□燃料電池ワールド
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■Vol.111 2003/09/24発行
◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM
■お知らせ
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☆秋のイベント、ボランティアのお願い
秋の深まりとともに各地で新エネルギー関係のイベントが盛んに行われます。PEMーDREAMも燃料電池自転車をひっさげて、以下の日程で参加・協力します。各所とも数人の方のボランティアをお願いしたいので、参加いただける方がいらっしゃいましたら info@pem-dream.com までご連絡ください。1日だけでも結構です。
10月11(土)〜12日(日) 杉並区環境博覧会
10月17(金)〜18日(土) 都市公団八王子研究所
10月25(土)〜26日(日) 千葉県野田市産業祭
11月8(土)〜9日(日) 長野県飯田市
11月中旬 新潟県(予定)
12月11(木)〜13日(土) エコプロダクツ2003(東京ビッグサイト)
☆10月市民講座はお休みします
上記のようにイベントが集中してしまいましたので、10月の市民講座はお休みします。
☆燃料電池バスに乗りましょう!(再掲)
東京都は8月28日から、路線バスとして燃料電池バスを走らせています。このバスには、1乗車200円を払えば誰でも乗れます。このバスに多くの人が乗ることで、燃料電池バスに対する関心が高いことを示せます。それは、都市の大気汚染を早く解決して欲しいという世論の表れともなるでしょう。首都圏に住んでおられる方も、出張で東京に来られた方も、時間をやりくりして乗ってみませんか。路線や時刻の詳しい情報は以下のホームページで知ることができます。
http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/community/news/new/topics01-287.htm
☆『燃料電池パワー』Vol.11 の内容
【今週の燃料電池関連画像】
・『燃料電池バス画像・2』1997年のダイムラークライスラー社の燃料電池バス「NEBUS」。計2枚。
【沼崎英夫/技術レポート】
◇カナダの水素エネルギー技術戦略〈2〉Hydrogen and Fuel Cells 2003 レポート【山本寛ウォッチング/燃料電池と常温核融合】
◇これが Hydrogen Cell か?
※このメールマガジンは、より専門的な情報をPEM−DREAM会員に提供しています。サンプルは、http://www.pem-dream.com/conts.html
☆「遊んで作る燃料電池100円実験キット」と材料提供(再掲)
日本中、どこでも誰でも、手軽に、安全に、安上がりに燃料電池の原理を実験できる「遊んで作る燃料電池100円実験キット」。このキットの材料と製作ストーリーを書いた資料をメールで無料で差し上げています。ご希望の方は、
info@pem-dream.com までお申し込み下さい。
また、すでに資料を請求された方から、材料として使うLEDと電線が入手しにくいので対応できないかとの相談がありました。そこで、私たちが常備している中から、希望する方に提供することにしました。
内容は、LED3個と電線20cmくらいを2本です。ご希望の方は、切手200円分(郵送料含む)を事務局までお送り下さい。折り返し郵送します。
・宛先 〒198−0032 東京都青梅市野上町4−3−4ベルドール河辺201
燃料電池NPO法人PEM−DREAM
■燃料電池関連イベント
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☆SSKセミナー(再掲)
「21世紀「水素社会」への道程」
◇講師等:<1>21世紀「水素の時代」を迎えて
平田 賢氏(芝浦工業大学先端工学研究機構客員教授、東京大学名誉教授)
<2>東京ガスの描く水素エネルギー社会
近藤 健比古氏(東京ガス(株)R&D本部水素ビジネスプロジェクトグループマネージャー)
◇日 時:9月30日(火) 午後2時〜5時
◇会 場:明治記念館(東京都港区元赤坂2−2−23)
◇受講料:29,800円(消費税込)
◇主 催:株式会社 新社会システム総合研究所
http://www.ssk21.co.jp/seminar/S_03254.html
◇問い合わせ・申し込み:
株式会社 新社会システム総合研究所
TEL 03−5532−8850
申込受付FAX 03−5532−8851
E-mail info@ssk21.co.jp
または、上記HPから申し込みができます。
■PEM−DREAMニュース
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☆「9月燃料電池市民講座」報告
今回は、「燃料電池自動車の曲がり角」というちょっとセンセーショナルなタイトルを勝手につけたので、ゲストの高中公男氏(矢野経済研究所電子・システム産業調査本部研究員)も少し困惑されたようである。だが、このタイトルにひかれて参加された方もいらして、話の内容も綿密な調査と事実に基づいた濃いものであったので、主催者として80点の満足度(20点は運営の仕方などの主催者側の問題です)だったと思う。
高中氏は、「最近、燃料電池自動車の報道が減ってきているのは、動きが止まっているからだ」と切り出された。誤解をされるといけないのでお断りしておきたいのは、高中氏が話されたのは燃料電池自動車についてであって、他の分野、定置用や携帯用などについてではない。動きが止まっているというのも自動車分野の話である。燃料電池は当初、自動車への適応で華々しくデビューしてきたために、他分野への適応も同じような技術で行われていると考えられることがある。実際は、同じ燃料電池と呼ばれていても適応する対象によって技術がかなり違う。
自動車分野での燃料電池の技術革新は、90年代後半が一番活発であった。燃料電池で自動車を動かすことができた時からほぼ10年が経ち、もう実車として走っている。ものすごい開発のスピードだったが、ここから先はコストと耐久性という高いハードルが残された。そのハードルを乗り越えられる可能性があるのは、トヨタ、GM、ダイムラークライスラー(以下、ダイムラーと略す)の3社しかない。資金力の問題だ。
1999年、ダイムラーは「2004年に10万台、そのうち5万台をダイムラーが、残り5万台は他社が供給する体制ができるだろう」というメッセージを発信したが、現在は「2010年に向けて量産化の技術が確立できれば、2020年に向けてその準備に入る」という具合に変わってきた。ダイムラーはバラードの燃料電池を使って自動車に組み上げた。最初の5年間は順調にいったので、同じように投資していけば技術は進むだろう、と考えたのかもしれない。だが、違った。ダイムラーの燃料電池開発センターにいたバラードの技術者は、開発体制の見直しで現在はカナダに引き揚げてしまっている。ダイムラーにとって、バラードと組んだことが燃料電池のブラックボックス化を招いてしまった。
トヨタとGMは、燃料電池そのものから自社開発をしてきた。そのため、燃料電池を自動車に適応するとどうなるのかという技術を持つことができた。もちろん、ダイムラー、バラードの開発がある程度見えていたので、技術革新はかなり圧縮されたのだろう。そうして自動車業界は現状では一定の水準まで来たが、ここから先は未知数のところがかなりあって、その技術革新にさらなる投資を続けていけるかどうか、という状態に直面している。
利益を上げている内燃機関の技術革新も急速に進み、ハイブリッドや水素内燃の方向がはっきり出だした。さらに、電池技術の進展で電気自動車もあり得るかもしれない。これらは燃料電池自動車よりも実現性が高い。トヨタが燃料電池自動車の水素漏れで、発売した全車を回収したのは、まだ水素のシールの技術すら確立されていない状態だというメッセージだった。
ヨーロッパではCUTE(ヨーロッパのためのクリーンな都市交通)プロジェクトが進められている。これは燃料電池バスのプロジェクトと思われているが、インフラ整備のためのプロジェクトで、バスはデータ収集に使われる。もうひとつのECTOS(環境配慮型都市交通システム)プロジェクトとともに、燃料電池バスが普及していく可能性が高い。環境負荷が一番大きい大型車であり、公共性が要求され、ニーズがある。また、販売もしやすい。問題はインフラだけだからだ。限定的な区間で走れるインフラを整備し、それを徐々に広げる。そうしながら燃料電池自動車を見極めていこうという方向だ。
日本では今、燃料電池はブームであり、資金も出やすい。それだけに、やっぱり駄目じゃないかという議論が出てきて、逆に振れてしまう危険がある。見守りながら、開かれた啓蒙活動を活発にしていく必要があるだろう。
以上が話のコアの部分である。講演録の全文は近く『燃料電池パワー』に掲載するが、枝葉の興味深い話もたくさんあった。参加者は実際に燃料電池をいじっている方が多く、高中氏の話に共感していた。現場では、燃料電池は金食い虫の悪魔になっているのかもしれないと思った。
もう1人のゲスト、沼崎英夫氏からは『第1回燃料電池ジャンボリー現地報告』が写真を写しながら話された。こちらは燃料電池丸見えのオープンな話で、産業とは違う楽しさがあった。この詳細は8月20日号の報告とダブるので割愛させていただくが、お二人のゲストの燃料電池に対する違った側面からの話は、参加者の胸に波紋を描いたようである。参加者の方から以下のような感想が寄せられた。
「今回(市民講座の参加は)2回目でしたが、前回同様に非常に興味をそそる内容であったと思っています。あくまでも個人参加なのですが前回1回目以降、弊社および周辺会社の動向を素人なりに調べてみたのですが、席上、高中様がお話された動向とほぼ同様の流れになっているのではないかと感じております。
逆に市民レベルのプロジェクトの方が非常にオープンではないかと感じております。大なり小なりカーレースで学生さんが実体験しているFCのトラブルは、一般企業、研究室等でFCスタックを試作している研究者と同じではないかと思っています。要はそれを論文に書くか、修理をするかの違いだけではないでしょうか?
百聞は一見にしかず、自分で汗かいて修理したエンジニアの実体験の方が、著名な教授、研究者(の論文)より遥かに聡明なのではないかと思います。ぜひ、我々市民レベルの知見が企業へはねあがるくらいのオープンな活動になるよう今後とも活発な活動・発展を期待しています」
■WEB LINK NEWS
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03/09/17 燃料電池車を初公開 三菱自、ダイムラーの技術で(共同通信)
三菱自動車工業は17日、資本提携関係にあるダイムラークライスラーの技術を使って開発した燃料電池車を初公開した。披露したのは「MITSUBISHI FCV」。ミニバンの「グランディス」にダイムラークライスラーの燃料電池システムを搭載。1回の燃料充てんで150キロを走行する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030917-00000123-kyodo-soci
03/09/17 NEC、ノート向け燃料電池を小型化(ZDNet)
カーボンナノチューブ(CNT)を電極に使用し、高い発電効率を得た。電圧12ボルトで平均出力は14ワット(最大24ワット)、セル最大出力密度は50ミリワット/平方センチ。濃度約10%のメタノール300ccを使用し、約5時間の駆動が可能という。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030917-00000035-zdn-sci
03/09/18 博多湾大量発生・アオサ対策 メタン発酵で燃料化−−福岡市が研究開始
/福岡(毎日新聞)
検討委員会では、アオサを発酵させる好塩性細菌の選定や、ガスエンジンの燃料、燃料電池への実用化の検討が始まった。市環境局は「年々炭素分の少ない燃料が使われるようになっているのでメタンガスは有望だ。実用化にかかる費用についても調べたい」と話している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030918-00000004-mai-l40
03/09/19 DJ-サットコンが大幅高、石化プラント向け小型電源調整システム開発で(ダウ・ジョーンズ)
同社がこの日、石油化学プラントで使用される75kw燃料電池用の小型電源調整システムを開発したと明らかにしたことが買い材料になった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030919-00000026-dwj-biz
03/09/20 【リリース・電気機器】ST、携帯電話のバッテリーに取って代わるマイクロ燃料電池の可能性(日刊工業新聞)
シリコンチップのリーディング・メーカーの一社であるSTマイクロエレクトロニクスは、携帯電話、ノートPC、その他の携帯端末で従来型のバッテリーに代わる未来の電気エネルギー源として注目されている燃料電池の分野において、STのR&Dチームが超小型燃料電池技術の研究開発成果をあげたことを発表しました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030920-00000211-nkn-ind
03/09/20 第45回県発明くふう展 入賞作品19点決まる 鳥取市で来月3日から展示 /鳥取
【児童・生徒の部】▽県教育長賞=「燃料電池によって動くレゴ遊園地」牧嶋啓(三朝町立西小5年)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030920-00000002-mai-l31
■海外ニュース(9月ー3)
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<輸送>
●NASAがテレダインへ430万ドルのオプション契約を授与
NASAは、グレン研究センターへの“エンジニアリング・モデル”PEM型燃料電池システムの開発と設置のために、テレダイン・エナジー・システムズ社に430万ドルの契約オプションを授与した。この7kWシステムは、NASAの次世代シャトルの開発計画で使われる。
http://www.teledyneenergysystems.com/news/news_nasa-pem.asp
<ポータブル/バックアップ電源>
●パルキャンがボーラーから受注
ボーラー・エナジー社は、パルキャン・フュエルセルズ社の燃料電池スタックを100個、次の12カ月中に納入するよう発注した。この燃料電池は、ボーラー社の携帯電源ユニットでバッテリー充電器の「Portapak VE100」に組み込まれる。
http://www.palcan.com
<燃料電池コンポーネント>
●モディンがバラードへ部品を提供
モディン・マニファクチャリング社は、バラード・パワー・システムズ社から同社の自動車用燃料電池エンジン対応の熱と水分管理部品を受注した。モディン社は、ダイムラークライスラー社とフォード社のために製造されている燃料電池エンジンに組み込むために、バラード社へ熱変換と水分管理の部品を提供する。
http://www.modine.com/english/index2.php?&expand_index=9&pagecontent=news/display.php&News_id=125
<報告・市場調査>
●バッテリーと燃料電池部品
フリードニア・グループ社の最新の研究『バッテリーと燃料電池部品』は、米国のバッテリーと燃料電池需要が2007年までに毎年6.8%上昇して48億ドルになるだろうと予測している。
http://www.freedoniagroup.com
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■燃料電池ワールド
□毎週水曜日発行
□編集・発行:燃料電池NPO法人PEM−DREAM
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