燃料電池ワールド (2003/01/29 10:00)

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□燃料電池ワールド
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■Vol.079 2003/01/29発行

                   ◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM

                        ◇http://www.pem-dream.com/

■お知らせ
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☆第2回国際自動車用代替燃料フォーラムに参加されませんか。(再掲)

 エナジーエクスチェンジが主催する第2回国際自動車用代替燃料フォーラムと第1回代替固定電源ワークショップがそれぞれの分野で最も経験豊富なパイオニアを発表者、パネリストに迎えて開催されます。

 2002年の第1回はシュツットガルトで開催され、自動車用に焦点を絞った2日間のセッションとエクセルシス(ダイムラークライスラーの燃料電池自動車「Necar」の開発会社)の研究所見学と燃料電池バスの試乗が行われました。

 参加者には、EUのエネルギー政策担当者、自動車会社、石油会社のトップなど、代替エネルギーの将来展開の鍵を握るキーパーソンが多く、ネットワーキングにも非常に有用な国際会議でした。

 2003年はミュンヘンで2月17日から3日間開催され、固定電源分野のセッションも加わって昨年より充実した内容となっています。又、ミュンヘン国際空港での燃料電池バス試乗と水素ステーション見学も含まれています。

 発表者には、フォードモーター、フォルクスワーゲン、ボルボ、バラード・パワー・システム、アイスランド大学、アイスランド新エネルギー会社、リンデ、エクソン・モービル、シェル・インターナショナル、クイックパワー、グリーンエナジー、ミレニアム・セル、ヴァイラントなどが予定されています。

 ご興味を持たれた方は下記で詳細をご確認下さい。

http://www.theenergyexchange.co.uk

Claire Pallen - Conference Director - c.pallen@theenergyexchange.co.ukCharlotte Hodson - Marketing Manager - c.hodson@theenergyexchange.co.ukTel: 00 44 (0)1242 529 090 / Fax: 00 44 (0)1242 529 060

文書作成者:難波多加志((株)アイシーティー)

原文 <wra@theenergyexchange.co.uk>.
----------Original Message Received----------
* * Updated conference programme with new speakers attached * *

The Energy Exchange's Global Alternative Fuels Forum for AutomotiveApplications and their first Alternative Power Sources for StationaryApplications Workshop is set to unite a speaker panel of the mostexperienced pioneers of the alternative fuels automotive and powerindustries with an international senior level audience.

SPEAKERS INCLUDE:

* FORD MOTOR COMPANY * VOLKSWAGEN * VOLVO CAR CORPORATION * BALLARD POWERSYSTEMS *
* UNIVERSITY OF ICELAND AND ICELANDIC NEW ENERGY COMPANY * LINDE *EXXONMOBIL *
* SHELL INTERNATIONAL PETROLEUM * KWIKPOWER * GREENERGY * MILLENNIUM CELL *VAILLANT *

EVENT SPONSORED BY: KWIKPOWER

For further information please contact:

Claire Pallen - Conference Director - c.pallen@theenergyexchange.co.ukCharlotte Hodson - Marketing Manager - c.hodson@theenergyexchange.co.ukTel: 00 44 (0)1242 529 090 / Fax: 00 44 (0)1242 529 060

→お問い合わせは、info@pem-drea.m.com へ。

☆カナダ燃料電池業界の視察旅行、目標人数までもう少し

 カナダ・バンクーバー視察旅行のお問い合わせを16名の方からいただいています。企業の方、大学の方、個人とバラエティに富んでいます。15名になると添乗員をつけることができます。目標は20名です。今月末に一応の締めを行いますので、参加ご希望の方はお早めにメール(→info@pem-dream.com)で案内書の郵送先をお知らせください。主催旅行代理店である日本通運株式会社から、旅行条件などのパンフレットをお送りします。
○日程 2003年3月4日(月)〜8日(金)このうち、3日間を視察にあてます。
○人数 20名以内
○費用 23万円
○宿泊 1人1室
○通訳 現地のAグレードの通訳をつけます。
○主催旅行代理店 日本通運株式会社
○訪問先(現在、詳細を打ち合わせていますが、変更があるかもしれません)
・バラード・パワー・システムズ社:PEM型燃料電池のトップリーダー企業。社内視察は昨年から禁止されているが、本社と工場の外観を見学。
・パワーテック・ラボ社:BC州水力発電公社の高圧ガスシステム研究機関として、電力と天然ガス、水素の研究開発を行っている。
・メタネックス社:世界最大のメタノール生産企業。ダイレクト・メタノール燃料電池を始め、メタノール改質型燃料電池自動車をサポートしている。
・グリーンライト・パワー・システムズ社:燃料電池試験装置製造会社として、バラードの初期の頃から関わっている。今年4月、東陽テクニカと契約している。
・マグパワー・システムズ社:水素を使わない「マグネシウム/空気燃料電池」の開発を行っているベンチャー。2003年に最初の商品を出す予定である。
・ジュエネラル・ハイドロジェン社:バラード社の創立者であるバラード博士が設立し、燃料電池の技術開発と投資を行っている。バラード博士との面会を調整中。

☆グッズ第3弾 『水素経済革命』(山本寛著、新泉社)の取り扱い開始〔再掲)

 昨年9月の燃料電池市民講座で「燃料電池と水素エネルギー」のお話をしていただいた山本寛氏が、標題の新しい著作を出版されました。世界はなぜ「水素経済」を目指し始めたのか、現在その状況はどうなっているのか、日本にとってどういう意味があるのか等々、最新の情報に基づいて全体像が分かりやすく書かれています。

 定価1400円(税、送料別)のところ、NPO特別価格として税、送料込みで1500円(PEM−DREAM会員は1割引))で提供します。ご注文はメールinfo@pem-dream.com で、郵送先と冊数をお書きの上お申し込みください。

☆「燃料電池+ミニカー」組み立てセットの普及が加速〔再掲)

 資源エネルギー庁がエネルギー教育用教材キットに取り上げてから、この注文が増えました。基本部品の3セルPEM型燃料電池と水素ガス缶、LEDに、スケルトンのミニカーがセットです。

 自分で組み立てた燃料電池をミニカーにセットして、水素を供給して走らせることができます。直線で20メートルくらい走ります。燃料電池単独でも使えます。楽しみをプラスした燃料電池セットは、NPO特別価格15000円(税、送料込み。PEM−DREAM会員は1割引))です。
 ご注文はメール info@pem-dream.com でどうぞ。また、写真は
http://www.pem-dream.com/kit.html でご覧ください。
※激走―そして激突!? 燃料電池ミニカーの23秒ビデオ 鳥取県の信原一郎さんが、ミニカーの激走ぶりをビデオで撮影してくださいました。チョロQのようなユーモラスな走りっ振りに大笑い。どうぞ、ご覧ください。(データが少し重いです)
http://www.pem-dream.com/move.html

☆「ソーラー+燃料電池」学習キットも高校を中心に広がる〔再掲)

 太陽光発電、水素の製造、燃料電池について、中学から高校生程度の物理と化学の基礎知識を学びながら実験を進めるこのキットは、高校の先生からの問い合わせが増えています。特に関心を持たれているのが、再生可能な循環型エネルギーの仕組みが分かりやすいことで、環境教育のテーマになっているようです。

 株式会社のもとが Thames&Kosmos から輸入している燃料電池学習キットは、100頁の英文テキストと和訳テキストで、30種類の実験のやり方とテーマの内容について詳しく解説しています。販売価格24000円(税、送料別)のところ、NPO特別価格23000円(税、送料込み。PEM−DREAM会員は1割引)で提供します。
 ご注文はメール info@pem-dream.com でどうぞ。また、写真は
http://www.pem-dream.com/kit02.html でご覧ください。

■PEM−DREAM NEWS
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☆1月の市民講座報告
◎燃料電池車と排出水分(その2)

 「燃料電池車が走ると道路がアイスバーン状態になるかもしれない」という危惧に対して、前号ではそのようなことは起きないだろうということを書いたが、市民講座に参加された方から、違う話を伺った。

 彼は先週、アメリカ北東部のミネソタ州ミネアポリス市に1週間滞在していたそうである。26日の日経新聞に報道されていたように、その時期、ちょうど厳しい寒波が襲った、軒なみ氷点下の最低気温が続いている。彼が滞在したミネアポリス市では、マイナス25度Cまで下がったそうである。自動車に乗るためにも寒さに対する完全防備の服装が必要だった。途中でエンコしたらレスキューが到着するまで待たなければならないからだ。

 ここには Black Ice という言葉があるそうだ。ガソリンエンジン自動車から出される水分が道路上で薄く凍ってしまう。厳しい寒さのためにその氷は透明なので、道路舗装の色がそのまま見える。それで、ブラック・アイスと呼ばれる。現地の人々は普段と変わらずに運転をしているが、1月23日早朝にブラック・アイスに起因する交通事故が起きたという。
※Black Ice については
http://www.enteract.com/~icebike/Articles/TechniquesBlackIce.htm

 ここまでは事実の報告。我々は新年会ということで一杯やっていたこともあって、会話は先へ進む。

 「日本では想像もできないけど、あり得るんだね〜」
 「燃料電池車はまだできたばかりだから、これからなんだよ」
 「でも、これじゃあロシアには普及しないね」

 「まず温帯からだな。日本が先陣を切れたのも地政学的なものがあったからかもしれないね」

 (トヨタとホンダの開発に携わった方々の努力を多とした上での会話です)

 燃料電池を大好きではあっても直接いじっているわけではないので、こうしたディティールの話は想像に想像を重ねることになる。そのときは面白くても、文字にすると少し恥ずかしくもなるので、本題に入ろう。

◎知らせたいことをきれいに効率よく知らせる――建築のデザイン・マネジメント

 今月のテーマは「デザイン」。人によって受け止め方は様々だろうが、情報伝達でデザインが重要な役割を果たしていることは知っている。この日、(株)ケノスの小林清泰さんと田村優介さんは、いくつかの事例をもとに、「デザインする」という作業がどういうプロセスをたどって進められていくのかを紹介してくれた。

 社内で業務時間外で進めている自主プロジェクト「ECO ENE STATION」の模型がテーブルの上にドンと置かれた。この模型は100分の1のサイズで作られている。建物も犬も人間も自動車も全てそのサイズなので、リアルに位置関係や雰囲気が伝わってくる。
※写真→http://www.pem-dream.com/shimin.html/

 「こういうものがあったらいいな」という発想を原点にして、それを具体的な形で提案する、あるいは、これは一体どんなものなのかという情報を、わかりやすく簡潔に伝える。そういう付加価値をつくるのがデザインという仕事だ、と小林さんは話した。彼は、「とても残念に思っているのが、燃料電池というネーミングです。確かに英語の Fuel Cell を日本語に直訳すれば燃料電池となるが、その意味は伝わってこない。燃料電池という言葉が逆に、燃料電池の理解を妨げることになるのではないかと心配です」と指摘する。

 また、昨年11月に行った横浜・鶴見の水素ステーション見学会にも参加して、「このステーションの前を通る人が、これは何の施設かということが一目でわかれば、水素ステーションの存在を多くの人に伝えることができるのに」と感じたという。その一つの提案を、この日のためにスケッチを作ってくださった田村さんが見せてくれた。瞬間、デザインと言われているものの実体を感じた。万人がいいというかどうかはわからないが、水素ステーションをもっと多くの人に知ってもらいたいという想いを表現し、これがガソリンスタンドとは違う水素ステーションであることを知らしめている。一つのマークがそのことを可能にしているのだ。
※写真→http://www.pem-dream.com/shimin.02.html/

 水素ステーションの現状は、昨年初めて第1号が建設された段階で、何よりも安全を確保し、法規制を遵守することに最重点が置かれている。作る側の方から「せめて配管が見えないように気を配った」という話を伺い、努力されていることは理解できるが、こちらも欲が深い。参加者からは、「国の補助金を使っているから、こういうところにお金を回せないんじゃないの」という意見も出された。そこらの事情は知るよしもないが、今努力していることに付け加えて、という辺りがデザインの分野だろう。機能だけではヒット商品にはなれない。「燃料電池と水素が早く総合的な力を高めて、社会的な支持を得られるように、デザインの分野ではこんな考えもできます」という異業種交流の市民講座だった。

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 □編集・発行:燃料電池NPO法人PEM−DREAM 

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