型燃料電池の性能を飛躍的に向上させ、その過程で取得した特許で世界のPEFCの技術開発をリードしてきた。そして将来の自動車用燃料電池の世界標準となるべく、資本提携関係にあるDC、Ford以外にも積極的に燃料電池の提供を行ってきた。その方法は、特許をライセンス供与せず、スタックに組み上げた燃料電池を丸ごと販売し、購入した顧客とは、スタックを分解しないとの契約を結ぶものであった。しかし、燃料電池を提供してきたホンダが自社開発に、日産がUTC Fuel Cellに傾斜を深める中で、Ballardも戦略の転換を模索し始めた。

 2003年10月の東京モーターショウのために来日したBallardのD.キャンベル会長兼CEO(最高経営責任者)はマスコミの取材に対し「自動車メーカーなどから要望があれば、特許をライセンス供与し、共同研究することも検討している」と述べている。資料:
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf/CID/onair/biztech/r_f_cell_a/282013

 このニュースを市民講座の時に知っていれば、当然質問が出されただろう。答えようもないことだと思うが、バラード社の中で何かが起きているとは推測できる。ある人はこの人事に、1997年、ラスール前社長がバラード博士たち創業者3人を追放した時のことをダブらせて考える。

 いずれにせよ、日本では家庭用燃料電池の実用化に手が届くところに来たのであり、その先端を切って注力している荏原バラード社には頑張っていただきたいとエールを送りつづけたい。
※1月燃料電池市民講座『荏原バラード社の事業展開』の講演全文は後日『燃料電池パワー』に掲載します。

■WEB LINK NEWS
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04/01/20 バイオマス利用の普及を 盛岡で5県知事がサミット(共同通信? 岩手県の増田寛也知事が呼び掛け、青森、秋田、和歌山、高知の5県の知事がパネルディスカッション。青森県の三村申吾知事は「コストが高いのが悩み」と述べ、秋田県の寺田典城知事は、バイオマス発電をしても電力会社が電気を買い取らないことを例に「何らかの法整備が必要だ」とバイオマス利用の課題を指摘した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040120-00000194-kyodo-soci

04/01/21 <エネルギー会議>需給見通し改定へ6月にも中間報告(毎日新聞)

 産業構造審議会と総合エネルギー調査会のエネルギー環境合同会議の初会合が21日、開かれた。合同会議は、中長期的なエネルギー需給を見通して国の政策指針を示す「長期エネルギー需給見通し」を改定するため、人口減少や燃料電池の普及など2030年までの長期的な視点で議論し、今年6月にも中間報告をまとめる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040122-00002036-mai-bus_all

04/01/22 NEDO、来年度からSOFC実用化へ実証機を開発(日刊工業新聞)

 10キロワットから数十キロワットまでのコジェネレーション(熱電併給)システムと、100キロワット以上のモノジェネレーション(単純発電)の2システムの開発で、コジェネタイプは半額、モノジェネは全額補助で実用化を目指す。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040122-00000023-nkn-ind

04/01/24 「株式」ノリタケカンパニーリミテド(5331)−個別銘柄ショート・コメント(フィスコ)
*15:01<5331.>ノリタケカンパニーリミテド416+12
3営業日ぶり反発で昨年9/3に付けた昨年来高値419円にあと1テックに迫る。PDP関連、燃料電池関連として蒸し返しているとの見方も。配当利回り2.15%と、配当狙いの買いも入っている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040122-00000046-fis-biz

04/01/23 新エネルギー共同活用の特区申請決める 仙台市(河北新報)

 センターは、都市ガスを使った燃料電池で熱と電気を供給するコージェネレーションシステムや太陽光発電、排熱利用の温度差発電、電力貯蔵施設などで構成。事業所ごとに電力などの需要ピーク時間帯が異なるのに伴うエネルギーロスも最小限に抑える。

 事業期間は来年度から5年間。共同事業体は「新エネルギーと商用電源の効率的な複合利用と事業所間のエネルギー調整システムを探る実証試験」(仙台市企画局)と位置付け、新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)の委託研究指定を目指す。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040123-00000017-khk-toh

04/01/26 企業研究者が出前授業、理科面白く 最先端触れ児童大喜び(京都新聞)

 京都企業の研究者が京都市内の小学校に出向いて環境をテーマに話す「出前授業」が児童たちに人気だ。燃料電池や酸性雨問題など実験も交え、最先端研究を身近に理解できると好評で、企業側も未来の技術者、消費者に興味を持ってもらう第一歩と力を入れている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040126-00000038-kyt-l26

04/01/26 富士通、高濃度燃料が利用可能なマイクロ燃料電池を開発、大容量化を実現(MYCOM PC WEB)

 今回開発された技術はメタノールクロスオーバーを低減する材料技術だ。メタノール透過速度が低い芳香族炭化水素系の固体電解質材料の表面に、高活性な白金系ナノ粒子触媒を高密度に固定化した電極触媒層を形成、メタノールクロスオーバーを1/10程度に低減した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040127-00000097-myc-sci

04/01/28 大ガス、家庭用燃料電池向けLPG改質装置を開発(日刊工業新聞)

 独自開発の改質機をFCメーカーへ供給して事業化するもので、価格はユーザー渡しで50万円での販売を目指している。国の補助をプラスしてもなおコストがアップする分は、当初は自ら負担する方向だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040128-00000022-nkn-ind

04/01/28 燃料電池利用熱電併給システムの試作機開発=荏原バラード(時事通信)*荏原とカナダのバラード・パワー・システムズ社との合弁会社、荏原バラード(東京)は28日、燃料電池を使った家庭用コージェネレーション(熱電併給)システムの試作機を開発し、実証試験用に大阪ガスに出荷したと発表した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040128-00000322-jij-biz

■ニュース短信
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●玉川大・ハイブリッド車が豪大陸4000km横断

 太陽電池・燃料電池ハイブリッド駆動のApollondine(アポロンディーヌ)号が03年12月19日、西オーストラリア州の州都パースをスタートし、27日にシドニー(サウスウェールス州)にフィニッシュした。
 車両の主な仕様は次の通り。

 全長4000mm×全幅1500mm×全高1000mm、電源:太陽電池=シャープ製直流480W、他にキャノピーにKYOSEMI(旧・京都セミコンダクター)製球状(φ1.8mm)太陽電池120mm×120mm=0.321mW搭載、燃料電池=バラード製Nexa直流1200W、電圧22〜50V、560mm×250mm×330mm、13kg、2次電池=東芝製リチウム・イオン電池LGR18650P=18並列26直列3.2kWh搭載、20kg、高圧水素タンクは岩谷産業提供の03WSR(ワールド・ソーラーカー・ラリー秋田)燃料電池車カテゴリー仕様の19.6MPa、3.0Lボンベ(φ105mm×507mm、1.6kg)とJFE提供のタンクを使用。最高速度110km/h、巡航速度60km/h(燃料電池走行)、80km/h(ハイブリッド走行)、前2輪・後1輪で後輪駆動(ディスクブレーキ内蔵DCブラシレス・ホイールイン・モーター)。

 主なコンポーネントと12月17日〜27日の走行日誌、写真は1月15日に下記ホームページで公開された。燃料電池の搭載で、昼間走行のみのソーラーカーにはないヘッドライトを装備して野生動物との衝突に注意しながら一部は夜間走行も行った。日中は50℃を超える南半球の真夏で酷暑によるモーターの故障や水素漏れ検出器の誤作動が起きたが予定通り完走した。このプロジェクトは、世界最長のソーラーカーレースであるWorld Solar Challenge(ダーウイン〜アデレード間のオーストラリア大陸縦断約3000km)の創始者のHans Tholstrup氏がパース〜シドニー間4000kmを草創期のソーラーカーQuiet Achiever号で単独横断に成功して20周年を記念して新しいエネルギー源による車で行われた。車名の由来は、ギリシャ神話のApollo(太陽神)とUndine(水の妖精)に由来し、太陽エネルギーと水素エネルギーのハイブリッドを表す合成造語。
http://tscp.tamagawa.jp/shc/

■海外ニュース(1月ー2)
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<輸送>
●米国空軍、燃料電池バスで成果

 Enova Systems社はハワイ州ホノルル市にあるエノヴァ基地で米国空軍の初の燃料電池ハイブリッドバスに燃料電池を搭載することに成功した。このバスプロジェクトには、Enova社、米国空軍、ハワイ州のHigh Technology Development Corporation(HTDC) 及びHydrogenics社が参加している。
http://www.enovasystems.com/investor/pressContent/12112003.asp

●GVBが水素燃料バスの運行を開始

 オランダ−アムステルダム交通局(GVB)が同市北部の路線で水素燃料バスの運行を開始した。バスは天井に設置した九つの水タンクから水素を取り出す仕組みで、タンク当たり250km(155マイル)の航続距離に相当する燃料を供給できる。プロジェクトは2年間の予定で、予算は7百万ユーロ(860万ドル、約9500万円)。EU、オランダ交通省、アムステルダム市議会から資金が提供される。また、プロジェクトにはダイムラー・クライスラー、Hoek Loos, Nuon、シェル、オランダ環境エネルギー省も参加している。

<定置用電源>
●エール大学、燃料電池を寄贈

 FuelCell Energy社、コネチカットクリーンエネルギー基金及びエール大学は、同大学のPeabody美術館側の環境科学センター(ESC)で使用する高効率DirectFuelCellィ 電源プラントを寄贈した。250 キロワット級燃料電池は建物の電力需要の約25%をまかなうことができ、同時にESCの厳しい温度、湿度管理の為の熱も供給する。
http://www.fce.com/#

<燃料・改質器・貯蔵>
●Proton社が新型水素発生器を発表
 Proton Energy Systems社は、12月のPOWER-GEN国際会議で水素発生器HOGEN Hシリーズを発表した。Hシリーズはボンベはトレーラーガスに比べ僅少なコストで27/7級超高純度水素を時間当たり80〜240ft3-STD製造できる。
http://www.protonenergy.com

●Dynetek社がフォードに水素貯蔵システムを納入

 Dynetek Industries社は フォードモーターの2004年型フォーカス燃料電池ゼロエミッション車向けに車載型水素燃料貯蔵システムを納入する。Dynetek 社は350bar(5000 psi)認証済み水素貯蔵高圧貯蔵システムを使い、貯蔵容器とコンポーネント一式を供給する。
http://www.dynetek.com

<報告・市場調査>
●固体酸化物型燃料電池

 Business Communications Company社(BCC)は最新の"RGB-282 Solid Oxide FuelCells,"レポートを発行した。レポートの推算では、現在の固体酸化物型燃料電池(SOFCs)の国際市場は1億2300万ドルで、その内、北米市場が6700万ドルを占めるとしている。
http://www.bccresearch.com/

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